アンディサイド
「・・・・・・・・・・・・こりゃ驚いた」
まさかロックラックの地下にこんな大都市があったとは思いもしなかった。
というか構造上それは不可能なはずだと思っていた。
このロックラックは大砂漠のド真ん中にある巨大な一枚岩の上に建造された都市、ならばその地盤は岩そのものである。
つまり、これだけの都市を丸々入れるには面積よりも岩そのものの耐久力が下がり陥没してしまうことが懸念される。
「ほんとに大きいですね・・・・・・」
「しかも、ロックラックやタンジアの港とは比べられない程の技術力で作られている。
この街を作ったのは転生者だろう」
「はー、どうりで建物が縦にでっけぇ訳だ」
ローレとケリウスっていう真っ黒の外套とフード付きのマントを羽織った男の後ろをずっとついていってるがどこに向かってるか検討もつかねぇなぁ。
「さっきの転移って『ノゲノラ』の機凱種の奴ですよね。
かなり乙な特典にしましたねぇ、あなた」
「それを言うならローレさんもこの局内では有名ですよ。
この世界であの特典を得ているなんて驚きですし、むしろ金ピカの方が多くのものが使ってますしね」
「えー・・・・・・金ピカは強いって言っても武器の特性を全部把握しなきゃ行けないし、それにある程度中身も制限されるし」
・・・・・・・・・・・・・・・何話してるかは分からないな。
ケリウスって男の格好が格好なだけに不審者と誘拐された子供のような絵面になるな。
しかし歩いても歩いても真っ黒な建物とタイル張りになった路面しか続いてるようにしか見えねぇよ。
いい加減腹も減ってきたしな・・・・・・・・・・・・サボテンの花でも食っておくか。
慧香サイド
「さてと、ここが対転生個体特別処理局の本部になります」
ケリウスさんとローレさんの後ろを追っているうちにどうやら目的地についたらしいです。
しかし・・・・・・なんと言うかほかの建物とはずいぶんと雰囲気が違うように感じられますね。
他の建物とは違い、鉄でなく木を主体として作られた骨組みとユクモ村の建物で良く使われる瓦が敷きつめられた黒い屋根がどこか懐かしく感じられるような気がします。
というか、あんな大きな建物生まれて初めて見たので少し首が痛いです。
「輝夜副局長、ケリウス及びご来客様一行到着しました」
『オッホ~イ!リンくんお疲れ~、とは空いてるから入ってラボの方に来てね~』
まだ湖にいた時に聞いた女性の声が聞こえました。
ケリウスさんがその指示に従って局の入口に入っていくのでそれに続いて入っていきます。
玄関はそれこそユクモ村の建物のそれと同じような感じでした。
・・・・・・・・・・・・・・・氷結晶の塊でできたアオアシラの置物が無ければ。
「これだけ大きな氷結晶が実在するんだな・・・・・・いや、透明度からおそらく人工物か?」
「あの・・・・・・これは?」
「お気になさらずに、副局長の趣味です」
しゅ、趣味でこんなものが作れるんですねぇ・・・。
そのままケリウスさんの後をついていこうとしたのですが、不意にケリウスさんが立ち止まりました。
「どうしたんですか?」「どしたの?」
「・・・・・・ここからラボまでは少々距離がありますので一気に行きたいと思います」
そう言ってケリウスさんは着ていた黒い外套の内側から一枚のカードを取り出しました。
「
するとまた景色が一転して・・・・・・・・・。
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
ピンク色の上の女性が目の前に現れました。
「ぴぃやぁぁぁぁ!!!???」
「ウヒィヤァァァ!!!???」
驚きのあまり、その人を突き飛ばしてしまいました。
すると何かが倒れる音と共にうめき声が聞こえてきました。
「え?あ、あ!大丈夫ですか!?」
「イタタタタ~、痛いなぁ、もう!リンくんもなんでいきなり目の前に転移してくるかなぁ!?」
「皆さんお待たせしました、こちらで床に叩きつけられた゛イタイ゛女性が副局長の輝夜です」
「やめて!なんだか別の意味で解釈されそうな発言やめて!━━━━ってことで!」
青と白を基調としたドレスの様な服とベレー帽を被った女性━━━輝夜さんは飛び起きてローレさんに抱きつきました。
「ローちゃん♪♪♪会いたかったよぉ~!
この頃来ることなかったから寂しかったよぉ~」
「輝夜さ~ん!仕方ないですよ~また虚竜の討伐がいきなり入ってきたんで来れなかったんですよ~!」
「「ハスハスハスハス、クンカクンカ・・・・・・」」
・・・・・・・・・・・・一つだけ分かりました、輝夜さんとローレさんが似た者同士だということが。
すると、いきなり輝夜さんかを私のことをジ━━━━━━ッと見つめてきました。
私はなんだか嫌な予感がしたのでアグナさんの背中に隠れ━━ようとしたのですが、
「ハロー!キューティーガ━━━━ル!!!」
「ぴぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
輝夜さんに抱きつかれて、そのままローレさんのところに連れていかれました。
「どしたのどしたの!ローちゃん!何でこんなにかわゆい女の子お持ち帰りしてるの!?
ずるいよ、こんな絵に書いたような恋する少女を独り占めするなんて~!
あ~、スリスリハスハスサスサスナデナデ」
「なんだかすごい既視感が!!!」
「ずるいですよ輝夜さん~♪♪
慧香ちゃ~ん♪♪モミモミサスサススリスリ」
「アンディさんアグナさん!助けてくだしゃい!!」
あまりの状況にもう泣きそうですよぉ!見ないで助けてくださいよぉ!!!
「すまんが女性に対して実力行使はできない、頑張ってくれ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・(もぐもぐもごもご)」
アンディさ━━━ん!!食事くらいやめて助けてくださいよぉぉぉぉぉ!!!!
アグナサイド
「さ・て・と!それじゃ改めまして、私がこの対転生個体特別処理局の副局長の輝夜で~す!
気軽に輝夜さん、もしくは輝夜様と読んでくださいね」
「ふみゅゅぅぅぅぅ・・・・・・・・・・・・」
慧香には少し悪いことをしたのかもしれないな、ローレと輝夜に揉みし・・・・・・可愛がられて今はローレに抱えられてダウンしている。
しかし、転生者の女性とは物好きが多いんだな。
「それで、ローちゃんから話は聞いてると思うから早速データ採集と行こうかな。リンくん、お願いね」
「いいですが、もう『同行』を使ってしまったので『偽典・天移』で行きますので触れていてください」
ケリウスの言葉に従いケリウスの突き出した腕にそれぞれの手を重ねた。
すると先ほどと同じような音と共に景色が一転、眩しい程に白い巨大な壁が目に入ってきた。
「・・・・・・ここは?」
ローレに抱きかかえられていた慧香か復活したようだ。
「ここは私達、対転生個体特別処理局・・・・・・・・・略して対転処理局の演習ルームだよ。
ここで今からテストを受けてもらうから準備が出来たら呼んでね」
俺とアンディはすぐに武装を出せるが問題は慧香の方だ。
今の慧香は街で歩くために狩りとは別の衣装を着ているため、着替え直さなければならない。
「あの、輝夜さん、私は何処で着替えれば・・・」
「その点は気にしないで、ブラインド作るから」
すると虚空からいきなり緑色の物体が8個飛び出し、慧香の周りお囲むように並んだ。
『あの~、これは、いったい?』
「それは私の特典だよ~、ササっと着替えてね♪」
どうやらこれは輝夜の能力らしい
それにしても大きいな、ひとつひとつが石碑のような大きさでそれが8つも並ぶ姿は壮観だな。
そうもしてる内に慧香も着替え終わったらしいな。
いつも通りの太刀を背に下げ、さらに腰のところに双剣を吊るしている。
「それじゃ始めるよぉ、まずはアン君から行ってみよ!」
「アン君って俺のことかよ・・・・・・て言うかテストってのは何をすればいいんだ?」
すると輝夜か指をパチン、と鳴らした。
すると白い床から青い光の粒が立ちのぼり、空中で固まっていく。
その粒子は徐々に球形を集まっていき、
━━━グォォォォォァァァァ!!!
竜族の形を成して地に足をつけた。
その姿はあの爆鎚竜ウラガンキンと酷似していた。
「手始めにこいつを倒してね、ついでに顎の硬さは峯山龍の牙と同等クラスだから♪」
・輝夜
対転生個体特別処理局の副局長(20歳)
特典の内一つは、「女体化したい(見た目込み)」
となっている。(前世は男性)
・ケリウス・リーセント
対転生個体特別処理局所属の転生者(13歳)
上司の輝夜の奔放さに飽き飽きしている、そのせいでスキル「塩対応」を取得した。
特典についてはあまり他人に行っていない。
この作品ではいろいろなアニメのネタが大量出てきますし、独自解釈のオンパレードです。
ご注意ください