凡人は天才を夢見る   作:ゆっくり霊沙

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極貧アイドル

「ここが君が働く職場スィー!!」

 

「トレーニングジムじゃないですか!!アイドルは!?私、アイドルでスカウトされたんじゃないんですか!!妖精さん(社長)」

 

「僕は戦車道の選手として発掘したスィー!!」

 

「え・・・じゃあアイドルは?」

 

「家にそんな部署は無いスィー!!やりたきゃ作れっスィー!!」

 

「えぇ!!」

 

(ナナピーンチ・・・とか言ってる場合じゃない、戦車道とアイドル両立しないと・・・。)

 

なぜ両立させなければならないか・・・年俸の額が2000万円を提示されたからだ。

 

「来年から戦車道のプロリーグができるスィー!!だからその広告塔に安部菜々ちゃんはぴったりだったスィーな。」

 

「で、でも・・・。」

 

「甘ったれるなよ小娘、高校にも行ってないのにアイドルだぁ?春でも売ってろ。・・・年俸は投資だ。何に使うかは任せるが、その金の使い方で首切るからな。」

 

「えぇー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よかったんですか?社長さんよ。」

 

「なんだ貴様か。」

 

「シックスでも孫は可愛いってか。」

 

「ぬかせ。私の孫だぞ。どんな才能があるか楽しみじゃないか。」

 

「火火火、性格も顔も全く似てないがな。」

 

「さて、営業だ。行くスィーよ!!」

 

「へいへい、火火火。」

 

(家出した娘を探していたら孫が見つかるとはな。・・・全く、私が保護しなければどうなっていたか。)

 

シックスは孫を溺愛しているが、それを知らない菜々は苦労する。

 

 

 

 

 

 

 

「カツカツに削るしかない・・・なんでこんな目に。・・・お給料実質無し。戦車道で成績を残すこと、アイドルとしての知名度を上げること、両方やらないと!!」

 

ネットで戦車のオークションを見るとどれもメチャクチャ高い。

 

安いチハ等の日本車でも1両50万もする。(高い王虎は2000万もするが、これらはコピー品であり、1945年までに生産された物ならヘッツァーでさえ15億になり、黒森峰のマウスは〇兆円する。なんであるかなぞである。)

 

「安く仕入れられてアイドル活動ができるような場所・・・無いかなぁ。無いよね・・・。」

 

まだ若い安部菜々はこれから約15年間苦労人として有名になっていくが、この時期はまだどこにでも転がってそうな一発逆転を狙う馬鹿な若者でしかない。

 

 

 

 

 

 

少し時間は遡り、お茶会の時

 

「あら、今日は色々な人が居ることで。」

 

「ふふん、カチューシャの後継者達よ!!」

 

カチューシャとダージリンは仲が良い。

 

定期的に情報交換もしているため他校から見ると同盟関係にあると噂されている。

 

後継者の言葉にノンナは今日は居ないオットーことほむを追加するように言いたいが、空気的に言えずにいた。

 

「お茶とお菓子をお持ちしました。」

 

「あら?この子は始めてみるわね。ダージリンあなたの?」

 

「えぇ、来年にはこの戦車道部を任せるオレンジペコよ。」

 

「オレンジペコと申します。カチューシャ様、ノンナ様、チルノ様、ニーナ様、アリーナ様。」

 

「礼儀正しい子は好きよ。」

 

「ニーナって言うんだっぺよ。」

 

「アリーナって言うだ。」

 

「あたいはチルノ。」

 

「カチューシャ、チルノさんは大きすぎないかしら?」

 

「その分力持ちなのよ。チルノ、あれをやって見せて。」

 

「了解。」

 

キョロキョロと周りを見渡し、部屋にあるグランドピアノを見つけると、フンと言って持ち上げる。

 

200キロ以上あるピアノが持ち上がるので力が凄いことは判明するが

 

(カチューシャが居なくなったら暗黒期にに突入するのは変わらないわね。オレンジペコならわかってると思うわ。)

 

(カチューシャさんは確かに凄い、ノンナさんも砲手や補佐としても優秀・・・だけど後継者がダメダメ。ダージリン様の顔からして縁を切れとおっしゃっている。)

 

ほむも苦労が絶えない。


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