2度目の人生はワンピースで   作:恋音

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今日10/6はローの誕生日ということで、ローが出て


第164話 客観的だと事実で主観的だと真実

「このアホ!バカ!」

「リィンのバカーー!」

「ひぐっ、リ、リィンちゃんのバカぁあ」

「一発殴らせろ、いや斬らせろ!」

「リーのバーカ!バーカバーカ!」

 

 ──さて、ショーを楽しむして頂けましたか?

 

 私がドヤ顔で告げると察しのいい方々が弾丸の様にすっ飛んできた。王族は特にごめんなさい。

 

「手酷い罵倒な上になんつー語彙力の無さ、愛されてんなぁ…」

「シーナちょっと助けるして!?」

「ハイハイ」

 

 呆れた声のシーナに首根っこ掴まれて一気に引き抜かれる。スッポーンと気持ちいい位に解放され、シーナの腕の中に収まった。

 助けてとは言ったが拘束しろとは言ってない。

 

「シーナさんこれ何」

「えっ、だってアンタ野放しにしたらテゾーロを殺しに行くだろ??」

「……………よく分かるしたな」

 

 純粋な眼差しで首を傾げられて思わず目を別の方向に向けた。具体的に言うとテゾーロの方向。

 彼はビクッとして視線を逸らした。

 

「あの…どういう事か説明を…ください」

 

 ビビ様が混乱した表情で問う。

 

「はぁ……私は元々コイツらと関わりのある事を知るされたくは無きでした!!!と言うか!紹介すらしんどい!精神的な感じで!」

「「「酷い」」」

 

 テゾーロ、シーナ、タナカさんが声を揃えた。

 

「私はここの金を奪うし比較的穏便に去ると」

「それは穏便と言わない」

 

 ウソップさんのツッコミを華麗にスルーして説明を続けようとする。

 

「私はグラン・テゾーロに初めて来るとは言うしていませぬ。そして私は格下に使うされるが嫌いですので初回のショーで使うされた事に軽くキレるしてますた。ご存知通り」

 

 テゾーロの肩がビクッと更に跳ねた。

 死相、出てたんだったよねぇ?正直そんな不確かなものを信じているわけじゃないけど悪魔の実とか不思議色使っている時点であってもおかしくないのでとりあえず信じるよ。

 

 私に殺される運命か。

 

「なるほど、リィンさんに殺されるから死相が出ていたのか…」

 

 死相が出ていると判断した人物が私と同じ結論に至ったので間違いないだろう。

 

「シーナが現れる時点で思わず天を仰ぐしますた。私は知らぬ存ぜぬを貫く不可能と」

 

 それでも抵抗した。無駄だったけど。

 クザンさんの1件みたいに麦わらの一味サイドに居て、テゾーロ達と敵対しても良かったわけだし。無駄だったけど(2回目)

 

 確実に遊ぶんだなって思ったけどとりあえず稼ぐだけ稼いだ。

 

「えっと、じゃあいつからリィンちゃんは、その、裏切り?あれ?裏切りじゃない?えっと…」

「寝返るした事ですか?」

 

 正確に言えば、『女狐の事をバラす』という脅しをされた時だった。隣にバカラさん、という未知の存在が居る中でその事を知られるのは嫌だったから。

 私が女狐だと知っているのはここでは3人。テゾーロとシーナとタナカさんだけだ。

 

「そうですね…『なぁ、楽しもうじゃないか。彼らの希望が絶望に変わる瞬間を。そして絶対的な力の前に絶望する表情を』と言われるした時、ですかね。思わずゾクリと血が騒ぐしましたよ」

「お前のその隠されたドS感にツッコめば良いのか暗記能力にツッコめば良いのかその記憶力でも直らない口調にツッコめば良いのか分からない」

「鼻は黙る」

 

 ドレーク少将が静かに頷いているのが怖いので口調に関してはツッコミをしないでください。

 

「ま、後は即興ですね!密封はビビるしましたがテゾーロは金の支配権を離すしていたので私1人で何とか金を剥がすが可能、と」

 

 実は覚醒の能力者は不思議色で対処出来ないから困る。昔七武海のグラッジを相手にした時『ミズ』は操れなかったからね。能力には主導権がある、と認識してしまった。

 

「それと。本音を言えば……麦わらの一味が強いから敗北を学ぶさせた、ということですね」

 

 その発言に皆が首を傾げる。

 

「強い?」

「はい。自分で言うのもなんですが、私はとても便利な存在と思うです。故に『頼る』『任せる』のです。だから強い」

 

 自意識過剰と取られるかもしれない。でも『私がいなかったら』を考えると悲惨な事になる可能性はいくつもあった。

 バギーの巣食うオレンジ村。あそこで私が居なければ大怪我を負っていた事に変わりは無いだろう。たとえ倒せたとしても、傷はあった。それこそなかなか治らない傷が。

 ウソップさんの故郷でも同じ。私が夜中こっそりスピードアップしてたから間に合ったけどもしもルフィの到着が遅れて海賊の作戦後だったらカヤさんやウソップさんは死んでいた。

 ナミさんの故郷では戦力が非常に厳しい状態だったはずだ。私の提案で向かうことになったけど先にバラティエに向かってサンジ様の勧誘に時間がかかればゾロさんは大怪我を負っていた。

 サンジ様のバラティエでは毒がいい例。吸い込んだ毒をどうするつもりだったのか。

 

 覇気という存在も私が居なければ知り得なかった。ゾロさんとサンジ様は身につけていなかったと思う。

 

 他にももちろん色々ある。

 『もしも』を考えた沢山の可能性が出てくる。

 

「私は弱いです。いつ死ぬか分かりませぬ。もっと、『私が居なくなった場合』の可能性を視野に入れるして頂きたい。私を取り巻く縁は切りたくとも切りきれぬ、狙わるる物ですぞ」

 

 私は自分第一だ。

 だからキミ達を見捨てる可能性だって沢山ある。だって、キミ達が死のうが生きようが直接的な死には至らない。もしもという時は第一に自分の身を守るんだ。例え兄妹でも最終的に捨てる。

 

 居なくなるって事はね、私の中で『死ぬ事』とイコールで結ばれないんだよ。

 

「それで、私を使う不可能の状態で、格上相手の戦闘や冒険はどうですたか?」

 

 私が笑って問うと疲れた表情を見せた。

 

「策もうまく浮かばない」

「やっと浮かんだ策すら潰されると絶望するわね」

「歯が立たないってまさにこの事だ。結構味わった筈なんだがな…」

「リィンが居るって事で精神的な余裕があった事が分かった」

「えぇ、いざという時リィンちゃんが何とかしてくれるとって言う余裕ね」

「クエ…」

「俺もビビと同じだ。切羽詰まってた」

 

「なんか…俺は自分が強いって思ってたけど…」

 

 ルフィが静かに呟いた。

 

「女狐や青雉に続きテゾーロとシーナ。世界って広いなぁ…俺じゃ仲間を守れないって思っちまった。今まで運が良かったんだって」

 

 ルフィは簡単に勝ち過ぎた。覇気を使える仲間と策を考える仲間が居て、独りじゃ何も出来ないという意志が足りない。何よりも『危機感』と『安全性』が足りないんだ。

 そこに気付いて。世界というモノサシで見るとルフィは弱いんだよ。

 

 純粋な戦闘に限定すると私はルフィに勝てない、でも弱点を突けば確実に勝てる方法がある。策ってそういう事だ。戦略ってこういう事だ。

 私が恐れる世界の武器を見て欲しかった。

 

「学ぶ事は沢山あった。仲間の大切さももう1回理解した。なぁリー。俺はちゃんと船長になれると思うか?」

「何故船長かは置いておくぞ。ルフィには、付いて行くしたいと思うした」

「そっか。ありがとな、成長する時間を作ってくれて」

 

 

 ──まぁ、タダの言い訳なんですけどね!

 

 

 いやいやいや〜!学ばせようとか考えてないですわ〜!それなら最初からテゾーロ達と結託して中途半端な演技はしませんでしたよ〜!全力で貶めて全力で迎え撃ってましたが〜?今の絶望なんざ生ぬるい!って感じです〜!

 さっき思っていた事もあながち間違いではないけど、今回の件を起こした一番の気持ちは『絶望の表情を見たい』という欲望が出てきたからなのですよ。全くテゾーロは私をやる気にさせるのが上手い………一気に乗る気になった。

 

「ホント…どれだけ心配したか……」

「ご、ごめんなさいサンジさん」

「いやぁ、悪いな海賊達。タナカさんは違うけど俺ら3人かなり愉快犯と言うか…──人を嘲笑うの大好きなんだ」

「愉快犯では無きですが嘲笑うに関して否定はしませぬ」

「なんにせよシーナが敵じゃなくて良かったな」

 

 一安心したサンジ様に声をかけるとシーナがヘラヘラと笑う。それに同調したルフィが笑うと謎の脱力感に襲われる。

 

「シーナは実際かなりスレた性格してますから素に戻ると驚くと予想したのですが」

「驚きのキャパシティを越えきってんだろうが察しろ」

 

 ゾロさんが思いっきり頭を叩く。

 

「俺がスレたなぁ…。昔に比べりゃそうなるだろうな」

 

 シーナは私の頭の上で困ったように笑う。

 実の兄に殺されかけたら仕方ないよな。

 

「育ての親が元帥と大参謀、その上長年コレが家族代わり。スレない方がおかしいだろ?」

「「「お前もかよ!」」」

「シーナさんんんん!?」

 

 なんで言ってるの!?少なくとも親の部分はぼかそう!?ねぇ!?ここには同じ状況だったドレーク少将がいるんだよ!?ついでに私もだから黙ってようよ!

 

「リィンやドレークとお揃いか…」

「そりゃそうだな…」

「お前も俺達と一緒だったのか、いや、だったのですか?」

「そうだぜ、お前とコイツよりも先輩」

「んんん?あれ??私も含む??何故??」

 

 リィン混乱の極み。

 さり気なく私の親の認識がセンゴクさんとおつるさんになっているのはなぜだ?

 

 疑問符を浮かべているとドレーク少将がややあって口を開いた。

 

「バラした」

「少将うううっ!!」

 

 思わず胸ぐら掴んでガクガクと揺さぶった。私は潜入中なの!面倒臭い説明をしたくないの!

 

「な、なにゆ、何故えええ!!」

「もう辞めてるからいいだろ」

「それでもぉおおお!私、厄介事とても嫌いなのですけど!?ご存知ですよね!?」

「いやお前厄介事嫌ってる割には恨まれて毒とか暗殺者送り込まれて…──」

「シャラップ!!黙るしろ!」

「歳上に黙れとはどういう神経してる!それだからお前は人から恨まれるんだ!今回のことに関しても俺はまだしもホーキンスなんか巻き込んで…見ろ!結構落ち込んでるだろ!」

「今更!?と言うかホーキンスさんの心境は何故ドレーク少将が理解可能と!?」

 

 なんか本題と逸れている気がする。

 と言うか少将はホーキンスさんといつの間に仲良くなったんだ?そう言えばサンジ様の事も呼び捨てにしていた様な……。

 

「そういやお前らも北の海(ノースブルー)出身か」

「も?」

「まさかお前も!?」

「も??」

「テゾーロ一応言っとくけど死ぬなよ。──【うそつきノーランド】の件で聞きたい事があるんだけど…まじで正直者だったのか?」

 

 あ、拘束が解除された。

 シーナはサンジ様とドレーク少将とホーキンスさんと何故か盛り上がっている。

 

「くっ…シーナ貴様ァァア!」

「おー、勝手に喚いてろー」

 

 テゾーロは私と目が合うと周囲の金を集めていつでも防御出来るように身を固めていた。

 

「ほぉ…? 守るということは私の逆鱗に触れるした事は理解済みの様ですねェ?」

 

 あ、ナミさんはテゾーロそこ変わって!って叫ばない。あの人第一印象からどんどん離れてる。

 

「だ、だが楽しかったでしょう?」

「それなりに」

「では今回の事は水に流すという事で…」

「やっっっかましい!!!」

 

 グラン・テゾーロ全体に放送しなかった事は良かった、だがそもそもこんな話を提案するな!お前の部下のバカラさん見てみろ、どう考えても混乱している!私と同じくらい!

 ダイスって人は空見ながら遠い目をしてるから多分手遅れ!

 

「ハッ、貴女の弱点を握っていると言う事を忘れないでいただきたい!今ここで暴露…」

「したら、私は今すぐお前をドンキホーテに売」

「……するわけないですよねー!」

 

 お前のその変わり身の早さは凄いと思う。空気を読むスキルの高さだけは素直に感心するよ。見事な手のひら返しだ。

 

「私知りたいなー。昔から目立ちたくないとあれだけ念を押したのにネタに使われた挙句堂々身内と発表されて胃が痛くなるように仕向けたテゾーロの責任の取り方ー」

 

 まぁ許さないけど。

 ニッコリ笑いながら近付くとテゾーロはグルグル唸った。お前は犬か何かか。

 

「知りたいなー、どんな対価をくれるのかなー」

「…………ここで扱っている商品を安く売る」

「びっくりしたー!まさか………()()()()()()だなんて」

「分かりました費用はこちらで持ちますッ!」

「ヒュー!流石ァ!」

 

「……クソ、普段の仕返しか」

 

 こっそり呟いた言葉に無視をする。いやぁ、恨んでいるんだよね。これでも。

 必要経費を嫌がらせで求めてくるの。

 

「あ、そう言えば聞き忘れてたんだが。ホーキンスは何の用があってここに?」

「……今日はここに来ると良いと占いが。どうやら強力な伝を手に入れる事が出来るとか」

「事実だったな」

「みたいだ」

 

 テゾーロを「いだだだだだだ海楼石は卑怯…!」関節技で落としながら耳だけシーナ側に向ける。ドジってやらかす確率は奴の方が高い。

 

「ドレークは?」

「俺は…──人を探しに」

 

「……………ヘェ」

 

 カジノに居て目的が金稼ぎでは無い。その言葉にシーナは笑みを深める。

 

「情報屋を探している。知らないか?」

「じょーほーや?なんだそれ美味いのか?」

「…情報屋青い鳥(ブルーバード)。一つの情報にかかる金額は驚く程安いがその情報の質は正確性が高くほぼ100%正しい。裏界隈ではとても有名な情報屋だが、その代わり希少性が異様だ」

「えぇ、私も聞いたことがあるわ。そうね…本格的に活動を開始したのが5年くらい前だったかしら…。でもそれ以前から活動してると思うわ」

 

 裏の世界で生きてきたニコ・ロビンも知っていたのか。私の顔(じょうほうや)も大分有名になってきたな。

 

()()()()。取り引きは?」

「情報の選択は任せるが、してもいい」

 

 シーナが遠距離から能力を発動したのが分かった。私とテゾーロの声は外に聞こえないから堂々と話す。

 

「丁半の賭けで最初に賭けるした2億は必要経費代だって理解済むましたよね」

「もちろん」

 

「頼りにしてる」

 

 私は青い鳥(ブルーバード)のオーナー。

 初期メンバーは、金を動かし情報を手足の様に扱う仮オーナーであるテゾーロと、能力により様々な極秘情報を盗む事が出来るシーナだ。

 

 ここは私のもう一つの居場所。

 

「と言うか今回の作戦何?いつでも下克上出来ますよアピール?結構ガチで殺すされるかと思うしたんだけど」

「…………」

「おい」

 

ㅤこの世界で何度目かの命の危機に見舞われたがこれも平常だと思ってしまう。

 常識が凄く残念だった。




──来ませんでした!期待した人ごめんね!!わざとだけど!!わざとだけど!!!!

もう殆どバレてたけど更に暴露。テゾーロとシーナ、そしてついでにタナカさんは青い鳥のメンバーでしたわーい…………畜生。(バレてたのが若干悔しいの図)

ロシナンテはシーナになったけどコラさんでは無い(日本語の難しさ)
もしもローと再会したら大変な事になってればいいと思うの!!

最近の悩みは非公式リィンFC会員が増殖している事。なんでや。皆さんお気をつけて。あとマイナスイオン系は増えてほしい。

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