ドキドキ Experience!!   作:トップハムハット卿

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連投になりますが、どうぞ!


第9話

「ただいま~」

「おかえりなさーい。ありがとうね」

 

お釣りと買ったものを、お母さん(もとい、沙綾のお母さん)に渡して部屋に上がる

 

 

「おかえり拓弥、なんか機嫌良いね?」

「ただいま沙綾、帰り道に盆栽を愛するフレンズに会えたんだよ」

 

「へぇ~。拓弥みたいな変わり者が他にも居たなんて…」

「おい沙綾、今聞き捨てならないことを言ったな?」

 

「言ったかな?」

「言ったよ!おのれぇ、今日という今日は盆栽の魅力が分かるまで徹底的に熱弁してやる!!」

「あ、純と紗南の宿題見なきゃ。バイバーイ」

 

「あ、待て!」

 

 

逃げ足の速いやつめ………

 

 

 

 

まぁいいや、今日の店番は終わったし、久しぶりにゲームでも…

 

 

ピコン♪

 

 

『新着メッセージが1件あります』

 

 

暇になったのを見計らったようにLI●Eを送ってくるなんて……!

 

 

誰だよまったく……

 

 

相手は……

 

"美竹 蘭"

 

 

 

 

最近、蘭とのやり取りが多くなってる気がする…

 

 

 

『今日、一緒にSPACE(スペース)行こ』

 

 

ほんと毎回毎回、内容が唐突だな!

 

 

 

『まじ?』

『うん、グリグリも出るし』

 

グリグリとは、Glitter(グリッター) green(グリーン)の略称である。

 

メンバーは全員高校生の4人組バンドで、ボーカルの牛込ゆりさんの歌声が凄く綺麗だ

 

ボーカルだけじゃなく、演奏自体も完成度が高くて、同じ高校生とは思えないレベル……

 

 

『わかった、何時集合?』

『もう家出た』

 

 

 

は?

 

 

 

 

ふざんなぁぁぁぁ!!!

 

"もう家出た"って、お前の家からうちまで徒歩10分も無いだろぉぉ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅い」

「お前が早すぎるの。何分前に"もう家出た"って送信したと思ってんの?5分前だぞ?」

 

「5分あれば準備できるでしょ」

「できないね。逆に5分で支度を済ませた俺を褒めてほしいくらいだ。

それに、5分前ってことはうちに着く直前にL●NE送ってきたってことじゃねぇか!?俺が断ったらどうするつもりだったんだ?」

 

 

「拓弥、断ったこと無いじゃん」

「いや、まぁ、そうだけどさ……」

 

「早く行こ。始まるよ」

「はぁ…………」

 

 

相変わらずだな………

 

 

「モカたちは誘わなかったのか?」

「誘ったけど、今日は予定があるって……」

 

 

「それ、ほんとに予定があるのかよ…。

前に"予定がある"って断られて、俺たち2人で行った時にSpaceで鉢合わせたこともあったよな?」

 

「それは………」

「まぁいいや。

昔のことは置いといて、今日も楽しみますかぁ」

 

 

「なんだかんだ、乗り気じゃん。拓弥」

「嫌々演奏を聴きに行くなんて、演奏者さんに失礼だろ?」

 

「それ、毎回言ってるよね」

「お前が、SPACEに行く度に"乗り気だね"とか"テンション高いね"とか毎回言うからだろ!!」

 

 

こやつ、わざとやってるんじゃないかと思うまであるぞ

 

 

 

 

「さて、着いたぞー」

 

 

「いらっしゃい。ココで演奏する気にやっとなったのかい?小僧」

 

「いえ、生憎ですが、その気にはならないと思いますよ(クソババァ)」

「なんか言ったかい?」

 

「いえ、何も」

 

 

紹介しよう、先ほど俺のことを"小僧"と呼んだのは、ライブハウス"SPACE"のオーナーである都築(つづき)詩船(しふね)さん-通称:クソババア

 

 

俺の血が繋がってる方の母親、つまり亡くなった母が学生時代にココSPACEで幾度となくライブをやっていたらしく、そのおかげか俺のギター練習場所はいつもココだった

 

母さんに習う時もあれば、母さんが予定が合わないときは都築さんに教えてもらったりしていた

 

まぁ、要するに都築さんは俺のギターの先生なわけだ

 

 

 

「まぁいい。2人で900円ね。」

 

「いや、蘭もドリンク飲むんで1200円ですよ」

「あたしはドリンクいらない」

 

「嘘つけ!お前が毎回、俺の分を飲んでるの知ってんだぞ!?」

「飲んでない」

 

 

なぜ認めない……

そこをケチるほどお金に困ってるわけでもないのに……

 

 

この間なんて、ライブ終わって

"はぁ喉乾いた~!"って時にスッカラカンだったんだぞ……

 

 

「さっさと出しな」

「納得いかねぇよぉ」

「ほら、行くよ」

 

「ドリンク取ってくるから、先行ってろ」

 

 

「拓弥」

 

「なんでしょうか?」

 

「今度"クソババア"って呼んだら、あんたはココ出禁にするからね。覚えときな」

 

「肝に銘じておきます…」

 

 

なんで聞こえてたんだよ!!

相変わらず恐ろしい耳してんな、このバァさんは

 

 

 

まぁ、バァさんのことは置いといて……

 

グリグリのライブで盛り上がってきますか!

 

 

 

 

グリグリの出番はいつも最後、そう。トリだ。

 

 

 

 

 

 

 

「残すはグリグリだけかぁ!早くグリグリ出てこないかなぁ~」

「準備とかあるんだから、そんなに早く出てこないって」

 

「だよな。てか、お前俺の分のジュース飲んだな?」

「飲んでない」

 

 

だから、なぜ認めない…

カツ丼でも食わせたら白状するかねぇ?

 

 

 

 

「それにしても、グリグリ準備に時間めっちゃかかってないか?」

「うん、さすがに時間かかりすぎかも」

 

 

いつもなら、既にゆりさんがマイクパフォーマンスを始めててもおかしくない時間なのに…

 

 

 

『本日のステージは、終了とさせていただきます』

 

 

「お、おい、どうなってんだ?今日はグリグリ出るんじゃなかったのか…?」

「わかんない。でも、演奏者のところにグリグリの名前は確かにあったはず」

 

 

「なら、もしかしたら何かあったのかもな。

どうする?帰るか?」

 

「うん、帰ろ」

 

 

 

俺らが出口へ向かおうとしたその時、ステージから何か聞こえてきた

 

 

「戸山 香澄です!歌います」

 

 

は?

 

 

 

「きーらーきーらーひーかーるー

おーそーらーのーほーしーよー♪」

 

 

「何か始まったみたいだね」

「なんで香澄が…」

 

「拓弥、知り合いなの?」

「まぁな。沙綾の友達なんだ。

あと、しれーっと俺の分のジュース飲みながら言うんじゃねぇよ」

 

「いや、ライブもう終わったから飲まないでしょ」

「そういう問題じゃないんだが…」

 

 

ジュースはいつものことだから置いといて………

 

 

 

 

なぜ香澄がステージに上がってるんだよ…

 

 

「あ、もう1人出てきたよ」

 

 

「やっとゆりさん達の登場か……って、有咲!?」

「あの子も知り合いなの?」

 

「お、おう。ちょっとした盆栽友達だ」

 

なんでそんな怖い目で聞くんですかねぇ?蘭さん…

 

 

「それにしても、香澄たちはいつまでキラキラ星を歌うつもりなんだ」

「わかんない。でも、あの2人ちょっとおもしろい…かな」

 

 

 

「お?もう1人出て………彼女はベース持ってるぞ」

「めっちゃ緊張してるね」

 

「そりゃそうだろ。この状況でステージ上がって緊張しないやついるのかよ」

「たしかに。でも、ベースで弾くキラキラ星も悪くないね」

「だな」

 

 

少しの間、ベースの子と香澄と有咲の演奏を聞いていると

 

 

ステージ袖から5人くらい人が出てきた

 

 

「今度は………って、ゆりさんたちじゃねぇか!!」

 

 

まさかのグリグリがここで登場とは…

 

 

「どんどん演奏が豪華になっていくね」

「だな…」

 

グリグリの演奏で歌うキラキラ星とか、ブルゾン●えみの"with B"とはわけが違うぞ

 

 

 

キラキラ星が終わってグリグリのステージが始まった




今回は少しアニメに流れを合わせました!


GWは忙しいですよね……
バイトのシフトが入りすぎて過労死しそうです…
(※死にません)

ということで、次話は落ち着いてから更新しようと思います!


新たに評価頂きました!
☆10 邪竜さん、イチゴ侍さん
☆9 あるぶふさん

さらに新たに評価頂きました
☆10 ダスキンさん 落花狼藉さん
☆9 S_nobleさん
☆8 のりぴーさん

こんなに高く評価してくださって……!
感謝感激です(涙)

みなさん本当にありがとうございます!

今後とも読んでいただけたら嬉しいです!

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