「始まったと同時に3人抜けたんですかっ。」
「本当に今の子は就職の厳しさが分かってないから・・・。」
どうもおはようございます・・・今日は仕事がないので346プロのカフェでメイドさんの仕事をしてたら、顔を真っ赤にしたちひろがやって来て、コーヒーを頼み、そして愚痴り始めた。
「・・・腰抜けどもめっ・・・教え子だったら再教育ですねっ。キャハッ!」
「今から再教育してもらいたいくらいですが、辞めたからもう関わることもできませんし・・・。」
「それより武内プロデューサーは大丈夫ですか?若手であの酒飲み制御した幹部候補が失敗となると、他のプロデューサーは無理ですよね。」
「まだ再編する期間が与えられたので大丈夫ですし、逸材を見つけたらしいのでアプローチしているらしいですが・・・。今回の件でやはり少し感情にブレーキがかかったかもしれません。」
「もし何かあったら私だけじゃなく、心と楓も巻き込んでください。楓は武内プロデューサーと今も仲が良いですしっ。心も渇を入れるのは得意ですからねっ!」
「はい。・・・別件ですが、今度前川みくちゃんに会ってもらえませんか?彼女が菜々さんのファンらしくて。」
「おぉ~、見る目がありますねっ!そういうことなら今度お邪魔しますねっ!」
「えぇ、待ってます。あと、菜々さんの事務室大丈夫なんですか?地下の元倉庫で、カビ臭くありませんか?」
「必要な時以外は入らないようにしてますねっ。・・・喉を痛めそうなので、基本的に使いません。」
「もう少ししたら大型除湿器が導入されるようなので、そしたら改善すると思いますよ。」
「本当ですかっ!ありがとうございます!!」
アイドルで地下に事務室あるの私だけなんですよね・・・とほほ。
「・・・あと何年アイドルができるか・・・。」
27歳という年齢と日に日に増していく腰の痛み。
歌って踊れる声優アイドルの夢もそろそろ辞めなければならないかもしれない。
・・・そしたら私に残るのはなんだ?
戦車道、祖父から言われた才能、人間関係・・・結構ある。
でもやっぱり・・・子供が欲しいな。
私の体じゃもう子供を産むことはできない。
「人間の本能って呼ばれる行動ですかね。・・・いや、人間に本能なんて存在しないんでしたっけ。有るのは衝動。母性衝動と言えばいいですかね。」
人間に本能が有るのなら私はここまで悩むこともないんでしょうけど。
「社会性により疑似本能ができる。・・・モーリシャスに居たときにほむさんから言われましたね。その疑似本能と備えられた衝動を操ることで人は次のステップに昇華できるでしたっけ。・・・まぁ今は考える時ですね。」