2度目の人生はワンピースで   作:恋音

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第49話 親しい友では無く親しくみえる友

「もふもふさん高き、高きは禁止」

 

 ただ今誘拐中のリィンです。こんにちは。

 

「なんだ、高いところが苦手なのか?フッフッフッ、可愛いところがあるじゃねェか」

「降ろすが最良ぞ奇抜ファッションマン」

「………もっと高い所がお好きな様だな」

「ごめんなさい」

 

 王下七武海 ドンキホーテ・ドフラミンゴに。

 

「じゃあ逆に海に落とすか?」

「この高さよりは死ぬぞ、あ、ドフィラムンゴさんが事?それなれば私も我慢可能と…さよなら、短き間ですたが楽しいぞですた」

「……殺されたいか」

「ごめんなさい」

 

 モフモフ男の背中に乗って空を飛行中です。

 自分以外で空って飛べれるのか。そういえばこの人は何の能力なんだろう。まず能力無しで空を飛べるのって私以外居ないと思う、うん。

 

「…どちらに向かうぞ致す?」

「俺の国だ」

「何故か暴動が起こったぞ、と言われる国…?」

「…………あァ、ドレスローザだ」

「ドレスローバ」

「 ロ ー ザ 」

「ローダ」

「………………。」

 

 シカトしやがった。

 

 

 

 

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「ねェねェ見て!可愛いでしょ?」

「うん、あはは、わー、綺麗ぞねー」

 

 ドレスローザ。

 何故か動く人形がチラホラと見えるんだが、正直気持ち悪い。

 

 そして今、ベビー5と言う私より少し大人の女の子と街で楽しくお買い物中。

 

「これとか絶対リィンに似合うわ!」

「そ、そうかなー…」

 

 なんかノリに付いていけなくて正直泣きそう。

 

「びびーふぁうぶさん。そろそろ戻りませぬか?」

「ベビー5!…ん〜、でももうちょっとお買い物したいなァ……」

 

 

 私が誘拐された理由は大部分がベビー5の話し相手、らしい。曰く『年頃の女友達をやりたいが海賊。一般的な人間相手ではそうなれるものでも無いだろう』だそうだ。

 私は一般的な人間では無いってか。そうか、そんなに私に喧嘩を売りたいか。

 

 まぁ個人的には大部分以外、の所が怖い所だけどね。でも予想つくだけいい方だ。

 恐らく〝元天竜人〟の情報を私が持っているって言う事だろう。

 

 本部の情報部でドンキホーテ家の情報を手に入れておくんだった。海賊女帝からでんでん虫のウザイよコールがかかってこなければ……!

 

「へびーふぁおぶ」

「ベ ビ ー フ ァ イ ブ っ!もう!何回訂正したのかしら……。ねェ、じゃあリィンが呼びやすい名前を付けてよ!」

「私が?」

「うん!」

 

 ありがたい提案に喜んで賛同する。無駄に長く面倒臭いコードネームを呼ぶのはイタい上に喋りにくい。

 

 ベビー5、ベビー5、ベビーファイブ、ねぇ…うーん…。短めに、短めに。ビー、(はち)かな?

 

「……………イブ」

「イブ?」

「ど、うぞり?」

 

 ファイブの名前から取ってきた。これなら短いし二文字だし簡単だし二文字だし。

 

「どうしてそこからとったのかな…ううん、でも気に入った!ありがとうリィン!」

「こちらこそありがとぞり」

「じゃあおしゃべりしましょう!楽しいわよ!」

 

 やっとショッピングが終わる、そう思って安堵の息を吐いた。

 

「あとスイーツボンボンとメロディ喫茶でお菓子買ったら!」

 

 どうやら女の子の戦いはまだまだこれかららしい。スイーツですか?食べ物ですか?任せて、甘い物は大好物です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでね、ブァッファローがね…──」

「はぁ…さいでございすか…」

「そしたらデリンジャーまで…──」

「ヘェ、おっしゃる通りぞで」

「あ、でもディアマンテは…──」

 

 激しい銃撃戦(マシンガントーク)に私は心が折れそうだった。ファミリー自慢が止まらない。食に走りたい。

 

「イ、イブ!ファミリーの話はお腹いっぱいぞ…、魅力は多大に伝わるぞ致した」

「ん〜、でも……」

「他なる話題は無きか?ファミリーの自…、と、弱て…んー……他の話題を欲する」

 

 無理やり話を変えようとする、この子真っ直ぐ過ぎて〝さり気なく〟とか〝こっそり操作〟とか効かない。絶対効いてくれない。

 

 でも2時間の銃撃戦で得た事もある。

 

「私イブの事頼りぞ…他のお話聞かせるぞ致して?」

「う、うん!!任せて!」

 

 小声で「私必要とされてる…っ」て呟くとさっそく話題が変わった。美味しいご飯とか甘い物の作り方とか。なるほど家庭的だな。料理失敗者には遠い存在……、ってそうじゃなくて、

 頼りや必要とされる事にとことん弱い。きっと何かあったんだろうが私にとっては大歓迎。

 センゴクさんに油断して誘拐された事への謝罪として幹部の弱点の一つや二つを手に入れてやるぜ…!

 

 ファミリーの話は欲しいけど欲しいのは自慢じゃないんです。

 

「イブやバッホローやデリンダー以外に子供の存在は無しぞ?」

「あたし達以外に?……んー、昔は居たけど」

「え、意外ぞり。死した?」

「死んだってこと?さァどうだろう。海軍に保護されたって聞いたけど……」

 

 え、保護?ん?海軍に?

 絶対死んだと思ってた。

 

「ど。どういう……」

「……、ローは裏切った。若様を裏切ったの」

「うら、ぎり。」

「コラさんと一緒に…」

 

 イブは悔しそうに顔を歪めた。

 

「何ぞ存在した?」

 

 弱点な気がして、私は身を乗り出した。

 

「わ!え、えっと…フレバンスの生き残りで名前がローって言うんだけど。若様の本当の弟のコラさんと逃げ出して手に入れるはずだったオペオペの実を奪っちゃったの」

「兄弟、喧嘩?」

「そうかもしれないわ……でも、でもコラさんは海軍のスパイだった!若様を裏切ったの!」

「ぶフッ!か、海軍の!?」

「うん!…あ、リィンの事責めてる訳じゃ無いのよ?ひ、必要としてくれたし……。──やっぱり若様を裏切った事は絶対に許せない」

 

 私が海軍の雑用だと言うことはイブは勿論幹部には知れ渡っている。

 私の事をフォローした後表情に憎しみを込めたイブを見て思わず思ってしまった。

 

 この世界家族関係強すぎませんか……。

 

 

「イブ!もし、もしもぞ?もしコラさんとやらが生存致していた場合私イブに協力ぞしたい!

 ──故に、コラさんの特徴や、ロー?の事や、ファミリーの()()や、()()()()()()()()()()()()()()の事、教えてくれぞ致して欲しいぞり…!」

 

「リィン……あたしの為に……あたしがそんなにひ、必要なのね!?」

「必要必要!情報もイブも必要ぞ!」

「あたし協力してもらうために沢山話す!…話したら、し、親友だよね?」

 

 良かった流されたーー!さり気なくとか絶対無理だから仲間意識や協力体制をとって色々聞き出してみようじゃないか!

 前半は意外とどうでもいいから後半を教えてくれたら親友としては嬉しいかな!

 

 しかし親友?私親友どころか仲間でも裏切れる自信があるぞ?兄妹でも自分の身が危なかったら裏切れる自信があるぞ?いいのか?

 

 私はイイけどな!!

 

「あのね…これはローに聞いたんだけどローの本名ってね…────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──…そしたら撃たれてコラさんは死んじゃったの」

 

「はぁ……た、大変だったぞりですな」

 

 1時間ぶっ通しで話されてもコラさんとローの事しか聞けれなかった。

 

 正直本番はこれからなのだが……。タイムアップ。

 

「フッフッフ…、随分と仲良くなったじゃねェか……」

 

 おかしい格好のピンクの鳥さんが現れたから。

 

「…! 若様!」

「リィンはどうだった?」

「とっても素敵な友人になれたわ!あ、違う…し、親友…で、いいのよね!?」

 

 若様ことドフラミンゴさんに報告しているイブがこっちをチラリと向いて確認した。私はグッと親指を立てて上げるとイブは嬉しそうな顔をしてもう1度ドフラミンゴを見上げた。

 

 若様は大分好かれてるんだね。

 

 

 

 にしてもコラさん…ドフラミンゴの実弟であり海軍のスパイ。凄まじい程のドジっ子、か。

 銃で撃たれて死亡。ここら辺は悪魔の実の能力者で無ければどうにもこうにもならないだろう。本部で確認すれば本当に死んだかどうかは確認できる。

 

 でも一番の問題は七武海ドフラミンゴが欲しがった実を保持してしまったロー、いや。

 トラファルガー・D・ワーテル・ロー。

 

 恐らく彼が本当に食べちゃったんだろう。

 確か大百科でオペオペの実は放出するドーム状のエリア内での外科手術が使用できる、と。でも、欲しがったくらいだ。キレて弟まで殺したくらい欲しがった物だ。きっとそれだけじゃないんだろう。

 きっと、それ以上の何かが………。

 

「リィン?どうしたの?」

「ひょえ?あ、イブ。ごめんぞ、考えごとぞして参った」

 

「一体何を考えてた…?」

「ドフィラムンゴさんのファンションセンスを」

「そんな物考える暇があったら自分の身を案じろ…………!」

「びゃ!固定、糸で固定は禁止!」

 

 必死に頭フル回転させて爆弾から回避したら避けた先に地雷が埋まってた。

 

 

「若様!リィンを虐めたらダメ!」

「…随分好かれたなァ、リ ィ ン ちゃん?」

「ドフィラムンゴさん…吐き気ぞ」

 

「なるほど、命をそんなに無下にしたいか……気が利かなくて悪かったな…」

 

「イブ!ヘルプ!へループ!」

 

 がっちり捕まえられた肘がギリギリ言ってる。

 

「若様ーっ!」

 

「わ、若、若様、た、大変ぞ、腕、先感覚皆無、皆無ぅぅぅ!」

 

 私なんでこんなのばっかりなんだろう。

 

 

 

 

 腕の拘束が解かれたのは指先がだいぶ冷たくなった後だった。自業自得とか言わないで。

 

 

「もう王宮に戻るの?」

「あァ……行くぞ」

「若様のお迎え嬉しいわ!」

 

「ド、フィラムンゴさん、この手は何ぞ」

 

 でも今度は逆の腕…と言うか手が拘束されている。つまり──

 

「──?手を繋いでいるだけだが?」

「逃亡不可能か…」

 

 この男は私の逃亡まで全て読んで離してくれない。私が呟けば正解とばかりに口元を歪ませる辺り性格の悪さが滲み出るよね。

 

「ベビー、反対の手を繋いでやれ、親友…なんだろう?」

「はーい!」

 

 反対側の自由も失った!

 

 さっきまでもげるギリギリだったから手加減してくれる、よね?イブはそんな厳しい子じゃ無いよね?

 

「そうだ…リィン、後で誰かに案内してもらって夕食が終わったら俺の部屋に来い」

「…………回避可能?」

「ダメだ」

 

 嫌な予感しかしなくて私は楽しそうに会話をするイブと話を合わせながらこっそりため息をついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ここの夕飯最高に美味しい。

 




ベビー5ちゃんとデート(笑)のお話でした。
リィンは友情とか美味しくないのでそんなに重要視してません。はい。

そしてこちらオチ決めアンケート途中経過

エース→1
サボ→2
百合ルート→1
レイジュ→1
シャンクス→1
ロリ…クロコダイル→8
ハンコック→5
ロー→3

圧倒的七武海の強さ( ˙-˙ )
恐らく、こちらで合ってると思います。
まだまだアンケート受け取りますよー!

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