ドキドキ Experience!!   作:トップハムハット卿

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昨日に続いて、14話です!


第14話

「どうだった?」

 

どうだったかと聞かれても………

 

今披露してくれた"True color"は文句の付けようの無い歌だと思う。

メロディと歌詞が凄くマッチしていて、とても"Afterglow"らしい曲なんじゃないだろうか。

 

指摘をするならば、演奏自体の完成だ。

やはり、新曲というのこともあって、まだメンバー全員が不慣れなのだと思う。

だけど、それは練習していくうちに改善されていくものなので()えて指摘をする必要もないんだけどな……

 

 

「曲としての質は文句の付けようがない。でも、全員がまだ楽曲に慣れれて無いかな。

特に巴、サビ前からサビ終わりにかけて、少し走り気味だったぞ。」

 

「うわぁ~、やっぱりかぁ~!練習の時からだけど、どうしてもサビ付近になると張り切っちゃうんだよなぁ」

 

「巴のドラムには少し走り気味なところもあるが、力強さがある。これは良いところだ。そのおかげでみんなが安心して演奏できているんだと思う。

だけど、それは少し間違えるとデメリットになる。

早すぎるドラムは演奏を壊しかねないからな。

だから、巴らしさを出しつつ、少しセーブして早くなりすぎないように加減をするってのも大切かな。

この楽曲はドラムの難易度が少し高い、だから少し走りが目立ってしまったんだと思う」

 

「なるほどなぁ」

「でも、巴なら余裕だろ?」

 

「あぁ!これくらい出来なきゃ、私たちの夢には到底届かないしな!やってやるぜ!」

 

「ほんと、頼もしいな巴は。

それと、ひまり」

「は、はい!なんでしょうか!?」

 

 

「ベース、上手くなったな」

「ほんとに!?やったぁ!」

「あぁ、安定してた」

 

 

ベースの音が安定しているのとしていないのでは、楽曲の印象が全然変わってくる

今の演奏では、ひまりのベースはかなり安定していた。

しっかりと曲を裏から支えることができていた。

おそらく、かなり練習したんだと思う

 

 

「そして、つぐみ」

「は、はい!」

 

「全体的に良かったと思うけど、何箇所かミスがあった。

でもこれは練習していけば無くなるだろうから、今焦る必要は無いかな」

「う、うん。これからたくさん練習するね!」

 

 

つぐみは頑張り屋だから、きっと大丈夫だと思う

だけど、それゆえに頑張りすぎてしまうところもあるから、そこは俺や蘭たちがフォローしてあげる必要がある

 

でも、つぐみのひたむきで真っ直ぐな性格は凄く好きだ

 

「さっきの演奏で感じたのは、こんなとこかな」

 

「たっく~ん、私たちは~?」

「モカも蘭も、あとは練習して完成度をあげるだけだよ。

さっきも言ったけど、凄く良い曲だ」

 

蘭とモカのギターコンビは、現時点でかなり上手いので心配はいらない

 

 

 

「よし、もう1回通してみるか!それからみんなのミスが多いところを中心にやっていこう」

 

 

 

ただ1つ心配なのが………

 

 

………蘭だ

 

 

心なしか、いつもより歌声にキレがない

体調が悪かったとしたら、声帯に問題が無い限りは時間が解決してくれるから大丈夫だと思うけど、そんな感じとはまた違う気がする

 

(はた)から見たら、"いつも通り"の蘭かもしれない

だけど、幼馴染みだからこそ気づくというか、幼馴染みじゃなければ気づかないであろう違和感があった

 

 

☆☆☆

 

 

「そろそろ、昼飯にするか!」

 

巴の掛け声で練習を中断し、昼ご飯をみんなが取り出す

 

 

さて!俺も昼飯に……

 

あっ、俺の昼飯はみんなへの差し入れになったんだった……

 

 

まぁ、食べなくても死ぬわけじゃないし、我慢するか

 

 

「拓弥、昼ご飯は?」

 

いつの間にか蘭が弁当箱を持って隣に座っていた

 

「家に忘れてきた…」

「へぇ………

 

……私の分けてあげてもいいけど?」

「いや、それはさすがに申し訳無い。忘れた俺が悪い訳だし」

 

「あの差し入れ、本当は拓弥のお昼ご飯だったでしょ?」

「……実はな。でも、みんなに喜んで貰えたから良かったよ」

 

「そっか。………

そ、そういえば今日は弁当作りすぎたんだよね……」

 

そう言って蘭が弁当箱を開けると…

 

「パンと材料が余って……こんなに…」

 

サンドウィッチが弁当箱いっぱいに入っていた

 

「おぉ!これ、蘭が作ったのか!?」

「そうだけど」

 

定番のタマゴからハムやチーズなど色とりどりだ

 

「蘭って何気に女子力高いよな」

「それ、褒めてるの?」

 

「そりゃもう、褒めまくってる」

「……やっぱ、あげない」

 

「あー!ごめんって!その美味しそうなサンドウィッチが食べたいです!」

「どうしてもって言うなら……いいよ」

「ありがとな……!」

 

なんだかんだで蘭は優しい

ツンデレ属性持ちだけど……

 

 

「おぉ!美味い!!」

「そっか……良かった」

 

 

丁度いい機会だし、さっきの気になったところを聞いてみるか

 

 

「なぁ、蘭」

「何?」

「お前、なんか悩んでることがあるんじゃないか?」

 

「べつに」

「そっか。なら良いんだ。

でも、今日は歌声に少しキレが無かったように思えたからな。もし体調が悪いとかなら管理はしっかりな?」

 

「………うん」

「それにしても、サンドウィッチ美味いな。何個でもいける」

 

「ねぇ拓弥」

「どうした?」

 

「本当は悩んでること、あるんだ……」

「やっぱりあったか」

 

「聞かないの?」

「蘭がそこまで渋るってことは、言いにくいことなんだろ?

話したくなったら話してくれればいいさ。

まぁ、聞いてほしいなら聞くけど」

 

 

 

「聞かなくていい……ありがとね」

「………蘭が笑った……!?」

 

「それは、私だって笑うよ」

「普段からもっと笑顔を見せてれば、友達ももっと増えるしモテるだろうにな…」

 

「う、うるさいな!別にモテなくていいし!」

「わかったわかった。その可愛い笑顔は俺たちにしか見せないってことしとくよ」

 

「別に可愛くなんかない!!////」

「いや、顔を真っ赤にして否定されてもなぁ…

今の顔も可愛いぞー?ファンが増えそうなくらいにな」

 

「拓弥のバカ! ボコッ」

「痛ってぇ!お前、パンチは反則だぞ!」

 

「あ…ごめん!こっちは折れた方なのに…」

「そんなに気にすんなって。半年も前の傷だし、治ってるよ」

 

「でも……」

「心配しすぎだって、病院の先生も"治りました"って言ってたし」

 

「そ、そっか……」

 

 

半年前、なぜ腕を骨折したのか?

 

その問の答えを探すには、少々時を遡る必要がある




14話、どうだったでしょうか!?

やはり蘭は可愛い!!
蘭の作ったサンドウィッチを食べてみたいです……(切実)

公式で、"蘭は料理が苦手"みたいな設定が無いことを祈ります!!


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☆8 karman0925さん、迦遊羅さん

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