横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。


すみません。
あのここまで来て、原作から外れてオリジナルに入っちゃい、
まさかの超展開になっちゃってます。



横島、大亜連合超兵器の恐怖!!横浜事変その7

大亜細亜連合――通称大亜連合は魔法技術において、後進国である。

現代魔法においては日本に比ぶべくもない程であり、世界からも乗り遅れている状態なのである。列強4か国の一角とされているが、その内情は厳しく、他の3か国に比べ劣勢を強いられている。

そんな情勢下であるからこそ魔法先進国である日本の魔法技術体系を喉から出る程欲していたのだ。

 

現代魔法に後れを取っている原因として、50年前の南北分裂を機に魔法技術のそのほとんどを失わせられることになったからだ。

そこで生まれたのが魔法技術を科学で補おうとした兵器開発局第2分室。

大時代的であろうと思われる。兵器群について一から検証し、それを研究し続けてきたのだ。

彼らの粘り強い努力の結果が今、実ろうとしていた。

 

その兵器の一つが超電磁砲(レールガン)であった。

21世紀初頭にUSNAによる開発研究が進められてきたが、魔法技術の拡大を受けて、開発が中止になったものだ。

 

それを50年の歳月をかけ、この魔法技術が台頭する時代で実用レベルまでに仕上げてきたのだ。

チョウ大佐は目標値にはまだ達していないため、実戦投入には否定的であった。

しかし、3年前の沖縄海戦の敗北のきっかけに、日本の脅威に対して、対処が急務となり、この兵器の投入が決定されたのだ。

 

実用及び実用試作型のレールガンの砲門は現在3種

100mm砲及び155mm砲は最終到達スピードはある程度実用レベルと言ってよいだろう。

340mm砲については、実戦にまだまだ耐えうるものではなかった。しかし、砲弾の仕組みを変えるなどの工夫で、魔法師の防御をかいくぐることが出来るだろう。

 

100mm砲 有効最大飛距離440㎞ 弾着速度 5.8k/s大凡マッハ17 1分間12発

155mm砲 有効最大飛距離400㎞ 弾着速度 5.1k/s大凡マッハ15 1分間12発

340mm砲 有効最大飛距離250㎞ 弾着速度 2.6k/s大凡マッハ7.6 1分間2発

初速と着弾速度がほぼ変わらないのは古式魔法を応用し、空気抵抗や摩擦熱などを減らす術式を砲弾に刻印しているためだ。

現在の戦争形態を変えかねないとんでもないスピードを擁していた。

一発一発の破壊力はすさまじい。もちろん砲弾の大きさにより破壊力は違うが、発射する力(スピード)により、比較的小型の砲弾でも十分な破壊力を得られる。

近隣諸国には脅威になろうが、大国に挟まれている大亜連合にとって起死回生の兵器であった。

 

現在横浜に向け、レールガンによる艦砲射撃を仕掛ける試験艦群は4隻。

日本海上にオーストラリア籍の偽装タンカーに340mm砲2門 155mm砲4門 100mm砲4門

横浜湾から南南東230キロ海上に航行。

チョウ大佐が乗り込んでいる大型試験潜水艦 155mm砲2門 横浜港から300キロ地点に浮上

従来型改良潜水艦 100mm砲2門 横浜湾から300キロ南東に浮上

従来型改良潜水艦 155mm砲1門 100mm砲1門 横浜湾から300キロ南西に浮上

 

 

 

チョウ大佐は、沖縄海戦において、日本が使用した謎の大規模魔法及び陸上戦での沖縄の悪魔についても検証を怠っていなかった。

沖縄の悪魔が分解魔法と再成魔法を駆使していた事は大凡判明していた。

戦艦を轟沈させた大規模魔法はその派生ではないかとも検証していた。

 

 

今回は謎の大規模魔法を避けるべく、艦を一か所に固めずお互いの距離を離し艦の生存力を高め、さらに、多角からの目標攻撃により、都市防衛を困難にさせる。

 

 

 

 

そして……。

 

チョウ大佐は最終確認をし、戦闘開始の合図をする。

「それでは砲撃開始だ」

 

まずは偽装タンカーからレールガン340mm砲を1発放つ。

230キロ離れた距離をマッハ7.6で飛翔する340mm砲弾は約90秒後に横浜に到達する。

そこから着弾時間を合わせる様に、各艦が艦砲射撃を開始する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃達也は、独立魔装大隊、飛行部隊において、撤退する敵に対し掃討戦に移行しようとしていた。

すでに、ほとんどの敵を港に押し込めることに成功し、港で抵抗する敵を掃討し、後は港に停泊する偽装船の制圧をするのみである。

 

 

達也に緊急通信が入った。

「謎の飛翔体が南南東から急接近中!!迎撃されたし」

 

達也は直ぐにその方向に体を向け、シルバーホーンを構える。

超音速で迫る砲弾を確認し、『雨散霧消』を発動しその砲弾を消そうとしたが、それと同時に各方面から、さらにスピードの速い20発近い砲弾が同時に降って来た!!

 

達也は最初に確認した砲弾を分解させたが、他の砲弾はそのまま横浜市内に降り注ぐ。

そこから、絶え間なく砲弾が降り注いできたのだ。1分間砲撃が続き、実に大小合わせて172発の砲弾が降り注いだ!!

 

達也は172発の砲弾そのうちの8発に対応し分解することに成功した。

達也の超人的な反射神経と動体視力、そして魔法による知覚の拡大があるからこそ。超音速の砲弾に対処できたのだろう。

それでも、全砲弾の4パーセントしか防ぐことが出来なかったのだ。

 

砲撃が終わった後の街は、ビルは砲弾や道路を穴だらけになり、大隊メンバーの数人は巻き沿いを喰らい生死不明。さらに、先ほど救援のために飛んできたと思われる輸送ヘリと攻撃哨戒ヘリが今の攻撃で撃墜。

 

地上は言うまでもなく、さながら地獄絵図と化した。

 

「み……深雪!!」

達也は地獄と化した地上を呆然と見ていたが深雪の安否が心配になる。

 

しかし、緊急通信で無情な命令が下る。

「大黒特尉至急、戻りたまえ、今のは艦砲射撃だ。沖合約南南東230キロで偽装艦を確認した。サードアイによる戦略級魔法で迎撃を行う」

 

 

 

 

 

丁度一分間で艦砲射撃を止める。

これは、艦砲射撃の効果や誤差修正のための初弾でもあるのだが、主には、高度8万メートルから超高度ドローンからこの状況を観測しデータを収拾するためのインターバルだ。

艦砲射撃にしては弾数は少ないが、データを正確に取るには丁度良いのと、レールガンによる破砕力は通常弾に比べ威力はすさまじく高い。

 

チョウ大佐は次々と送られるデータを見ながらつぶやく。

「ふむ、味方の偽装船には当たってないな。弾着も誤差10m範囲内上々だな……ん?340mm砲が無効化されたか、もしや分解能力者?沖縄の悪魔か?はたまた、絶対防御の十文字か?何れにしろ、いいデータがとれたはずだ。帰ってじっくり検証するか」

 

チョウ大佐は初撃から1分間間隔で2射目からは3分間の攻撃1分間のインターバルで艦砲射撃とデータ収集を行う。そして、25分後には退却する予定である。日本側からの迎撃体勢が整う前に退却をするのだ。ミサイル攻撃が飛んできたとしても、タイムロス計算をせずとも、艦に到達するまでに30分はかかる。鈍重な偽装タンカーは最悪自爆させてしまうつもりなのだ。

 

これで陸軍や政府から回り回った上からの命令である横浜支援攻撃も敢行でき、貴重な実験データもとれるのだ。

 

そして、レールガンによる艦砲射撃第2射目が始まる。

 

 

 

 

 

 

艦砲射撃を受ける前。

 

真由美の提案で、シェルター付近で救援のヘリを待つ間。周囲に取り残されたり、ケガなどで動けない人々等が居ないか、再度捜索に向かっていた。

 

エリカ、レオ、幹比古のチームと深雪、雫、ほのか、美月のチームに、

美月は霊視・霊能で、幹比古は古式魔法で探知が使える二人を中心にメンバーを分け捜索に向かう。

 

シェルター周りで、一般市民と摩利と共に待機している真由美は、その間、知覚魔法マルチスコープで周囲の状況を確認している最中、ビルの中で隠れ潜んでいる一般市民の一団を見つけることが出来た。方角的に、捜索チームが向かった先とは別の場所であった。

 

「摩利、ここから西側100m程でビルで隠れている人たちが居るわ。私が行って呼んでくるから摩利は待っていて」

 

「分かった、もう戦闘は無いと思うが気を付けることに越したことは無いぞ」

摩利はそう言って、真由美を送り出した。

 

 

ビルの2階に潜んでいた一般市民20人ほどを発見し、もうすぐ救援が来ることを伝え、ヘリが到着する予定の、シェルター付近まで案内をする。

 

真由美は一般市民の一団とビルを降り、道に出て角を曲がり、シェルター付近で一般市民が待機している場所が見えてくる。そして摩利を確認し手を振り小走りで向かう。

 

「摩利~」

 

しかし、突如として回りで轟音と共に地響きが伝わって来た。

 

「なに?」

 

すると目の前で轟音と共にビルに穴が開き、地面にも穴が穿たれ、土煙や土砂が舞い上がる光景が目に入ってきた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一路、横浜に向かっている横島はジレンマを感じながら地表を高速移動をしていた。

早く横浜にたどり着きたいが、ここで、自分が霊力の限りを尽くし全力を出した場合、この世界にどんな影響が出るのか分かったものではない。この世界は横島が無理矢理分離させて出来た世界だ。最終結界を張る事は出来なかったが、現状は非常に安定している状況だという。

そんな世界に横島の霊気が反応し、何かしらの影響が出て、安定性が崩れてしまうかもしれない。それと横島は自分が起こした世界改変(分離)を行ったトラウマとが、頭から離れなかったのだ。

 

 

しかし……

 

突如として大量の人間の死のイメージが横島に流れてきたのだ。

方角は勿論横浜だ。

「何が……」

 

そして、ほのかと美月のお守りの中の水晶が砕け散った反応を強く感じた!!

皆に渡したお守り、その中に入っている横島が回復術式を付与した水晶の欠片が砕けたのだ!!それはほのかと美月が大きなケガを負った証拠でもあり、最悪のケースもあり得るのだ!!

 

 

「くっそっーー!!」

横島は強く首を左右に振る。

 

横島自身から莫大な霊力が吹き荒れる。

そして葛藤やジレンマを全てを振り切るように叫ぶ!!

 

 

「超・加速っ!!!!!!」

 

 

 

 




すんません。突然の超展開で……いろいろご意見はあろうと思いますがよろしくお願いします。

次は本気の横島回!!

100話で終わる予定でしたが、少し伸びちゃいました。


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