超次元ゲイムネプテューヌ Origins Interlude   作:シモツキ

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第二十一話 バストアップ研究会

人にはそれぞれ、悩みというものがある。能天気キャラやマイペースな人を『悩みの無さそうな奴』と言ったりもするけれど、それはあくまで『無さそう』であって、本当に悩みの無い人なんて実際は極僅かな筈。何かを悩んでしまうのが人の性で、大小様々な悩みを抱えながら生きているのが人というもの。

そう、人には色々な悩みがある。例えば身体的な…もっといえば、身体のとある部位……胸の大きさ、とか。

 

 

 

 

プラネタワー内に数ある部屋の一つ、会議室。政治機関であるプラネタワーに会議室がある事は何の不思議もないけれど…どうやらここは、というか今の四国家の政治体制だと大人数で会議をする事が少ないせいか、どの国でもあまり使われない事が多い。

そんな会議室だけど…今は、わたし達によって使用されている。

 

「…二人共、よく集まってくれたわ」

「いえ、私も常々思ってた事ですから」

「ま、常々じゃないけどわたしも思うところあるからね〜。後なんか第八話っぽい始まり方だね」

 

わたしの左右前方にいるアイエフとネプテューヌが返答する。この二人はわたしの呼びかけに応じてくれた、謂わば同志。同じ悩みを、思いを持っている人がいるというだけで気持ち的には楽になるものね。…因みにネプテューヌの方は今わたしが座ってる上座に最初座りたがってたわ。わたしが提案して進めた事なのに…。

 

「さて、それじゃあ早速…」

「待って下さいブラン様、私始める前にねぷ子に一つ言いたい事が…」

「わたしに?」

「そう。構わないわ」

「それでは遠慮なく…ねぷ子、あんたは女神化したら悩みなくなるでしょ」

「…そう言われれば、ネプテューヌはわたし達とは違うわね」

 

言うまでもなく、ここに集まっているのは貧乳コンプレックスを持つ三人。けど、女神化しようがしまいが貧乳のわたしやそもそも女神じゃないから変わらないアイエフと違って、ネプテューヌは女神化する事で普通を飛ばして一気に巨乳になる事が出来る。更に言えばネプテューヌはわたし達に比べると貧乳を気にする事が少ないのだから、実は然程熱意が無いのでは…?

なんて思ったわたしとアイエフだったけど、それにネプテューヌは反論する。

 

「えー…それはそうだけどさ、女神化なんて四六時中してるものじゃないじゃん?というか、女神の姿が巨乳だとしても人の姿では貧乳だって事は変わらないし。それに…わたしは女神化した時巨乳な分、二人にはない苦悩もあるんだよ?」

『苦悩?』

「わたしは女神化前後で胸…どころかスタイルが全体的に変わる。だから…『女神化前の幼児体型と違って』とか『女神化するとちんちくりんな姿から』みたいに比較という形で余計貧乳を指摘される事が多いんだよ!二人はこんな経験ないでしょ!?」

「それは…確かに……」

「悪かったわねぷ子、なまじ大きい方の姿があるからこその悩みもあるのね…」

 

段々と語気が強くなっていったネプテューヌ。そんなネプテューヌのテンションと内容に珍しくわたしとアイエフは気圧されてしまった。

 

「という訳で、わたしにはここに参加する権利があると思います!」

「そうね、貴女にはその権利があるわ。じゃ、改めて…わたし達の悩みは、胸が大きくなりたいという願望とイコールで結べる関係にある。まずそこはいいかしら?」

「はい。体重が重いから軽くなりたい、貧乏だからお金持ちになりたいといった様なものと同じ、何かしらと比較して劣っている場合に抱く悩みですからね」

「巨乳、とは言わずともある程度は大きくなりたいよね。背もだけど、胸も妹より小さいとか結構キツいし」

 

前提の確認の最中、さらっとネプテューヌは新たな『わたし達にはない苦悩』を口にした。…もしかしたらこの場で一番不遇なのって、ある意味ネプテューヌなんじゃ……。

 

「…こほん、そしてわたし達は胸の成長の為に様々な努力を行ってきた。そこもいい?」

「ブランの場合は背の成長の為の努力もしてるよね」

「それはそうだけど今回は別の問題よ」

「おおぅ、普段なら多少なりとも怒る筈の台詞なのに冷静に反応とは…切実だね、ブラン」

「ねぷ子はほんと気にしてるのかしてないのか分からないわね…それはともかく、努力をしてるにも関わらず結果が出ない、それが今の私達だと思います」

「その通りよ。だから、わたしは考えたわ。今のわたし達に足りないのは貧乳解消の研究ではなく……巨乳の人の研究なんじゃないか、と」

 

そうわたしが言った瞬間、二人は目を見開いた。正に『盲点だった』という反応ね。

勿論、今まで巨乳の人の事を全く考えた事なかった…なんて事は無い。けど、それは基本巨乳に直結させた思考か質問であって、今考えると視野狭窄に陥っていた様にも思える。広い視野で、多角的な考え方をしなければ分かるものも分からなくなってしまう。だからこその指摘であり…より広く深く考える為の、同志でもある。三人寄れば文殊の知恵、というやつね。

 

「研究…また難しそうな言い方するね。研究なんて本格的な事するつもり?」

「まさか、それは相手に失礼というものよ」

「じゃあ、研究というより情報収集という感じですか?」

「そうだけど…情報収集、とも少し違うわ。なんというか……」

「んー…巨乳の人、って先入観無くした上で見直してみよう、って感じ?」

「…ネプテューヌ、我が意を得たり…よ」

「あ、やっぱり?」

 

ぐっ、とわたしはネプテューヌへサムズアップを見せる。ネプテューヌは基本アホの娘だけど…愚か者ではないし、時折鋭いところがあるのよね。この点は素直に評価するわ。……調子に乗るから口には出さないけれど。

 

「見直す、ですか…いいですね、意外な共通点が見つかるかもしれません」

「そうなれば収穫ね。じゃ…まずは一人目、ベールよ」

 

わたしは懐からベールの写真を出し、会議室にあったホワイトボードに貼り付ける。

 

「ベール様ですか…まぁ、うちのパーティーにおける巨乳の代名詞ですもんね」

「ベールの何が凄いって、胸だけに関わらずスタイル全般がいい事だよね。その分内面がアレだけど…」

「ネプテューヌは人の内面の事言えないでしょ…でもまずスタイル全般良い、内面はアレ…っと」

 

ベールの写真近くに今出たワードをペンで書くわたし。二人もわたしの意図が分かっているからか、淡々と友達に関する話の様に(実際友達だけど)言葉のキャッチボールを続けてくれる。

 

「それとベールと言えばゲーマーだよね。徹夜もよくするみたいだけど…それって成長には良くない筈だよね?」

「あ、それは私も気になってたわ。成長の他にも肌のケア的にも悪い筈なのに…」

「肌のケア?もしや何かしてるの?わーあいちゃん女性〜」

「なんなのよその訳分からない反応は…っていうか、ねぷ子は何にもしてないの?」

「え…してないけど、不味い?」

「……ブラン様、女神って皆そうなんですか…?」

「それはネプテューヌだけでしょうね…化粧こそしてないけど、皆化粧水や保湿クリームで肌を大事にはしているわ」

 

女神は人の偶像としての側面もあるから、太るだとかシミが出来るだとかの人が望まない変化は基本的に起こらないけど…それはあくまでわたし達含む歴代の女神の経験則であって、絶対にそうだとは断言出来ない。だから現状を保つ程度の注意はしてるのだけど…ネプテューヌはそうじゃなかったらしい。…まぁ、そっちの方がネプテューヌらしくはあるわね。

 

「マジですか…ま、まぁわたしの肌はいいとして、後ベールと言えば…お嬢様感?」

「ベール様の魅力のメインとも言える事ね。このご時世であれだけお嬢様感を醸し出せるのはやっぱり流石だわ」

「お嬢様…考えてみるとお嬢様キャラは割と胸が大きい傾向がある気がするわ」

 

これについては完全に印象でしかないけど、多分実際にそういう傾向はあると思う。幼馴染みキャラは優しく穏やかだとか、赤髪キャラは外向的だとかと同じ、傾向から印象が出来てるのか印象から傾向が出来てるのかよく分からない類いの、ね。

 

「…ベールはこの位でいいわ。次はコンパよ」

「こんぱも結構大きいもんねぇ…うーん、こんぱと言えば……」

 

 

『……ほんわか系?』

 

示し合わせた訳でもないのに完全にハモるわたし達三人。コンパもベールに負けず劣らず個性的だけど…ベールと違い、彼女は正に『ほんわか』という感じが強かった。もっと言えば、個性全てが最終的に『ほんわか』へと帰結する様な気すらする。

 

「……それじゃあ次…」

「いやもうちょっと話そうよ!?こんぱのターンもう終わりなの!?それは流石にこんぱ可哀想だよ!」

「いや…料理が得意とか、天然とか色々あるにはあるけど…やっぱりそれも、結局ほんわかにならないかしら…?」

「それはそうかもだけど…じゃ、逆にこんぱのほんわかじゃない部分は?そういう部分だってちょっとはある筈だよ」

「ほんわかじゃない部分ねぇ…会ったばかりの頃の強烈手当てとか?」

「強烈手当て…?」

 

覚えのない要素にわたしが首を傾げていると、ネプテューヌは何やら遠い目をしていた。……ルウィーに来るまでに技術が向上していて良かった…。

 

「あれは手当て兼追い討ちだったけど…これは関係ないんじゃない?」

「それもそうね…後、ほんわかでない部分と言うと…」

「注射器、でしょうかね。…あれほんとどこで調達してるのかしら…」

 

今度はアイエフの言葉にわたし達が頷く。ナースが注射器を持っている事自体はそこまで不思議ではないけど、コンパの持っているのは明らかにスケールが違う。あれは本来ゼントラーディー用だったりしないのかしら…。

 

「…何かコンパは身体に影響しなさそうな要素が多く出てきたわね…」

「まぁ…コンパは個性的ですけど、頭おかしいって類いじゃないですからね」

「うんうん、わたし達頭おかしい女神と違ってコンパはそこら辺まともだもんね」

「ほんとそうね。突っ込み役でこそないけど、わたし達のストッパーになってくれてる気がするわ」

「……女神なのに情けないね、わたし達…」

「そうね……」

 

ネプテューヌと二人、肩を落としてため息を吐く。本当にため息を吐きたいのはわたし達に振り回されてるコンパやアイエフだろうけど…。

 

「…ま、まぁ気を取り直して次いきましょうよ次」

「え、えぇ…次はマベちゃんことマーベラスAQLね」

「マベちゃんは…服のお陰で実際以上に大きく見えるんだよね。元々大きいんだけど」

「なんで身体に合った服着ないのかしら…」

『それを(アイエフ・あいちゃん)が言う?』

「うっ……」

 

貴女のコートもだぼだぼでしょうが…とまでは言う必要もなさそうなので目で伝えるだけに留めるわたし。まぁ、アイエフの場合武器を袖に隠し持てるから…という利点もなくはないんでしょうけど、一番の理由は『そっちの方が格好良さそうだから』でしょうね。アイエフだもの。

 

「で、マベちゃんと言えばだけど…」

「忍者、明るい、太巻きの三拍子!」

「それぞれの関連性が皆無な三拍子ね…」

「あははー……うん?ちょっと待った…」

 

アイエフから呆れ混じりの突っ込みを受けたネプテューヌだったけど…その瞬間、何かインスピレーションが働いたかの様な表情を浮かべた。そしてわたしとアイエフがそれに気付いて見つめる中…ネプテューヌは閃きを口にする。

 

「…ねぇ、わたし物凄い事に気付いちゃったよ…」

「物凄い事…?」

「マベちゃんと言えば、某忍者ゲームだよね?」

「それは、まぁ…メタ的な意味でそうね…」

「で、その忍者ゲームと言えば…登場キャラが殆ど胸おっきいよ!?という事はつまり、わたし達も半蔵学院とか蛇女子学院に入ればいいんだよ!」

「…一瞬でも期待したわたしが馬鹿だったわ……」

「所詮ねぷ子はねぷ子なのね…」

「わ、酷い反応……」

 

ノワールのぼっち弄り、イリゼのボケ責めと並ぶパーティーの定番ネタの一つ、『ふざけたネプテューヌを冷たくあしらう』は今日も快調だった。というかこの反応、ネプテューヌは分かってて言ったわね…。

 

「でも、忍術に何かの関係が…というのは僅かだけど可能性あるかもね。多分魔法の一種だろうけど、私達には分からないところも多いし」

「隠密での潜入とかにはむしろデッドウェイトな気もするけど、マベちゃんはどうしてるのかしら…」

「そこはほら、サービスシーンなんだよ」

「はいはい…じゃ、最後は鉄拳よ」

 

わたしは用意しておいた最後の一枚、鉄拳の写真をホワイトボードに貼り付ける。…こうして貼って書いてを繰り返すと、なんだか警察の捜査みたいね。

 

「鉄拳ちゃんかぁ…鉄拳ちゃんは鉄拳ちゃんで奇抜な格好だよね。何で服買い換えないんだろう…」

「インファイト型だし、買い換えてもすぐ破けるって判断したんじゃない?」

「それか、適度に破けてる方が動き易いのかもしれないわね。…その結果性格とのギャップが凄いけど」

 

鉄拳と言えば、コンパ程ではないもののパーティーの中では大人しくほんわかしたタイプの子で、それがわたしに負けず劣らずどころか場合によってはわたし以上かもしれない殴り合い能力を持っていると言うのだからほんとに驚きね。

 

「あ、そうそう鉄拳ちゃんと言えばさ、クマと戦った事あるらしいんだけど知ってた?」

「クマと?…モノクロな感じのやつとか…?」

「いや、普通のクマと」

「…クマと戦って生き残るのもまぁまぁ凄いけど、今の時代でクマと戦う経験をする事自体凄いわね…」

 

一応これも出てきた事だから『クマとの戦闘経験有り』とは書いたけど…これは流石に参考に出来そうにないわね。仮にこれが巨乳に関係してたとしても、だからって熊狩りに行く訳にはいかないし。

 

「…やっぱりクマも素手で倒したのかしら…」

「多分鉄拳なら武器持つより素手の方が強いんでしょう」

「こんぱとかぷち子もだけど、まともじゃない武器で戦えるその精神は天晴れだよ…」

 

武器の有無、武器の選択は戦いにおいてかなり大きな意味を持つ。…というか戦闘は大概の要素が勝敗…もっと言えば生死に関係するんだから、最低でもベター、出来る限りベストを尽くすべきであって、ネタ装備とかは本来するべきじゃない。そしてそれは戦闘の素人ではない皆が分かってない訳がないんだから、つまりは『ネタ装備がベスト』という事に他ならない。…うちのパーティーは常識的な部分より非常識な部分が多過ぎる…。

 

「……さて、四人ともそれなりに情報が出たわね」

「いや、あの…それはそうですけど……」

「…どうかしたの?」

「…これ、参考になります……?」

 

何とも言えなさそうな表情を浮かべているアイエフにそう言われて、わたしは自分が書いた情報群を見直す。ええと……スタイル良い、ほんわか、忍術、服ビリビリ、お嬢様感、強烈手当て、衣類ぱっつんぱっつん、クマとの戦闘経験有り…………

 

「……何の役にも立たねぇな、多分」

「言っちゃったよブラン…口調崩れる位ショックなのは分かるけど、自分から始めた会でそれ言っちゃお終いだよ…」

「でもほんと、こんなの参考にならな過ぎるわ…」

「だけど、この要素の集合に巨乳がいる訳だし…」

「残念だけど、この要素全てが関係してるという確証はないわ…」

「…でも、そうなると今回の集まり何の意味も無かったって事になっちゃうよ?」

『…それは……』

 

そう言われると、確かに少し思うところがある。わざわざ時間を作ってまで結構真剣に集まって話したのに、それが全部無駄でした…となるのは何とも惜しい。それに…振り返ってみると、今までにもこれは関係ないだろうとかこれは不要だろうとか判断して、やらずに済ませていた事も多い気がする。…でも、本当にそれでいいの?やらずに済ませておいて、それで嘆くのが正しいの?

 

「……一度、やってみない?」

「え?」

「各々使えそうな要素を取り組んでみない?って事よ。無駄かもしれないけど…一つでも有効そうだと分かれば、わたし達の勝ちなんだもの」

 

わたしは今日一番の真剣な目で二人を見る。二人共わたしと同じ思いを持つ同志。ならば、わたしの気持ちが伝わらない筈がない。故にわたしが信じた通り、二人はゆっくりと頷いてくれる。

この瞬間、わたし達の心は一つだった。そして、わたし達による挑戦が、始まる--------。

 

「わたしブランですぅ。ねぷねぷ、今日はお仕事したですか?」

「えぇ、しましたわ。さぁあいちゃん、ぎゅーってしてあげますわ」

「ごめんね、私クマ倒しに行かなきゃなんだ。その時には私のコートもボロボロになっちゃうかなぁ」

「そ、その時はわたしがお手当てしてあげるです。えと…ハンマーによるショック治療ですよぉ」

「クマを倒すなら忍術を覚えておくといいよ…いいですわ。う、うっふーん…」

「二人共ありがとうね。し、しかし服がキツいなぁ……特に、胸元…なんか……」

「…………」

「…………」

「…………」

 

 

 

 

 

 

『…………やらなきゃよかった…』

 

気持ち悪かった。わたしも、ネプテューヌも、アイエフも普通にキモかった。封印指定のやってしまった経験でしかなかった。……おぇ…。

 

「…ネプテューヌ、アイエフ…一旦気分転換にお茶でもしない…?」

「うん、賛成だよ…」

「私もです…」

 

と、いう事でわたし達は会議室を放置したまま外へと出る。道中会った職員は、わたし達を見て「え、一体何が…!?」みたいな反応をしていた気がする…。

そして、数十分後。

 

「やー、今回は完全に失敗だったね、うん」

「残念だけど、わたしの着眼点が間違ってたと言わざるを得ないわ」

「失敗は成功のもと、あまり気を落とす事はないですよブラン様」

 

プラネタワー近くの喫茶店から帰る道すがら、わたし達は反省会を行なっていた。…と言っても、雑談混じりの緩いものだけどね。

 

「やっぱり、食べる物とか運動とか、そういう事が重要なのかしら…」

「まぁ…性格や服装よりは関連性ありそうですね。とはいえ、食事運動だけで何とかなるならここまで悩まないし…」

「やっぱあれかな?揉まれると云々が真実かな?」

『揉まれる程ないんですが?』

「ですよねー……」

「それに、胸は脂肪なんだからむしろ燃焼される可能性だってあるわ。あくまで一説だけど」

 

結局は会議でも何でもない愚痴紛いの会話となる、わたし達ロリ…いやアイエフはロリじゃなくてスレンダーかしら…三人。…あぁ、ほんとに豊かな人は羨ましいわ…。

 

「って言うかさーブラン、わたし達は女神だからもしかしたら何やっても絶対変わらないんじゃない?」

「そうだとしたら泣けるわね…」

「が、頑張りましょうよ。ねぷ子もこんな時ばっかりネガティヴな事考えないの」

「分かってるよ……ま、取り敢えず今後も偶に話し合ってみようよ。今回は無駄に終わったけど、次は無駄じゃないかもよ?」

「…次やるとして、その時も参加してくれるの?」

「参加するからそう言ったんだよ、あいちゃんもそうだよね?」

「そりゃ勿論。それにブラン様、次回は参加者増えるかもしれませんよ?悩んでるのは私達だけじゃないんですから」

「二人共……そうね、じゃあわたしは次までに新たな着眼点を見つけると約束するわ」

 

自分で思っていた以上に気落ちしていたわたし。だけど、ネプテューヌとアイエフはわたしに今後も協力してくれると言った。

そうだ、今回は駄目だったけど、次回もそうとは限らない。それに、わたしには同じ思いを共有する同志がいる。それを再確認出来ただけでも、良かった事なんじゃないだろうか。……いや、間違いなく良かった事ね。

 

「ブラン、あいちゃん、まだ次回あるよね?戻ったら一緒にゲームしようよ!」

「いつか言うとは思ってたけど、遂に言ったわね…ま、いいけど」

「わたしも構わないわ。わたしが読書ばかりではないって事、教えてあげる」

 

こうして、わたし達による最初の研究は終わった。わたし達の研究は今後もあるんだけど……それはまた、別のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えーっと、イストワールさんが言ってた会議室ってここだよね?ここにファイルがあるらしいんだけど…って、何これ?捜査情報?…よく分からないけど、ここでよく分からない事してた人達がいるんだなぁ……」




今回のパロディ解説

・ゼントラーディー
マクロスシリーズに登場する、巨人の一族の事。ゼントラ人はおおよそ10m位はあるらしいので、コンパの注射器を本来の使用用途で使えるんじゃないでしょうか?

・某忍者ゲーム、半蔵学院、蛇女子学院
閃乱カグラシリーズ及びそれに登場する学校の事。マベちゃんは忍者育成機関出身らしいですが、彼女も設定上は閃乱カグラシリーズの学院出身なのでしょうか…?

・モノクロな感じのやつ
ダンガンロンパシリーズに登場するキャラの一人(一機?)、モノクマの事。鉄拳ならモノクマを物理的に壊せてもおかしくないですね、大型マシンも壊すんですから。

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