「いらっしゃいませー」
あ、常連のおばさんだ……
「今日は
「えぇ。
「そうかいそうかい。それじゃぁ、いつものパンを3つくださいな」
「あいよ。450円ね」
このおばさんがいつも買って帰るのは塩パンだ。
ここの塩パンは何度も食べてるけど、めっちゃ美味い!
これだけだと語彙力不足みたいに思われるので、もう少し美味しさが伝わるように言おう。
──めっちゃ美味い!(大事なことだから二回言いました)
パンの話をすると長くなってしまうので、自己紹介をしておこう。
俺の名前は
今年から高校1年になる16歳。
え?さっきから言ってる"ここ"ってどこかって?
説明しよう!!(CV:山寺宏一)
はい、山●宏一さんのギャラはコロネからチョコが飛び出る、いや、目が飛び出るほど高いので終了!
さっきから何度も言ってる"ここ"ってのは、俺の幼馴染みである
え?山崎が今は店番してるから"ヤマ●キパン"じゃないのかだって?
残念ながら、ヤ●ザキパンさんとは一切関係を持ってないです。
春のパンまつりもしてないです。
「こんちはー」
「いらっしゃいませー、って、
「あれ、今日も拓弥の日なのか。」
「まぁな、高校入ってからは俺の方が学校終わるの早くて。」
中学までは沙綾の方が店番をやる機会が多かったんだけど、高等部に沙綾が進学してからは俺の方が店番をやる機会が多い。
沙綾の通う花咲川女子学園高校(通称:花女)は俺の通う高校よりも授業時間が少しだけ長い。だから俺の方が帰るのが早い(のだと思う)
友達いないから、沙綾よりも早く帰れるだけだろ?だって?
そ、そんなわけないだろ!!!!
残念だったなコミュ障非リア諸君!!
右手の指で数えれるくらい沢山の友達が俺には学校にいるんだぜ!!
「高校に入っても部活をする気は無い……のか?」
「部活やるよりも、やまぶきベーカリーの店番してる方がよっぽど楽しいかな」
「拓弥らしい考え方だな。そんじゃ、パンありがと」
「おう。またお越しくださいませー」
こんな感じで店番を閉店の時間までやるのが俺の日課になりつつある
「拓弥~。そろそろ閉店作業頼むわ」
店の奥から聞こえてきたのは沙綾の親父で、この店の
「了解~っす」
さて、シャッターを閉めようかな。
──閉店ガラガラ。うぅわぁぉ!
なんてことはしません。
そして、やまぶきベーカリーにシャッターはありません。
だから閉店作業といっても、店の玄関の札を"open"から"closed"に変えるだけ。
「店番おつかれ~」
「沙綾もおつかれさん。純と紗南は?」
「2人とも、もうご飯食べてるよ。私らも早く食べよ」
「だな。お腹ペコペコだぁぁぁ!」