第七十四層。
ソードアート・オンラインがデスゲームと化して二年が過ぎようとしていた。
多くの死者を出しながらも三分の二の攻略を続けている。
目の前にいるリザードソードマンとキリトは戦う。
彼の振るうエリュシデータと剣がぶつかった。
何度か剣をぶつけながらキリトは距離を取るために後ろへ下がる。
そのキリトへ狙いを定めてソードスキルを発動させようとするリザードソードマン。
斬撃がキリトへ直撃をするという瞬間、横から盾を構えた白銀装備の片手剣士、ノビタニアンがパリングで攻撃を無効化する。
動きを止めたリザードソードマンに紫の剣を構えた少女、ユウキがソードスキル、バーチカル・スクエアを繰り出す。
攻撃を受けたリザードソードマンの体が消滅した。
「ふぅ」
「お疲れ、ユウキ」
「みんな、そろそろ帰らない?」
大きな盾を構えているノビタニアンが帰ろうと提案する。
「もう少しくらい俺はレベル上げしたいんだけどなぁ」
「迷宮区に潜って八時間だよ?そろそろ切り上げて街へ戻ろうよ~」
「二対一で街へ戻ることに決定」
「あぁ、くそっ、もう少しくらい」
「はいはい、帰るよ」
「いぇーい」
キリトの左右をユウキとノビタニアンが掴んで歩いていく。
ドナドナされたキリトは大した抵抗もしなかった。
迷宮区を抜け出した三人は森の中を戻っている。
「ん?」
ふと、キリトの索敵スキルに何かがヒットした。
森の中を探していたキリトはあるものを見つける。
「おい」
キリトの声に二人は視線を追いかけた。
そこにいたウサギのモンスター。
「任せるよ、キリト」
「お願い」
二人に言われてキリトは投擲スキルを発動させる。
攻撃を受けたモンスターは慌てて飛び出す。
そこにキリトの二撃目が直撃した。
森の中でモンスターの悲鳴が響く。
キリトは複雑に入り組んだ五十層の街中を歩く。
目的の扉を開けると元気な声が響く。
「よし決まった!ダスクリザードの革二十枚で五百コルだ!」
聞こえた阿漕な商売内容にキリトは内心、呆れながらも中へ入る。
「相変わらず阿漕な商売をしているようだな」
「キリトか、安く仕入れて安く提供するのがうちのモットーだ」
来店したキリトを迎えたのは攻略組として戦っていたエギル。
現在は店を構えて商売をしている。
キリトやノビタニアン達も贔屓にさせてもらっていた。
「まあいい、俺の方の買収も頼むよ」
キリトはウィンドウを操作する。
どのような阿漕な商売であろうとまぁ、今回はいいかという感覚だった。
メニューを見たエギルは目を丸くした。
「おいおい、ラグーラビットの肉……S級食材じゃねぇか……しかも、三つも売るなんて、金に困ってねぇなら食うことだって」
「……普通なら食べるだろうけど。調理したとしても焦がすくらいが関の山だ……ノビタニアンが調理できるけれど、アイツのスキルもそこまで高くない……何よりあの二人へ少しくらい貢献しねぇとなぁ」
「なるほど、俺達は調理スキルなんて特に上げていねぇからな」
腕を組むエギル。
とりあえず商売を終えようとした時にポンとキリトの肩が叩かれる。
振り返ると顔見知りがいた。
「シェフ確保」
ぽつりと漏らして叩かれた手をキリトは掴む。
振り返った先にいたのは栗色の髪をした少女。
白で統一された衣装に身を包み、ハシバミ色の瞳は少し驚きながらもキリトをまっすぐ見ている。
アスナは驚きの表情を浮かべていた。
彼女の後ろには護衛らしき男性プレイヤーがいる。
男性プレイヤーの表情が険しいものになっていることに気付いてキリトは慌てて、手を放す。
「よ、よぉ、アスナ。こんなところにやってくるなんて珍しいな」
アスナはきょとんとしながら。
「何よ、もうすぐ次の攻略会議があるでしょ?ちゃんと生きているか確認しにきてあげたのよ」
「そ、そっか……そうだ、調理スキルってどのくらいあげている?」
「調理スキル?それなら少し前にフルコンプしたわ」
なんですと!?
そう叫びたくなる衝動をキリトはこらえる。
本来、この世界において調理スキルというのはあまり重要視されていない。
どちらかといえば、戦闘、鍛冶、裁縫などが育てられる。
その中で調理をレベル上げ、まさかのフルコンプは衝撃的だった。
「実はさ」
キリトはメニューを見せる。
それをみたアスナは目を見開く。
「調理してくれるなら味見くらいはさせて」
「半分こ」
ぐぃっとアスナに顔を近づけられたキリトは少し下がる。
「半分こよ。それにこの数だとノビタニアン君やユウキもいるんでしょ?みんなで分け合ってもいいと思うな」
「あ、はい」
こくりとキリトは頷く。
アスナはそう言うと後ろの男性プレイヤーを見る。
「そういうわけだから護衛は結構です」
「アスナ様!こんなスラムに足を運びになるだけでなく、素性を知らぬやつを自宅へ伴うつもりですか!?」
「この人の素性はともかく、レベルはあなたより10は上よ。クラディール」
「な、なにを馬鹿な!?私がこんな奴に劣るなどと……そうか」
男性プレイヤー、クラディールは忌々し気に顔をゆがめていたが、キリトの風貌を見て。
「そうか、貴様があのビーターだな!!アスナ様、こいつらは自分さえよければ他などどうでもいいと思っているような連中ですよ!それを家にあげるなどと考え直してください!」
「とにかく!今日はここで結構です。副団長として命令します。行くわよ、キリト君」
乱暴にキリトの手をつかんでアスナは歩き出す。
残されたクラディールは怒りで顔を歪めながらキリトの背中をじっと見続けていた。
「いいのか?」
「いいんです!それよりキリト君、私の家でいいかしら?」
「あ、ま、待ってくれ」
先を歩くアスナにキリトは待ったをかける。
「実は」
「いやぁ、嬉しいなぁ。アスナの料理が食べられるなんて~」
アスナがホームとしている第六十一層主街区セルムブルク。
そこにある一軒家の中でラフな格好をしたユウキがにこにこと微笑んでいる。
アスナの傍では私服でエプロンを着ているノビタニアンが申し訳なさそうにしていた。
「ごめんなさい、アスナさん。僕達までお邪魔しちゃって」
「ううん、私こそ、S級レア食材なんて今まで調理したことがないからとても楽しみなんだ」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。な、ノビタニアン」
「あ、うん」
調理スキルのレベルがそこそこあるノビタニアンはアスナの手伝いとして台所に立っている。
私服のキリトとユウキはテーブルでやり取りを見ていた。
「ノビタニアン君、どういう料理にしようか?」
「メインはアスナさんに任せます。僕はサラダとかを作るよ」
「わかったわ。ラグーだから、シチューとかにしようかな」
アスナはメニューウィンドウを開いて調理を設定する。
「SAOの調理って簡単だから味気ないのよね」
「僕としては楽だから助かるんだけど」
「男の子は料理しないってイメージだから少し意外だわ」
「まぁ……あそこの二人が、あまりやりませんから」
フォークとナイフを手に待っているユウキ、キリトは、あははと笑っている。
成程とアスナは理解した。
「大変ね」
「これでもタンクだから」
しばらくして机の上においしそうなシチューが並ぶ。
「おいしそうだね!」
「あぁ、うまそうだ」
「食べましょう」
「いただきます」
四人は満足した表情でハーブティーを飲んでいる。
「あぁ、今まで頑張って生き残っていてよかった」
「本当だよぉ~、今までで食べた料理の中で一番だ~」
「そうだね。キリトに感謝しなきゃ」
「言うなら、アスナだろ?調理したのはアスナなんだから」
「うん、ありがとう、アスナさん」
頷いたアスナは、キリトを見る。
「そういえば、三人に聞きたいことがあるんだけど」
「なんだ?」
「キリト君たちはギルドに入る気はないの?」
「ないな」
「うん」
「ボクも」
三人は同時に頷く。
「でも、あの時の約束はほとんど無効みたいなものだし」
「あの約束は関係ないよ」
第二層を攻略して少し後。
攻略の指揮を執っている面々からある制約のようなものを半ば結ばされた。
あれからその約束は既に無効となっているに等しい。
律儀にあれを守っている必要はないというアスナに対して。
「別にあの件は関係ないさ」
「でも、ベータ出身者が集団に馴染まないのは理解している。でも、七十層を超えたあたりからモンスターのアルゴリズムにイレギュラー性が増してきているような気がするんだ」
アスナの言うことは事実だ。
戦っているモンスターが今までは機械的な動きだったはずなのに、まるで学習しているような動きが多くなっている。
アスナがギルドへ属するように促している理由がなんとなくわかった。
「三人だと想定外の事態でもなんとか対処できる。ギルドだと今よりも数が多いから安全性が増すだろう。でも、ビーターと組みたがるもの好きなんか、こいつらくらいさ」
キリトがノビタニアンとユウキを見る。
「パーティー申請を出す人がいたら組むの?」
「え、あぁ、まぁ」
そう言うとアスナはキリトの返答を待たずに操作をする。
キリトの前にパーティー申請のウィンドウが現れた。
「何のつもりだ?」
「見てのとおりよ、しばらく私とパーティーを組んで。今週のラッキーカラーは黒だし」
「残念、紫じゃないんだ~」
「ユウキ、変なちゃちゃ入れちゃ駄目だよ」
ひそひそと二人が話す。
「悪いけれど、俺についてこれる人がいるなんて思えな――」
ヒュンと目の前にソードスキルのエフェクトをまとったフォークがある。
目の前でフォークを構えているアスナがいた。
「……アンタは例外だ」
手を挙げてキリトは降参をアピールする。
「あ、でも、俺は普段、ノビタニアンとユウキで組んで」
「ねぇ、ユウキ、ノビタニアン君、キリト君借りていいかな?」
この時、キリトは二人なら断ってくれるだろうと期待していた。
幾多もの戦場をともに駆け抜けて、
多くの危機を三人で脱して。
多くの階層ボスと戦い抜いた俺達ならば!
根拠のない理由だが、二人が一緒ならと思っていた。
「「どうぞどうぞ」」
そして裏切られた。
翌日、キリトは第七十四層迷宮区手前の村にある転移門にてアスナを待っていた。
ノビタニアンとユウキの二人は少し離れたところにいる。
「裏切り者め」
キリトの言葉にユウキは吹けない口笛を鳴らし、ノビタニアンは壁にもたれて昼寝をしていた。
「裏切り者ぉ」
「もーう、ボク達だって少し離れたところでいるんだから文句言わないでよぉ」
流石に我慢できなくなったのかユウキが口を尖らせる。
「それにしても、遅くないか?」
「約束の時間から十分過ぎているんだっけ?この程度、問題ないんじゃないの」
「そりゃ、ユウキやノビタニアンは時間にルーズだから仕方ないだろうけれど、あのアスナだぞ?時間に厳しい彼女がこんなに遅刻するなんて何か」
――起こる前ブレじゃないのか?
そう言おうとしたキリトの前に転移門の輝きが起こる。
「きゃあああああ!よ、避けてぇえええ!」
「え?」
一メートルもない目の前から飛び出したのはアスナ。
突然の出現に流石のキリトも対応できず真正面からぶつかりあってしまう。
派手にごろごろと地面を数回、転がったキリトは手を動かす。
気のせいか、手の中に柔らかいものを感じる。
「(なんだ、これは?)」
何度か手の中の感触を確かめていたキリト。
「い、いやぁああああああ」
真下から聞こえた叫び。
繰り出された音と共にキリトは派手に吹き飛んだ。
「おー、飛んだ」
「ん?何の騒ぎ」
様子を見ていたユウキは驚きの声を上げ、寝ていたノビタニアンは体を起こす。
派手に転がったキリトは前を見る。
そこにいたのは自分の体を抱きしめているアスナの姿。
頬を赤くしてキリトを睨むアスナの瞳は潤んでいる。
「一体……」
「来た!」
立ち上がったキリトの近く。
そこで転移門から何者かがやってくる。
輝きを見たアスナはキリトの後ろに隠れた。
光と共に現れたのは先日、エギルの店で目撃した血盟騎士団に属している男性プレイヤー、クラディール。
彼は周りを見てアスナとキリトの姿を見つけると眉間へ皺を寄せる。
「アスナ様、勝手なことをされては困ります」
近づいてくるクラディールに対してアスナはキリトの後ろへ隠れる。
「さぁ、アスナ様、ギルド本部まで戻りましょう」
「いやよ!今日は活動日じゃないわよ。大体、アンタ、朝からなんで家の前に張り込んでいるのよ!?」
「こんなこともあろうと一か月前からずっとセルムブルグで、アスナ様の監視の任についておりました」
「そ、それ、団長の指示じゃないわよね?」
話を聞いていたユウキは顔を青ざめる。
ノビタニアンも顔をしかめていた。
震える声でアスナは尋ねる。
「私の任務はアスナ様の監視です。それは当然、自宅の監視も」
「ふ、含まれないわよ、バカ!!」
流石にやりすぎだ。
キリトからアスナを奪うようにクラディールが腕をつかむ。
「聞き分けのないことをおっしゃらないでください。さ、行きますよ。アスナ様」
クラディールはアスナの手をつかんで転移門へ向かおうとする。
強く抵抗できないアスナの顔を見て、キリトは手を伸ばす。
「ちょっと待ってくれよ」
反対側のアスナの手をつかむ。
「副団長様は今日、俺と共に迷宮区へ向かう約束だ。護衛なら代わりにやるから今日はおとなしく帰ってくれないか?」
キリトの言葉にクラディールは激昂する。
「ふざけるな!貴様のような雑魚プレイヤーにアスナ様の護衛が務まるものか!私は栄光
ある血盟騎士団の」
「それを決めるのはアスナさんだと思うけど?」
横からノビタニアンが割り込む。
両者の間に漂う剣呑な空気を少しでも緩和させるつもりだったのだろう。
ノビタニアンはアスナを見る。
その目に答えるように彼女は頷く。
「クラディール。私はこれからキリト君たちと迷宮区攻略へ向かいます。彼とパーティーを組んでの攻略は、立派な攻略活動です」
「んなっ!」
アスナからの援護にクラディールは目を見開く。
今の発言は護衛としての能力はキリトが勝っており、加えて自分よりも頼りになるという意味だと彼は考えていた。
その怒りはアスナへ向けられず、傍にいるキリトやノビタニアンへ放たれる。
「それならば、その実力があるということを証明してもらおうか!!」
叫びと共にキリトの前にデュエル申請が表示される。
「キリト君、お願い」
「いいのか?」
「大丈夫。団長には後で私から報告しておくから」
「……わかった」
許可をもらったキリトはデュエル申請ウィンドウのOKをクリックする。
デュエルが始まるということに気付いた野次馬が騒ぎ立てた。
「血盟騎士団と黒の剣士がデュエルするぞぉ!」
「見ものだぜ!」
野次馬がぞろぞろと集まってくる。
「うわぁ、集まってきたね」
「まぁ、キリトだから」
「ご覧ください。アスナ様、あなた様の護衛が務められるのはこの私だけです!」
酔ったように叫ぶクラディールは自らの剣を抜く。
相手は大剣。
繰り出されるソードスキルも推測できる。
エリュシデータを構えてキリトは対峙した。
デュエル開始のカウントダウンが始まる。
息を飲む周りの前でデュエル開始のブザーが鳴り響く。
クラディールが繰り出すのは大剣ソードスキル“アバランシュ”。
高威力高レベル技のソードスキルとして対モンスターとして使用されることが多い。
これは平均的なレベルの攻略組プレイヤー相手ならば問題なかっただろう。
そう、クラディールは知らない。
目の前の相手は攻略組においてトップクラスの実力を持ち、幾度もの死地を潜り抜けた猛者である。
目星をつけたところでキリトはエリュシデータを振るう。
発動するソードスキルは“スラント”。
放たれた一撃はクラディールの大剣へ直撃。
キリトとクラディールの立ち位置が入れ替わり、両者の位置が変わる。
音を立ててクラディールの大剣が半ばから見事に真っ二つに折れた。
「なっ!?」
大剣が見る影もなく破壊されたことで驚愕するクラディール。
周囲に集まっていたギャラリーも驚きに目を見開く。
ギャラリーの中で驚いていなかったのはノビタニアン、ユウキくらいだ。
「今の……」
「キリト考案、システム外スキル。武器破壊だよ」
「何度かお試しで付き合っていたからボクら知っていたんだぁ」
「どうする?武器を持ち替えて続けるというならまだ相手をするけど」
「くっ、そぉ!」
短剣を取り出したクラディールがキリトへ飛び掛かる。
その間に割り込む影があった。
「あ、アスナ様!」
クラディールに向かい合う形で現れたのはアスナだ。その手には細剣ランベントライトが握られている。
「アイツが小細工を!武器破壊も何か仕掛けがあったに違いありません。そうでもなければ、この私が!薄汚いビーターなんかに!!」
自身の敗北をキリトのせいにしようとしている。
我慢できずノビタニアンが割り込んだ。
「残念だけど、これはキリトの実力だ。武器破壊の練習も僕達が立ち会っているよ」
「何を!貴様らもビーターの仲間の癖して!」
「クラディール、血盟騎士団副団長として命じます。本日をもって護衛役を解任。別名あるまでギルド本部にて待機、以上」
「な、なんだと!!この」
納得のいかない表情で原因であるキリトを睨む。
そんな視線を阻むようにノビタニアンとユウキが前に立つ。
顔を歪めながらクラディールは下がる。
周りの目もあることから惨めな真似は避ける必要があると考えたのだろう。転移門へ向かい、クラディールは消えた。
「ごめんね、変なことに巻き込んじゃって」
「別に、慣れているから」
「キリトって、変に厄介ごと持ってくるもんねぇ」
「ユウキ……茶化さないの」
「別にこれぐらいならもっと頼っても構わないさ」
「そう」
にこりとアスナは微笑む。
「じゃあ、前衛はよろしく」
「えぇ!?そこは交代だろう!?」
「どちらにしても僕達は楽できるね」
「うんうん」
「お、おいぃ!」
第七十四層の二十階あるうちの四階までしか踏破されていなかった迷宮区。
これは複雑になっている迷宮区、トラップの増加。先日、アスナと話をしていたモンスターのアルゴリズムにおけるイレギュラー性が原因でもある。
三人でかなり踏破していたがそこにアスナが参加しただけで。
「ここまで順調に進むって凄いな」
「キリト君、スイッチ!」
「お、おう」
地面を蹴り、キリトはソードスキルを放つ。
攻撃を受けた亜人型モンスターは消滅する。
「順調だね」
「うん!アスナがいるだけで順調だよ!」
「僕の苦労は変わらないけどね」
盾を構えているノビタニアンはモンスターの攻撃を最初に防ぐ役割を請け負っている。
常に前へ出るため、トラップ感知もキリトと同じくらいに高い。
モンスターが出現しない安全圏へ到達したことで、一同は休憩することにした。