横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

それと遅くなりましてすみません。
一度作って、ボツにして再度作り直しました。

それとまたやっちゃいました。
この話は前、後編になります。




横島、夏の思い出をもう一つ!!前

横島は岬の先端で夕日をしばらく眺めていた。

 

 

 

「横島さん……あの……」

雫はそんな横島の後ろから声を掛ける。

雫は、ほのかを慰めた後、横島が外に出て岬の方へ歩いて行くのを見かけていた。

バーベキューの準備がもうそろそろできそうだったため、横島を呼びに来たのだが、夕日を眺めている横島の目は誰かに話しかけている様に見え、大人びた雰囲気を醸し出し、声を掛けるのを躊躇させるようであった。

 

 

「ん?雫ちゃん」

振り返った横島は何時もの、優し気な感じであった。

 

「横島さん、その、さっきは、また、ほのかを助けてくれてありがとう」

さっきの横島の雰囲気にのまれていたが雫は深く頭を下げていた。

 

「たはははははっ、大した事はしてないよ」

横島は照れたように答える。

 

「でも……うん」

雫は、さっきまでの横島の雰囲気が気になって仕方が無かった。先ほどの横島の目は何処に向いていたのか、その先に何を見ていたのかを……

 

「そろそろ、夕飯かーー、バーべキューだったね。肉っ肉っーー腹減ったし喰うぞ!雫ちゃん行こうか」

そう言って、雫の頭をポフっと手を軽く置き、前にでて別荘に戻って行く。

雫は先ほどまで無表情ながら不安そうな顔をしていたが、横島が手を置いた後の自分の頭を撫でながら嬉しそうに後について行くのだった。

 

 

 

 

 

「ごめんなさい!」

雫が横島と共にビーチのバーべキュー場に戻ってくると、ほのかが横島を見かけるなり、勢いよく頭を下げた。

 

「ん?」

 

「助けてもらったのに、その、頭を叩いてしまって」

ほのかは若干顔を赤らめながら、申し訳なさそうに横島に言うのだが

 

「そんなの気にしなくてもいいのに、別に痛くなかったし」

横島は全然気にしていない様だ。

 

「でも……」

 

「いいって、悪いのはぜーーーんぶ!!レオだ!!」

そう言い切って、横島はレオに向かってビシッと指をさす。

 

「もう、勘弁してくれ、まじで悪かったって!!」

レオはげんなりした顔をして、横島の言葉に反応する。レオはビーチに戻って来てからも、ほのかに謝り続けていたのだ。

 

「たははははははっ!!」

疲れ切った顔をしているレオの様子を見て大きく笑う横島。

 

 

その後はプチバーベキュー会場は明るい雰囲気に包まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜22:00

 

「達也ー、俺も大浴場で入りたいから、この警報機ブレスレット取ってくれよ。今だったら女子連中はいないしいいだろ?」

横島は達也にそう言った。

実はこの警報機ブレスレットがあるために、横島だけ大浴場で風呂に入っていないのだ。個室のシャワーで済ませていたのだ。

 

「ダメだ」

 

「えーーー、なんでだよ。大浴場ってすげー豪華なんだろ?折角の旅行なのに俺だけのけものかよ」

 

「達也、いいじゃない?もう女子も使わないだろうし、横島だけ可哀そうだよ」

幹比古が横島のフォローに入ってくれた。純粋に可哀想だと思っている様だ。

 

「こいつは何しでかすかわからん」

達也は断固として拒否をする。

 

「今日の仕返しかよ!!俺だけ無罪放免だったからってー、……俺が普段喰らっているあの理不尽さがちょっとはわかっただろ?ちょっとは俺を労われ!」

 

「………」

 

「達也、妹が居るからってそこまで警戒するなよ、俺も一緒に行くから許してやれよ」

レオもフォローに入り、横島と一緒に大浴場に行く事を提案する。

 

「チッ」

しかしそんなレオの親切心に横島は何故か小さく舌打ちをする。

 

「………」

達也は一瞬訝し気な顔をするが

 

「僕も行くからさ、……それだったらいっそ達也も一緒に来ればいいじゃない。皆で行った方が警戒せずに済むし、楽しいよ」

間髪入れず、幹比古がレオの意見に乗って、全員で行く事を追加提案をした。

 

「はぁ、わかった」

達也もそれでようやく了承し、横島の右手にはまっている警報機付きブレスレットのカギを外す。

 

横島は、ブレスレットを外しながら一瞬イラついたような顔をしていたが、その後、何か閃いたような顔をしたあと、何故かニヤっと口を歪ませた。

「おう、レオも幹比古もサンキュウな!!達也は、今度覚えてろよ!!」

そう言って、タオル等を用意する横島。

 

 

 

 

「おおおお!!すげーーー豪華!!何だこれ、室内なのに露天風呂みたいになってるぞ!!」

横島は脱衣場からガラリと扉を開け大浴場に入り、歓声をあげる。

広々とした浴場は、まるで高級旅館並みに広い。しかも室内なのに岩がゴツゴツとした露天風呂調、浴室の真中には大きな岩山が出来ており、そこからお湯が流れてきている。

そして、窓の外は一面パノラマで星の海が広がり、星光と月の光で薄っすらと海が煌めいて見えた。

もちろん外からは中が見えない様マジックミラーとなっている。

 

「ふーー、やっぱいいよね。ここって天然温泉らしいよ」

幹比古は湯船につかりながら、横島に話しかける。

 

「おい、泳ぐなレオ」

達也は、子供の様にはしゃぐレオに注意する。

 

「はっはーー!俺たちしかいないからいいじゃねーか」

 

そして、4人は浴槽の真中の岩山を背に、外の景色を並んでみていた。

 

「綺麗だね」

幹比古である。

 

「幹比古ーー、そう言うことは女の子に言えよー……たとえば美月ちゃんとか!!」

横島はふーとおっさん臭く、声を上げながら、幹比古にため息交じりに言った。

 

「なな、なんでそこで柴田さんが出るんだよ」

幹比古は顔を赤くして抗議する。

 

「いや、例えばだっていっただろ?幹比古は分かりやすいなーー」

横島は、半目で幹比古を見やって言う。

 

「何が分かりやすいんだ?」

レオはこういう話にはとことん鈍感なようだ。

 

「……レオ、お前はもっと大人になった方がいいな」

達也は冷静にレオにそう言った。

 

「たくっ何なんだよー」

レオはふてくされた様に言う。

 

「でも、みんなで来れてよかったよ。北山さんに感謝だね」

幹比古はシミジミそう言っている。色々あったがなんだかんだと楽しんでいた様だ。

 

「だな、いろんな意味で思い出になりそうだ」

レオはそう言う。今日やらかしてしまったこと、ほのかのバストをモロ見てしまった事は思い出として残るだろう。と言うかレオだけ役得である。

 

「ふっふっふーーー忘れられない思い出はこれからだぞ、ちょっとしばらく静かにしてくれ……」

横島は不気味な笑みをしながら意味深な事を言う。

 

「「「……?」」」

 

 

暫くすると……

 

「フフフーーン♪フーーン♪」

すると、脱衣場から鼻歌が聞こえてきた。しかも女性の声でだ!!

 

 

 

 

 

どうなる男性陣?

ピンチとなるかそれとも天国となるのか?




すみません。これで終わりと言ってたのに、続きがあります。
次こそ夏休み編終わりです。

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