聖姫絶唱セイントシンフォギア   作:BREAKERZ

23 / 107
今回の話で彼の人をチートにします。


リディアン壊滅?!フィーネの正体!

響達がスカイタワーでノイズと戦っている間にリディアンにノイズが現れた!迎撃する自衛隊と逃げ惑う生徒達でリディアンは混乱の極みに立っていた。

 

綺麗だった校舎は無残に破壊され、自衛隊の装甲車も破壊され近くにいた自衛隊員も爆発に呑み込まれた!だがここまで被害が出ているにも関わらず人的被害は“0”<ゼロ>だった!

 

爆発に呑み込まれた自衛隊員は“金色のオーラ”に全身を包まれ外傷は無く。逃げ遅れた生徒達は突然頭に“謎の声”が響き、その声に従って行動しノイズに出くわさず避難シェルターについていた。

 

リディアンに着いた緒川はこの不可思議な状況に面食らったが避難誘導に参加した。

 

未来もまた逃げ遅れた生徒達を避難させようと自衛隊員の手助けをしていた。

 

「落ち着いて!シェルターに避難してください!落ち着いてね」

 

「ヒナ!」

 

「皆?!」

 

振り向くと創世と詩織と弓美がいた。

 

「どうなってるわけ?学校が襲われるなんてアニメじゃないんだから」

 

弓美が不安そうに呟く。

 

「皆も早く避難を」

 

「小日向さんも一緒に」

 

「先に行ってて。私、他に人がいないか見てくる!」

 

未来は校舎を走る!

 

「ヒナ!」

 

「君たち!急いでシェルターに向かってください!校舎内にもノイズが」

 

そう言った自衛官の上からノイズが襲いかかるがその自衛官の身体を“金色のオーラ”が包みその“オーラ”に触れたノイズは消滅したが自衛官は無事だった。

 

「?!俺、生きてる?」

 

「大丈夫ですか?!」

 

詩織が自衛官に近づく。

 

「あぁ、大丈夫だ。それよりも君たちも急いで避難してください!」

 

「で、でもまだ私達の友達が・・・」

 

未来をほっとけない三人の頭に“声”が響いた。

 

『彼女は大丈夫だ』

 

「「「ッ?!」」」

 

『そこのモノ、早く少女達を避難させよ』

 

「ッ?!」

 

自衛官にも“声”が響いた。自衛官は弓美達を連れて避難する。

 

 

 

ー???ー

 

「(レグルスに言われ仕方なく来たが、よもやこのような事になるとはな・・・さて、小日向未来は?)」

 

 

 

 

ー未来sideー

 

未来は校舎を走りながら逃げ遅れた生徒がいないか探していた。

 

「誰かー!残っている人はいませんか!」

 

ドカァァァァァン!

 

「ひっ!」

 

突然の振動に怯える未来は窓を見ると怪獣のような大型のノイズが暴れているのを確認した。自分たちの学校が無慈悲に蹂躙される光景に未来は愕然とした。

 

「学校が・・・響の“帰ってくる所”が・・・」

 

未来の横に窓を突き破ってノイズが侵入した!侵入したノイズは未来に襲いかかる!

 

「ッ!」

 

「!」

 

その時、緒川が未来を押し倒しノイズの攻撃を交わした。

 

「ッ!緒川さん?!」

 

「ギリギリでした。次うまくやれる自信はないですよ」

 

緒川が顔を上げるとノイズが再び未来達を襲おうとする。緒川は未来の手を引く。

 

「走ります!」

 

「え?!」

 

「三六計逃げる如かずと言います!」

 

二課本部に続くエレベーターに乗り込む緒川と未来を追撃しようとノイズが襲いかかるが突然ノイズ達の動きが止まる。

 

「ノイズ達が・・・」

 

「今の内です!」

 

端末をかざしエレベーターを動かしそのまま二人は二課本部に逃げる。エレベーターの前で硬直したノイズ達はそのまま炭化消滅した?!

 

そんな事は露知らず未来はホッとする。緒川は呟く。

 

「まただ・・・」

 

「え?」

 

「いえ、自衛官の人達や逃げ遅れた生徒達もノイズに襲われそうになると突然ノイズの動きが止まりひとりでに消滅してしまう事が起きたんです」

 

「(ノイズの動きが止まる?それって“あの時”と同じ)」

 

未来の脳裏に以前自分が囮になってノイズから逃げ惑っている時も何度かノイズの動きが止まる事が起きたのだ。まるで誰かに守られているかのように。

 

緒川は弦十郎に連絡をする。

 

『はい、リディアンの破壊は依然拡大中です。ですが、未来さん達や“何かの力”が働いたお陰で奇跡的に人的被害は0に抑えられています。これから未来さんをシェルターまで案内します』

 

「分かった。“何かの力”と言うのは分からんが気を付けろよ」

 

『それよりも司令、カ・ディンギルの正体が判明しました』

 

「何だと?!」

 

緒川からの言葉に弦十郎が反応する。

 

「物証はありません。ですがカ・ディンギルとは恐らく」

 

ガシャン!

 

突然緒川達の乗るエレベーターの屋根から“何かが”落ちる音が!

 

「「ッ!!??」」

 

突然未来の悲鳴が弦十郎の耳に入った!

 

「どうした?!緒川!!」

 

一抹の不安が弦十郎の顔に浮かんだ。緒川は突然エレベーターの屋根を突き破って現れた。“ネフシュタンの鎧”を纏ったフィーネに首を捕まれエレベーターの扉に押し付ける。

 

「うっ!・・・うぅ!」

 

「乞うも早く悟られるとは、何が切っ掛けだ?」

 

首を捕まれながらも緒川は説明する。

 

「塔なんて目立つものを誰にも知られること無く建造するには地下へと伸ばすしかありません。そんな事が行われているとすれば、特異災害機動部二課本部、そのエレベーターシャフトこそ“カ・ディンギル”。そしてそれを可能とするのが」

 

「漏洩した情報を逆手に上手くいなせたと思っていたが」

 

エレベーターが到着し扉が開きフィーネの手から逃れる緒川は素早く拳銃を取りだしフィーネの心臓部に弾丸をぶちこむが、ぶちこまれた弾丸は潰れて落ちる。緒川が銃を構えたままその鎧がなんなのか気づく。

 

「ネフシュタン・・・」

 

クリスが纏っていたときとは形が少し違う上に金色になっていたが間違いなくネフシュタンだった。フィーネは緒川に向けて桃色の水晶でできた鞭で緒川を拘束する。

 

「ウワアア!」

 

「緒川さん!!」

 

「ぐぅぅ!未来さん・・・逃げて・・・」

 

「!・・・くっ!」

 

だが未来はフィーネの後ろから体当たりをする。だがフィーネはピクリとも動かず、そのまま未来の方に振り向く。拘束は解かれた緒川はそのまま崩れ落ちる。フィーネは未来の顎を掴み顔をあげさせる。

 

「麗しいな、お前達を利用してきた者を守ろうと言うのか?」

 

「利用?」

 

「何故二課本部がリディアンの地下にあるのか、聖遺物に関する歌や音楽のデータをお前達被験者から集めていたのだ。その点、風鳴翼と言う“偶像”は生徒を集めるのに良く役立ったよ。ふふ、ハハハハ!」

 

フィーネは未来から手を離し離れるが未来は毅然とした態度で。

 

「嘘をついても!本当の事が言えなくても!誰かの命を守るために自分の命を危険にさらしている人がいます!私は、そんな人を、そんな人達を信じてる!」

 

未来の言葉が不快だったのかフィーネは顔を歪め未来の顔をはたく。さらに未来の首を掴み顔をはたく。

 

「あっ!ぐっ!」

 

未来はそのまま崩れ落ちる。フィーネはそんな未来を冷たく見下ろし。

 

「まるで興が冷める!」

 

そう吐き捨てたフィーネはある扉へ向かい扉を開けようと端末をかざそうとするが。その端末が破壊される。

 

「!」

 

振り向くと拳銃を構えた緒川がいた。

 

「“デュランダル”の元へは行かせません!この命に代えてもです!」

 

拳銃を捨て緒川が構える。だがフィーネはそんな緒川を冷たく見据え、2つの鞭を構える。だが。

 

「待ちな了子」

 

「!?」

 

突然フィーネ達のいる区画の天井が破壊されるとそこに特異災害機動部二課司令 風鳴弦十郎がいた!

 

「・・・・私をまだその名で呼ぶか?」

 

フィーネいや櫻井了子は笑みを浮かべてはいるが警戒が強くなった。

 

「女に手を上げるのは気が引けるが、二人に手を出せばお前をぶっ倒す!」

 

黄金聖闘士を除くと“人類最強”の漢が立ちはだかる!

 

「司令・・・」

 

緒川と未来は突然の常識破りな弦十郎の登場に驚く。

 

「調査部だって無能じゃない。米国政府のご丁寧な道案内でお前の行動にはとっくに気づいていた。無論、シジフォスやエルシド、レグルス君やデジェル君もお前に不信な気配を感づいてはいたがな。あとはいぶり出すため、敢えてお前の策に乗りシンフォギア装者や黄金聖闘士を全員動かして見せたのさ」

 

「陽動に陽動をぶつけたか、食えない男だ。だが!黄金聖闘士でもない貴様がこの私を止められるとでも」

 

「オオとも!一汗掻いた後で話を聞かせてもらおうか!」

 

弦十郎はフィーネに突っ込む!フィーネは鞭で迎撃するが弦十郎は鞭を交わす!もう一本の鞭で攻撃するが弦十郎飛び天井を足場にフィーネに飛びかかる!

 

「ぐっ!」

 

「覇ァァァァァ!」

 

ギリギリ交わすが肩のパーツに皹が入る!

 

「何?!」

 

フィーネは弦十郎から距離を取る!

 

「くぅ、肉を削いでくれる!」

 

両手の鞭で攻撃するが弦十郎は鞭を掴みフィーネを引き寄せがら空きになった腹部へ拳を叩きつける!吹き飛ばされたフィーネは弦十郎の後ろに倒れる。

 

「が・・・グハ!・・・“聖衣”を纏っているわけでも小宇宙闘技を会得している訳でもないのに・・・“完全聖遺物”を退ける・・・どういう事だ?」

 

「しないでか!こう見えても“聖衣”を纏っていないシジフォスとは三度もガチで手合わせをしていたんでね!お陰で山を3つ程更地にしてしまったよ!それにな!飯食って映画見て寝る!男の鍛練はソイツで十分よ!」

 

そんなんで強くなるのはあんただけじゃ!とツッコミが飛んでくるような身も蓋もない理論を持ち出す弦十郎(因みにシジフォスとの手合わせはわずか3分しかも二人とも素手で山を更地にしたのだ)。

 

「くっ!聖闘士がいなければ間違いなく貴様が人類最強であったろうな。だがなれど、人の身で有る限りは!」

 

“ソロモンの杖”を構えノイズを呼び出そうとするが。

 

「させるか!」

 

弦十郎は震脚で床を壊しその破片を蹴り“ソロモンの杖”を弾き飛ばし天井に突き刺さる。

 

「なっ?!」

 

“ソロモンの杖”に目が向き再び弦十郎の方を向くと既に拳を構えた弦十郎が目前にいた!

 

「覇ァ!」

 

弦十郎は拳を叩きつけようとする!

 

「ノイズさえ出てこないのならば!」

 

だが。

 

「弦十郎君!」

 

フィーネは櫻井了子の顔で弦十郎の名を呼ぶ。

 

「!!」

 

一瞬弦十郎の動きが止まる。フィーネは歪んだ笑みを浮かべ。

 

ザシュ!!!

 

弦十郎の腹部に鞭を突き立てる!

 

「・・・」

 

「司令・・・」

 

未来た緒川は愕然とし。弦十郎は傷口や口から大量の血を流し倒れた。

 

「イヤァァァァァァァァァァ!!!」

 

未来の悲鳴が区画に響いた。フィーネは倒れた弦十郎に近づき、弦十郎から端末を抜き取る。

 

「抗うも覆せないものが運命<さだめ>なのだ」

 

フィーネは鞭を伸ばし“ソロモンの杖”を回収し杖の切っ先を弦十郎に向ける。

 

「殺しはしない。お前達にそのような救済など施すものか」

 

そう言ってフィーネは弦十郎の端末を使い“デュランダル”の元へ向かう。緒川と未来が弦十郎に駆け込む。

 

「司令!司令!」

 

「・・・・・・」

 

緒川が呼び掛けるが弦十郎は答えなかった。

 

『・・・ここまでか・・・』

 

「「?!」」

 

突然区画に響いた声に未来と緒川は声がする方に目を向けるとそこには!

 

「ま、まさか!」

 

「貴方は!」

 

「久しぶりだな小日向未来。店主殿もようやく退院したのに君たちが来なくて寂しそうにしていたぞ」

 

『お好み焼きフラワー』で居候している盲目の僧 アスミタ。だが彼が着ているのはいつもの袈裟ではなく、エルシドやレグルス、デジェルと異なる形状の黄金の鎧を纏っていた。

 

「さて、風鳴弦十郎を運ぶか」

 

アスミタがそう呟くとアスミタや未来達の周囲に金色の光が包み、その区画を光が満たした!光が収まると未来達の姿が消え、残ったのは弦十郎の流した血の後だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

“デュランダル”の保管場所に到着したフィーネ。空中に操作ディスプレイを出し、“デュランダル”の封印を解除する。

 

「目覚めよ、天を衝く魔刀。彼方から此方より現れ出でよ!」

 

“デュランダル”を手にし笑みを浮かべるフィーネ。

 

「さぁ来るが良い装者共!先ずは前菜である貴様らを血祭りに上げ。主菜である黄金聖闘士達を越えて!私は、“あのお方”の立つ“高み”に近づいて見せる!!」

 

フィーネの叫びが保管室に響いた。

 

 

 

 

 

響達の活躍をメインモニターで見ていた指令室のオペレーター達。指令室の入り口から突然光が現れ友里がそちらに目を向けると。

 

「?!司令!」

 

血塗れの弦十郎と緒川と未来そして黄金の鎧を纏うアスミタだった。緒川は指示を飛ばす。

 

「応急措置をお願いします!彼<アスミタ>の事は後回しです!」

 

ソファーに横たわった弦十郎に友里が包帯を巻く。

 

「本部内に侵入者です。狙いは“デュランダル”、敵の正体は櫻井了子」

 

『!?』

 

緒川の言葉に全員が愕然となる。

 

「響さん達に回線を繋ぎました」

 

未来は響に現状を伝える。

 

「響!学校が、リディアンがノイズに襲われてるの!」

 

だが突然電源が落ちて真っ暗になった。

 

「何だ?」

 

「本部内からのハッキングです!」

 

「こちらからの操作を受け付けません!」

 

「こんなこと了子さんしか・・・」

 

「・・・・・・響」

 

未来の不安な呟きが指令室に響いたがアスミタが未来の肩に手をおく。するとソファーから声が。

 

「ん!・・・」

 

弦十郎が目を覚ましたのだ。

 

「司令・・・」

 

「状況は?」

 

「本部機能は殆どが制御を受け付けません。地上及び地下施設内の様子も不明です」

 

「そうか・・・所で彼はまさか?」

 

弦十郎の目線の先に不安そうにする未来の側にいる黄金の鎧を纏うアスミタに目を向ける。アスミタも弦十郎の方に目を向け。

 

「はじめましてになるな。特異災害機動部の者達よ」

 

「あのアスミタさん、アスミタさんはやっぱり」

 

「改めて名乗ろう、小日向未来。我が名はアスミタ。アテナに仕えし黄金聖闘士が一人、乙女座“ヴァルゴ”のアスミタ!」

 

「ここに来て5人目の黄金聖闘士だと!?」

 

指令室全員がこの場に現れた黄金聖闘士に驚く。

 

「レグルスの動物的勘に感謝するのだな。もしもの時の為の保険に私を助っ人に呼んでいたのだ」

 

「何だって?!じゃ、レグルス君は君がこの世界に来ている事を知っていたのか?」

 

「あぁ、エルシドとデジェルもな。最も私が秘密にしておいてくれと頼んでいたのだがな」

 

「アスミタさんは今まで何をしていたんですか?」

 

未来の質問にアスミタは答える。

 

「何。ノイズと戦っている者達を遠隔操作の結界で守り、逃げ遅れた生徒達にテレパシーで避難誘導をし、逃げ場のない者達をテレポートで逃がしたりと少々忙しくてな」

 

「え?」

 

「まさか、あの不可思議な“現象”は貴方が?!」

 

「お陰で駆けつけるのが遅れたがな」

 

アスミタの言葉に全員が驚く事になった。この目の前にいる盲目の黄金聖闘士はたった一人で人的被害をOにしていた事に。

 

「アスミタ君、何故君は今までの戦いに参加しなかったんだ?」

 

弦十郎の質問にアスミタは答える。

 

「・・・私はこの世界に“守る価値”があるのかと疑問を抱いている」

 

『?!』

 

弦十郎以外はアスミタの言葉に少なからずショックを受ける。地上の平和を守る聖闘士がそんな事を言うなんて思わなかったのだ。ただ一人、弦十郎だけはその訳に心当たりがあった。

 

「それはデジェル君と同じ考えだったからか?」

 

「その通りだ。生憎私はデジェルのような出会いが無くてな。だから、見定めさせてもらう」

 

「見定める?」

 

「そう、フィーネと奏者、ならびに黄金聖闘士。この戦いで私の疑問の答えが見つかるやも知れぬ(そして私が抱いている“この世界”と我等が今纏っている“聖衣”についての“答え”が」

 

アスミタは盲目の目を地上へと向ける。これから始まる戦いこそ真の戦い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまで次回に続く!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。