横島MAX(よこしまっくす)な魔法科生   作:ローファイト

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では、久々の生レオです。



147話 横島、レオに会いに行く!!

「よお、レオ意外と元気そうだな!」

 

「ふん、帰ってくるのがおせーんだよ」

 

横島はミアを氷室に送り届け、翌日の午後には東京に戻り、真っ先に未だ入院中のレオに会いに行っていた。

 

「まあ、よく無事だったな」

 

「まあな、体だけは丈夫だからな……ようやく、体が動けるようになってきたところだ」

レオは体をベットから起こし、ベットの縁に座る。

 

「ちょい見せてみろ」

横島はそう言ってレオの額に手をやる。

 

「なっ、いきなり何しやがる!俺にはそんな趣味はねーぞ」

レオは横島の手を払いのける。

 

「霊的構造はだいぶ回復してきているな……体力もあるし、よし、お前一度ベットに寝ろ。今から一気に回復してやる」

 

「人の話を聞け!……回復?なんだ、治せるのか?医者も原因不明だと言っていたぞ」

 

「ああ、こんなのは病院で寝てても一緒だ。お前は体も魂も丈夫だから自然に回復しているが……本来はちゃんとした心霊医術を使わないと回復できん」

 

「心霊医術?まあ、いい……エリカから聞いたぞ、お前、今回の件はやけに積極的だな、普段は争い事を嫌ったり面倒くさがるくせに……」

レオはそう言いながらも、再びベットに横になる。

 

「なに、お前、エリカと付き合っているのか?……だから、あんなにあいつ不機嫌なのか、お前がいないと、エリカが不機嫌で当たり散らしてくるから、とっとと復帰な」

そう言いつつ横島は寝ているレオの頭に手をやる。

 

「ふん、誰があんな跳ねっ返り、あいつは俺の事を出来の悪い弟子程度にしか思ってねーよ。ってなんだ、体が熱いぞ!」

 

「まあ、ちょっと我慢しろ」

横島はレオに霊気を送り、霊的構造を修復していた。

 

「おお!なんか体が楽に……」

 

「終わりだ。ベットから下りてみろ。体力があるからもう退院できるんじゃないか?」

 

「まじか?おお!体が軽いぞ、横島サンキューな!!」

レオはベットから降り、立ち上がり体のあちこちを確認するかのように回していた。

 

「俺は、レオと一緒に入院している女性に会いに行く」

 

「ああ、未だ意識が戻ってないらしい。でもアレだぞ、七草家の人間が見張っていて、中に入れないぞ」

未だ眠っている若い女性は七草家の魔法師であり、吸血鬼いや悪霊に取りつかれたミアにやられた被害者だった。

 

「うーん。真由美さんに連絡するのもあれだし、レオ、囮やってくれ、看護婦さんの尻を触って騒ぎを起こすってどうだ?」

 

「はっ、ばかか、お前のような真似ができるか!」

 

「なんだよ、せっかくリハビリがてらに素敵な感触をプレゼントしようと思ったのに」

 

「しゃれにならんぞ!せっかく治ったのに、病院から警察に厄介になって、復帰どころじゃなくなるだろ!」

 

「そこは、ギャグで切り抜けろよ~」

 

「お前と一緒にするな!!」

 

「しゃーない。普通に入るかってアレ?………真由美さんが来たな」

横島は隠形等を使い、黙って入るつもりだったのだが、真由美がこの病院に近づく気を察知したのだ。

 

「……お前、何でもありだな」

レオはどこを見るわけでもなく真由美が来ている事を察知している横島に、呆れている。

 

 

 

「真由美さん。昨日はどうも」

「うっす」

横島とレオは廊下に出て真由美を待って挨拶をする。

 

「横島くんと、西城君こんにちは、横島くんはなぜここに?……西城君のお見舞いね。……西城君は大丈夫そうね」

 

「たははははっ、真由美さんはお見舞いですね。俺も一緒していいですか?」

 

「ん…いいわよ」

 

「じゃ、俺は戻るわ」

レオはそう言って部屋を戻ろうとする。

 

「なんで?」

 

「一応、エリカの所と、競争相手みたいだしな」

 

「レオ……お前空気読めたのか!!」

 

「お前にだけは言われたくないぞ!!」

 

「ふふふふっ、二人は仲がいいのね。いいわよ、彼女は西城君が助けてくれたようなものだから」

横島とレオのやり取りを聞いて、微笑む真由美。

 

「じゃあ、おじゃましまーす。レオも来いって」

 

「わーかった。ひっぱるな」

 

 

横島とレオは真由美の後ろについて行き、黒服の男が二人控える病室に入って行く。

 

「お嬢様、見舞いに何度も来ていただき恐縮ですが、このようなところに、何度も来られなくとも……」

20代後半の女性が真由美に一礼する。どうやらこの女性も七草家の家人の様だ。

ベットには20代前後の若い女性が、生命維持のための装置を多数施された状態で寝ている。

 

「今日は飯田さんなのですね。いえ、いいのです。私達の落ち度でこのような事態になっているのですから」

 

「そうですか……青木は今日休みを取ってまして、それで私が代わりに………お連れ様ですか」

飯田と呼ばれた女性は、そう言って、真由美に続く、横島とレオを見る。

 

「そうなの、学校の後輩で…」

 

「かっこいいお姉さん!僕横島!よろしくです!!」

真由美が横島たちを紹介しようとしたのだが、それより早く横島はシュタッと飯田さんの前に出て、手を握り、相変わらずの挨拶をする。

 

真由美は苦笑するしかない。

 

「おい、横島!病室で……」

レオは横島を注意しようとしたのだが……

 

 

横島は、彼女の手に霊気を直接流し込み、行動不能にし立ったまま動けなくする。

 

「悪霊退散、吸引」

 

そこから、流れるように吸引札を出し、彼女に掲げ、何かが彼女から飛び出し、吸引札に吸い込まれる。しかし、その何かは、真由美やレオには見えなかった。

 

飯田は横島にしなだれる様に倒れる。

 

「横島くん!?」

「横島!!」

 

「ああ~、飯田さんは悪霊に取りつかれていましたね初期状態ですが。俺も彼女に近づくまで分からなかった。これはこの悪霊の特性かな……厄介だな」

 

「悪霊?飯田さんが?そ……そうなの?全然わからなかったわ……」

 

「もう、大丈夫、飯田さんは、初期状態だから直ぐによくなる。霊的構造の変質もさほどないし」

 

「おい、横島どういうことだ」

レオはまだ状況を把握していなかった。

 

「レオは後で教えてやるから……」

 

「真由美さん、一度、七草家の人間を全員集めて下さい。あと、十文字家もかな……これはかなり悪霊に入り込まれているかもしれませんね」

 

「わかったわ……十文字家には協力をお願いしたのは結構後からだから、まだ、被害は出ていないから大丈夫だと思うわ。でも念のため、捜索を行っていたメンバーを集める様に伝えるわ」

 

「まずはベットに寝ている彼女の治療をしますね」

 

「……いいの?横島くん」

 

「ついでですよ。レオのついで」

横島はそう言って、飯田をレオに預ける。

 

そしてベットに寝ている若い女性の額に手を掲げる。

「霊的構造がズタズタだな、そりゃ意識も戻らないし、生命力も無いわけだ」

 

「横島くん、治るの?」

 

「はい、霊的構造は今すぐ治せますが、後は本人の体力しだいで退院できるでしょう」

横島は札を2枚取り出し、彼女の胸と臍当たりに張る。

そして再び額に手を置き、霊気を送り込んでいった。

 

30分程度、そうやって、彼女の霊的構造を直すため霊気を送りこむ。

その間、レオは表に居る黒服の男に、飯田女史を引き渡す。

 

 

「もう、終わりです。これで快復に向かいますよ。あとは普通に入院させてください。」

 

「横島くん……ありがとう」

 

「あー、ちなみに言っておきますが、さっきの飯田さんを調べても何も出ませんよ。初期だったし、本人も悪霊に取りつかれた自覚なんて持ってないだろうし。まあ、変なウイルスに感染した程度と思ってください」

横島は、真由美に飯田女史に手荒な真似をしない様に釘をさす。

 

「横島、ほんとお前何でもありだな」

レオはそんな横島に、呆れたような感心したような顔を向けていた。

 

 

そして、病室から3人は退出する。

「レオ、退院手続きできたか?」

 

「いや、お前がさっきの治療の間に、担当医の所に行ったらよ~、一晩様子見て明日もう一度検査するなんて言いやがって、どうやら退院は明日の午後になりそうだ」

 

「まあ、妥当だろうな」

 

「何にしても、助かった横島!また学校でな!」

レオはそう言って病室に戻り、横島と真由美は病院を出る。

 

 

真由美は病院を出た後、待っている車には乗らずに横島に話しかける。

「横島くん、今日もありがとう……何度お礼を言っても足りないわ」

 

「たはははっ、まあ、今日はたまたまっすよ」

 

「父が契約の話しで、一度横島くんを家に連れてくるように言っているの……何時がいいかしら?」

 

「あ~、俺今日でもいいっすよ。でも、家人の人集めなくっちゃいけないし、二度手間になっちゃいますね。真由美さんに決めてもらった方がいいかな?俺は基本放課後はフリーなんで…って、アレ?風紀委員会に復帰できるのかな?」

 

「フフフフフッ、分かったわ。決まり次第、横島くんに連絡するわね。……それと…」

真由美はそんな横島に微笑みながら答えるのだが、何か急にモジモジしだしたのだ。

 

「なんすか?真由美さん」

 

「横島くんは、あの、その……アンジェリーナさんとは……恋人同士なの?」

真由美は不安そうな顔をして横島に聞いた。

 

「へ?違いますけど」

 

「そうなの?でも、ボーイフレンドって彼女言ってたわよ」

 

「あー、やだなー真由美さん。英語で男友達の事ですよ」

 

「でも、アンジェリーナさんは横島くんにずっとくっ付いていたけど……」

 

「あのメンバーの中で、リーナがすがるのは俺ぐらいだったし、リーナは見た目美人だけど、子供っぽいし、しかも同年代の友達って俺以外いないみたいだから……よかったら仲良くして上げて下さい」

横島はそんな事を言うが、リーナが子供っぽく振舞うのは横島の前だけなのだ。

 

「そう……そうなの……恋人じゃない………子供っぽい、友達」

真由美はホッとした表情をし、なぜか笑顔まで出ていた。

 

「どうしたんですか?真由美さん?」

 

「な……何でもないの…連絡するわ。多分近いうちに可能だと思うわ。緊急性を擁する案件だし」

真由美は慌てた様にして、お付きの車に小走りで近づき乗って行った。

 

 

 

 

横島はその車を見送って、帰りの途に就こうとするが、携帯端末に電話が入る。

「タダオ!今どこ?」

リーナからだ。

 

「ああ、東京に戻ってる」

 

「直ぐに来て!!私が今住んでるマンションに……住所はメールで送るから!!」

 

「何かあった?リーナ」

 

「いいから!」

 

「わかったよ」

横島は契約の件だろうなと思いながら了承する。




次はリーナUSNAですね。

千葉家か七草家と続きます。

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