輝夜サイド
やっはろー(=゜ω゜)ノ!
みんな(対転生個体特別処理局のみ)の心の
今はね、ローちゃんの連れてきた子達のテストを二階のバルコニーで見てるんだよ!
いや~それにしてもローちゃんの連れてきた慧香ちゃんはとっても可愛いね(キリッ)
転生者としていろいろな女の子を見てきたけどひと目でどストライクに入った子はローちゃん以来だよ。
しかもけっこう初心で、恋心真盛りだから見て良し、弄って良し、後押しして良しの三点セットなんてもう天然記念物もんだよ~。
グォォォォォァァァァア!!!
「しゃらくせぇ!!!」
「うわぁ・・・・・・・・・」
「慧香、引いてやるな。あれがアンディの本気・・・・・・・・・の5分の2だ」
「半分も言ってないんですか!?」
それで今は慧香ちゃんと一緒に来たアン君を見てるんだけど・・・・・・・・・規格外も程々にネ!!
だってさぁ、結構重量のある筈のウラガンキンが縦横無尽に演習ルームを飛びまくってるんだよ!
そうそうあれだよあれ、某海賊アニメのバネ野郎みたくバンバン飛びまくってんの。
ウラガンキンが飛んでいく速度をさらに超える機動力ってどゆこと!?
━━━━━━━あぁ、そういう事ね。どうやらアン君は取り出した龍脈を自分の所在転換に使ってるわけね。
演習ルームの大きさから考えて約100m位が限界かな?
「これでフィニッッッッシュ!!!!」
「お~!よく飛ぶねぇ、アン君って本当に通常種のディアブロスなの?
絶対亜種でしょ、あんな馬鹿力」
「それは無いよ輝夜さん、ディアブロス亜種は設定上雌だけだから」
それもそっか、さてとアン君のデータはある程度揃ったし次はアグニゃん行ってみようか!
会話はマイクとヘッドセット着けてるからモーマンタイ。
「そんじゃ、アグニゃん次行ってみよー!」
『その呼び名は止めてくれ、俺は女じゃない』
「まあまあそんなこと気にせず気にせず!
あ、アグニゃんのテスト相手は別の物にするからね」
『聞く耳持たずか、まあいい始めてくれ』
て言うかこの演習ルーム作ったの私じゃないし、それにこの演習ルームの悪い点が出てくる相手がモンスターだけじゃないんだよね!転生者対策でいろいろな作品のが出てく━━━━
「「「━━━━あ」」」
「え!?」
「何だよこりゃ・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
青い粒子が空中で集まってできたのはさっきよりも一回り・・・・・・・・・なんて単位では比べ物にならないくらい巨大な何か。
この演習ルームは東京ドーム4個分の敷地と東京タワーと同じくらいの高さがあるんだけど、
「・・・・・・・・・ねぇリンくん、私の見間違いじゃなかったら、アレって『黒い館』だよね?」
「そうでしょうね、正式に言えば『サイコガンダム』ですね。
流石局長、良い趣味をしてますねまったく・・・」
「あの馬鹿野郎━━━━!!!!」
余りにもでかいよ!?作中のガンダムMk-Ⅱと比べた時のスケールの違いからデカイってことは百も承知だけど、人と比べたら蟻と巨象だっての!!
━━━━━って言うか、何でアグニゃん自分から近付いてんの!?
「アグナさん!その相手は人の手でどうにかなるものではありません!
急いで離れてください!」
「ケリウスさんの言う通りですよアグナさん!離れてください!輝夜さんもアレを止めてください!」
「いや、その、ここの仕様で出てきた対象を機能停止させるには倒すしか方法がないことになってて・・・・・・あはは・・・・・・・・・」
それにもう、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴって言う駆動音と共にサイコガンダムが変形し始めたんだけど!?
ちょっとマジで洒落にならないからね!?
演習ルームで殺人事件なんてマジで洒落にならないからね!?
なんか、いきなりアグニゃん服脱ぎだしたんたをけど!?
「おいおい。アグナの奴、本気であのデカ物消すらしいぞ」
「いやいやいやいや!!消すどころか逆に消されますよ!?
いくら竜族でもビーム食らったら無事じゃ済まされないでしょう!!??」
「━━━━━敵の攻撃が龍脈頼りならアグナの敵じゃねぇよ・・・」
ズァァァァァァァァァァァ!!!!
目の前でアグニゃんに向けてメガ粒子砲が放たれる。防御しようにも規模も出力もアグナコトルのレーザーなんて比じゃない。
反射的にビットで守ろうとしたけど間に合わない。
でも、アグニゃんが焼かれることは
『敵攻撃、龍脈純度100%
龍脈作用転換・・・・・熱量変換開始・・・・・
背部熱殻始動・・・・・熱量保管開始・・・・・』
無かった。拡散せずに放たれたメガ粒子砲がアグニゃんの細い腕に当たるのと同時に白い光の靄になってアグニゃんの周りを漂う。
光の靄はそのままアグニゃんの背中にある尖った頚椎━━━阿頼耶識みたいなソレに吸い込まれるように溶けていく。
ビームが通用しないとサイコガンダムも理解したのだろう、粒子砲を止めて殴りかかる。
でも、その動きはかなり緩慢でアグニゃんなら余裕でかわせた。
鋼鉄の拳を打ち付けた重々しい轟音が響く中、アグニゃんが右手を突き出すと熱線が放たれる。
しかし、それはサイコガンダムの表面に当たると弾けるように拡散した。
「アンディさん!アグナさんを止めてください!
あの怪物には熱線が通用しません!」
「そんなのあんな一撃じゃ仕方ねぇだろ、アグナのさっきのはただの牽制だ」
「いやだから!牽制以前の問題で!アイツにはビームやレーザーが通用しな━━━━━」
━━━ズッッドォォォォォンン!!!!
・・・・・・・・・・・・何で、何でなの?
何でサイコガンダムの左腕が肩から溶断されてるの!?
て言うかモビルアーマーを溶断するなんて、アグニゃんの熱線どんだけ高火力なの!?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「リンくんお願いだから固まらないで。
もう輝夜さんだって泣きそうだよ・・・・・・・・・。
ローちゃん!どんだけ規格外の人達連れてきたの!?」
「報告書見た時からおかしいと思ってください!
事前の調査でも異常だったって書いてたでしょう!?」
確かに『実力は未知数』とか書いてたから伸びしろが未知数なんだって解釈してたけど。
ちなみに慧香ちゃんの報告書は隅々まで見ましたよ?
最後の1行までしっかり読んだよ。
「でも実力未知数なんてものじゃないよ!?もうサイコガンダムの腕が両方共お陀仏何だけど!?
ア〇ロ・レイや〇ュータイプだって真っ青だよ!?」
もう世界観ぶっ壊しじゃん、どこの巨人狩りゲーだよって言うレベルだよ、コレ。
『おーい輝夜、コイツは頭を吹き飛ばせば止まるのか?
それとも全身を飛ばさなきゃ止まらないのか?』
「・・・・・・・・多分、頭を飛ばせば止まると思うよ」
『分かった』
アグニゃんの背中に赤い翼のような刺青が滲み出るようにして現れた。
サイコガンダムは無事な右足の蹴りを放つがアグニゃんが軸の左足を熱線で溶断した。
当然バランスを失ったサイコガンダムは仰向けに転倒した。アグニゃんは床を滑るようにしてサイコガンダムの体を迂回して頭の方へ移動する。
二階のバルコニーからは良く見えないけど、どうやらアグニゃんは頭のちょうど真横の位置まで移動したらしい。
『━━━━━熱量解放、球状収束開始━━━━』
「ア、アンディさん。アレって・・・」
「前の奴だな。しかも、前の威力の三倍位の奴だな」
「輝夜さん!さっきのビット出せるなら出してください!」
「え、どうい━━━━っ!」
ほんの一瞬でビットを全基展開して壁を作る。
生物的な悪寒を察知した条件反射みたいなものだったがどうにか間に合った。
『━━━━『墜ちて天より、焼くは万象』』
ビットで囲ったバルコニーの外で灼熱の嵐が暴れている、そう思えるほどの熱量と衝撃がビットの表面を蹂躙する。
嵐は数十秒した後に止んだからビットをしまうと、そこには黒焦げになったサイコガンダムと煤だらけの演習ルーム、そしてサラシを巻いたアグニゃんが立ってた。
「・・・・・・・・・ねぇ、アン君。アグニゃんって一体何者なの?
ローちゃんからの資料でかなり一緒に過ごしてるみたいだけど」
「さあな、俺が分かるのはアグナの龍脈保有量と龍脈の操作技術は父親からの遺伝らしいという事ぐらいしか分からねぇ」
そっか、でもあの力には絶対にカラクリがあるはず。
アン君はまだ辛うじて生物としての限界から抜けてないけどアグニゃんは完璧に生物の限界を超えてる。
「・・・・・・・・・・・・輝夜さん」
「どしたの?リンくん」
「さっきのアグナさんの一撃ですが、とても興味深いデータが取れました」
「ふむふむ、『攻撃時に保有龍脈量と共に膨大な熱量を外部に発散、そのため攻撃後に生命機能が低下し最悪死に至る』・・・・・・・・・・・・これって!」
こんな一撃を生物が意図して身につけるわけが無い。
自分の危機を脱するために自分の命を使うなんて正気の沙汰じゃない。
よく言って『大量殺戮兵器』、悪い言えば『自爆技』。
それにこの特徴にあった物を私━━否、私達は耳にしたことがある。
『だいばくはつ』、『破壊神の手翳』、『天撃/神撃』、『ゼロシステム』
・・・・・それはつまり、普通の生物が行き着く手段ではないもの。
「━━━━アグニゃん、一体何者なの?」