異世界転生した特典で貰った能力がチート過ぎた 作:ルーク(・8・)
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──カンドゥル王国
それは、武器や防具、生活用品など様々な物を巧みな技術で生成することが出来る
シルバは当時戦争状態にあった
シルバはその出来事以来戦争を嫌っている。
そのため、カンドゥル王国は唯一の戦争を拒む国として名を知られている。以来六十年、カンドゥル王国は他種族との繋がりを絶ってきいる──
『──以上がカンドゥル王国の歴史です。』
「カンドゥル王国は他の種族を一切受け付けないことから、要塞国家とも呼ばれていますわ。」
「それで
俺の目線の先にあるのはカンドゥル王国を囲う高い壁──の中央に位置する小さな門である。
衛兵が二人いるし、まるで…
「関所みたいだな。」
「関所?なんですのそれは?」
「そこに入れるかどうか審査する所…かな。他種族を入れないためにはいい考えだと思う。…ん?待てよ?」
「どうしたんですの?」
「ノエル、カンドゥル王国には
『はい。その通りです。』
「
『それは…』
「…俺に考えがある。ちょっと耳を貸してくれ。」
「それ、大丈夫なんですの?」
「多分行けるだろ。」
『勝算は十分にあると思います。』
「それでだな、この作戦のためには俺一人で行かなきゃならない。
「え、それじゃあ私達はどうすればいいんですの!?」
「ノエルは一度俺の中に戻す。ハクは…ここで待っててくれ。」
「それ、置いてけぼりにされるって意味じゃないですの!?」
「大丈夫。終わったら戻ってくるから。」
「…絶対ですわよ?」
「あぁ、約束する。」
そう言うと俺はノエルを元に戻し、一人で関所へと向かった。
「衛兵さん。ここってどうやったら通れますかね?」
「…貴様は
「うん。」
「ならば貴様の能力を見せてみろ。もしかすると
不味い。俺の能力ってどうやって証明しよう…。
ノエルを出しても信じてもらえるか怪しいしな…。
!そうだ!
(ノエル、
『はい。その通りです。』
「えっと衛兵さん。先に言っときますね。俺の能力は《
「能力を創るだと!?そんなめちゃくちゃな能力があるか!」
「それでは俺が創った能力を見せますね。まずは…」
そう言うと俺は衛兵の前から消えた
「《
相手が目の前から消えた途端後ろから声が聞こえてきて衛兵は驚きを隠せないでいる
「どういう事だ…?」
「次は《
そう言いながら俺は落ちてる石を拾い能力を発動させる。
すると石は一瞬のうちに形を変え、石剣となった。
「な…!」
「最後は《
俺が能力を発動すると、右半身からもう一人の俺が出てくる。
「能力が…本当に何個も…!」
「これで信じてもらえたかな?」
「あ、ああ。そんな恐ろしい能力、敵に回したくはないが…。」
「それで、もう通れるかい?」
「いいや、最後にもう一つだ。」
さっきまで黙ってた反対側の衛兵が話しかけてきた。
「貴殿と同じ、
「なるほど。分かりました。」
「では、ついてまいれ。」
そう言うと衛兵は門の中へと歩き出した。
向かった先には一人の人物が立っていた。
「彼がセイム殿だ。」
「は、初めまして…」
「初めまして!ボクがセイム!カンドゥル王国で騎士をやっているんだ!同郷の人に会えて嬉しいよ!君の名前は?」
「お、俺はウラノス。よろしく。」
「いい名前だね、よろしくウラノス!」
(げ、元気な人だな…)
「それではセイム殿、ウラノス殿に《
「任せて!それじゃあいいかい?ウラノス?」
「あぁ、何でもやってくれ。」
そう言うとセイムは俺の元へと歩み寄り、俺の額に手を当てた。
そして…
「…命令だ。貴様はこの国の中で争いごとを起こしてはならない。」
赤い瞳から放たれる凍てつく視線と冷酷で絶対的な命令
当たり前だろ、と思っていたことなのに守らなければならない義務感が生じる。
その言葉を告げられた途端、まるで重力が二倍になったかのように身体が重くなった。
「…ッ!」
「…。あぁ、ごめんね!あまり怖がらないでほしいんだ!大丈夫、君の身体には何の害もないから!でも命令がちゃんと聞いてるか試してみたいから、一度ボクを殴ってみてくれ!」
「へ?」
「さぁ殴ってくれ!今すぐ殴ってくれ!全力で殴ってくれ!さぁ!さぁ!さぁ!」
「え、えっと…」
「セイム殿、ウラノス殿が怯えていますぞ。」
「あぁ、これは失礼!…さぁ、改めてボクを殴ってくれ。」
「わ、分かった…」
そう言うと俺はセイム目掛けて思いっきり拳を突き出した。
そう、突き出したまではよかったのだ。
だが、俺の拳はセイムに触れる瞬間に動きを止めた。
俺が止めたのではなく腕が止まった。俺の意思ではこれ以上前には突き出せないのだ。
「…!」
「うん!ちゃんと効いているようだね!安心したよ!」
恐ろしい能力だ
命令さえ完了してしまえば敵を思うがままにすることも可能。
(こんな能力を持ったやつが沢山いるのか…)
「それじゃあ、カンドゥル王国を心赴くままに見ていってくれ!ボクはこれで!」
「あ、待ってくれセイム。」
「なんだい?ウラノス?」
「お前はさっき騎士って言ったよな。それはこの国の騎士って事か?」
「その通りだよ!それがどうしたんだい?」
「いや、この国ってことは国王とも面識があるのかなって。」
そう言うとセイムの動きが止まり、先ほどと同じ凍てつく瞳でこちらを見てきた。
「国王様になんの用だ」
「手荒な真似はしないさ。少し話がしたいんだ。」
「要件は?」
「言えない。」
「なら却下だな。それが用事ならお引き取り願おう。」
「まあ、待てってセイム殿。」
なんと止めてくれたのは先程の衛兵だった。
「ウラノス殿はとてつもない能力まで持っている。それを国王様も知りたいはずです。それにセイム殿の《
(おお、この衛兵さんめっちゃ優しいじゃないか。)
「分かりましたよユルドさん。上層部に取り合ってみます。但しウラノス、何か妙な事をしたら命はないと思え。」
「怖い怖い。大丈夫、何もおかしなことはしないよ。」
最後にセイムがため息をつくと王城へと向かって歩いていった。
(てかあいつキャラ変わりすぎじゃね?)
『二重人格者ではないかと思われます。』
「えっと…なんかありがとうございました。庇ってもらうような形になっちゃって…。」
「構いませんよ。…ですが、ウラノス殿がどのような案件で国王を訪ねたのか伺っても宜しいですかな?勿論全容は明かさなくても結構です。」
「ああ。シルバさんとちょっとした協定を結びたくてね。」
「協定…ですか?」
「俺のある作戦が成功したら、その時は俺達の仲間になってほしいってこと。でも、そちらに不利な条約とかはないですよ。名前だけでも貸してもらえれば十分です。」
「作戦というのは…いえ、これ以上伺うのは失礼ですな。この話は内密にしておきます。どうか、ご武運を。」
「ありがとうございます。」
そう言って
とてもいい人だった。あんなに良い人は国中探してもそうそういないであろう。
そんな事を考えていると向こうからセイムがやって来た。
国王と会えるか聞いてきてくれたらしい。
国の上層部で話し合いを行うため、しばし待てとの事だった。
そして30分後、俺は国王と面会することを許され、カンドゥル王国の王城へと向かった。