聖姫絶唱セイントシンフォギア   作:BREAKERZ

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『呪い』

寮の部屋で未来と課題を片付けていた響は突然の二課から召集を受け制服に着替えて寮を出た(課題を片付けは未来にやってもらいその代わりこと座流星群を一緒に見ると約束して)。寮を出るとすぐ近くに「何か」を抱えたエルシドと合流した。

 

「エルシドさん。あの~その抱えてるのって・・・」

 

「レグルスだ」

 

「ZZZzzz」

 

何とエルシドは寝たままのレグルスを抱えて来たのだ。さっきまで「自分はこのままじゃ駄目だ」と悩んでいた響にとって暢気に寝てるレグルスに若干イラッと来た。

 

「何でレグルス君寝てるんですか」(ピクピク)

 

「夜遅いからな。この時間はとっくに夢の中だ。起こすのも面倒だから無理矢理連れてきたが」

 

「ZZZzzzZZZzzz」

 

「そろそろ起こすか」

 

ゴキン、ゴキンと指を鳴らしたエルシドがレグルスに鉄拳を叩き込む。

 

ガインッ!!

 

「あイタッ!」

 

 

 

ー二課指令室ー

 

「すみません!遅くなりました!」

 

「すまない」

 

「こんばんは皆~」

 

「うんってレグルス君。どうしたのその頭(笑)」

 

指令室に付いた響達を迎え入れる弦十朗と了子だが、レグルスの頭にできたギャグ漫画のタンコブに失笑した。

 

「さぁ?いつの間にかできてた・・・」

 

レグルスも首を傾げていた。響も苦笑いしたが先に来ていた翼は相変わらず顔を合わせない上にエルシドとも距離を空けている。エルシド本人は壁に寄りかかり響とレグルスは隣り合わせで立った。

 

「(エルシド君と翼ちゃん。このままでいいの?)」

 

「(確かにな。だが時には『荒療治』も必要だろう)」

 

弦十朗と了子は『溝』ができてしまったエルシドと翼を気にかけるが今は仕方ないと割りきり話を始める。

 

「で~わ、全員揃ったところで仲良しミーティングを始めましょう♪」

 

響は翼にチラリと翼に目を向けるが翼は一瞥もくれなかった。メインモニターにこれまでのノイズ被害の出現を地図で表されていた。弦十朗が響に質問をする。

 

「どう見る?」

 

「・・・いっぱいですね」

 

「確かに」

 

真面目に答えるアホコンビに弦十朗に笑いエルシドは無表情を決め込むが翼は不快そうな様子。

 

「これはこの一ヶ月に渡るノイズの発生地点だ。ノイズに関して響くんが知ってることは?」

 

「テレビのニュースや学校で教えて思った程度ですが。まず無感情で機械的に人間だけを襲う事。そして襲われた人間が炭化してしまう事。時と場所を選ばずに突然現れて周囲に被害を及ぼす『特異災害』として認定されている事」

 

「以外と詳しいな」と褒める弦十朗と照れる響。

 

「そうね。ノイズの発生が国連の議題に載ったのは十三年前だけど、観測その物はもーと前に前からあったわ。それこそ世界中に太古の昔から」

 

「世界の各地に残る神話や伝承に登場する数々の異形はノイズ由来のもなが多いだろうな」

 

「(って事は『冥闘士』や『海闘士』や『聖闘士』の鎧の元もノイズなのか?)」

 

弦十朗の言葉から考察するレグルス。

 

「ノイズの発生率は決して高くないの。この発生件数は誰の目から見ても『異常事態』。だとするとそこに何らかの『作為』が働いていると考えるべきでしょうね」

 

「『作為』って事は誰かの手によるものだと言うんですか?」

 

「状況から見てみるとそうだな」

 

「問題は『誰が』ノイズを使っていることだが『目的』はおそらく」

 

「中心点であるここ。私立リディアン音楽院高等科。我々の真上です。『サクリストD デュランダル』を狙って何らかの『意志』がこの地に向けられていると照査となります」

 

レグルスとエルシドと翼が考察する。

 

「あの、『デュランダル』って一体・・・」

 

「(デュランダル。英雄ローランが使う聖剣か)」

 

響の質問にアオイと朔也が答える。

 

「ここよりも更に下層。『アビス』と呼ばれる最深部に保管され、日本政府の管理下にて我々が研究している。『ほぼ完全状態の聖遺物』。それがデュランダルよ」

 

「翼さんの『天羽々斬』や響ちゃんの胸の『ガングニール』のような欠片は『奏者』が歌って『シンフォギア』として再構築させないとその力を発揮できないけど。『完全状態の聖遺物』は一度起動すれば常時100%の力を発揮し更には『奏者』以外の人間も使用できるであろうと最近の研究で分かったんだ」

 

「それが私が提唱した『桜井理論』!だけど『完全聖遺物』の起動には相応のフォニックゲイン値が必要なのよね。例外がいるとすれば・・・」

 

了子はレグルスとエルシドを見る。

 

「同じ『完全聖遺物』でも起動には己の肉体と感性を極限まで鍛え上げた奇跡の力『小宇宙』を必要としそれを体得した聖闘士位ね」

 

その時一瞬だが了子の目に妖しい光が走ったが『約三名』を除いて誰も気付かなかった。響はよく分からず頭を抱えたが。弦十朗が切り出す。

 

「あれから二年。今の翼の歌であれば或いは・・・」

 

弦十朗の言葉に険しい顔をする翼。

 

「(そういえば。奏やシジフォスが死んだあの事件でのツヴァイ・ウィングのライブは起動実験も兼ねてたんだよな)」

 

レグルスは二年前の事件の裏側を思い出す。

 

「そもそも起動に必要な日本政府からの許可って降りるんですか?」

 

「いや。それ以前の話だよ。安保を盾にアメリカが再三のデュランダルの引き渡しを要求しているそうじゃないか。起動実験処か扱いに関しては慎重にならざる得まい。下手すれば国際問題だ」

 

「どうゆう事エルシド?」

 

「つまり、日本が強力な聖遺物を持つことがアメリカは気に入らないんだろう。自国の利益になりそうだからデュランダルを寄越せと言ってるんだ」

 

「はぁ?ノイズの被害よりも自国の利益なの?ノイズ退治の為だけに使うならまだしも」

 

「恐らく軍事利用が目的だろうな」

 

レグルスとエルシドは『異世界』とはいえ『未来』でも『戦争』を好んで行う人間の存在に嘆かわしいと言わんばかりのため息をこぼす。

 

「そんな」

 

「まさかこの件、米国政府が糸を引いてるなんて事は?」

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

アオイの言葉に全員が沈黙した。

 

「調査部の報告によると。ここ数ヶ月の間に数万回に及ぶ本部コンピューターへのハッキングを試みた痕跡が認められているそうだ。流石にアクセスの出所は不明。それらを短絡的に米国政府の仕業と断定できないが。」

 

弦十朗の言葉に翼はコップを握りつぶし、エルシドは不快そうに目を鋭くし、レグルスは震えるほど手を握り、響は悲しそうに俯く。命懸けで戦ってる戦士達にとって政治家達の下らない腹芸に振り回されるのは我慢ならないのだ。

 

「勿論痕跡は辿らせている。本来こうゆうのこそ俺達の本業だからな」

 

弦十朗がやれやれと言わんばかりに話すと翼のマネージャーである二課の職員『緒川慎次』が前に出る。

 

「風鳴指令」

 

「おぉそうか、そろそろか」

 

「今晩はこれからアルバムの打ち合わせが入ってます」

 

「「え?」」

 

響とレグルスは?となる。

 

「表の顔ではアーティスト 風鳴翼のマネージャーをやってます」

 

そう言って緒川は伊達メガネと掛けて名刺を渡す。

 

「おぉ名刺もらうなんて初めてです!これは結構なものをどうも」

 

「よろしくな。慎次」

 

「だからレグルス君!いきなりフランク過ぎるよ!」

 

「構いませんよ。よろしくお願いしますねレグルス君」

 

「おう!」

 

「本来ならエルシドも翼さんのボディーガードとして一緒に行く筈なんですが・・・」

 

「必要ありません。行きましょう緒川さん」

 

そう言ってエルシドと全く目を合わせず去ろうとする翼。後を追う緒川はエルシドとすれ違い際に目が合い。

 

「(申し訳ない緒川殿)」

 

「(気にしないでくださいエルシド。これも仕事ですからね)」

 

「(・・・今度奢らせていただく。翼を頼む)」

 

「(はい)」

 

この間僅か0.5秒。翼と緒川は指令室を出ていった。それを確認した後、響が口を開く。

 

「私達を取り囲む驚異はノイズばかりではないんですね」

 

「ノイズって驚異があるのにな」

 

響とレグルスの言葉に大人達は申し訳なさそうに頷く。

 

「何処かの誰かがここを狙ってるなんて。あんまり考えたくありません」

 

「大丈夫よ♪なんたってここはテレビや雑誌で有名な天才考古学者、桜井了子が設計した人類史部の砦よ。先端にして異端なテクノロジーが悪い奴等なんか寄せ付けないんだから♪」

 

「よろしくお願いします」

 

響は了子にお願いする。レグルスもいつもの能天気な笑顔を浮かべ、エルシドは無表情に目をつむっていた。了子は満足そうに頷いた。

 

 

通路を歩きながらスケジュールを翼に伝える緒川。

 

「それから例のイギリスのレコーダー会社からのお話ですが・・・」

 

「その話は断っておくように伝えたはずです。私は剣。戦う為に歌っているにすぎないのですから」

 

そう言うと翼は足早に歩き出した。

 

「翼さん、怒ってるんですか?」

 

ガングニールの事やエルシドの事でって言葉は飲み込んだ緒川の言葉に翼は。

 

「怒ってなどいません!剣にそんな感情等備わっておりません」

 

「感情がなければ歌は歌えないと思うんだけどな・・・」

 

翼はまた歩き出すが緒川は早打ちでメールを作成し送信して翼の後を追った。

 

指令室から離れ休憩所で寛ぐレグルス・響・エルシド・了子・弦十朗・朔也・アオイ。

 

「どうして私達はノイズだけでなく人間同士でも争っちゃうんだろ?どうして世界から争いがなくならないんでしょうね」

 

響は現実の争いに悩みだす。

 

「それはきっと・・・人類が呪われているからじゃないかしら?」

 

響の耳元で囁く了子は響の耳を軽く噛む。

 

「ひゃああああぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

悲鳴を上げる響。

 

「あ~ら、おぼこいわね。誰かのものになる前に私のものにしちゃいたいかも」

 

色っぽい流し目と声を響に向け、「誰か」の部分でレグルスに目を向けたがレグルスは「?」と首を傾げるだけだった。朔也とアオイは苦笑いを浮かべ、響は顔を赤らめた。それが了子の行為に対したかレグルスに対したかは本人しかわからない。そしてレグルスは了子の言った『呪われている』の言葉を考えていた。

 

「(呪われているか・・・じゃあ神話の時代から戦ってきた俺達聖闘士は特に呪われているのかな?)」

 

 

 

翌日、レグルスは響の通う学校の屋上から響達の歌を聞いていた。

 

「ふ~ん。これが響達の学校の校歌ってやつか・・・なんかどっかで聴いたような気がするな・・・ん?歌が止まった?」

 

レグルスは鍛え向かれた聴覚で歌が聴こえた所に耳を傾ける。

 

「あ~、なんか響、怒られてるな」

 

後で会いに行こうと考えのんびり寛ぐレグルスだった。

 

 

昼休み。また課題をやる響は悲鳴を上げた。

 

「人類は呪われている!むしろ私が呪われている!!」

 

課題をやりながら創世と弓美にご飯を食べさせてもらう響。ご飯を食べて幸せそうな笑顔を浮かべて何を言っとるとツッコミが飛んできそうだが。代わりに未来がツッコム。

 

「ほら、おバカな事やってないで、レポートの締め切りは今日の放課後よ」

 

「だからこうしてムグムグ限界に挑んでるんだよムグムグ」

 

「まぁアニメじゃないんだし。こんなことして捗るわけないしね♪」

 

そう言って立つ弓美。

 

「え?手伝ってくれてたんじゃないの」

 

詩織も立ち上がり。

 

「これ以上お邪魔するのも忍びないので。屋上にてバドミントン等どうでしょう?」

 

「お、いいんじゃない!ヒナはどうする?」

 

「うん。今日は響に付き合う。レポート手伝うってそう約束したし」

 

感激する響。詩織がちゃかす。

 

「仲が宜しい事で♪ビッキーあんた男とかいないの」

 

「(男?)」

 

響の頭に能天気に笑う少年の顔が。

 

「(ちがう!ちがう!ちがうから!レグルス君とはそんなんじゃないから!そう翼さんやエルシドさんみたいな『相棒』みたいなアレで!!)」

 

誰もなにも言ってないのに心の中で必死に言い訳する響を無視して弓美達は屋上に向かった。

 

「響。大丈夫?」

 

「大丈夫!大丈夫!・・・それよりも。ありがとう未来」

 

「ん?」

 

「一緒に流れ星見よう」

 

「うん//」

 

その様子をレグルスは屋上から見守っていた。気配を完全に消しているので誰にも気付かれなかった。

 

夕方。レポート提出が終わり一緒に流れ星を見られるとはしゃぐ響と未来。未来が教室に鞄を取りに向かった直後。

 

ピリリリ!ピリリリ!

 

「はい・・・」

 

ノイズの出現を聞いた響はすぐに向かうと言って連絡を切る。

 

「響」

 

後ろを振り替えるとレグルスがいた。

 

「レグルス君・・・」

 

「ノイズは俺が処理しておくから響はあの子と・・・」

 

「行くよ私」

 

「だけど」

 

「ここでノイズを放置したら翼さんに認めてもらえない」

 

「・・・・・・分かった。なるべく早く処理しよう」

 

そう言って二人は本部に向かう。未来が戻ってきたときには誰もいなかった。

 

「響?・・・・・・」

 

未来の声が誰もいない廊下に響いた。

 

 

 

 

響は現場に付くと未来に連絡をする。地下鉄の入り口にいるノイズ達はレグルスが睨みを利かせ動けなくした。響は連絡が終わると鋭い目をノイズに向け『戦いの歌』をレグルスはレリーフから聖衣を呼ぶ!

 

「♪~♪~♪~♪」

 

「レオッ!!」

 

黄色い閃光と黄金の閃光が走り。シンフォギアを纏う戦姫と最強の獅子がノイズに立ち塞がる!軽快かつ力強い歌を唄いながらノイズを倒す響。だがやはりおっかなびっくりした戦い方が目立つ。レグルスはまるで蝿でも払うかのようにノイズを倒す。地下ショッピングに進む二人は一際大きい反応があるノイズがいると弦十朗から聞く。

 

『間もなく翼とエルシドも到着する。いいか、くれぐれも無茶はするな』

 

「わかってます!私は私にできる事をやるだけです!」

 

「そんじゃ行くぜ!響!」

 

「うん!」

 

ノイズを蹴散らしていく二人。だが葡萄の人形みたいなノイズが葡萄の実を外し転がす。するとその実が爆発した!

 

「うわっ!」

 

「響!」

 

爆発の影響で地下の一部が崩れ天井が落ちる!葡萄ノイズは自分だけ逃げる。瓦礫に下敷きになった二人だが・・・。

 

「大丈夫か?響」

 

「見たかった・・・」

 

「ん?」

 

瓦礫を吹き飛ばす。そのままノイズに突撃する響!

 

「流れ星!見たかった!未来と一緒に!流れ星見たかった!!」

 

怒りのままにノイズを蹴散す響。レグルスは傍観していた。

 

「(響)」

 

「うおおおおおぉぉぉぉッッ!!」

 

地下鉄の方に逃げた葡萄ノイズに追い付いた響とレグルス。だが響の怒りは収まらない!

 

「あんた達が!」

 

八つ当たりのように壁にヘッドバットや殴るをする響。

 

「誰かの約束を侵し!」

 

その目に危険な光が蠢き。葡萄ノイズはモイダ実を新たなノイズにして逃げようとするが。

 

「嘘のない言葉を!・・・争いのない世界を!何でもない『日常』を!」

 

襲いかかるノイズを振り払う。

 

「剥奪すると言うのなら!」

 

まるで獣のようにノイズを蹂躙する響。

 

「響!やめろ!それじゃダメだ!ダメだよ!」

 

レグルスは響を抑える!

 

「うああああぁぁぁぁぁッ!!」

 

それでも暴れる響。

 

「響!落ち着け!落ち着くんだッ!」

 

葡萄ノイズは爆弾をぶつけるがレグルスは響を庇った。

爆発が二人を襲うがレグルスと響には傷一つ無かった。神話の時代から一度も破壊されなかった黄金聖衣にはノイズの攻撃など蚊に刺された程度のダメージにもならないなのだ!

 

「あ?あれ?私・・・」

 

「響大丈夫か?」

 

「うわっ!レグルス君何で私を抱き締めてるの/////!」

 

「覚えてないのか?」

 

「?何を?それよりもノイズは?」

 

葡萄ノイズは逃げようと天井に爆弾を叩きつけ破壊し脱出しようとする。

 

「あ!逃げる!」

 

「!大丈夫だ、アレ」

 

レグルスが指差す方を見ると蒼い流星が。

 

「流れ星・・・」

 

「いや、あれは」

 

逃げようとするノイズを流れ星から放たれた蒼い斬撃が切り裂く。地上に出た響とレグルスの前に『蒼ノ一閃』を放った翼が背を向けたまま降り立つ。

 

「・・・・・・」

 

響は無言の翼に向かって叫ぶ。

 

「私だって『守りたいもの』があるんです!だから!」

 

遊び半分じゃない意思を翼に伝えようとする響。だが翼は響に目を向けず剣を構える。

 

『だから、んでどうすんだよ!』

 

「「「!?」」」

 

突然知らない声が響いた!三人は声のする方に目を向けるとそこには!

 

白銀の鎧に顔はバイザーで隠された『何者』かが現れた!その人物を見て翼は顔を驚愕に染めて呟く。

 

「『ネフシュタインの秘宝』・・・」

 

それは二年前に行方不明になった聖遺物であった。

 

「エルシド、何かワケ分かんない奴が出てきたよ。エルシド?」

 

ガガガガガガガガ!

 

「(エルシドと連絡が取れない一体何が?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エルシドはノイズを殲滅し皆と合流しようとしたら突然全身を『冷気』が襲い。『氷の壁』が立ち塞がり『氷の壁』はエルシドの周辺を覆い隠し『氷のドーム』を作った。

 

「(この冷気はまさか!)『デジェル』ッ!お前なのか!?『デジェル』ッ!?」

 

「久しぶりだなエルシドよ・・・」

 

エルシドの後ろから誰かが現れた。エルシドは振り向くと冷気の煙の中からやって来た『その男』は。

 

腰にまで届く翠色の長い髪。

 

端麗な顔立ちをした美男子。

 

その雰囲気は季節外れの冬の使いが現れたような出で立ち。

 

そこにいるだけですうーッと涼しげな空気が舞う。

 

だがその姿はエルシドと異なる形をした黄金聖衣。

 

その男は。

 

その知識は教皇の補佐を務めるほどの知謀を持つ聖闘士!

 

『氷の魔術師』と異名持つ黄金聖闘士!

 

『水瓶座<アクエリアス>のデジェル』!!

 

四人目の黄金聖闘士が氷雪を纏いながら現れた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗い洞窟。都市部から離れた洞窟でその者は瞑想していた。

 

「エルシド、レグルス。そしてデジェル。黄金聖闘士がまるで引き寄せ会うかのようにこの地に集ったか・・・どれ私もたまには俗世を歩いてみるか・・・・・・」

 

金色に輝く髪を腰にまで伸ばした青年は洞窟を抜けようとする。『目を閉じた』状態にも関わらずその青年は真っ直ぐ出口へ向かう。

 

彼が座していた場所の後ろの岩の上に『乙女が描かれたレリーフ』が置かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです!次回は奏者達に聖闘士設定を少し入れます!

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