凡人は天才を夢見る   作:ゆっくり霊沙

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解雇

「これは上層部の決定なのだ。解ってくれ。」

 

「美城常務の命令ですね。今西部長も大変なことで。」

 

「・・・。」

 

「私はアイドルです。アイドルでないのならこの社から消えるのが適切ではないでしょうか?」

 

「・・・。」

 

「・・・。解雇と言ってください。」

 

「・・・本当に良いのか?ここに残れば可能性がまだ有るだろうに。」

 

「腰の怪我が限界で、営業も正直厳しいのです。」

 

「怪我をしていたのか!!」

 

「医者からは走ることはできないと言われてます。」

 

「なぜ我々に言わなかった!!」

 

「私のアイドル像は歌って踊れる声優アイドル。できないならばキッパリと辞める。」

 

「・・・そうか。わかった。こちらから解雇するから退職金も出す。すまない。」

 

「謝るべきはこちらです。報連相もできない私を雇ってくれてありがとうございました。」

 

 

 

キー

 

「失礼しました。」

 

バタン

 

 

「今西部長、私も彼女はシンデレラプロジェクトの糧程度の認知でいましたが。撤廃させてもらいます。彼女はシンデレラでした。」

 

「あぁ。失って初めて彼女の決意に気づくとは・・・私もまだまだだ。・・・恐らく安部は何かをやるだろう。目に闘志が宿っていた。」

 

「・・・。」

 

「・・・期待していよう。我々はそれしかできない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後5年間安部菜々は一部の友人以外はどこに居るのかすらわからない状態になる。

 

安部菜々を慕っていた前川は数日間泣き続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

安部菜々が346プロをやめて3年後、ヨーロッパで・・・いや、戦車道で前代未聞の事件が発生した。

 

【欧州リーグを13歳が指揮をするグループが制覇】

 

池田ほむとその娘達の名声が頂点に達した瞬間である。

 

ほむの子供達の最年長13、最年少も11歳で、人種は日系が多いが、白人も黒人もいる。

 

この成果をもって、ほむは中川コンシェルンからの大型学園艦を貰い、選手人選権限、練習方針に関しての不干渉、どの大会に参加するかの発言権を条件にほむは中川コンシェルンとのスポンサー契約を締結した。

 

普通はスポンサーが関与するが、圧倒的に池田ほむ有利の契約だった。

 

せっかちで有名な中川龍一郎会長がこの時は二次会まで参加し、約15時間他の仕事をしなかったことは社内で伝説となる。

 

 

 

 

 

コト

 

「で、池田流の創始者となった池田ほむ殿・・・って、柄でもないから監督と呼ばせてもらう。」

 

ターニャ・アルデルト 池田流2軍育成監督

 

「・・・ここに居るのが池田流の幹部で良いのかしら?」

 

古明地さとり スカウト長

 

「私も座れると思わなかったよ♪」

 

古明地こいし スカウト

 

「日本から呼ばれてもう3年か・・・。」

 

池田黄炒 池田流コーチ

 

「だね~。」

 

池田淡 池田流コーチ

 

「まさか、本当に私を見つけ出すとは思いませんでしたよ。隠居させてくれればすばらだったのに。」

 

花田煌 池田流コーチ

 

『・・・私もテレビ越しですがいますよーキャハッ!』

 

安部菜々 元コーチ

 

『菜々・・・キツいぞ☆』

 

佐藤心 元コーチ

 

「・・・良い話は中川コンシェルンと正式に契約が完了し、私達の教え子は全員池田流の名を背負うと宣言してくれた。リグルもじきにこちらに合流する。」

 

「リグルか、またなつかしい名前ですね!すばらです!」

 

「悪い話は西住流家元の西住まほが事故死した。」

 

『「「・・・!?」」』


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