沢山の感想もありがとうございます!!
今回の横島は結構地味です。
次のつなぎみたいな感じです。
食堂を後にした横島は、霊力を少しずつ高め、解放していきながら猛スピードで屋上へと登って行った。
横島は走りながら状況を整理していた。
公開討論会の前に摩利から事前に、『学内差別を撤廃する有志同盟』についてレクチャーを受けていた。
彼らはテロリストとつながっている可能性が高いという話と、彼らは一様に目印として、白地に青と赤を縁取ったリストバンドをしているとの事だ。
そして、何らかの行動を起こす可能性があるとの事だ。例えば生徒会長の真由美を人質に取る。学内でクーデターを起こすなどが、考えられるとの事だ。
風紀委員会はその為、人員をこの公開討論会に割き会場を警備を厚くしていたのだ。
しかし、実際どうだろう。
先ほどの食堂を襲撃した黒服たちは、一様に殺傷を目的とした武器を持っていた。中には魔法を使えるものもいたように見受けられた。しかも明らかに学生ではない。
これは学内の抗争ではない。
明らかに、学外からの戦力が襲撃してきたのだと、そして、生徒達を殺傷することに躊躇が無かった。高い練度を持っている様には見えなかったが、何等かの訓練や指示を受けている様であった。
魔法を展開しようとした雫に銃撃による集中砲火がそれだ。
先制による乱射そして、魔法師に対しての集中砲火による各個撃破。魔法師に効果的な攻撃……それが黒服たちが行おうとしたことなのだろうと。
武装した黒服たちは、『学内差別を撤廃する有志同盟』とつながりがあるテロリストなのだろうと横島は判断した。
しかし、横島は黒服のテロリスト達の目的までは現状ではわからなかった。
ただいえることは、この展開は風紀委員長の摩利も生徒会長の真由美を想定していなかったという事だ。
完全に裏をかかれている状況だ。
横島は屋上から周りを確認する。
敷地内のあらゆる場所で銃撃や爆発が起きていた。
先制攻撃で学内は恐慌状態に陥っている様だ。
ケガ人も多数見受けられる。
「くそっ」
横島は両手を合わせゆっくりと、手のひらを離していく、すると掌との間に、半透明の六角形の盾が次々と現れる。
横島は六角形の盾が12枚出来上がったところで一斉に放ち、四方八方に飛んで行く。
横島は目を瞑り霊力を高め、精神を集中させる。
そして、意識を構内全体に向け、学内にいる人間の全ての位置を掌握した。
横島は黒服の武器にターゲットを絞る。
黒服たちの練度は低い様だが、組織だった動きをする。対魔法師の戦術をある程度レクチャーを受けているのだろう。効果的にマシンガン、ロケットランチャーの攻撃で、学内を蹂躙していたからだ。
これさえ何とかすれば、学生だけでも対処が可能だと横島は判断したのだ。
12枚の六角形の盾……サイキックソーサーはまるで意思があるかのように正確に黒服たちの武器だけを狙い、次々と破壊する。
横島は、その間も構内の人間の動き見る。
公開討論会の会場と生徒会や風紀委員、司波兄妹は全員無事の様だ。エリカやレオ、美月の存在も確認した。どうやら全員、今のところけがもなく無事でいる。横島はホッと息を吐く。
更に注意深く確認していくと、
黒服たちの中では霊力が高く、明らかに戦い慣れた動きをする一団を把握した。
その一団は他の黒服とは違った動きをしていた。何処か目的地があるかのように迷いなく移動している。
こいつ等が指揮官若しくは今回の騒動の本命か!?
横島は目を開き、屋上から助走をつけ、大きくジャンプをする。
魔法科高校第一高校襲撃……こんな大胆な計画を持ち掛けられた。傭兵団である彼らは今ここにいる。
最初は成功する見込みが薄いと感じていたが、雇い主は資金力と頭脳を持っていた。捨てても痛くない狂信者の様な捨て駒もいた。そして、成功報酬はかなり魅力的な金額であったのだ。
そして、彼らは、このテロに参加した。
狂信者どもに武器の扱いを教え、捨て駒の様に使う。
危険な魔法師の卵は一か所(公開討論会)に集める事にも成功していた。
そして、構内のかく乱作戦も順調に進んでいた。
後は、第一高校の手薄になった図書館を掌握し、お宝(情報)のカギを持った人間を手引きするだけだった……
そして、物陰に隠れていた傭兵団10人は図書館にいる学生を一気に蹂躙するつもりで、図書館前の広場に飛び出そうとした。
「どっせぇーーーーーーい!!」
一団の前に男が空から降って来たのだ。変な掛け声と共に。
第一高校の制服を纏っていたが……肩のエンブレムには校章が入っていない。2科生俗に言う劣等生だ。特徴的と言えば頭にバンダナをしている。
そう、横島忠夫が降って来たのだ。
傭兵団は一瞬驚いたようだが、直ぐに立て直し、それぞれが武器を構える。
横島はといえば。
「ち…ちょっとまってーーー!!足がーーーー!!腰がーーーーーー!!」
着地した衝撃で涙をちょちょ切れさせながら蹲っていた。
やはり、横島。こんな時でも締まらないのである。
一瞬傭兵団は呆気に取られていたが……
リーダーらしき男が命令する。
「撃て」
そして、傭兵団は横島めがけて、マシンガンやらを集中砲火。
しかし、弾は横島に届かない。
「待ってって言ったじゃねーーか!!」
横島は左の掌を前に付きだしていた。
丁度横島が隠れる大きさの半透明の盾がそこにあった。弾はその盾にすべて阻まれていたのだ。
それを見た傭兵団の一人がキャストジャミングを発動させた。
しかし、半透明の盾は消えなかった。
傭兵団は驚きを隠せないようだったのだが、彼らはプロだった。マシンガンを撃ちながら散開して、挟撃する手段を取ろうとしたのだ。
しかし横島は、半透明の盾をその場に残し、傭兵団の前から消えたのだ。
傭兵団は横島を一瞬見失うが後ろを振り返り、再びマシンガンを構える……
振り返った先には横島がいたのだ。
高速移動し傭兵団の後ろをとっていた。その横島の右手には神通棍が握られていた。
傭兵団はマシンガンを構えていたのだが……武器はいつのまにか、すべて真っ二つに切れていた。
さらに、時間差を置いて、傭兵団のメンバーが一人、また一人と次々と倒れて行く。リーダーらしき男を残して……
その惨状を見たリーダーは恐怖を覚えたのか、叫びながら逃走を図るが……
横島は、神通棍を地面に突き刺し。
「土角結界!!」
と唱える。
逃げようとする傭兵団のリーダーは動けなくなっていた。
足元から、石化しだしたのだ。
見る見るうちに下半身、上半身まで石化が進む。
そして、頭だけ残した状態で……
傭兵団のリーダーは恐怖で声も出ずただただ顔だけを震わせていた。
「うーーーん。お姉ちゃんじゃないのは残念だが……おっさん。聞きたいことがあるんだけど……いいよな」
横島は最初はおちゃらけた風だったが、最後には凄んでいた。
今回の横島は、サイキックソーサーの椀飯振舞ですね。大きな奴も出ました。
で、安定の神通棍。メデューサ大好き土角結界と、霊視能力ですね。
剣術の師匠は小龍姫さま!!
まだ、まだ敵が弱いので、こんな感じです。
ハンズオブグローリーはまだです。あれ、相当かっこいいから!!
私は意外と結界系が好きですねーー。火角結界も出したい。