横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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ついに来た!!

横島、九校戦デビューです!!

まずはその1回戦


横島、本戦モノリス・コード1回戦出陣!!

九校戦10日目

 

本戦モノリスコード予選1回戦

第一高校VS第九高校

フィールドは森林

 

第一高校は十文字と辰巳、そして横島のチームだ。

 

十文字は予選開始直前に横島の背中を軽く叩いて言う。

「相手は格下だ。お前の実力も見ておきたい、予定ではかく乱がお前の役目ではあったが、アタッカーとして、モノリスを制圧してこい」

 

「マジっすか!!」

 

「ああ」

 

辰巳が横島の肩にポンと手を置き。

「後ろには俺と十文字がいる。まあ、俺たちだけでもどうにかなる相手だから、気にせずやってこい」

さりげなくフォローを入れる。はっきり言ってその行動は男気溢れるイケメンである。

 

「ううう…失敗しても怒らないでくださいよ」

横島は自信なさげに言う。

 

「ああ、行ってこい」

 

 

ウ―――――――ゥ

 

そして、開始のサイレンが流れる。

 

 

十文字と辰巳は自陣のモノリスの前に待機。

横島は林の中に走っていく。

 

 

 

 

 

第九高校の選手は一人がディフェンス。二人はアタッカーだ。

 

 

 

 

 

 

観客席では、いつもの面々がかたまって観戦をしている。

 

珍しく美月から達也に話しかける。

「達也さん、横島さんのCADは達也さんが調整したんですよね」

 

「そうだ」

 

「でどうなんだ?横島の奴、いけそうなのか?」

レオが達也に質問する。

 

「正直、あの設定で何ができるのかは、わからん。横島が行使できる魔法は三種類のみだ。しかも一つは全く役に立たない。実質二種類だ、それも本来モノリスコードに向いていない」

淡々と説明する達也。

 

「実質二種類ってそれはまた、少ないわね。まあ、横島の実力じゃ、そんなもんかな…それでも少なくない?大丈夫なのそれ?」

エリカが心配そうにそう言う。

 

 

「まあ、何を仕出かすのか、見てのお楽しみだ」

達也は珍しく、少し笑ったような表情をした。

 

 

ほのかが中継を見て

「横島さんだけが先行したみたいです。先輩たちはモノリスの前で待機みたいですね」

 

「おい、大丈夫かよ?横島にアタッカーって、あいつが攻撃したりしたところなんて見たことないぞ」

レオは驚いたように言う。

 

「横島さんなら大丈夫」

雫はそう締めくくった。

 

 

 

 

 

 

そんな話をしている間に、第九高校のモノリスが開いたのだ。

 

「何だと?どこだ?」

 

第九高校のディフェンスの生徒は驚いている。モノリスは20メートル半径から、特定の魔法を行使することで開く、そして、そこに表示されたパスワード512ワードを読み取り、腕にはめている専用機器で打ち込んで送信することで勝利となる。

また、全員戦闘不能にしても勝利となる。

 

第九高校のモノリスの周りは約20メートルギリギリ林から開けた場所にあるのだが、モノリスの周りにいるはずの、アタッカーの姿を確認できないでいた。

 

横島は今回、陰陽術や霊力を使うつもりは全くない。CADに組み込んだ魔法と基礎能力(抑え気味)だけで競技を行うと決めていた。

 

 

 

しかし、第九高校のディフェンスは気づけない。彼は見当違いに、モノリスの半径20メートルギリギリ付近の林の中を注視し、横島を探していた。モノリスコードで着用する服は、黒と灰色の戦闘用スーツだ。開けた場所では丸わかりなのだが、林の影などに隠れると見えにくいことを踏まえた索敵である。

 

 

しかし、観客は気づきだしていた。

何故か笑いがあちこちで起こりだす。

 

「プププププっ、横島!!なにアレ!!」

エリカは爆笑している。

 

「エリカちゃん、笑ったらだめよ、プクッ!!」

美月も笑っている。

 

 

 

観客から見るとモノリスの周りで、高さ50センチ程度のこんもりとした生垣にあるような低木が、ディフェンスの視界を背にして、こそこそと、モノリスの周りを動き回っているのだ。

 

 

そう、横島の得意技の一つ完全擬態だ!!

何故か美神や女性陣にはバレるが、男には絶対バレないのだ!!

 

 

横島はサツキらしい木の枝を背中にいっぱいくっ付け、丸く蹲り気配を消して擬態していた。結果、背中から見ると、見事にこんもりとした低木が生えているように見えるのだ。移動中は真正面から見ると体育座りしている様相なのだが、その状態で機敏に動く事ができるが故の秘技だ。ディフェンサーが振り返ると視界の真正面に来ない場所に移動しジッとする。ディフェンサーの注意がモノリスから外れると、モノリスのコードを読み取るために、モノリスの前までくるのだ。それを繰り返していた。

 

 

 

ウウウウ――――――――――ウ

 

そして、試合終了のサイレンがなる。

 

 

 

「ふははははははっ、勝利!!」

横島は試合終了とも高笑いをして、立ち上がる。背中は木の枝葉がびっしり、頭の左右には枝が刺さっていた。

 

「うわわ!?」

第九高校のディフェンサーからすると、急にそこに人が現れたように見え、驚く。しかも珍妙な格好をしたやつだ!!

 

 

勝利宣言をした葉っぱ星人いや横島は、珍妙な格好のまま、呆然と見ている第九高校ディフェンサーを背に悠然と会場控室に戻っていく!!

 

 

 

 

 




次は多分明日投稿です。
モノリスコード続きです

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