ドキドキ Experience!!   作:トップハムハット卿

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気づけばもう8話…

では、どうぞ!


第8話

蘭のお父さんとの勝負から少し日が経った

 

 

まぁ、今日も今日とて店番をしてるわけですよ

 

「あいつら、ちゃんと説得しに行ったのかな…」

 

 

 

せっかく蘭のお父さんに頼んだのに、あいつらが説得に行ってなかったら元も子もない

 

 

 

 

 

「こんにちはー」

「いらっしゃい。モカ」

 

「やっほー。たっくーん」

「今日は1人で来たのか?」

 

「うん、練習後ってお腹減るよね~」

「練習してきたのか。お疲れさん」

 

「そういえば、蘭がバンド続けられるようになったんだよね~」

「それは良かった」

 

「またまた~。分かってるんだよ~?

たっくん、蘭からこの事の相談受けてたよね~?」

 

 

こいつ、なんで知ってんだよ

 

 

「まあな。ちゃんとモカたちにも相談しろってアドバイスしただけだけどな」

「アドバイスしただけ~?

蘭のお父さんが、やけに素直に蘭のバンドを続けることを認めてくれたのも、たっくんのおかげだったりしない~?」

 

 

「変なとこで鋭いよな。モカって」

「モカちゃんは天才だからね~」

 

それ、自分で言うか?普通…

 

 

「ねぇ、たっくん………

 

 

──いつもありがと」

 

「な、なんだよ。突然、真面目に礼なんか言って」

 

 

 

モカはすごーーくたまに真面目になる

 

俺が蘭に殴られて入院した時も、お見舞いに来た時のモカは真面目モードだったっけ

 

まぁ、滅多に真面目モードにならないから、内心では毎回驚いてるんだけどね……

 

 

「私たち、たっくんがいないとダメみたいだね~」

「そんなことねぇよ。お前ら5人、Afterglowはめっちゃ良いバンドだ」

 

「そうだけど~……」

 

 

そこは認めるんかい

 

 

「そうだけど、でも…」

「でも?」

 

「………やっぱりなんでもな~い」

「なんだそりゃ。まぁ、いいけど」

 

 

「それじゃ、パンありがとね~」

「ほーい、ありがとうございましたー」

 

 

基本的に、モカは気まぐれな性格だし、何を考えてるのか分からない……

 

逆には、あいつの考えが分かるやつはいるのか?

そんな疑問さえ浮かんでくる…

 

 

 

 

 

「拓弥~、店番代わるからお買い物に行ってきてちょうだい」

「あいよ~」

 

 

 

俺じゃなくとも、純や紗南に"はじめてのお●かい"させればいいのに……

 

 

まぁ、ちゃんと行くけどね?

 

 

「えーーっと、買うものは………

 

卵、味噌、牛乳か」

 

 

ほんと、小学生に行かせても買ってこれるモノばっかだな

 

他に買っとくモノとかは………

 

 

「あれ?今日ってもしかして、"月刊盆栽"の発売日じゃね?」

 

 

 

意外に思うかもしれないが、俺は盆栽が好きだ!

 

なかなか買えるものでもないから、まだ育てたことは無いけど、老後は盆栽を育てまくる"盆栽おじさん"になることが密かな夢であったりする

 

 

 

「帰りにコンビニで月刊盆栽買わなきゃな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、母さんからのおつかいも終わったし、月盆買いに行きますかぁ!」

 

 

 

近くのコンビニへダァッシュ!!

 

 

 

 

ウィーン

 

「いらっしゃいませー」

 

 

お、最後の1冊じゃん。ラッキー

 

 

 

 

最後の1冊だった"月刊盆栽"に手をかけたその時!………

 

 

「「え?」」

 

 

 

金髪のツインテールの女の子と手が当たってしまった

 

 

そして、彼女もまた俺と同じ獲物を狙っているんだろう

 

 

 

「すす、すみません!」

「いえいえ、俺の方こそすみません!」

 

 

「この1冊、どうしましょうか………」

「ですね……」

 

 

どうしよう……

高校生(相手の女の子はたぶん高校生だと思う)の男女が盆栽の雑誌を取り合うとか、どんな展開だよこれ……

 

 

「僕の方が少し遅かったですし、そちらに譲りますよ」

「え!?い、いいんですか?」

 

「はい、僕は来月号を楽しみに待ちます」

 

 

 

ほんとは欲しかったよぉぉ……

月刊盆栽を置いているコンビニはココだけ。

ということは、この1冊を逃したら来月まで待たないとだめ…

 

でも、女の子相手だったら譲るしかないじゃん?

 

運が悪かった………

 

帰ってパンでも食べy

「ちょ、ちょっと待ってください!」

 

 

 

「……え?」

 

 

 

「そ、その、私が読み終わったら貸しましょうか?」

 

「い、いいんですか!?」

 

「すぐ読み終わりますし、今月号は(ぼん)栽太郎(さいたろう)先生の限定記事もありますし…」

 

 

おぉぉぉ!!!

女神よ!!

 

今月号は特別だと分かっていたなんて!!!

 

そう、かの有名な!

生け花で言えば假●崎先生のような!

 

盆 栽太郎先生の記事は"盆栽"のまだ見ぬ魅力を伝えてくれる素晴らしいものなのだ!

 

 

 

 

「あ、ありがとうございます!

 

あ、でも、僕らお互いのこと何も知らないんですが…」

 

「あ………」

 

 

そこは考えてなかったんかい……

 

 

「では、自己紹介からしておきますね

僕の名前は山崎 拓弥。高1です」

 

「私は市ヶ谷(いちがや)有咲(ありさ)。高1です」

 

「同い年だったんですね。貸してもらう時のために、連絡先も交換しませんか?」

 

 

彼女は連絡先を交換してくれた

 

 

これで無事に栽太郎先生の記事が読める!

 

感謝致します!

神様!市ヶ谷様!

 




有咲登場でした!!

盆栽を共通の話題にしてみたかったので、やっちゃいました!


お気に入りも累計100件近く登録していただけて……
感無量です!!

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