凡人は天才を夢見る   作:ゆっくり霊沙

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食いトレ

「う・・・。」

 

「早い・・・ゆで卵恐怖症になるの。」

 

「ゆで卵にマヨネーズかけて食べるのを夕食前に2個食べるなんて・・・。」

 

「そろそろアレンジ加えるから。」

 

「そうしてください。」

 

「あたいは何個でもいけるよ。」

 

「・・・もう一個食べます。」

 

南の驚異的な肉体を見ると食べないわけにはいかない美琴であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あたいは帰ってきた!!」

 

「継続。」

 

「小学校に通わない小学生がいるらしい。」

 

「私が高校レベルまで教える。」

 

「ほむって何者よ。」

 

「西住絶対倒すウーマン。」

 

「ただしそこまで憎悪は本家には無い・・・んだよね。」

 

「うん。」

 

漫才をしながら継続に私達は帰ってきた。

 

継続の今年の成績は3回戦敗退。

 

ギリギリまで粘ったらしいが、車両整備費用不足でシャーマンの足回りが故障していたため、速度が落ちてしまい、聖グロのチャーチルにフラッグ車を破壊され終了。

 

残りのテコ入れした各校も黒森峰にやられてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(この年でレポートを書く羽目になるとは・・・。)

 

黒森峰を倒すには黒森峰の戦術、保有戦車の弱点を上手く付かなければならない。

 

そのためどうしても引っ掛かるのがマウスだった。

 

フラッグ車両になることは滅多に無いが、時速25キロで動く化け物は本体より真っ直ぐ進む傾向が有るためマウスの進路がわかれば、腕の良い指揮官なら全体の進路がわかるだろう。

 

私にはわからないが。

 

「マウスを倒さない限り後ろには回り込めない。マウスの弱点であるホッペを貫通させるにはソ連のあの車両か弾数制限のある弾を使うしかない。・・・弾数制限のある弾でも角度によっては弾かれるからあの車両を使うしかない。・・・ただ、美琴も南もその車両に合ってない。」

 

机に顔を伏し、ズリズリと上下しながら考える。

 

凡人だから思いつくはずもなく、切り替えて、戦車の弱点を事細かく書くだけに留めた。

 

 

 

 

 

 

 

「ふ、ふう・・・。」

 

「美琴ちゃんお疲れ様。」

 

「お疲れ様です。」

 

「どう車長は?」

 

「し、しんどいです。ただ・・・」

 

「ただ?」

 

「感覚でなんとなく色々な事が見えます。砲弾が何となく飛ぶ方向や地形の起伏が。」

 

「運転しやすかったのはそういうことか。」

 

(それ以外にもわかる・・・第三者視点て言えばいいのかな?砲身がこちらを向いているのが壁越しに見えた。・・・KV-1でこれならもっと速度が出る車両ならどうなるのだろう?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《プラウダ初戦敗退。戦車強けど人育たず。監督解雇に。》

 

《育成の失敗か?》

 

「ねぇのんな、どう思う?私達が行く高校は?」

 

「しあ、前監督は頑張っていたと思います。」

 

「そうよね。・・・やっぱり私達が学校を変えるしか無いかもしれないわね。」

 

「この際です。渾名で加藤しあ・・・カチューシャでも名乗って独裁制を引いては?」

 

「いいわね。ならのんなはノンナね。」

 

「変わってませんよ。カチューシャ様。」

 

「い、良いのよ!!シベリア送りよ!!」

 

「様になってますよ。カチューシャ様。」

 

「何だかくすぐったい。」

 

プラウダ中学3年、加藤しあ、東條のんな。

 

カチューシャとノンナに改め無名の小娘は改革を起こす。


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