中学3年の夏という節目の時期だが、戦車道も次世代に突入しようとしていた。
『世界戦車道、4年後の開催地は・・・和歌山!!』
世界最大の戦車道の大会が和歌山県で開催されることが決定し、日本政府は東京のオリンピックと関西の戦車道大会で日本経済再建に力を入れ始め、日本ではマイナーだった戦車道を野球やサッカー並に人気の有るものにするため16の県にプロチーム創設を依頼。
文部科学省はこの2つのイベントから戦車道を大規模にするため、老朽化した学園艦の再整備、統合もするため、新型学園艦計画と博打に出る。
この動きに東西の戦車道の名門は世界ルール変更の建て直しで手が回らない中小勢力を今回は組み込むことに成功し、残ったところは千葉の妖精と呼ばれるハイテンション集団(デパート、コンビニをやっており、国内140店舗の何で戦車道をやってるかわからない道場)は膨大な企業の利益で普通に耐え、長野の魔物と呼ばれる家族経営道場の連合も耐えた。
ちなみに風見流は帰農しているので、この連合には不参加である。
聖のところは完全に煽りを受けてしまい、一家離散の手前まで進む最悪の事態になるが、祖父母、地域の関係者を説得して聖の家族をこちらに呼んだ。
聖は親友達とプラウダで再開を誓ったらしい。
聖自身はプラウダに編入した。
そんなゴタコダの影響か、様々な高校の士気が低下する。
実家が不安定だと気になって全力が出せないのはまだ良い方で、西住や島田の下に入るのを嫌い、戦車道をやめる娘もいた。
一番影響を受けたのが継続であり、まさかの初戦敗退。
・・・一方プラウダは
「ひ、か、カチューシャ様、こ、これは・・・実家が心配で・・・。」
「情報の流出を抑えるため戦車道部員は外部との連絡をするのを禁じた筈よ。ノンナ。」
「はい。」
「ひ!!イヤだぁ!!シベリアの強制労働はイヤだ!!」
「原始農業をやってもらうだけでこんなに泣くなんて・・・先輩でも引くわ。そう思わない?オットー。」
コクン
「来年はノンナ様、クラーラ様の負担を軽くします。」
「頼もしいわ!!」
混乱期こそ権力者が必要であるとほむことオットーは考えている。
信長しかり、レーニンしかり、ヒトラーしかり、ワシントンしかり・・・。
しかし、私にはそんなカリスマ溢れる才能はない。
一番近いのはスターリンか。
軍事的才能が無いのは戦車道の才能が無い私と似ているし・・・。
しかし、私はスターリンになるわけにはいかない。
神輿をつくらないといけない・・・いや、必死につくっている。
南だ。
私は彼女をさりげなくカチューシャに売り込み、最初はその巨体にビビっていたカチューシャだったが、砲手兼装填手としての実力がわかると南にチルノという名前をつけた。
ガチルノ伝説の始まりである。