聖姫絶唱セイントシンフォギア   作:BREAKERZ

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新年明けましておめでとうごじゃりまする!m(__)m

さてさていよいよG編スタート。新たに現れる黄金聖闘士達の『生き様』を上手く表現したいです。


G編
新たな戦い


それは過去の情景、一人の『少女』の暴走が全てを炎に包んだ、その『少女』の元に行こうと崩れた施設の瓦礫を乗り越えながら『もう一人の少女』が表れた。『もう一人の少女』は『少女』に呼びかけ手を伸ばすが燃え盛る炎に遮られる。振り向いた『少女』の顔は『血の涙』と『口から流れる血』で染まりきった壊れたような笑顔だった。

 

「・・・・・・・・・」

 

『少女』は『もう一人の少女』に向かって何かを呟く。『もう一人の少女』は崩れた瓦礫に潰されそうになるが、後ろから『年配の女性』が『もう一人の少女』を庇い瓦礫に潰される。『もう一人の少女』は『少女』の方を見ると『少女』が瓦礫に潰される姿が映った。

 

「ーーーーーーーーーーーー!!!!」

 

『もう一人の少女』の慟哭が燃え盛る施設に虚しく響いた。

 

その後すぐ、『もう一人の少女』と『年配の女性』は『三人の少年達』に助けられるが、茫然自失していた『もう一人の少女』の頭には『ある歌』が流れていた。

 

「♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪」

 

「♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪」

 

「「♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪」」

 

かつて『少女』と『もう一人の少女』が共に歌った歌がその過去に流れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”破滅の巫女フィーネ”が起こした“ルナアタック事変”から約3ヶ月が過ぎ、破壊された“月の一部”はそのまま細かい破片となり月の周辺を漂い、月はまるで土星のような姿になっていた。月がその姿を変えても人々の日常は変わること無く続いていた。

 

だが、フィーネが消滅してなお“特異災害ノイズ”の脅威は人々の知らない所で動いていた。

 

某国。大雨の中、装甲列車が中型の飛行ノイズに襲われていた。列車の乗組員は列車の武装を起動して応戦しようとするも、近代兵器でノイズに対抗することは出来ず乗組員は無残に黒炭へと化していった。その列車の中に“元”特異災害機動部二課の“友里あおい”と“灰色の髪に白衣の男性”がいた。列車が揺れて友里が倒れる。

 

「大丈夫ですか?」

 

「平気です・・・!」

 

友里は立ち上がり白衣の男性に言う。

 

「それより“ウェル博士”はもっと前方の車両に避難してください!」

 

白衣の男性の名は“ジョン・ウェイン・ウェルキンゲトリクス”。生化学の研究者で、日本政府からアメリカ政府に“ある物”を届けるために“彼女達”と行動を共にしている。ウェル博士の後ろの扉が開き、そこから“立花響”と“雪音クリス”が入って来た。

 

「大変です!凄い数のノイズが襲ってきます!」

 

「連中、明らかにこっちを“獲物”と定めやがる。まるで、“何者”かに操られてるみてぇだ」

 

以前にノイズを操っていたクリスはノイズの行動を推察する。

 

「急ぎましょう!」

 

友里に誘導されながら一同は奥へと移動する。降りしきる雨の中の装甲列車をノイズ達が追う。

 

 

 

 

そしてここは“特異災害機動部二課?”の指令室で装甲列車とノイズをモニタリングしていた。

 

「第71チェックポイントを通過を確認!」

 

「米軍基地到着まではもう間も無く、ですが!」

 

ノイズの襲撃でオペレーター達が慌ただしく報告する中、“風鳴弦十郎”司令は険しい顔を浮かべる。

 

「“こちら”との距離が伸びきった瞬間を狙い打たれたか・・・」

 

「司令、やはりこれは・・・」

 

オペレーターの“藤尭朔也”の質問に弦十郎は頷く。

 

「ああ、“何者”かが“ソロモンの杖強奪”を目論んでるに違いない!」

 

弦十郎の言葉に藤尭は渋い顔を浮かべ思わず呟く。

 

「やはり、“彼”にも応援を頼めば・・・」

 

「それを言うな、“アイツ”が嫌“アイツら”が奏者達の任務に関わる事を“お上”が許可しない。“最強の存在”であるが故に、アイツらは“腫れ物”のような扱いを受けているんだ」

 

弦十郎の言う“アイツら”とは、“ルナアタック事変“の時に“フィーネ”を倒し落下する“月の破片”を破壊した“最強の戦士達”。だがその存在を日本政府は危惧し始めた。

“戦士達”と彼等が所持する“完全聖遺物”は“政治的”、“宗教的”に極めて“異質”であり、彼等の“力”は世界のパワーバランスを覆しかねない程の“軍事的”問題にも発展しかねないので、余り彼等の存在を知られるのは危険だと日本政府から通達が来ていた。

 

がそれはあくまで“建前“。

 

「お上にとって“アイツら”は『“ノイズ以上の脅威”になりかねないかもしれん』と考えているのだろうよ」

 

彼等がどういう人間なのかを知る弦十郎は不愉快と云わんばかりに顔をしかめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして響達は走行中の装甲列車の外に出て別車輌に移動しようとしていた。友里は本部からの連絡を受けながら先行する。

 

「はい!はい!多数のノイズに混じって高速で移動する反応パターン・・・」

 

別車輌に入るとウェル博士は今回の任務について話した。

 

「3ヶ月前、世界中に衝撃を与えた“ルナアタック”を継起に日本政府より開示された“櫻井理論”。そのほとんどが未だ謎に包まれたままとなっていますが、回収されたこの“アークセプター ソロモンの杖”を解析し、世界を脅かす“認定特異災害ノイズ”に対抗しうる新たな“可能性”を模索することができれば・・・」

 

ふとクリスが立ち止まり。

 

「ソイツは・・・“ソロモンの杖”は簡単に扱って良いものじゃねぇよ・・・」

 

「クリスちゃん・・・」

 

「最も、あたしにとやかく言える“資格”はねぇんだけどな」

 

“ルナアタック事変”の際、“ソロモンの杖”を使ってきたクリスはその“危険性”をよく知っているが、散々使ってきた自分には“資格”が無いと言う。俯くクリスの手を響がソッと握る。

 

「うわっ!バカ!お前こんな時に///」

 

「大丈夫だよ」

 

安心させるように響はクリスを元気づける。クリスは顔を赤らめる。

 

「お前本当のバカ////」

 

「“デジェルさん”にも頼まれてるんだ、クリスちゃんの助けになってくれって」

 

「(“お兄ちゃん”、コイツに変な事吹き込まないで!////////)」

 

ここには居ない“想い人”に心の中で悪態を付くクリス。ウェル博士が響に話しかける。

 

「失礼ですが、その“デジェルさん”と言う方は?」

 

「クリスちゃんの“大事な人”で“大切な人”なんです!もう結婚しちゃえば良いのにって思う位ラブラブでッ!?」

 

「余計な事言うな!このウルトラバカ!!//////////」

 

響の頭に鉄拳を振り下ろすクリスの顔は紅くなってはいたが本調子に戻っていた。そして本部と連絡を取り合っていた友里が声をあげる。

 

「了解しました!迎え撃ちます!」

 

通信を切り端末をしまい拳銃を構える友里、その姿を見て響とクリスも気持ちを引き締める。

 

「出番なんだな?」

 

「(コクン)」

 

友里が頷くと同時にノイズ達が列車の天井を突き破ってきた。

 

「うわああああああああああああ!!!?」

 

「!!」

 

ウェル博士は尻餅を付き、友里は拳銃で応戦する。響とクリスが構える。

 

「行きます!」

 

「(コクン!)」

 

そして二人は唄う、『戦いの歌』を!

 

「♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪」

 

「♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪」

 

歌う響とクリスの身体に『撃槍』と『魔弓』の鎧を纏う!神話の神々の武具の欠片である“聖遺物”を“フォニックゲインの波動”を歌にして纏う鎧!その名を“シンフォギア”!“ルナアタック”の時と形状が変化していた。

 

響のシンフォギアは細部が変化し首には長いストールを巻いた黄色い鎧、本来は『槍』であるが、彼女の『誰も傷つけたくない』・『誰かの手を繋ぎたい』と願う心に反応して『無手』の姿になった“シンフォギア”、『北欧神話』の『撃槍 ガングニール』。

 

クリスのシンフォギアは赤い鎧を纏い、細部が異なる形状になっていた。『弓矢』であるが、『この世の地獄』を見てきたクリスの『全ての力を凪ぎ払う』と願う心に反応して変化したガングニールと同じく『北欧神話』のシンフォギア、『魔弓 イチイバル』。

 

響とクリスは天井を突き破り外に出る。

 

「濡れ雀共がうじゃうじゃと」

 

「どんな敵がどれだけ来ようと、今日まで訓練してきたあの“コンビネーション”があれば!」

 

「あれはまだ未完成だろう?実戦でいきなりぶっこもうなんておかしな事考えてんじゃねぇぞ」

 

意気揚々と構える響をクリスが諌めた。

 

「うん、取って置きたい“取って置き”だものね!」

 

「フン、分かってんなら言わせんな」

 

悪態を付きながらもクリスは腕のパーツを変形させて二丁のボーガンを構える。

 

「背中は任せたからな」

 

「任せて!」

 

“最強の戦士達”は“個”で戦うのに対し“奏者達”は“群”で

戦うのだ。響は歌を歌いながら戦いを始めた。フォニックゲインは歌声にする事でシンフォギアの力を上げる事ができるのだ。

 

響は空中を飛びながらノイズに殴り蹴りを繰り返し、更にノイズを足場にして後ろからクリスを狙うノイズに一直線に突っ込みノイズを凪ぎ払う、その姿はまるで響自身が一本の『槍』のように。

 

遠・中距離射撃を得意とするクリスと近距離戦闘を得意とする響の戦闘スタイルはまさに理想的コンビと言えるだろう。だが、クリスの心には少しの“焦り”があった。

 

「(まだだ、こんなんじゃねぇ・・・こんなんじゃお兄ちゃんの“足手まとい”のままだ・・・)」

 

“心から大好きな人”は恐らく今の自分や響、そしてここにはいない“先輩”が束になって戦っても到底足元にも及ばない“高み”にいる、そう考えるとクリスの心に言い様のない“焦り”が浮かんだが。

 

「(チッ、集中しろ雪音クリス!今はノイズを倒すことに集中しろ!)」

 

僅かな“焦り”を振り払うかのようにクリスはボーガンを大型にして構えさらに太く大きくなった矢をノイズに向けて放つ!

 

放たれた弓はノイズを貫きながら空中で無数に分裂してノイズを貫くその技『GIGA ZEPPELIN』!

 

だが爆散したノイズの群れから更に巨大なエイのような姿をした飛行型が現れる。

 

「アイツが取り巻きを率いてやがるのか」

 

クリスは腰のパーツを展開すると小型の追尾型ミサイルを放つ『MEGA DETH PARTY』を放つがノイズは意外な空中旋回でミサイルをかわす。

 

「だったら!」

 

今度はボーガンきら四門三連ガトリングに変形させて放つ『BILLION MAIDEN』を放つ!だがガトリングの弾丸をノイズは巧みに交わし、突撃モードに姿を変えてクリスに突撃する。

 

「クッ!」

 

「クリスちゃん!」

 

応戦するクリスの前から響がノイズに飛びかかり拳を叩きつける!ノイズの軌道をずらし応戦するクリスの近くに着地する。

 

奏者達が戦っている間、司令室では弦十郎が不可解と云わんばかりの難しい顔をしていた。

 

「(ノイズとは唯人を殺す事に終止する極めて単調な行動パターンが原則の筈、だがあの動きは目的を遂行すべく制御されたもの。“ソロモンの杖”以外でそんな事が)」

 

今までと違うノイズの動きに弦十郎は疑問を浮かべていた。

 

 

 

そして装甲列車は鉄橋に差し掛かった。クリスが弾幕を張りノイズを寄せ付けないようにしているが、所詮場を持ちこたえることしかできない。ノイズ達は飛行する事ができない奏者達と距離を保ち、響達が手が出せない状況になっていた。

 

「あん時<ルナアタック事変>みたく空を飛べるXD<エクスドライブ>モードならこんな奴等にいちいちもたつく事もねぇのに!」

 

“ルナアタック事変”の最終局面で飛行能力と念話能力を得たXD<エクスドライブ>モードならとクリスがぼやくが。

 

「クリスちゃん!」

 

「あ?」

 

響の声に振り向くクリスの目にはトンネルの入り口が迫ってきていた。

 

「「ウワアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」」

 

寸前で響が震脚で列車の天井を壊しクリスを抱き抱えて列車の中に逃れた。

 

「ギリギリセーフ!クリスちゃんをお姫さま抱っこするのは“デジェルさん”の特権だけど・・・」

 

「お陰で助かったんだから良いだろ・・・くそっ、攻めあぐねるとはこう言うことか!」

 

拳を手に当てて状況に苛立つクリス。すると響が声をあげる。

 

「そうだ!」

 

「何か閃いたのか?」

 

「師匠<弦十郎>の戦術マニュアルで見たことある!こう言う時は列車の連結部を壊してぶつければ良いって!」

 

「ハァ、オッサン<弦十郎>のマニュアルとか面白映画だろう?そんなのが役に立つか。大体ノイズに車輌をぶつけたってアイツらは通り抜けてくるだけだろう?」

 

クリスは呆れながら言うが響は自信満々な態度で。

 

「フッフン♪ぶつけるのはそれだけじゃないよ!」

 

「・・・・・・」

 

ドヤ顔の響をクリスは訝しそうに見つめる。

 

 

 

 

 

 

ー日本ー

 

その頃、日本のとあるマンションで部屋を借りている青年は自室でドイツ語で書かれた医学書を読んでいた。すぐ近くの本棚には英語やフランス語やドイツ語にイタリア語はては中国語の医学書や薬草学、針治療や生体学、動物学の本があった。

緑色の長髪に端麗な顔立ちに眼鏡を掛け、知性溢れる雰囲気の青年はふと机に立て掛けてある“クリスと青年”が仲睦まじく写る写真を微笑みを浮かべながら見つめ。

 

「クリス・・・・・・」

 

幸せそうに笑うクリスを見ていた青年は別の地で任務に当たっている本来ならば同棲している“大切な人”に思いを馳せていた。

 

ピッ!

 

「?」

 

すると突然、青年のパソコンにメールを受信した効果音が流れた。青年はメールの送り主を見ると目を鋭くする。

 

「“アクベンス”・・・・・・」

 

“裏の情報屋 アクベンス”からのメールを訝しそうに見つめるが送られてきたメールには付録写真しかなかった。一応世話になった情報屋からのメールなので付録写真を見るとそこには。

 

大勢の野次馬に囲まれた“桃色の髪をした少女”と“その少女の護衛らしき数人の男性”が写っていた。

 

「彼女は確か・・・・・ッ!?この護衛、まさか!?」

 

そこには“青い髪を横に伸ばした青年”と“群青の長髪の男性”がいた、サングラスを掛けていたが青年はその男達に見覚えがあった。

 

「まさか・・・・・・アイツらが?」

 

青年<デジェル>は眼鏡を外し言い知れぬ“不安感”が頭をよぎった。そしてデジェルは携帯端末を持って連絡をする。

 

 

ー某国の山岳地帯ー

 

ここに一ヶ月前から駐留している鋭い目付きをした黒髪の青年がいた。青年は“ある調査”の為にここにいたが、携帯端末が鳴る。

 

「もしもし、デジェルかどうした?・・・・・・何?それは本当か?・・・・・・わかった、俺も直ぐに日本に戻ろう。“アイツら”がもしも敵側なら立花達の生命は保証できん」

 

そう言って青年<エルシド>は通信を切り帰国の準備をする。

 

 

 

 

ー某国の山脈地帯ー

 

目を閉じた金髪の青年は瞑想を耽っていたが。

 

「何か、不穏な気配を感じる・・・また日本か・・・よくよく妙な縁があるな、あの地には」

 

金髪の青年<アスミタ>は霞のように姿を消した。

 

 

 

ーフランスの凱旋門前ー

 

フランスの凱旋門の前にある露店商から茶髪の少年が“あるモノ”を買った。

 

「ありがとうおっちゃん!・・・・・さ~てと、“コレ”どうしょっかな・・・・・・風が呼んでる・・・・・・日本か・・・行ってみるかな♪」

 

少年<レグルス>はワクワクとした笑みを浮かべて日本を目指す!

 

 

 

 

“最強の戦士達”も知らない、奏者達も知らない、これから起こる“新たな戦い”をーーーーーーーー。

 

 

 

 

 

 

 

ー聖姫絶唱セイントシンフォギアGー

 

 

 




今回はここまで、まだ“アイツら”は登場しません、申し訳ありません!!m(。≧Д≦。)m

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