仮面ライダークロニクル、オーディナルスケールで使えそうだな。誰か書いてくれないかな。
EXステージで書いてみるか?
ちなみに今回の話は次の話のつなぎです。
「これはどういうこと!?」
エギルの宿でリーファが叫んでいる。
彼女はキリトへ詰め寄っていた。
「いや、リーファに説明をまだしていなかったけどさ……えっと、説明する時間を俺に」
「リーファさん、落ち着いてください。パパが慌てています」
「え、あ、ごめんね」
ユイに言われてリーファはキリトを放す。
「説明するとかなり難しいんだけど、ユイは俺とアスナが見つけた子供なんだ」
AIだということを遠回しに説明しながらキリトはリーファへ伝える。
最初は驚いて慌てていたリーファだが、説明を受けて納得した表情を見せる。
「もう、驚いたよ。私、二年の間におばさんになったかと思っちゃった」
「そうだよね」
リーファの言葉にノビタニアンも同意する。
「いや、ノビタニアンは知っていただろ!?」
「ぴゅー、ふぃ~」
「吹けていないよ!?」
ユウキの突っ込みで笑いが広まる。
第七十六層の攻略は順調に進んでいた。
スキル消失やシステムのバグめいた問題はありながらも一からのスキルビルドを行っていく。
かくいうノビタニアンも一部のソードスキルが失われていたがなんとか攻略していた。
キリトがホロウエリアへ行っている間はノビタニアンがユウキやアスナ、シリカ、リズベット、リーファ、シノンと攻略をしている。
最初はレベルが不足していたシリカやリズベットも町中でのレベル上げで最底辺だが攻略組として活動していた。
解放されたキリトがノビタニアンの傍へやって来る。
「お疲れ様、大変だね~」
「そう思うならちゃんと助けてくれ」
「それはそれ、これはこれだよ」
「まったく」
二人は運ばれてきた料理を食べる。
「ノビタニアン」
「はい、ホワイトソースのパスタ」
「おう、こっちはミートパスタな」
「ありがとう」
互いがおいしそうに食べているパスタを交換し合う。
「前から聞こうと思っていたんだけど」
そのやり取りを見ていたアスナが二人へ尋ねた。
「キリト君とノビタニアン君って、仲がいいというか、互いの考えていることが本当にわかっているよね?」
「へ?」
「あ、アタシもそれは思っていた!」
リズベットが頷く。
「攻略も言葉に出さずに動いていますよね。スィッチも掛け声なしでやる時があるし……すごいと思います」
シリカがうんうんと同意する。
「まぁ、キリト君とノビタニアン君は小さいころからの知り合いだし、色々と大冒険を――」
「り、リーファ、それ以上はやめろ」
気付いたキリトがリーファにストップをかける。
何かに気付いたのか彼女も話を止めた。
「どうしたの?」
ユウキとシノンが尋ねるよりも早く食べ終えたノビタニアンが立ち上がる。
「ごちそうさま、僕、眠いから上へあがるね?」
会話を打ち切って、ノビタニアンは階段を上がっていく。
「なんだ?もう寝るのか?」
「あちゃー」
去っていくノビタニアンを見てエギルが首を傾げる中でキリトが額に手を当てる。
「キリト君、もしかして」
「あぁ、アイツは“まだ”引きずっている」
「そっか、悪いことしちゃったな」
「どうしたの?キリト君」
「アタシたちにわかるように説明しなさいよ!」
アスナやリズベット達がさっきの件について尋ねてくる。
しかし、キリトは首を横に振った。
「悪いけれど、この話はかなり根が深いものなんだ。おいそれと話したら……多分、ノビタニアンは俺達に遠慮してここから出ていくかもしれない」
「なんか、信じられないな。普段のアイツの姿からして」
エギルの言葉にアスナ達は頷く。
みんなが話をしている中でユウキはノビタニアンが去っていった場所をじっ、とみていた。
翌日。
ノビタニアンはリーファと共に迷宮区へきていた。
「うーん、ALOと少し違ってやりにくいなぁ」
片手剣を構えながらリーファがぽつりとつぶやく。
レイピアのように細い剣を振るいモンスターを倒す。
その後ろで監督役としてノビタニアンがみている。
「やっぱりというか、なんというか、リーファちゃんはソードスキルなしでも凄いね」
「やっていたゲームはソードスキルがなかったからね、剣道が生かせたんだよね……うーん、私としてはソードスキルになれるのが少し難しいけど、なんとかモノにしないとね!キリト君達の足手まといにならないようにね!」
「そういえば、リーファちゃんはALOっていうゲームをやっていたんだよね?そこはどんなところなの?」
「前も話したけれど、ALOは空を飛べる以外に種族を選ぶの」
「種族?」
「私のこの姿はシルフなんだけど、他にもウンディーネやサラマンダーとかあるの」
「へ~」
「あとはスキルがあることと……魔法かな?」
「魔法!?」
ノビタニアンが驚きの声を漏らす。
「もしかして、チンカラホイって呪文を唱えるの?」
「そんなシンプルなものじゃないよ。英文を読み上げるの」
「うへぇ、僕には無理かな~」
「あははは、このゲームをクリアしたらプレイしてみようよ」
「どうしようかなぁ?魔法を読み上げることは苦手だからなぁ……剣一本だけならなんとかなるかなぁ」
「いけるんじゃないかな?お兄ちゃんやのび太君ならいけると思うよ」
ノビタニアンやキリトの前だとリーファは自然とキリトのことをお兄ちゃんやのび太君というようになった。
「……そういえば、リーファちゃんはみんなの前はキリト君なのに、僕やキリトの時は「お兄ちゃん」なんだね」
「あ、うん。みんなの前だと余計な騒動を生み出しそうだから注意してほしいって言われたの」
「オーイ!ノンビ!」
攻略のために迷宮区を歩いていたノビタニアンへ声をかけるものがいた。
振り返るとローブで頭をすっぽりと隠している女性がやって来る。
「久しぶりダナ!ノンビ」
「あぁ、アルゴ、久しぶり」
フードを外して露わになる顔には三つの髭のようなペイント。
情報屋のアルゴだ。
「まさか、ノンビとこんなところで会うとは思わなかったゾ!デートの最中とはナ!」
「デ、デート!?」
「違うよ。アルゴ、リーファちゃんのレベリングに付き合っているだけだから、情報売買の素材にしようと考えないでね」
念のため釘をさす。
間違ってキリトにおかしな情報が伝わってデュエルとなったらしゃれにならない。
「チェー、白銀の剣士の面白い情報になると思ったんだがナァ」
「やめてくれよ~」
「白銀の剣士?」
「あぁ~、そっか、東の森の妖精というのはアンタだったんだナ。どうせだからただで教えてやるヨ。コイツは、白銀の剣士といわれてSAOの中じゃ三剣士の一人に数えられているゾ」
「へぇ、凄いな!」
リーファが驚きと羨望のまなざしを向ける。
歯がゆい気持ちになりながら首を振った。
「もう、やめてよ。それよりどうしてこんなところに?町中で情報集めしていると思ったんだけど」
「まぁナ。そうだ、ノンビ、情報を買わないか?」
「いくら?」
「五百コル」
「はい、どうぞ」
アルゴが提示した額にノビタニアンが支払う。
目の前の光景にリーファは目を丸くしている。
「毎度~、さテ、情報についてだが、近々、攻略組に新しいギルドが参加するゾ。もともと、中層で活動していたみたいなんだがな。この数日の間にメキメキと実力をつけてあがってきたんダ」
「へぇ~」
「ま、わかっていることはこれくらいダナ」
「ありがとう、また、色々と情報があったら頂戴~」
「毎度アリ~~」
アルゴはそういうと走り去っていく。
「は、速いなぁ」
「アルゴの敏捷はキリトに匹敵するものがあるからねぇ」
驚くリーファにノビタニアンは苦笑する。
「さっきの人、アルゴさんって」
「情報屋だよ。お金を払えば色々と調べてくれるよ。販売しない情報もあれば、こっちの情報が根こそぎ奪われるかもってことがあるから注意した方がいいってキリトが言っていたよ」
「うわー、気を付けないと」
「でも、いい人だから警戒しすぎることはないから」
「うん!わかった」
頷いて二人は攻略を再開する。
この時、ノビタニアンは思いもよらなかった。
アルゴが伝えた情報。
そのギルドがもたらす騒動があることを。
ノビタニアンは予想もしていなかった。