異世界転生した特典で貰った能力がチート過ぎた   作:ルーク(・8・)

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前回の投稿から一週間以上も経ってしまい申し訳ありません。
リアルの方が忙しくなってきているのですが、なるべく週一で投稿できるように頑張ろうと思います。


9話 〜魔、森妖精の森〜

「よぉ、ここいいか?兄弟。」

 

背後から声をかけてきた青年に頷き返すと、彼は俺の隣に座った。

ここはカンドゥル王国で異世界人(イレギュラー)御用達の店〔グラディル〕

店長が異世界人(イレギュラー)のため、出てくる料理も元の世界の料理がほとんどだ。

 

「俺の名前はカムイ、お前は?」

「俺はウラノスだ、よろしく。」

「おう。ところでよ…」

 

カムイは視線を俺からハクとノエルに移した。

 

「こんなカワイイ子二人と一緒にいるってどういうことだよ!?」

「別に何もねーよ。こいつらはただのパーティーメンバーだ。」

『ノエルと申します。』

「ハクですわ。」

「OK、ノエルちゃんにハクちゃんね。…お前たち三人とも異世界人(イレギュラー)なのか?」

「いや、異世界人(イレギュラー)は俺だけ。ハクは獣人族(ビースタント)、ノエルは俺の能力の一部だ。」

「び、獣人族(ビースタント)!?それに、能力だと!?ど、どういう事だよ!?」

「あー…まぁ話してもいいか。」

 

俺は今日に至るまでの出来事をカムイに話した。

話を聞いている間、カムイは常に信じられないと言った表情だった。

 

「《創造(クリエイト)》って…とんでもねぇ能力だな…。まさか獣人族(ビースタント)に勝っちまうなんて…。」

「あ、あれはちょっと油断していただけですわ。今やったら絶対私が勝ちますわよ。」

「あーはいはい、また今度相手になってやるから。ところで、カムイの能力は何なんだ?」

「俺か?俺の能力は《不可視(インビジブル)》。触れている物体や俺自身を透明化できる能力だ。」

「へー。かなり便利なスキルだな。」

 

今度俺も創ろう。そう決めたのは内緒だ。

カムイと話してから三十分が経った。すると彼はこの世界で唯一の連絡手段である魔刻石を俺にくれた。会話したい相手の名前を魔刻石に向かって言うと、相手の魔刻石と連動して話せるようになるという画期的なアイテムだ。

 

「これ、貰っちゃっていいのか?」

「大丈夫大丈夫。ストックはまだあるからな。」

「そっか、じゃあ有難く貰っておくよ。」

「おう。何かあったらそいつで連絡してくれ。じゃあな。」

 

そう言うとカムイは席を立ち、そのまま店を出ていった。

 

『…いい人でしたね、マスター。』

「ああ、そうだな。」

 

ハクが三杯目の炒飯を食べ終わったのを見計らい、俺達も店を後にした。

その後ハクご要望のショッピングに行き、宿屋に戻った俺は《詠唱破棄(スペルキャンセラー)》と《不可視(インビジブル)》の二つの能力の創生に取り掛かった。

能力は無事に創れたが、《詠唱破棄(スペルキャンセラー)》のエネルギー使用がとても大きかったため、そのまま丸二日寝込んでしまった。まぁ、一万を優に超える魔法全ての詠唱を無視出来るトンデモ能力なのだ。当然といえば当然だ。ノエルなんかは『たった二日程度で済んでよかったですね』などと言っていたが…。

 

さて、能力の創生も終わり、ある程度の準備もできた俺達はカンドゥル王国を後にし、森妖精(エルフ)の森を目指した。

 

「なんかあっという間だったな。」

「貴方は半分近く寝ていたんですし当然なんじゃないんですの?」

「その件に関しては申し訳なかった…。」

 

そんなことを話しながら歩いていると丘の上から森妖精(エルフ)の森見えた。

──この世界の約三十パーセントを占める大森林、ハイリヒヴァルト。通称〔森妖精(エルフ)の森〕

ハイリヒヴァルトとはドイツ語で神聖な森という意味らしい。

この森には森妖精(エルフ)しか住んでおらず、その影響かその森には(マナ)が大量に存在しているらしい。

そもそも(マナ)とは、魔法を使う時に使用する魔力の元となる大気中の物質である。

この(マナ)は酸素と共に呼吸時に体内へと循環していくが、体外に放出するには魔法を使うしか方法が無く、魔法を使わない限りは体内に溜まっていくだけなのだ。

また、(マナ)は身体に悪影響も及ぼす。(マナ)が体内に一定量以上溜まると身体が(マナ)に侵食されてしまうのだ。(マナ)に侵食されると人格が崩壊し、性格も変わってしまう。そして身体が(マナ)によって完全に支配されてしまうと魔人族(デーモン)や魔獣になってしまうというのだ。

そのため、(マナ)が多く存在する森妖精(エルフ)の森には(マナ)への強い抗体を持っている森妖精(エルフ)か、ごく一部の異世界人(イレギュラー)しか入れないとまで言われている。

 

その事を既にノエルから聞いていた俺は

循環操作(サイクルプロセッシング)》という能力を創っていた。

この能力は循環している全ての物質を自由に操ることが出来る能力だ。発動条件は『対象に十秒以上触れること』。

発動さえしてしまえば相手の体内にある(マナ)だけではなく、血液やホルモン、酸素すらも自由に操ることが出来るのだ。

但し、戦闘中となると相手に十秒も触れている余裕はないので実践では使えないだろう。

またエネルギーの消費も激しい。《エネルギー回復》を使用しても追いつかないほどだ。

 

俺はこの能力を使って俺とハクの(マナ)を操作し、規定量を超えないように調整した。ノエルは存在自体が(マナ)らしいので特に影響は無いようだ。

そして俺達はハイリヒヴァルトにあるエルフの街の一つ、〔ブルムンタウン〕に到着した。


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