2度目の人生はワンピースで   作:恋音

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第77話 策士策に溺れる

 

 

 

 さて、船に戻ったは良いが特にやることが無いリィンさんです。

 別にログ無いんだからさっさとこの島からおさらばしたい。

 

「前回のVSバギー一味戦での欠点は……っと……ふーむ。やはり『アイテムボックス』か」

 

 フェヒ爺に教えてもらった腕や足が封じられた場合の戦い方を忘れてるってのも原因だな…。1.2年前なのに。

 いや、でもアレは女子としてやりたくないな…うん。

 

 とりあえずちょっとでも集中力が切れる要因があるとアイテムボックスは使えない。

 

「アイテムボックスに頼るしすぎ…難しいぞ」

 

 アイテムボックスって今更だけど言い難い上に言葉だけでバレそう。

 隔離空間?劣化ボックス?四次元ポケット?

 

 変える方がめんどくさい事に気づいた。

 

 

 

 とりあえずアイテムボックスに頼りすぎ無い様にしないとな…、手持ちの荷物が圧倒的に少ないんだよね!アイテムボックスに入れる方が安全だし!

 

 いざって緊急用に外に持ち出して起きたいものをまとめよう。ピンチ、ピンチの場合使えるものー……うーん……。

 

 ・小型ナイフ

 ・牽制用の武器

 ・逃亡手段(箒など)

 ・海楼石関連

 ・一対多数用武器

 ・(念のため)鞭

 

 物騒!なんかもう全体的に物騒だよ!14歳の乙女が身につける物じゃない!

 

 

 とりあえず縄を切れるようにマントの袖口にナイフ仕込める場所だけでも作っておこう。裁縫大嫌いだけど。

 

 帽子のつばにピッキング用針金を…まぁ飾りみたいに付けてればいざって時使えるはず。実際には針金使わないけど。

 

 

 あれ?私、縄や鍵に捕まる予定なの?

 

 

 

 

 

 ==========

 

 

 

 

「──…おーい…リー…」

「はれ…?ルフィ………」

 

 いつの間にかルフィがやって来ていた。まじでいつの間に。

 

「お前寝てたぞ?」

 

 なんだと。

 

「じゃあルフィ出航を………」

 

 周囲が薄暗い事から夜だと分かるが関係ない。嫌な予感が当たらぬ内にこの島から出なければならない。

 繋いだ縄を外そうとすると脇から手を突っ込まれそのまま立たされた。

 

 どうしよう、ものすごい勢いで嫌な予感がする。警報ガンガン鳴ってる。

 

「リー!悪執事ぶっ飛ばすぞ!」

「は?」

 

 悪執事をぶっ飛ばす?

 

 ちょっと考えさせて欲しい。

 彼はまずその説明だけで私が理解出来るとでも思ってるんだろうか。

 

 まず『悪執事』と言ったな、という事はあの執事さんは何かしらルフィの怒りに触れたんだろう。そしてそいつを懲らしめる為に殴り込みに行く、と。

 

「させるかバカ」

「な、なんでだよ!」

 

「ルフィ………あんたね、説明不足過ぎるのよ」

 

 狼狽えたルフィに代わりナミさんが説明役を引き受けてくれた。

 

 

 要約すると『執事がお嬢様の財産狙った元海賊で2日後の朝村に攻め込むからその前に俺たちだけでなんとかしようぜ☆』という事らしい。ハッ、そんなモン全力で却下だ。

 

 なんで部外者が自ら首突っ込まないといけない。話によれば忠告はしたんでしょ?ならそれでも逃げない人間は自業自得。

 シェルズタウンもこの前の村もこちらには目的があって動いた。それ以外なら例え冷たいと言われようが自分やルフィの身が第一。さっさと出航するのが吉だろう。

 

 デメリットがあるとしたらヤソップさんに怨まれる程度だろう。………うん、結構大事かもしれない。ルフィはシャンクスさんにいずれ会いに行くんだとしたら仲良かったヤソップさんには関わりに行くよね…。

 

「………なんとかするです」

「よっしゃ!」

 

 うん、大丈夫、きっと。

 ほぉぉらポジティブが大事でしょ私ィィ!雑魚とは言えどシャボンディ諸島にいた偉大なる航路(グランドライン)の海賊団いくつか潰したんでしょ!大丈夫!セコムがそばにいてさり気なく攻撃してたとかあるけどぉぉ!私生き残れるぅぅ!大丈夫ーー!

 

「それでだなリィン」

 

 ウソップさんが軽くパニックになった私の目の前で説明し始めた。

 

「2日猶予があるからその間に準備するモンあったらしてくれよ、それで朝襲ってくる所を──迎え撃つ!」

 

 迎え撃つ?

 

「笑止!」

「……なんだよ」

 

 ムッとしたウソップさんに私はその考えの愚かさを説明する。

 

「一つ、わざわざ相手の体制が整うを待つ必要が存在するですか?」

「ん?………まぁ、確かに」

「二つ、朝まで待つその間に誰かが殺されても良きと?」

「だ、ダメだ!絶対に!…──そうか、例え殺されても数日後に海賊が襲ってくるんなら罪を押し付けれるから簡単に殺せるのか」

 

 本当は他にも理由はあるがその二つで充分納得出来る理由になっただろう。

 

「じゃあどうすれば……」

「簡単です!」

 

 爽やかな笑みを向ければ全員顔を引き攣らせた、酷い。

 

「相手の嫌がる事をすれば良きです!」

 

 ほら、道徳でも習うでしょ?『人の気持ちや立場を考えろ』って。

 まァ私が考えてるのと道徳では真逆だけど。

 

「ねェ、具体的にはどうするの?」

「そうですね…、お嬢様にバラすましょう!」

 

「でも俺言ったけど聞いてくれなかったんだぞ!?」

「狼少年の言葉を素直に受け取れる可能と?それこそ笑止千万!執事さんがウソップさんを見逃した理由はそこです」

「そん、な……」

 

「ま、そこは私に任せるしてです」

 

 執事さんの今回の作戦のキモは『お嬢様に遺書を書かせる事』

 ならばまずそこから断ち切れば良い。お嬢様が逃げ出せば、知っていて拒否すれば、残酷だが別の遺書を用意して死んでくれれば。その時点でゲームセットだ。

 

 お嬢様を守ろうとしてるウソップさんに言えば絶対激怒するに決まってるから言わないけど。

 

「何か秘策があるの?」

「もちろん」

 

 ルフィとゾロさんがぼーっと聞いてる中、比較的常識人とも取れるナミさんが疑いの目を向けてきた。

 

 身内だからこそ信じられない。ならば部外者であり尚且つ自分の味方から真実を告げれば良いじゃないか。

 

 

 例えば()()とかね。

 

 

「そして催眠術師の撃破」

 

「それは、確かに執事にとって嫌がる事よね……。彼1人しか催眠術を使えないのなら」

「そいつ船長代理とか言ってたし居ない方がいいな」

 

 うんうんと納得している中ふとウソップさんが何かを思いついた。

 

「そいつだけ倒したら別にカヤに言わなくていいんじゃないのか?」

 

 ふむ、確かにいい観点だ……だがしかし!その考え甘い!綿菓子より甘いわ馬鹿者!

 

「この島は平和です」

「お、おう」

 

 今から説明するからその『いきなり何言ってんだコイツ』みたいな目をやめなさい。

 

「恐らく海賊を見た経験は無いです」

「そうだな」

 

「おいリー!俺たち海賊だぞ!?」

 

 話がややこしくなるから黙ってろ。

 

「武器で脅すされた経験の無いお嬢様が脅すされる。下手なれば村の人の命を人質に遺書を書くするかも知れませんです」

 

 それを言えば顔色は一瞬にして青くなった。慣れてる人でさえ怖いもんは怖いってのに初めて見る海賊に武器突きつけられて大切な物人質に脅されりゃ遺書くらい書くわ。それが執事さんなら尚更。今までお世話してくれた人が実は敵で真実を伝えてくれたウソップさんは自分が拒絶した。

 絶望半分で正しい思考回路してくれるかどうか怪しい。

 

 不安要素はほぼ全て消すに限る。

 

「そして最後の嫌がらせ」

「こやつ嫌がらせと言いおった…」

「やかましいウソップさん──最後はもちろん。海賊団の滅亡」

 

 執事さんが何を企んでいるのか分からないがお嬢様の殺害方法が『海賊に攻め込まれ殺される』事。

 

 なんでその方法を選んだか。

 

 殺すならもっと確実に、薬を盛るとか、自ら殺して罪をなすりつけるとか、方法はあるはずなのに何故こんなにも大規模且つ大胆な方法にしたのかが分からない。

 ただ思考は読めなくても警戒すればこれは欠かせないだろう。

 

 

 

 あとルフィが暴れたいとウズウズしてる。

 

 

 後半が主な理由かもしれないな……どうしてだろう、ルフィって私と同じ弱虫仲間だったよね?ンン、まァ確かに私と違って猛獣に突進していく行動力と無謀さはあったけど。この10年で彼の身に一体何があった、おいこら火拳。

 

「でもよォ…そいつらが襲ってくるのは2日後で、お前待ってやらないって言ってただろ?どうすんだ?」

 

 迎え撃つのは嫌なんだろ、とブツブツ言ってる姿を見てあァこの村はなんて平和な村なんだろう、この人は平穏な日々を過ごしていたんだな、と羨ましく思った。

 誰も私の思考回路と同じにはならないのかちくしょう。

 

「相手の体制が整う前に殴り込む」

 

 つまり、『準備が出来るまで誰が待ってやるか、寝込みを襲ってテメエら滅ぼしてやんよ』って事です。

 

「男3人が」

「お前はどうした」

 

「今回は狭き船に乗り込みです。つまりその分戦力が集合してる中、ナミさん単独行動は危険故控えるべきと思うしたです」

「リィン……あんたそんな事まで考えて…」

 

 ま、私が戦いたくないってのが本音だけど。

 

「なァリー、俺は悪執事ぶっ飛ばしたいんだ。絶対ぶん殴るんだ」

「分かってるぞルフィ──キミの危険回避が効かぬは」

「しっしっしっ!俺はどこに行っても俺だからな!」

「絶対この人キャッチボール出来ぬ人───っっ!」

 

「じゃあリィン早めにカヤに伝えて来てくれ」

「お嬢様大好きかチェリーボーイ」

「〝火薬星〟…ッ!」

「うぎゃあぁあ!」

 

 

 

「自業自得よね」

「アホだな」

「リーは頭悪いなぁ〜」

 

 解せぬ。

 

 

 ==========

 

 

 

 満月が近いからか月明かりだけですんなり屋敷に潜入出来た。

 窓を見てもノックする必要は無い。

 

───カチャ…

 

 無機物を動かせる私にとって鍵はあっても無いに等しい。お嬢様の部屋にこっそり入っていった。

 気配消すのが得意で本当に良かったよ。

 

「……お嬢様…起きるして」

 

 ぺちぺちと頬を軽く叩いて体を揺さぶるとお嬢様はうっすら目を開ける。

 

「あな…たは………昼間の…──ッ!」

「おはようございます、まだ夜中ですが。聞くしてほしい事があるです」

「は、はい…!」

 

 不法侵入した相手に警戒せず話を聞こうとする精神はちょっと理解出来ないかなー!

 

「お、嬢様…?」

 

 カタン、と扉が動く音がして視線を向けるとこの屋敷の執事の1人がいた…と言うかまんま羊だな。なんだその髪。もぎもぎしてやろうか。

 

「メリー…!」

 

 メリーさんは執事……か……(遠い目)

 

「これは一体…」

「静かに。来てください、説明しなければならぬ事が存在するです」

「……説明…?」

 

 ロウソクの灯を持ったままメリーさんの執事が警戒しながら入ってきた。

 

「まず信憑性を上げるため私の立場をお話するです」

「……立場?貴女、は、ウソップさんのお友達よね?」

 

「私は、海軍本部の大将女狐という者です」

「「…!?」」

 

 辛うじて声をあげなかったが2人は驚いた顔をした。信じられない、といった所だろうか。

 

 仕方ないから海軍証を渡せば半信半疑だろうが〝信じる〟と言ってくれた。

 

「とある理由で海賊と行動を共にしてるですが私は基本一般人の味方、今から言う事は信じてほしいです」

 

 コクリ、と頷いたのを確認すると私は悪執事さんの事を話した。

 

「実は────……」

 

 

 ==========

 

 

 

「船長〜〜〜!北の入口、つまりここから東に向かうして海岸沿い約500m先の岩陰にて海賊船発見するしたぞ〜〜!」

「んん!よぉし!殴り込むぞー!」

「おーー!──じゃねぇよ!なんで分かるんだよ!カヤは!?」

 

 クロネコ海賊団だっけ?折角見つけてきた私に向かって酷いじゃないか。

 

「お嬢様は白執事と共に避難中。たまたま巡り会うした子供に護衛任せるしたです」

「起こしたのか!今夜中だぞ!?」

「伝令役を欲した故…」

 

 ちなみに彼らの庭だという東の森に居てもらってる。停めてある海賊船と近いけど。

 

「で、とりあえず岩陰のそばまで小舟を付けるして男3人が正面から乗り込むが最良かと」

 

「女2人は」

「私達は戦闘が始まる前に裏からこっそり入るしてお宝ゲットだぜ」

 

 グッ、と拳を握りしめれば絶妙な顔をされる。何が不満だ。

 視界の端でガクガク震えてるウソップさんが印象的です。

 

「……常人の何倍も食す胃袋拡張野郎がいる限り資金はいくつあれども足りぬぞ、です」

「宝は任せた」

「へっへっへ、ついでに財布の中身も空にすてやるぜベイベー」

 

「この子の親の顔が見てみたい…どうしてこんな風に育ったの……」

 

 ナミさんが天を仰ぐように呟くけど…私両親に育てられた覚えないぞ?

 育てられたと言えばこの世界の正義だからそれはそれで大問題だな。

 

「私の親を見るして気を失わぬなれば紹介するですよ…偉大なる航路(グランドライン)ですけど」

「嫌な予感するから遠慮しとく」

 

 いい判断だ。

 

「と、ととと、とにかく早いとこ行くぞ!い、今なら寝てるやつ多いんだろ!?」

「ウソップさん」

「な、なんだよ。びびびびびってるわけじゃ無いからな!?」

「ちなみに戦闘技術は」

「……は?えっと、遠距離攻撃のパチンコ」

 

 ふむ、拳や刀での接近戦闘のルフィとゾロさん。棍棒での中距離戦闘かつ銭闘(せんとう)のナミさんにパチンコでの遠距離戦闘のウソップさん、で支援型の私。

 

 戦闘面に関しては大分バランスいいな。

 生活面ではグダグダだけど。

 

「そういうお前らは何するんだよ」

 

「俺は斬る」

「剣士か」

「私は盗む」

「まァ話の流れ的にな」

「俺は伸びる」

「ちょっと待て」

「説明不可能」

「ツッコミどころ多いな後半2人!」

 

 なんだ伸びるって、一体何をするんだ、とかブツブツ言ってるけど時間もったいないのでガン無視します。

 

 

 

 

 ==========

 

 

 

 忍び足で船内を進む。

 

「……」

 

──コンコン

 

 部屋をノックすると隣にいるナミさんが慌てた顔をしたがノーセンキュー。

 この部屋には多分1人しかいない。

 

「は…い……ったく、夜中に何のよ──」

「おやすみ」

 

──ドッ…!

 

 

 鳩尾を深く抉るように殴ればハイ終了!

 

 マントの下で展開したアイテムボックスから縄を取り出して部屋の中の柱に括りつければ身動きは取れないだろう。ついでに口塞いどけ。

 

──バタン…

 

「何危ない事してるのよ!そして何でこんな犯罪行為に慣れてるの!?」

「うぇ!?ですが一旦部屋に入るしてみなければ…」

 

 部屋に入って扉を閉めた瞬間頭にダメージが与えられた。殴ったな。

 犯罪行為とか言われてるけど一応これでも警察です!世も末よね!

 

 

 

 ルフィ達が乗り込むのは約30分後、それまでに少しでも宝の情報を手に入れておきたいのと船内での拠点が欲しかったから部屋に1人しか居なさそうな所を狙ったのに。

 ぶっちゃけほぼ勘だけどな。

 

「…あんた今何考えてる?」

「明日の朝ごはんを」

「どんだけ食い意地張ってるのよ」

 

 私の胃袋は常人サイズだ。

 

「父が住むしてるバーの炒飯食すしたい…サッチさんのご飯食すしたい……」

「…待ちなさい、アンタのお父さん自分の子供放り出してバーに住んでんの?」

「………近年まで(子供)の存在知らぬですたが?」

「1度殴ってやろうかしら女の敵」

 

 絶対殴れないと思うよ?だって冥王だもん。

 

──ドゴォン…!

 

 …(甲板)の方で破壊音が聞こえた。

 

「…………ナミさん、ここに来るしてどれくらい経つした?」

「……10分も経ってないわ」

 

 30分ってなんだっけー。

 

「しばらく身を潜めるわよ」

「敵が向こうに行くまでッスね、把握」

 

 この状態で動くのはまずいな。早めに海賊達がルフィ達の元に行ってくれれば助かるが。

 

「ねェ」

「はい?」

「なんで海賊になったの?」

 

 なんで、か。

 一応潜入として来てはいるが理由は問題行動起こさない様にするためだしな…。もう手遅れとか言わない。海軍支部を敵に回して一戦やったとか言わない。一応本部には内緒にしてくれるらしいし。

 

 話が逸れたな。

 

「ルフィは、大事です。彼の夢は敵が多い。私はルフィを死ぬさせたくなきです」

「それが…海賊になった理由?」

「はい、歩く爆弾を放置するも危険と思うした故」

「……まァ、否定は出来ないわね」

 

 私の目標は平穏な人生。でもそれよりも先に好きな人間を死なせて()()()悲しみたくないのがあるから…最大限努力する事にしてるんだよ。

 

「好きなる人は死ぬさせたくなき…」

「ふぅ〜ん」

 

 その為に地位も力も手に入れたんだから。

 

 ちなみに私の中で保護枠に入ってるのは、エースサボルフィは勿論、一応スモさんとかヒナさんとか…あと七武海の1部、まァ癪だがドフィさんもクロさんも入ってる。

 まァ、絆されたとでも何でも言え。少しでも気に入ってしまったら目の前で見殺しにする事が出来ないんだ。

 流石に寝覚め悪いしね、あいにく私は見殺しにしてグースカ寝られる程肝は座って無いし何より一般人だから!

 

「一般人万歳…!」

「どうしてそんな思考回路になるのかしら…、ちなみに一般人は悪魔の実の能力使って海賊を敵に回したりしないから」

「………常識人万歳」

「常識持ってたらまず海賊にならない」

 

 どうしよう私常識人じゃないの??一般人は百歩譲って違うとしても私は常識人諦めないよ?

 

「……。あのさ」

「?」

「海賊になるのに色々理由はあると思うけど、私はやっぱり海賊が許せない」

「は、はァ…」

「っ、実は、私のね。私の村は───」

 

「おい下っ端!敵しゅ…──」

 

 扉を開けて入ってきた男と目が合う。

 しまった…!バレた!

 

「おい!ここにも敵が」

「そぉおおい!」

 

 顔が廊下に向いた瞬間鳩尾を狙う。

 意識飛ばすにはここが1番!ちなみに痛みを与える場合や先手をとる場合は股間ね!人間体の中心線は弱く出来てんだよ!

 

「いたぞ!あそこだ!」

 

 くそ、テンプレの台詞を吐きやがって雑魚どもが…!お願いします私も雑魚なので見逃してください!

 

「リィン…!」

「…」

「無言で首振らないで」

 

 やめて、ここは任せたみたいな顔しないで。

 

──トスッ…

 

「子猫ちゃん達、何をしてるのかな〜?」

 

「シャムさん!ブチさん!」

「ニャーバンブラザーズだ!この船の戦闘力トップ!」

「お二人共任せました!甲板に行ってきます!」

 

 戦闘力トップ、だと?わざわざ雑魚君が説明してくれたのは有難いけど…………ひょっとして人選間違えたパターンですか?

 

 

 

 戦闘力トップのコンビVS女2人

 その他クルー+催眠術師の副船長VS男3人

 

 

 

 やっぱり間違えてる!

 

「ジョブチェンジゾロさん!!」

 

 心からの叫びは誰にも届かない様だ。




原作と違う所。
翌日の朝に攻め込まれる→2日後の朝攻め込まれる(理由:海上生活が耐えきれなくて夜中こっそり船を進めてた方のせい)
坂道で迎え撃つ→船に乗り込む(理由:相手が疲れて眠ってる所を攻めるのが奇襲でしょうが負けたくないなら卑怯になりやがれ精神の方のせい)
細々とした所(理由:考えてか考えていまいかよく分からない雑魚の無駄なあがきのせい)

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