私はよく長期休暇は船の外に出かける。
冬休み。
南は残って自主練、美琴は私に着いてきた。
私が向かったのは長野県・・・そこに昔に没落した流派がいることを本家の本に載っていたので知っていた。
風見流、旧満州軍にて滷獲したT-34で農地を守った男性達が元祖で、戦車ならなんでも乗る。
農業が主流のため副業的な戦車道としてしか意識していなかった風見流は戦後10年で没落したことになっている。
「パンジーが一面に・・・。」
「きれい。」
「ここに風見流の子孫がいるのほむ?」
「いる。電話で確認は取った。」
「へぇ。・・・でもなんで?」
「風見流は花を咲かせる。血の花を。」
「え?」
「実弾を使った殺人流派だった。今は違うけど。」
「あら?詳しいこと。」
前に緑色の髪をした女性が立っていた。
季節外れの麦わら帽子がなぜか似合う。
「小さい子じゃない。お茶を出すから家に来なさい。」
「お邪魔します。」
「お邪魔します!!」
「で、今私の子は小学校だけど、貴女達は何が目的?」
「戦車道のチームメイト探し。」
「貴女の名前は?」
「池田ほむ。」
「貴女は?」
「美坂美琴。」
「良い名ね。・・・私の娘に戦車道をやらせるのは自由。あの子の意思で良いわ。ただ、風見流はルールの中では何でもやるわよ。それは勝つために。」
「だからこそ欲しい。・・・とある中学の戦車道の選手が道を外したらそれは戦争と言った。戦車はそもそも戦争の道具。戦車道はその道具を借りてるもしくは竹刀のような練習用の道具でしかない。・・・私がしてるのは西住に対しての戦争。島田もいつか倒す。」
「強欲だこと・・・あの子は強い戦車に乗りたがるわよ。勝つために最高の戦車に。」
「私が思う最強の車両と娘さんの思う最強の車両は違うかもしれない。ただ、戦車だけでは最強にはなり得ない。乗る人で変わる。」
「貴女が乗ったら?」
「鉄屑以下。ただ、美琴が乗るなら最強の名に相応しい戦車になる。」
「そう・・・あら。お帰りなさい。幽香。」
「お母様、だれ、そいつら。」
「お客さんよ。幽香に戦車道のチームメイトになってもらいたいのですって。」
「へぇ・・・なら私を焚き付けるような物を見せてくれない。」
「これ、あげる。」
「へぇ、良くできた地図ね。で?」
「ここにある農業区を自由に使えるようにする。プラウダの。」
「それは魅力的ね、他には無いの?」
「ソ連のIS系列の戦車かSU系列の戦車に乗せてあげる。」
「まだ無いの?」
「プラウダの副隊長にもしてあげる。・・・こちらからも条件を出す。幽香の見込みが有りそうな友達4人プラウダに連れてくる。隊長の命令には絶対に従ってもらう。美琴とそこにある戦車のシミュレーターで勝負してもらう。」
「勝負に負けたら飲んであげるわ。勝ったらこの話は無し。」
「美琴、頼む。」
「え?え?」
こうして美琴と幽香のシミュレーター対決が始まる。