横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。


ようやく横浜騒乱編らしくなってきました。
複線の準備は整いました。

では……


横島、特殊鑑別所に行く!!

放課後の風紀委員会本部

 

「横島戻りました~」

横島は巡回から戻り風紀員会本部に戻って来た。

 

すると、花音と達也が何やら言い争っていた。花音の横で摩利はその成り行きを黙って聞いている。

「だから、許可は出せません」

 

「なぜですか?そもそも、風紀委員長には最終決定権はないはずですが」

 

「この際はっきり言うわ。司波くん、貴方が行くと何かと面倒事に巻き込まれるのよ!!そう、トラブルに愛されているといっていいわ。これ以上問題を作ってほしくないの!!」

花音は達也に論理的な答えではなく、感情論的な答えをだしてきた。

確かに達也は行くところ行くところで無用なトラブルに巻き込まれる印象がある。と言うか自分で首を突っ込んでいるきらいがあるのだ。

 

「ふはははははっ、言われてやんの!」

横島はそんな達也を指さしてチャチャを入れる。

 

「横島!!あんたもよ!!どうしてこんなにも面倒事をおこす問題児が二人もいるのよ」

花音はそんな横島をキッと睨んでからそう嘆いた。

 

「アレ?俺、この1ヶ月で2度トラブルに巻き込まれた覚えがあるっすけど、原因て俺でしたっけ?たしか原因って、アレ~誰だっけ~」

横島は花音にわざとらしくそんな言い方をした。横島が巻き込まれたのは間違いなく花音が原因を作ったものだった。その一つは粗悪札事件である。

 

「くっ、横島は黙ってて、今は司波くんと話しているの!!……ダメだからね!!」

花音は反論も出来ず、話を元に戻した。

 

摩利がようやく横から口を出す。

「まあ、いいじゃないか。丁度私と真由美も行く予定だったから、私たちと一緒という事で」

 

「摩利さんがそう言うなら……いーい!!くれぐれもトラブルだけは無用よ!!」

花音は不貞腐れたような顔をしてから、達也に強く念押しをする。

 

「わかりました」

達也はホッと息を吐き返事をする。

 

何をもめていたかと言うと、数日前達也がロボ研でプロブラムを作成中に、同じ風紀委員の3年生関本勲が催眠ガスを使い、達也を眠らせ情報端末などから情報を引き出そうとする事件が起こったのだ。

達也は事前にそれを察知し、花音に連絡し関本を捕らえたのだ。

達也は自分を襲った理由を聞き出そうと特殊鑑別所に送られた関本に面会に行く許可を花音に求めていたのだが、花音が頑なに拒否をしていたのだ。結局摩利と真由美が同行することで事は収まった。

現時点では達也を襲った理由は恐らくは論文コンペがらみのスパイ活動だと予想されていた。

 

 

「摩利さんと真由美さんがいっしょか……達也精々頑張ってくれ。俺は帰って寝るわ、お先~」

横島は一瞬、摩利と真由美にデートと称して荷物持ちをさせられた苦い思い出を思い出す。

 

 

しかし

 

「横島お前も来い。いい機会だ。今から行く特殊鑑別所は校内で重大な犯罪行為や違反行為があった場合に勾留される場所だ。風紀委員も全く関係ない事もない。私も真由美も数度行っているしな……いいだろ?花音」

摩利はそう横島に提案し、花音に聞く。先輩心から横島の為になると発した言葉なのだ。

 

「まあ、摩利さんがいるし、一人が二人になっただけの事だし」

花音はそう言って了承した。

 

「あ!!ボクっ!!用事があるんだった!……という事で!!」

横島は逃げようとする。

 

しかし、逃げようとする横島の襟首をつかむ摩利。

「お前がそんな言い方をするときは、何もない時だ。いいからついて来い……それとも私たちと一緒に行くのが嫌か?」

摩利は横島の性格を把握している様だ。しかも、横島がこんな言い方をされると断れない事も把握済みだ。

 

「ううっ、摩利さん……卑怯な……」

 

「ははははっ、伊達にお前と半年は過ごしていない」

どうやら摩利の方が一枚上手の様だ。

 

 

 

 

 

 

八王子特殊鑑別所

魔法犯罪や魔法による重度の禁止要綱に抵触した未成年者の勾留、観護措置施設だ。

関本勲はここで現在勾留中の身となっていた。

 

本来、未成年者の面会はできないが、例外的に同じ魔法科高校の生徒ならば、学校側からの委任状があれば面会が可能だ。ちなみに十師族の名前を出せばフリーパスになる。十師族の七草当主の娘である真由美がいれば、委任状無しで入れるのだ。

やはり十師族は国の機関にかなり影響力があるようだ。

 

 

現在施設では真由美が受付を行っているのだが。

 

「どういうことですか?」

 

「現在、特別警戒中でして、十師族の方々も例外なくCADや武装をお預かりするよう上から通達を受けております……すみませんが、ルールですので」

受付の若い女性が申し訳なさそうに真由美に説明していた。

 

「仕方ないわね……分かりました」

真由美もしぶしぶ了承するしかなかった。

 

本来、十師族はこの施設に入る際、軍関係者、政府高官、警察関係者同様、武装やCADの携行が許されているのだ。

 

 

「ではお一人づつ、このゲートを通ってください」

施設内の勾留所入口に若い女性係員が真由美達をゲート状の感知器に誘導する。

真由美は難なくゲートを通り抜けるが……

 

 

キンコン、キンコン

 

摩利がゲートを通ると、感知器が作動した。

「チッ」

 

「手荷物の何かに反応してますね。お出しください」

 

摩利はしぶしぶ制服のスカートをまくり上げ、携行していた明らかに危険そうな刀状の武器を渡す。

 

もちろんその際、横島は摩利のスカートの中に興味津々である。

「たははははっ、摩利さんなにやってるっすか?物騒な!!ていうか摩利さんいつもそんなのフトモモに括り付けてるんすか?」

 

摩利はもう一度ゲートをくぐりなおす……今度は大丈夫なようだ。

 

 

 

キンコン、キンコン

 

次の達也がゲートを通ると、またしても感知器が作動した。

「……」

 

「あなたも手荷物の何かに反応してますね。お出しください」

 

そうすると達也ポケットから一枚のカードを出して渡す。

 

「これは何ですか?」

若い女性係員は達也に尋ねる。

 

「……CADです」

達也はしぶしぶと言った態度で答える。

 

「……こんな薄い!」

若い女性係員はそのCADの形状に驚きの声を上げる。

 

達也は自分が設計した試作品の超小型CADを持ち歩いていたのだ。

 

「くっくっくーっ、達也、お前もか!!完全に危険人物だな!!」

横島は意地悪く達也を笑う。

 

「……」

達也が再度ゲートを通り、クリア。

 

 

そして……

 

 

キンコン、キンコン

 

「アレ?」

 

「はぁ、あなたもですか。出してください」

若い女性係員は呆れた様に言う。流石に3人続けばそうなる。

 

「クッ、横島。お前も同類だな」

摩利は珍しく笑っていた。

 

「人の事言えんな。横島……お前が一番危険人物だ」

達也もさっきの仕返しとばかり言う。

 

「アレ?おかしいな?」

横島はそう言いながら、財布やセキュリティカードなど、携行していたものをすべて出す。

横島には身に覚えがない様だ。

 

 

キンコン、キンコン

 

キンコン、キンコン

 

キンコン、キンコン

 

その後横島は何度ゲートを通っても感知器が鳴るのだ。

 

 

「あなたはこの横の部屋でボディーチェックを受けて下さい。服も脱いでいただくかもしれません」

若い女性係員はニッコリした笑顔で横島に言う。

 

真由美はその様子を見て

「横島くん、先に行っているわね」

先に行くことを横島に伝え、男性係員先導の下、関本勲が勾留されている部屋に行くために廊下を歩いて行った。

 

 

残された横島と言うと……

「ボディー―――チェ――――ック!!素晴らしい!!そんなサービスがここにあるなんて!!」

横島は何故か喜んでいた!!

 

若い女性係員が隣のドアを開け横島を先導する。

「どうぞこちらに」

 

「おねーーさんっ!!よろしくお願いしま――――スッ!!」

横島はスキップを踏みながら扉の中に入る。

 

 

 

しかし扉の奥の薄暗い部屋には……

 

 

 

2メートルは在ろうかという。ガタイのいい大男が2人並んで腕を組、仁王立ちしていたのだ!!

 

鑑別官の制服を着ていたのだが……何故か二人共制服の袖が無い。しかも、中に着ているはずのワイシャツは着ず、黒光りしたムキムキのボディーが袖の無い制服からピクピクと動きチラホラと見えるのだ!!

 

 

横島は余りの光景に顔面から血の気が引く!!

 

 

「ふっふっふーっさあ、ボディチェックから始めようか!!」

物凄い低い声で右のチョビ髯マッチョ鑑別官が横島に言う。

 

 

横島はギギギと首を後ろに回し、先導した若い女性係員を絶望した表情で見る。

 

すると

「ごゆっくり」

カチャリ

その若い女性係員はニッコリとした笑顔でそう言って、外に出て扉のカギを閉めたのだ!!

 

 

 

「さあ、力を抜いて!!」

物凄い高い声で左のスキンヘッドのマッチョ鑑別官が横島に迫る。

 

 

 

「いいいいいいいいやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」

 

横島の絶望した悲鳴がどこまでも響き渡るのだった。

 

 

 

 




仕方なかったんや~、
このギャグがしたかったんや~

と言うわけですみません。またこのネタやってしまいました><


CADと武装を取り上げられた一行はどうなっちゃう?
この後横島は………

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