横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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やっちまった感しかないこのシリーズです。

1年E組のおなじみの面々登場です。


2話 横島、1年E組に溶け込む!!

昼休みの終わりかけ、1年E組に横島は戻って来た。その制服は少し汚れていた。

さっきまで、下着泥犯人と間違えられ、風紀委員長の渡辺摩利に追いかけまわされていたのだ。

 

そんな横島に声をかける気さくな男子生徒がいた。

 

「横島、昼休憩どこに行ってたんだよ。一緒に飯に誘おうとしたのによ」

 

 

「風紀委員長に追いかけ回されてたんだよ。冤罪でだ。ちくしょー!!おかげで昼飯にありつけなかったぞ」

 

 

「お前、完全に、風紀委員に目をつけられたな、入学初日にあんだけ大々的にナンパしてりゃあな」

 

横島に話しかけたこの男子生徒、西城レオンハルトと言う。顔立ちも堀が深く、名前から日本人以外の血が入っている事は分かる。横島にはレオと呼ばせている。

入学初日に席が横の横島に声をかけたのである。ナンパ騒動を起こしている横島に、まだ声をかけてくれる様な気さくな少年だ。

 

 

「そうだ。横島、紹介する」

 

レオは席を立ち、ある少年の前まで横島を連れて行く。

 

 

「達也、こいつが、今日話していた面白い奴だ。横島って言うんだ」

 

 

達也と呼ばれた整った顔立ちの少年は席を立ち、自己紹介をする

 

「司波達也だ。よろしく」

 

 

「俺は横島忠夫、なんだこのクラス。イケメンしかいないのか?……ちくしょーーなんだかとってもちくしょーー!!」

 

司波達也の顔を見て、横島は雄たけびをあげながら涙するのだ。

 

 

レオは達也に

「な、面白い奴だろう?」

 

 

「面白い?まあ、変な奴だがな」

達也は無表情ながらそう言った。

 

 

その横で話していた女生徒二人は、その輪に入って来た。

 

 

「あっ、1年の女子全員にナンパした奴じゃん!!」

快活そうな女生徒はそう言った。

 

「うん、私も声かけられた」

眼鏡を掛けた大人しそうな女生徒は横島の被害者らしい。

 

「美月は声かけられたんだ」

 

 

横島はすかさず、まずは快活そうな女生徒に声をかける。

「ボク、横島!!元気そうなお嬢さん!!よろしく!!」

 

 

「わたしは、千葉エリカよ。よろしくねナンパの横島くん」

 

 

続けて美月と呼ばれた大人しそうな女生徒に横島は声かける。

「ボク、横島!!眼鏡が似合うお嬢さん!!よろしく!!」

 

 

「柴田美月です。その、お手柔らかに……」

 

 

エリカは横島に質問をする。

「横島くんはなんで、1年生全員に声かけたのに、私にはナンパしなかったの?」

 

 

「ガサツそうだったからじゃねえか?」

レオが横からちゃちゃを入れた。

 

「あんたに言われたくないわよ」

エリカはレオに反論する。

 

 

「三分の一位に声かけたんだけど、風紀委員長に捕まっちまって、校内でナンパ禁止になった。くそー、あの鬼めーー俺の青春かえせーーーー!!」

横島は説明をするが、後半は心の叫びだった。

 

 

エリカはそれを聞いて笑っていた。

「プッ、鬼だってあの女にお似合いね。横島くんあんたと気が合いそうね」

 

エリカは風紀委員長の渡辺摩利を知っている様だ。しかも嫌っている様相だ。

 

 

 

「みんな、次、魔法稼働実習よ、早く移動しないと」

美月はここにいる連中に次の授業が実習室であることを伝える。

 

 

 

 

 

 

1年E組の午後からの授業は魔法稼働実習だ。

 

魔法の術式稼働によって機器を制御する実習だ。

それぞれ、順番で実習を受けて行く。

 

横島は順番待ちの間、キョロキョロとしている。前にいるレオに小声で質問する。

「レオ、これってどうやって動かすんだ?」

 

「はぁ?」

 

「だから、何をどうしたらいいのかさっぱりだ。教えてくれ」

 

「お前、何言ってるんだ?」

 

「いや、だからわからないんだって」

 

「お前CADを起動させたことないのか?」

 

「CADって?あの端末みたいな奴だな」

 

「おい、まじかよ………お前、なんでこの高校に入学できてんだ?」

 

「俺もわからん」

 

「はぁ?」

 

「いいから、教えろって」

 

「……サイオンを注入して、起動させるんだ。後はお前の演算能力次第だ……」

 

「……サイオン……あ?霊力か……サイオンを込めればいいんだな、演算能力って?まあいいか、なんとかなるだろ」

横島は、現代魔法の知識は全く持ちあわせてないのだ。

 

「おいおい、霊力って大時代的な……まあ、いいや俺がやっているのを見ておけ」

レオは自分の番が来て制御しだす。

 

 

横島はレオが術式稼働機器を制御している所をじっと見ていた。

 

 

「まあ、こんなもんか」

レオは終了したようだ。

 

横で見ていたエリカはレオにちゃちゃを入れる。

「あんたって本当におおざっぱね」

 

「うるせー……次、横島やってみろよ」

 

 

「よっしゃ!!」

横島は気合十分だ。

 

 

「そんなに気合い入れなくっていいって、リラックスだ」

レオはそんな横島にアドバイスを入れる。

なんだかんだとレオは面倒見がいいみたいだ。

 

 

横島は制御盤に手を触れる。

「フハハハハハハッ 霊力注入!!」

横島は直ぐに調子に乗る性質があるのだ。

 

 

バチバチバチバチバチーーーン

 

ズドドドドーーーーーン!!

 

 

機器はスパークして、制御を失い爆発を起こしたのだ。

 

 

横島はモロに爆発を食らう。

「ぎゃーーーーー!!」

 

 

「おい!!横島大丈夫か!?」

「横島くん!?」

レオとエリカは心配そうに横島に近づく。

 

 

横島は立ったままだったが、丸焦げになって、プスプスと煙を上げていた!!

 

 

「こんなんばっかりーーーーー!!なんでじゃーーーーー!!」

顔をぐしゃぐしゃにしながら涙をまき散らしだした。

 

 

「……なんか、大丈夫そうね……」

「……そうだな」

あんな状態だが、元気そうな横島をみて、エリカとレオは呆然としていた。

 

 

 

この後の授業は当然中止となる。爆発した機器は、故障と見なされた。

実際には過度のサイオンいや霊力の異常な注入によるものだが……

 

 

 

横島自体は無傷だった。

横島は生来の耐久力と回復力でノーダメージだが。頭の天辺から足元までギャグで出来ているため、なぜか丸焦げになってしまうのだ。

しかし、実習服はボロボロとなり、買いなおす羽目になった。

 




やっちまった……

連続投稿です。

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