ドキドキ Experience!!   作:トップハムハット卿

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お気に入りがなんと666件も…!
ん?6…6…6?
あー、これやばいね!完全に……


っていう下りは置いておいて、みなさまのおかげで通算UAが60000を超えました!

本当に感謝感謝です!(涙)
数あるバンドリ作品のなかで、飛び抜けて人気というわけではないこの作品ですが、自分の愛情を込めた作品ですのでこれからも応援していただけると嬉しいです。
ナンバーワンはおそらく無理ですが、しっかりとオンリーワンな作品にして行こうと思ってます!


前置きが長くなりましたが、25話です。どうぞ


25話

「あ~、たくさん食べた~!ごちそうさまでした!」

 

香澄は食べている時も食べてからも元気だ。

 

「はい、お粗末様。拓弥、あとは母さんがやっとくから、香澄ちゃんたち送ってあげなさい」

「分かった」

 

 

 

「お、お邪魔しました」

「おじゃましましたー!じゅじゅん、さーなん、またね!」

「2人とも、また遊びにいらっしゃいね」

「それじゃあ、送ってくるね」

 

沙綾と一緒に香澄と有咲を送るんだけど……

 

「楽しかったねー!有咲!」

「そうだな、ってか香澄声がでけぇ!近所迷惑!」

 

香澄と有咲が元気すぎて困っております。

 

「こらこら二人とも、そんなに騒がないの」

「相変わらず元気だな」

 

困ってると言っても、嫌なわけではないので俺も沙綾も二人のやり取りを見てて笑ってしまう。

 

 

そんなこんなで、あっという間に駅に着いた。

 

「それじゃあ香澄、またね」

「うん!今日はありがとう!みんなまたね!」

 

見送る俺たちに手をブンブン振ってくれた。

なんかあれだね。香澄は犬に似てる。

 

「はぁ、やっと静かになったな」

「そんなこと言っちゃって~、香澄いなくなると寂しいでしょ?」

「べ、べつに寂しくねー」

「あっ、ふーん」

「うぜー」

 

あ、これはガチでウザく思われてる目だ!

今日はさすがにいじりすぎたかな。

 

「あはは。二人とも、すっかり仲良くなったね」

「まぁ、盆栽好き同士だからなー」

「同じストラップまで付けて、カップルみたいだね」

「か、カップル!?」

 

沙綾にそう言われ、有咲は顔を真っ赤にしてワタワタと手を動かす。

 

「あははっ。有咲、動揺しすぎだよ」

「う、うるせーな。そういう沙綾と拓弥は同棲してるし、夫婦みたいだな!」

 

お?仕返しのつもりだな?

これは一丁、俺と沙綾のノリを見せてやるか。

 

「まぁなー!もう結婚式の日取りも決めてあるんだよ。だよな?沙綾」

 

そう言って、沙綾の方を抱き寄せる。

 

「っ!? そ、そうだね」

 

ありゃ、沙綾の反応がイマイチだ。

別の返しをするべきだったかな?

 

「あれ、沙綾、動揺してるんですかぁ?」

 

そんな沙綾を見て、有咲がここぞとばかりに煽ってくる。

バカ、沙綾は煽ると何するか分かんないぞ…。

 

「そんなことないよ?拓弥、今度ドレス見に行かなきゃね♪」

 

そう言って腕を絡めてきた。

ほら言わんこっちゃない。

沙綾は煽り耐性無いから、たまにムキになるんだよなぁ。

こうなった沙綾はなかなか治まらない。

 

それと沙綾さん。

腕を組むのはいいんだけど、胸が当たってるのでそんなにガッツリと組まないでもらいたいなぁ…。

なんて言っても聞かないだろうな。

おそらく、有咲に対して自分の余裕みたいなのを見せつけてるんだろうし。

 

 

有咲と沙綾が隣で騒ぐのを俺は見守るのに徹することにした…。

 

しばらく歩いて、有咲の家に着いた。

 

「有咲の家は、いつ見ても立派だな」

「デカいだけ。それじゃ」

「おう、またな。有咲」

「おやすみ有咲」

 

「おやすみ。それと……、送ってくれてありがと…」

 

俯きながら有咲はそう言って帰っていった。

 

 

 

「あのー、沙綾さん?いつまで腕組んでるつもり?」

「んー、家に着くまで?」

 

なぜそこで疑問系なんだ。

 

「俺に聞かれてもなぁ」

「たまにはこういうのも悪くないかなーって思って」

「左様ですか」

 

沙綾は純や紗南からいつも甘えられる側だし、父さんと母さんを支えるためにいろいろと手伝っている。

だからたまにはこんな風に甘えたかったのかもしれない。

 

とは言っても、こっちもドキドキしてしまうからそれ以上俺の右腕を強く抱きしめないで!

 

 

家に着くまで、ずっとドキドキしっぱなしだった。

二人きりのときは良いけど、今後は人前でやるのはやめてほしい……。

まぁ、沙綾が楽しそうにしてたから良しとしますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風呂から上がると、スマホに不在着信が入っていた。

 

その相手は、"青葉モカ"。

 

モカが電話をかけてくることなんて滅多に無い。

もしかしたら大事な連絡かもしれない。

 

すぐにかけ直す。

 

プルルルル プルルルル

 

『もしもし~?』

「電話かけたみたいだけど、お風呂に入ってて気が付かなかった。ごめんよ」

『全然大丈夫だよ~』

「それで、なんか用事があったのか?モカの方から電話をかけてくるなんて珍しいな」

『たっくん、来週末は空いてる?』

「ん?まぁ、空いてるよ」

『おぉ、じゃあそのまま空けておいてね~』

「いいけど、どこか行くのか?」

『んー、それは教えない』

「なんでだよ」

『いいからいいから~。とりあえず空けといてね。それじゃ』

 

そう言うとモカは電話を切ってしまった。

 

「何するかくらいは教えてくれてもよかったのでは…?」

 

謎の予定?が入ってしまった。

 

 

 

 

「やっと週の折り返しか…」

 

今日は水曜日。

あと3日も学校に行かないと土日が来ないのかと思うと、ちょっと憂鬱だ。

 

「そんじゃ、行ってきまーす」

「いってらっしゃい。気をつけてね」

「分かってるって」

「いってらっしゃいお兄ちゃん!」

 

母さんと朝から元気な紗南に見送られ、いつも通り学校へ向かう。

 

「おっす。おはよう拓弥」

 

珍しく、家の前に巴が待っていた。

 

「おはよう。巴が待ってるなんて珍しいな。みんなは?」

「あー、みんな先に行ってる。あこが寝坊しそうで朝の支度手伝ってたらアタシまで遅れちまって…」

 

妹思いのいいお姉ちゃんな巴らしい理由で、つい笑ってしまう。

 

「それで、一人で行くのも何かなぁと思ってな。拓弥んとこの高校はウチの高校から近いだろ?だから拓弥がまだ家を出てなかったら一緒に行こうと思ったんだ」

 

スマホを見ると、数分前に巴から『もう家出たか?』とメッセージが送られてきていた。

 

「そんじゃ、一緒に行くか」

「おう!」

 

朝から元気の良い巴はどこか上機嫌に見えた。

まったく、紗南といい巴といい、朝からよくそんなに元気でいられるなぁ。

 

「それにしても、巴と一緒に学校に行くのって久しぶりに感じる」

「たしかに。つい数ヶ月前までは毎日一緒に行ってたのになー」

 

一人で学校に行くのが嫌というわけではないけど、中学まで巴たちと一緒に登校していた分、寂しく感じていたので、実は巴と一緒に登校出来て嬉しい。

 

それを口に出すと絶対にからかってくるから言わないけど。

 

巴は普段は優しいのに、こっちが弱みを見せた途端、それをネタにからかってくる。

2人でいる時は特にそれがひどい。

加えて、俺をからかう時の巴はいつになく表情が輝くのだ。

アイツは絶対にSだ。

間違いない。

中学の時のことを思い出しただけでも………っと、これ以上は俺のトラウマを掘り返すことになりそうだからやめとこ。

 

 

「拓弥?ぼーっとしてどうしたんだ?」

「なんでもないよ。少し昔のことを思い出しただけ」

 

そう言った瞬間、巴の口がニヤリと笑ったのを見てしまった。

まずい、その笑みは……!!

 

「ははぁ~ん?さては幼稚園の頃に隠れんぼでアタシに泣かされたことだろ?」

「いや、全然違うから。それにあれは泣いてない」

「泣いてただろ!? アタシがあまりにも見つからないから、拓弥が「ともえちゃ~ん!でてきて~!」って大泣きしたんだろうが」

「全く記憶に無いな」

「ほ~う。じゃあ、その後アタシが出てきて拓弥が「ともえちゃ~ん!」ってアタシに泣きながら抱きついてきたことも覚えてないんだな?」

「お、おう」

「その後に蘭とモカから散々笑われて…」

「思い出した!思い出したから!!!……それ以上はやめてください…」

 

やっぱりこうなった。

巴は俺の弱みを数えきれないくらい握っている……ほんと恐ろしいやつだ。

 

巴のおかげで、朝から俺のライフはもう0だ…。

 

「はははっ!やっぱ拓弥はおもしろいな!」

 

そんな笑顔で言われても、恥ずかしい思い出を次々と掘り返されるこちらはちっともおもしろくない。

 

「あ、そうだ。今日は学校終わってから暇か?」

「ん?まぁ、予定は何も無いけど」

「よし、それなら楽器屋に行くの付き合ってくれよ」

「おっけ。現地集合でいいか?」

「いや、アタシがそっちまで迎えに行く」

「了解」

 

俺の返事を聞くと、とても満足そうな顔をする巴。

 

「じゃあ、放課後な」

「おう。後で」

 

巴たちの通う高校の前まで来ると、巴はそう言って駆けていった。

 

 

 

 




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