「蘭、なにボケっとしてるんだよ。帰るぞー」
「あ、うん」
さっきの話の後から、どうも蘭の様子が少しおかしい
少し上の空というか、ぼーっとしてるというか…
誰か原因知りませんかねぇ??
まぁ、送ってあげますか
心配だし
「送ってやるよ」
「いや、いい」
「あっそ」
冷た!
僕の親切心はノーザ●インパクトによって凍てつきました
報酬が3000z減ります
(※減りません)
「なんで付いてくんの?」
「蘭と帰りたい……から?」
「はぁ?意味わかんないんですけど、………勝手にすれば」
「じゃ、お言葉に甘えて」
「な、なんか近くない?」
「そうか?」
まぁ、肩と肩が触れそうなくらいの近さで隣を歩いてますけれどもね
「前は、よくこうやって一緒に帰ってたじゃんか」
「そ、それは付き合ってた時の話でしょ!」
「そうだっけ?」
「もういい!勝手にすれば!」
「はいはい、勝手にしますよ」
なんだかんだ言いながら、俺から遠ざかったりしないってことは、やっぱり不安だったんだと思う
1人で居たくなかったんだと思う
蘭は、悩みを1人で抱え込んでしまう。
だから誰かが心の拠り所を作ってやる必要がある
今回はAfterglowのメンバーに話しずらかったということで俺がその役になっただけなんだけどね
さて、「俺たちを信じろ」なんて言ったけど、どうしようか………
☆☆☆
ピンポーン
さて、土曜の午前なのにも関わらず、なぜ俺が
昨日の蘭のことで、どうやったら解決するのかを考えた時に、蘭のお父さんに直接話すのが一番だと思ったからだ!
玄関が開き、蘭のお父さんが顔を出す
「なんだ、拓弥か。蘭ならいないぞ」
「知ってます知ってます」
そりゃぁ、蘭たちがスタジオで練習してる時間を見計らって来たからね
「なら、なぜ来た?」
「蘭パパと久しぶりに世間話でもしようかと……」
「はぁ……、お前は相変わらず変なやつだな。いいぞ、あがってくれ」
「おじゃましまーす」
よし、まずは敷居を跨ぐことに成功!
これから作戦に取り掛かる
応答せよ!HQ!HQ!
おふざけは置いといて……
やっぱ、蘭の家はいつ来ても緊張するなぁ
蘭のお父さんは"美竹流"っていう華道の流派の先生?的なポジションの人なので、家の雰囲気もそんな感じで"THE 和"って感じだ。
「それで、話というのは?」
「単刀直入に言います、蘭にバンドを続けさせてやって欲しいんです」
「そのことか……」
「やっぱり、ダメですか?」
「いや、ダメという訳ではないんだが、あのまま蘭にバンドを続けさせると我が"美竹流"の後継者が誰もいなくなってしまうんだ。私としても、ここで"美竹流"を途切れさせるわけにはいかない」
「後継がいないから……ですか」
「まぁ、続けさせる手段が無いわけではない」
「ほんとですか!?それって!?」
「あぁ。拓弥、君が蘭と結婚して美竹流を継げばいい」
「……………は?」
思わず"は?"なんてマヌケな声が出てしまった
まぁ、聞き間違いの可能性もある。
「いま、なんと?」
「だから、お前が蘭と結婚して"美竹流"を継いでくれと言ったんだ」
──聞き間違いじゃなかった
「それは………」
「まぁ、まだ決断を急ぐ時ではないとは思っているが、いずれその時が来る」
「なぁ、拓弥」
「どうしました?」
「1つ、私と将棋で勝負しないか?」
「これまた突然ですね」
「君が勝てば蘭にはしばらく好きにバンドをさせようと思う
だが、私が勝ったら君に"美竹流"を継いでもらう」
まじかよ……
蘭のバンド続行は確定だとして、俺の運命が賭かってんのかよ…
「"嫌だ"なんて言っても無駄ですよね?」
「よく分かってるじゃないか」
ですよねー
「分かりました。勝たせてもらいますよ!」
「
どこのラスボスのセリフだよ
・
・
・
結論から言おう
勝ったのは……
──俺だ。
「負けてしまったか…」
「危なかったっすわ」
「まぁ、お前に頭脳戦で勝てという方が難しい話だったな」
「元々、勝つ気無かったくせに、よく言いますよ」
「はっはっは。まぁ、全力を出した結果だからな。仕方がないさ」
「約束、守ってくださいね?」
「あぁ、二言は無い。約束通り、蘭にはしばらく好きにさせてやる」
「近々、蘭が巴たちと説得しに来ると思います。その時に許可してやってくださいよ」
「わかった」
「くれぐれも、今日のことは秘密にしてくださいね?」
「わかっているさ」
「それでは、お邪魔しました」
「気をつけて帰るんだぞ。それと、いつでもまた来なさい」
「はい、ありがとうございました!」
いやぁ、とりあえずこれで良し………だよね?
負けたら"結婚"とか、そんな運命を賭けた将棋は初めて体験した
もし負けていたら………
やっぱり、勝てて良かった
負けるわけにはいかなかった
──蘭のためにも。
もし結婚するなんてことになったら、俺たちが別れた意味が全く無くなってしまう
これで良かったんだ
「あれ?香澄?」
「あ、拓弥ー!やっほー!」
帰り道に香澄に遭遇するなんて
最近は彼女とよく会う気がする
「こんなところで何してるのー?」
「散歩だな」
「お散歩好きなの?」
「まぁ、そんなとこ」
「じゃあ、私も一緒に散歩していい?」
「べつに良いけどさ。香澄は何してたんだ?」
「有咲の家からの帰りなの!」
「ほー…………てか、有咲って誰だ?」
「友達!同じ学校の!」
「なるほど」
「そういえば、拓弥ってギター弾けるの?」
「まぁ、そこそこな。沙綾から聞いたの?」
「うん、有咲の家の蔵にカッコイイギターがあって、"ギターが弾けるようになりたい"って沙綾に話したら、『拓弥がギター弾けるから、教えて貰ったら?』って」
沙綾め……
余計なことを言いやがって……
「まぁ、基本くらいなら教えれないこともないけど」
「ほんとに!?」
「お、おう」
「じゃぁ、教えてください!」
「いいけど、ギターはあるのか?」
「まだ無い……」
「まじか……。まぁ、ギター買ったら教えてくれ」
「わかった!」
いろいろと話してるうちに、香澄の乗る駅に着いた
「そんじゃ、またな」
「うん!またね!」
やっぱ、香澄はエネルギッシ「あぁ"ぁ"!!」
「どうした!?」
「そういえば私、拓弥の連絡先知らない」
「たしかに。この際だし、交換しとくか?」
「お願いします!」
俺の連絡先に無事、"戸山 香澄"が登録されたのだった。
「じゃ、気をつけて」
「ありがとね!バイバイ」
帰ったらギター弾きますかぁ
やっぱ蘭は可愛いですね!!
書いててニヤニヤしますww
毎度の事ですが、ゆっくり投稿しますので、大目に見てください……
これからも読んでいただけたら嬉しいです!
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p.s 蘭のためにリセマラをして、無事、☆4蘭を引けました!!
蘭と共にイベントも頑張ります!