横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

41 / 192
感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

九校戦も大詰めです。
九校戦で一番書きたかったところです。
ギャグないのは残念ですが><





横島、本戦モノリス・コード決勝戦開始!!

九校戦10日目本戦モノリス・コード決勝トーナメント

 

決勝、第一高校VS第三高校

荒野が広がるフィールド、平坦な土地で草などが多少生えているがそれ以外何もない。お互いのモノリスが初めから遠目で見えている状態だ。

 

 

十文字は試合開始前に布陣を説明する

「見ての通り何もない平坦なフィールドになっている。立てられる作戦も少なく、お互い戦闘を行い、決着をつけるスタイルとなる事が多い。全員で自陣のモノリスの前方で待機し相手の出方をみてからでも対応可能だ。

しかし、第三高校は速さと攻撃手段の種類に定評があるメンバーだ。翻弄されるな。横島は常に辰巳との連携を意識しろ、お前が囮で辰巳がトドメを刺す形に持って行け」

 

 

辰巳は横島の肩にポンと手を置き、十文字の説明の補足をする。

「十文字だったら、一人で三人の相手をしても大丈夫だ。しかし、横島、お前はガチな勝負での攻撃手段はないからな、俺と連携を取って、敵を倒しに行くぞ。基本的にはお前は自由に動いていい、俺がお前に合わせてやるから、大丈夫だ。」

辰巳はさりげなくかっこいいことを言う。やはり、男気溢れた男前である。

 

 

「う、ううう、辰巳先輩頼りになるっス!!」

横島はワザとらしく、涙を出すふりをする。

しかし、実際に心の中では涙が出る思いだった。

思い起せば、こうやって誰かに自分の為に大丈夫だと面と言われたことが無いのだ。

 

 

 

ウ―――――――ゥ

決勝の試合開始のサイレンが鳴る。

 

 

 

 

十文字、辰巳、横島は自陣の前方に歩いて行く。大凡相手のモノリスまでとの間の3分の1程度の距離の自陣側に待機。

 

 

第三高校の三人も同じような立ち位置まで歩んでいき、距離は離れているが、お互いが対峙する形となった。

 

 

 

そして……

第三高校が先に動いた。

 

 

第三高校の三人は一斉に横島達が待機している場所にかなりのスピードで一直線に向かってきた。

 

十文字は腕組をした状態で、辰巳と横島は十文字の斜め後ろで身構えながら前に進み、迎撃を行う様相だ。

 

 

第三高校の一人がかなり遠距離から魔法を放つ準備をする。

この距離でなんとか迎撃できるのは辰巳ぐらいである。辰巳も魔法で迎撃する準備を行っていた。

 

 

そして、第三高校の一人が魔法を放つ、しかし、放った光球は横島たちの手前に着弾するコースだ。狙いが外れたかと思った矢先、光球は弾け、あたり一帯を激しい閃光で覆いつくした。

 

「くっ!!」

「しまった!!」

十文字と辰巳は腕で目を防御したが間に合わず、目がくらむ。

 

目をくらませながらも十文字は片手で絶対防御『ファランクス』を前方に辰巳、横島の範囲まで広げ展開し、相手の攻撃に備えた。

 

横島はというと、サッと十文字の背中に隠れてちゃっかり難を逃れていた。

 

 

 

しかし、目を眩ました隙に攻撃を仕掛けてくると思われた第三高校の三人は、横島たちに目もくれずに、魔法で大きくジャンプし飛び越え、第一高校のモノリスに更に加速魔法でスピードを上げ向かって行く。

 

 

「奴ら全員モノリスに向かっちゃいました!!」

横島は十文字と辰巳に状況を大声で報告する。

 

 

「横島!!お前は目が大丈夫のようだな!!あいつらに追いついて何でもいい邪魔をしろ!!俺も後で追いつく、辰巳は目が戻ったら、相手のモノリスを狙え!!」

十文字は目を抑えたまま、横島と辰巳に指示を出す。

 

「了解っす!!」

「くそっ了解だ!!」

横島とまだ目くらましから回復していない辰巳が返事をする。

 

 

横島は返事と共に猛スピードで自陣のモノリスに向かって走り出す。

 

 

 

 

 

 

この状況を観客席で見ていた。いつもの面々は

 

 

「やられたな、こりゃやばいんじゃないか?」

レオは誰ともなしに言う。

 

「ああ、完全にしてやられたが、まだ挽回できる」

達也が答える。

 

「横島だけは、目くらましを回避したみたいね」

エリカは珍しく真面目な顔で話している。

 

「横島さん、第三高校の方々を追いかけて、自陣のモノリスに向かって走ってますが、間に合いますかね」

美月は横島が自陣に向かって走り出したのを見て心配そうに言った。

 

「多分、間に合うよ。モノリスを開いた後、512ワードを読み取って、各人が装着している専用端末で打たないといけないから、結構あれって時間かかるし、打ち終わるまでには追いつくと思う」

幹比古は自身モノリス・コードに出ていたため、美月の問いに答えることが出来た。

 

「間に合ったとしても、横島には攻撃手段がないわよ、どうすんのよ?」

エリカは試合のライブ映像で走っている横島を目で追いながらそう言った。

 

少しの沈黙の後。

 

「横島さんだったら、きっとなんとかする」

雫は何時もの眠たそうな無表情ではなく、心配そうな顔で言う。

 

 

 

 

「おい、まじか…横島の奴、あいつらがモノリスに着く前に追い付いちまうぞ!!」

レオはライブ映像で走る横島と第三高校の選手との距離が徐々に縮まっていく様を見て驚きの声を上げる。

 

 

加速魔法を使い軽やかに、進んでいく第三高校の選手たちに対し、横島は土煙を上げながらドドドドドと足音をたて猛然とダッシュをかまし追いすがっていた。

 

 

その様子、無骨な横島の走りを見たエリカは

「あんな、変な加速魔法見たことないんだけど?それより、横島って加速魔法使えたっけ?たしか、CADには三つしか魔法の設定してないのよね?」

驚きと疑問が混在したような表情をしていた。

 

 

そう、横島は魔法など使っていない。あれは斉天大聖老師に修行を付けてもらう前の横島本来の走り方だ。霊力が発現していなかった時代から、幾度となく妖怪妖魔に追い掛け回され、そして、お姉ちゃんに触りたい一心で走り、さらに、チカンと間違われ(実際のぞきは何度もしたが)女性に追われ、死ぬ思いで身に付けた横島流の走りだ。(ギャグ体質の為の走りだと言ってもいいのだろう)

 

 

「……横島独自のBS魔法か古式魔法か何かだろう」

達也は言い淀みながら、フォローを入れる。

 

 

「古式魔法にあんなの在ったかな?」

幹比古は首を傾げる。

 

 

「やっぱり横島さんは凄い!!」

雫はさっきの心配顔から、明らかにうれしそうな顔になっていた。

 

 

 

 




また、今日投稿予定です。
後2回で九校戦編終わりの予定です。




▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。