ウェル博士の髪は灰色だと思うので、これからは灰色にします。
後、最初は結構時間飛ばします。
時は少し戻りーーーーーーーー。
ーfine<フィーネ>アジト・切歌と調の部屋ー
「・・・・・・トイレ」
ライブ襲撃から数日足った深夜。月詠 調は同じ部屋で暢気に眠る暁 切歌を起こさないように部屋を出てトイレに向かった。
ー通路ー
「・・・・・・・・・」
トイレを済ませた調は、眠気眼をこすりながら部屋に戻ろうとすると。
『バタン!』
「・・・ッ!? カルディア?」
突然近くの部屋から物音が聞こえ、蠍座<スコーピオン>のカルディアの部屋に立つ。
「(コンコン)カルディア、(コンコン)カルディア・・・?」
ノックする調は意を決してカルディアの部屋に入ると。
「ッ!!」
部屋を開けた瞬間、サウナと思うような熱気が調の身体を包んだ。そして調の目の前にベッドから落ちたのか倒れているカルディアの姿が写った。
「ぐっ・・・がっ!・・・ぐうぅぅぅっ!!」
「カルディアッ!?」
無地のTシャツにボクサーパンツを着て、胸を抑えて苦しそうに唸り声を上げるカルディアを見て調は慌ててカルディアの身体に触れると。
「熱っ!!」
カルディアの身体はとてつもなく“熱く”なっており、調はカルディアに起こった事を察した。
「まさか“発作”が・・・?!」
調は部屋に備えてある端末からマリア達に連絡を取ろうとするがーーーー。
「止めろ、調・・・」
「でも・・・」
カルディアが、調の服の袖を掴んで引き止めた。
「計画は始まったばかりなんだ・・・余計な問題を起こす事はねえ・・・!」
「“余計な”って・・・カルディア・・・!」
「それよりも・・・冷蔵庫から水と・・・冷凍庫から氷を大量に持ってきてくれ・・・」
「・・・・・・うん」
自身の事を省みないカルディアに色々言いたい所だが、調はグッと堪えて、カルディアの部屋に備えてある冷蔵庫からキンキンに冷えたミネラルウォーターを持ってカルディアに渡し、カルディアが飲んでいる間に冷凍庫から氷を氷袋に入れて、カルディアの身体に置いた。
「あぁ気持ちいいわ~~、これで少しは落ち着く」
カルディアの身体に置いた氷袋の中身はあっという間に水になり、調は新しく冷凍庫から持ってきた氷袋と交換し、新しいミネラルウォーターを渡す。
「(ゴクゴクゴクゴクゴクゴク・・・)ぷはぁ、この“時代”って本当に便利だな、キンキンに冷えた水やらが直ぐに持って来れるんだからよ」
「ジーーーーーーーーーー・・・」
「ん、なんだよ、人の事ジーーーと見やがって・・・」
「カルディア、服脱いで」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
調の言葉に一瞬思考が停止したカルディアは、自分の身体を抱きしめ。
「調、まだお前には早いぞ・・・」
「汗まみれになった身体を拭いてあげるから服を脱いで」
「あぁそゆこと。別に身体を拭く位、自分で出来「良いから脱いで・・・!」イヤン♪ 調ちゃんったら強引なんだから♪」
ふざけるカルディアを無視して調はカルディアのTシャツを剥ぎ、細く見えて引き締まっており、無駄な脂肪や無駄な筋肉が全く無く、戦うために鍛え、洗練された身体が露になる。
「・・・・・・」
調は部屋に備えてあるロッカーからタオルを数枚取りだし、汗まみれのカルディアの身体を拭きながら話しかける。
「カルディア、どうにもならないの? このままじゃいずれ・・・」
「良いんだよ。“コイツ”とはもうほとんど生まれた時から一緒にいたようなモンだからな、今更どうにかしようなんて思わねぇよ」
「・・・・・・ねぇカルディア」
「あん?」
「この戦いが終わったら、また遊園地に連れてって。今度は切ちゃんやマニゴルドだけじゃなくて、マリアやマム、それに出来るならアルバフィカも一緒に」
「遊園地か、ほんの少し前なのに随分昔に感じるな」
カルディア達と初めて出会って間もない頃、マニゴルドとカルディアは何を思ったか、切歌と調を連れ回して遊園地に行った事があった。
初めて乗るメリーゴーランド。
涙を流しながら驚きまくったお化け屋敷。
喉が枯れそうなほど叫び声を上げたジェットコースター。
観覧車で一望した景色。
きらびやかなパレード。
全てが眩しく、楽しく、切歌と調にとって忘れられない思い出になった。
「あの後、マムとマリアにこってり絞られたね」
「アルバフィカなんて、呆れ笑みを浮かべていたな」
「だから今度は、皆で行こう。そうすればマムもマリアも怒らないよ」
「・・・・・・そうだな。まぁ、考えておくわ」
「うん・・・」
身体が拭いた後、新しいシャツに着替えたカルディアは、汗で湿気ったベッドに眠らず、床にシーツを敷いて眠り、調もカルディアを心配して寄り添うように眠った。
後日、調がいない事でパニックになった切歌が入ってきて、騒ぎになり。
「おいおいカルディア、光源氏のつもりか(ニヨニヨ)? それともロリに目覚めたのか(ニヤニヤ)?」
マニゴルドに茶化され。
「調を泣かせたら許さないデスよ・・・!」
切歌に釘を刺され。
「もしも一線を越えた時は、引導を渡してやる」
アルバフィカから嬉しい脅しを受け。
「えっ? えっ? えぇっ!!? 調とカルディアってそう言う、ええええぇぇ・・・!!」
マリアは混乱してしまい。
「・・・・・・・・・・・・」
ナスターシャ教授からは無言で睨まれ、カルディアは大変面倒な思いをしたのは割愛しておく。
そして、時間は少し先に進みーーーー。
ここはfine<フィーネ>飛行艇の一室では、一人の男が床を這いずりながら顔の痛みもがいていた。鼻の骨に皹が入ったのかガーゼで覆い、両頬もガーゼで覆い、更に顔全体に包帯を巻きミイラのような顔を苦痛に歪ませ、その目は飢えたケダモノのようにギラギラと血走らせた、灰色の髪に白衣を着た研究者、ウェル博士である。
「ギギギギ!・・・ガガアァァア!・・・ギヒアアァアァア!!」
彼もまた、あの決闘からまともに眠れなかった。目を閉じると自分をこんな目に合わせた忌々しい小僧、“レグルス”の見下ろす冷たい目と、自分の切り札を破壊した小娘、“響”の暴走した姿が何度もフラッシュバックし、眠れない日々を送っていた。
「~~~~~~~~~ッッ!!」
フラッシュバックが起こる度に悲鳴を上げ、床を転げ回り、爪で壁を引っ掻き、椅子や机や“ソロモンの杖”に当たり散らしていた。
「アイツらのせいだ! あの化け物共のせいでっ! ネフェリムを失った責任で立場が弱くなったのも! 醜態を晒した事でケダモノ達<マニゴルドとカルディア>になじられるのも! 全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部、全部!! あの化け物達<レグルスと響>のせいだ!!! アイツらのせいで僕がぁっ!! この僕がああああああぁぁああああぁぁぁぁぁあああああぁぁああッッ!!!!」
レグルスに付けられた傷が疼き初め、再び怒りが燃え上がり、癇癪を起こすウェル博士。ネフェリムを失う事態になったのも、醜態を晒したのも、自分自身の自業自得なのに、全てレグルスと響にせいにし、二人に憎悪を抱き、逆怨みの炎を燃やしていた。
そして時間は戻り。
ーリディアン音楽院ー
決闘から数日が足ち、退院した響は翼やクリスと会っていた。
「いや~面目無い~ご心配お掛けしました!」
頭を下げる響は何処か顔から少し憑き物が取れた顔していた。
「存外元気そうじゃねぇか。ま、良い機会だからしばらく休んでな」
「な~んと!この立花 響、休んだりとかボンヤリしたりとかは、得意中の得意でーす! 任せてください!」
「本当に大丈夫なのか? 私達を安心させようと気丈に振る舞っているのではあるまいな?」
「いやそんな事はありませんよ(半分しか)。て言うか、翼さんの方が大丈夫何ですか? なんか心無しかボロボロになってますけど・・・?」
「気にするな・・・・・・」
「クリスちゃんはなんかリフレッシュしたって感じだけど・・・?」
「気にすンな♪」
何やら疲弊した雰囲気と言うかオーラみたいなモノを纏っている翼と、その翼とは対照的に妙にツヤツヤした顔色のクリスを響は訝しそうに見つめる。翼が響の“左手”を取り。
「翼さん、痛いです・・・」
「すまない・・・」
「・・・・・・・・・」
ネフェリムに食いちぎられた“左腕”が、暴走時に再生された事があったので、翼もクリスも心配そうに見つめていた。
「・・・・・・ごめんなさい」
「本当に何もないならそれで良い・・・」
翼は先日の日本政府とのやり取りを思い出す。
* * *
ウェル博士により“月の落下”が証明され、二課本部は騒然となり。友里と藤尭が各方面に連絡を取り合っている間に、弦十郎は日本政府の重鎮と会議をしていた。
「《米国の協力を仰ぐべきではないか?》」
「米国からの情報の信頼性が低い今、それは考えられません! 状況は一刻を争います! 先ずは月軌道の算出をする事が先決です!」
「《独断は困ると言ってるだろう》」
「《先ずは関係省庁に根回しをしてから、それから本題に入っても遅くはない》」
“月の落下”など当然非現実的な話を信じられない人間達は悠長な会議が平行線していた。騒然となる指令室を尻目に見つめるエルシドがいた。
「(平行線だな。余りにも荒唐無稽な話だから、危機感をまるで持っていないのも仕方無い事だが、人々がこの事態を知っても、黙殺されるか混乱が生まれるだけ、アルバフィカの言っていたのはこれか・・・)」
「エルシド、話がある。来てくれないか?」
平行線の会議が終わった弦十郎はエルシドに話しかけ、別室に行くと、そこに翼もおり。弦十郎は二人にガラスケースに入った“結晶体”を見せる。
「これは・・・?」
「メディカルチェックの際に採集された、響君の体組織の一部だ」
弦十郎は壁に映る映像でレントゲン写真を見せると。
「胸のガングニールが・・・!」
レントゲン写真には響の身体の内部をガングニールの破片を中心に木の根っこのように響の身体に張り巡らしていた。
「身に纏うシンフォギアとして、エネルギー化と再構成を繰り返してきた結果、体内の侵食進行が進んだのだ」
「生体と聖遺物が一つに溶け合って・・・」
「弦十郎殿、この事を知っているのは?」
「俺たちの他数人とレグルス君とデジェルも知っている。適合者を超越した、響君の爆発的な力の源だ」
「・・・・・・・・・」
「デジェルとレグルスの見解は?」
「デジェルは、なるべくなら響君を戦力から外す事を視野に入れるべきと言ったが、レグルス君は・・・」
『この事を知っても、俺たちが止めても、響は絶対に戦いから身を引こうとはしないよ。誰かを助けられるなら響は自分の身を削る事を厭わないから・・・』
「レグルスの言っている事は、立花の性格を良く理解している見解だな」
「この融合が、立花の命に与える影響は・・・?」
「遠からず、死に至るだろう・・・」
弦十郎の言葉に翼の瞳と手が震える。
「立花・・・死ぬ・・・バカな・・・!」
「そうでなくても、これ以上の融合状態が続いてしまうと、それは果たして、“人”として生きていると言えるのか・・・!」
「・・・・・・」
「(奇しくもある意味立花は、カルディアと“同じ”になってしまったか・・・)」
翼は目を伏せてしまい、エルシドも目を閉じる。
「皮肉なことだが、先の暴走時に観測されたデータによって、我々では知り得なかった危険が明るみに出たと言う訳だ」
「壊れる立花、壊れた月・・・」
「FISは、月の落下に伴う世界の救済等と立派な題目を掲げてはいるが、その実ノイズを操り、進んで人命を損なう輩だ。このまま放っておく訳にもいくまい。だが! 響君を欠いた状態で、我々は何処まで対抗できるのか・・・!」
奏者の数も黄金聖闘士の数も互角。しかし、響達は適合係数の謎の低下により戦力がダウンした状態、こちらの不利が否めない状態なのだ。
「エルシド、“アスミタ”はこの事態になっても動かないのか?」
「月の落下はともかく、我々の戦いにもヤツは“中立”を貫くだろう」
「FISは、人の命を損なう輩なのに、それでも彼は動かないのか?」
「ヤツの事だ、必要ならば犠牲もやむ無しと考えるだろう。FISは人命を危険に晒すが、大事の為ならば仕方無しと考えるだろうな」
「いずれにしても、立花をこれ以上戦わせる訳にはいきません。掛かる危難は全て、防人の剣で払って見せます!」
壁に写された月の映像を見据えながら、翼は決意を込める。
* * *
「なあ、もしかしておっさんに何か言われたのか?」
「っ! 手強い相手を前にして、一々暴走しているような半人前をマトモな戦力として数えるなと言われたのだ」
「えっ!?」
「戦場に立つなと言っている! 足手まといは二度とギアを纏うな!」
「うあっ!」
敢えて厳しい事を言う翼は響を押し出した。
「お前、それ本気なのか!?」
「・・・」
「オイッ! 何とか言ったらどうだ!!」
そっぽを向く翼にクリスが掴み掛かる。
「この事は! エルシドもデジェルも同意見だ」
「兄ィが・・・!」
「戦場に出れば、否が応にも自身の力が及ばない相手は必ず現れる。射手座の黄金聖衣を纏った時のフィーネが良い例だ! 我々はヤツに手も足も出ないどころか、歯牙にも掛けられなかった。そんな時に、一々暴走して仲間にも牙を向ける未熟者は、足手まといだ!」
「お前っ!」
「クリスちゃん!」
更に翼に掴み掛かろうとするクリスを響が止めた。
「なっ・・・」
「良いよ・・・私が暴走したのも、半人前なのも、ほんとの事だから」
「ちっ・・・!」
「FISには、私達で対応すれば良い。行方をくらませたウェル博士についても、目下二課の情報部が中心となって、捜査を続けている。たかが知れている立花の助力など、無用だ」
「えっ?」
翼の冷たい言葉に響は辛そうに顔を俯かせた。そんな響に見向きもせず、翼は離れていった。
「待ちやがれ! オイ! お前何のつもりだよ!」
クリスが翼を追うが、響はそのまま立ち竦んだままであった。
ーカ・ディンギル跡地ー
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・」
その頃、ウェル博士は“ソロモンの杖”を杖代わりにしながら、フラフラになりながらさ迷っていた。頭部の顔半分の痛みに耐えながらもその顔つきはまるで何年も年を執ったかのように老けていた。
「うわっ! ウワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
足を滑らせ、岩肌を転がり落ちたウェル博士は丁度、岩場に出来た穴から“ある物”を見つけた。
「あっ! へ、イヒヘヘヘヘヘヘヘ・・・」
それは、暴走した響が引き摺り出した、ネフェリムの心臓部であった。赤く点滅するそれをウェル博士は持ち上げ。
「フフ、ヒヒ、アヒハハハハハ。こんな所にあったのかぁ、フフフ、“これ”と“あれ”さえあれば英雄だぁ・・・」
不気味な笑みを浮かべたウェル博士はそのままネフェリムの心臓部を持ち出して、その場を後にした。
だが、ウェル博士は気づいていない、自分を見ていた“人間”がいたことを。
「あれは、ネフェリムの心臓か・・・。あの男<ウェル博士>、何を企む・・・?」
その男は目を閉じた顔を訝しそうにしていた。
ーFIS飛行艇・寝室ー
「♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪」
横になったナスターシャ教授の近くでマリアが優しい歌を歌う、アルバフィカはその歌を心地好く聴いていた。ナスターシャ教授も目を向けると、歌を歌うマリアが映り少し微笑む。
「(・・・優しい子、マリアだけではない、私は優しい子達に十字架を背負わせようとしている)」
「♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪」
「(私が、間違っているのかも知れない)」
「・・・・・・・・・フッ」
起き上がったナスターシャ教授を見て、アルバフィカもフッと微笑む。すると、壁の端末から連絡が届き、マリアも歌をやめる。
「っ・・・」
「私です」
《おう婆さん、どうやらくたばり損なったみたい「ドゴッ!」はぐっ!?》
《もしかして、もしかしたらマムデスか・・・?》
《具合はもう良いの?》
悪態付くマニゴルドを蹴飛ばして、切歌と調が通信に出る。
「マリアの措置で急場は凌ぎました」
ー切歌・調・マニゴルド・カルディアsideー
四人が歩いているのは、カ・ディンギル跡地の近く、響が通っていた商店街であった。ルナアタック時の災害が残る建物はほとんどボロボロで、アスファルトも少し崩れた場所を歩いていた。
「良かった・・・」
「はぁ、で、でねマム。待機しているはずの私達が出歩いてるのはデスね・・・」
《分かっています、アルバフィカの指示ですね?》
「はぁ・・・」
「マムの容体を見れるのは、ドクターだけ、でも連絡が取れなくて・・・」
《二人ともありがとう・・・》
いつもと違う優しい声色だった。
ーナスターシャsideー
「二人ともありがとう・・・」
「「・・・・・・」」
ナスターシャ教授の優しい声色にマリアとアルバフィカも面食らう。
《おいこら婆さん、礼を言うのはこの二人だけかよ!》
《テメェら、いきなり人の脇腹にドロップかましやがって・・・!》
グリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリグリ!!×2
《《あぁ~! 痛い痛い! ごめんなさい(デス)! ごめんなさい(デス)!!》》
通信越しからドタバタかましている四人をナスターシャはにこやかに微笑み。
「勿論、貴方方にも感謝してますよ。では、ドクターと合流次第連絡を。ランデブーポイントを通達しますから。マニゴルド、不測の事態の折りには『黄泉比良坂』を通って来て下さい」
《あいよ、了解!》
ピッ!
ーマニゴルドsideー
「どうやら、一安心だな・・・」
「オラ、オメェら。とっととドクターを回収すんぞ」
シュ~~~~~~~×2
グリグリ攻撃を浴びた二人も立ち上がり。
「アタタタタ、まさかマムが出るとは思っても見なかったデスよ」
「でも、本当に良かった・・・」
「うん」(ぐうううぅぅっ!!)
すると切歌のお腹から腹の虫が鳴った。
「/////////」
「「「・・・・・・・・・」」」
顔を赤らめた切歌は腹を抑える。
「おっと、安心した途端にこれデスよ・・・/////」
「今日は朝からなにも食べてないから・・・」
「って言ってもな」
「しゃあねえ、俺とカルディアで何か買ってくから、お前らはドクター見つけて来い。通信すれば直ぐに飛んでくっからよ」
「うん」
「了解デス♪」
そう言って手を取り合って走り去る二人を見送ったマニゴルドとカルディアは買い出しに向かう際、『ふらわー』と大きく書かれたお店が目に入る。そこでは、店主のおばちゃんが皿を洗っていた。
ー公園ー
その頃、響は未来や弓美と創世と詩織と『ふらわー』からの帰り道を歩いていた。
「しっかしまぁ、うら若きJKが粉物食べ過ぎじゃないですかね~」
「・・・・・・・・・」
「ねえったら!」
上の空の響に弓美が話しかける。
「あ、あぁ、旨さ断然トップだからね。おばちゃんのお好み焼きは・・・」
「お誘いしたかいがありました」
「おばちゃんも凄く元気そうで良かった」
「以前程、簡単に通えませんからね」
ルナアタックの被害にあった商店街は、中々お客が来なくなっていたのだ。
「でもビッキー、これで少しは元気出たんじゃない?」
創世の言葉に振り向く響。
「えっ・・・?」
創世と詩織が苦笑いを浮かべ、弓美が近づき。
「あんたってば、ハーレムアニメの主人公並に鈍感よね(レグルス君苦労しそう・・・)」
「何処かの誰かさんがね、最近響が元気無いって心配しまくってたから、こうしてお好みパーティーをもようした訳ですよ」
「///////」
創世の言葉に未来は頬を赤くする。
「未来が・・・」
「ま、ヒナはあの金髪さん<アスミタ>が帰って来てないかってのもあったんでしょうけど(ニヤニヤ)」
「アハハハハ/////////」
「アハハハハ」
キキイイイイイイィィィィィ!!!
「ウワアアアアア!?」
響達の目の前を三台の車が通り過ぎ、車内には二課の情報部の黒服がいたのを響は見逃さなかった。
チュドオオオオオオオオオオオン!!
通り過ぎた車が見えなくなると、突然爆発が起きた。
『ッ!?』
驚く響達。
「今の!?」
「ッ!!」
響達は走りだし、爆発現場に付くと。
大破した車。
空気に舞う黒ずみ。
ノイズ達と顔を包帯で巻き、左手に布の塊を持ったウェル博士だった。
「イヒヒヒヒヒ、誰が追いかけて来たって、こいつを渡すわけには・・・!」
『ッ!!』
包帯に包まれた顔を歪んだ笑みに染めるウェル博士に響達は警戒する。
「ウェル・・・博士・・・!」
「ッ!? な、何で! お前がここに!!?? ヒ、ヒアアアアアアアアアアアッ!!」
先日の暴走で響に恐怖心が生まれたのか、錯乱したウェル博士がノイズをけしかける。
『ッ!!』
友達を守るために響は歌う、戦いの歌を!
「ッ!! ♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪! うおおおおおおおおおおおおおっ!!」
響はギアが展開するより先に、ノイズに拳をぶつける。
「響!」
「人の身で!? ノイズに触れて・・・!?」
が、ノイズに触れた拳から、ギアが展開され、ノイズを粉砕する。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」
ノイズを粉砕した衝撃波がウェル博士を襲う。
「ヒイイイイイイイイイイイイイッ!!!」
響は汚ならしく悲鳴を上げるウェル博士を真っ直ぐに見据える。
「この拳も! 命も!! シンフォギアだ!!」
投稿休んでいた訳は・・・・・・・・・『スーパーロボット大戦X』が面白くて、サボっていました!申し訳ありません!
でも、ルルーシュ復活と主人公ポジのワタルや、ワタルやナディアとジャンに優しいアンジュや、そのワタルにデレデレのサラマンディーネ。青葉とベルリのやり取り、マジンガーコンビとグレラガのシモン、マイトガインのカッコ良さったら最高でした!
男主人公時では、相棒との喧嘩や女主人公と相棒の癒されるやり取り。でも、女主人公は、主人公に選んでも選ばれなくても、ヒロインポジションですね(笑)。