過ぎたものは仕方ない。あきらめなさい。
優一「アァンマァリィダァァァ‼︎」
どうも、森のナムルです。
〜照陽 side
3日後の朝5時、僕と銀は軽い食事をして、優の家へと向かった。
「バイクで行こうぜ。」銀が目を輝かして言う。
少し呆れた。
「あのな、仮にそれで行ったとしても何処にその原付バイクとめんだよ。」
優の家の近くに、バイクを駐車するところはない。ましてや、彼の家に勝手に駐めるなんてもっての外だ。
銀はしぶしぶ諦め、徒歩で行く事に同意した。
全く…。(苦笑)
〜 優一の家
〜優一 side
時計のアラームが鳴る。もう日は昇っている。
霞む目を擦り、食事を済ませてから、玄関で待つ。
しばらくして、鈴が最初に到着した。
「おはよう、鈴。」
「おはよう。」
夏とはいえ、朝は寒い。
家に入って待つか聞いた。
鈴は、少し微笑みながら首を横にふる。
「私は大丈夫。それに…もうそろそろ東と銀が来るような気がするの。」少し顔を赤らめながら言う。
本当に5分もしないうちに、銀と東がやって来た。
全員集合だね。
「「おはよう。銀、東。」」
「おっす、鈴と優。」「おはよう、優、鈴。」
「お前ら早いな。まだ5時30分だぞ?」
東が言う。
「お前もな、東。」
苦笑いして、僕が言った。
「少し早いけど、いかない?麓まで大体歩いて2時間弱だから、早めに行って何か食べない?」
鈴が言う。
「「いいと思う。」」
「俺もサンセー!」( ^ω^ )/
銀も賛成した。
「ヨッシャー!目的地まで競争ダーッ‼︎」
銀が走る。
馬鹿かあいつは、歩いて2時間半なのに全力疾走していく奴があるか。
つか、あいつ道知ってるのか⁉︎
「ところで、博麗神社ってどっちだ?」
やっぱり。(ー ー;)
〜10分後
銀「ヨッシャー!ガンガンいくぜーっ‼︎」
〜20分後
銀「…なぁー。疲れたー。」
Σ(゚д゚lll)鈴 Σ(゚д゚lll)東 Σ(゚д゚lll)優
(((早っ⁉︎)))
オイ、まだ始まって20分しか経ってないぞ。
大丈夫か?この旅。
〜1時間後
銀「つまんねー、もどろーぜー。」
ブーブー文句を垂れる銀を無視し、先へと進む。
なんだかんだでついて来てくれるからだ。
〜1時間半後
日差しが強くなってきた。
同じくらい、銀の文句も多くなってきた。
銀「帰る帰る帰りたーい。腹減ったー。ツカレターヤダヤダ帰りたーい。暑い〜。」
…泣きたい。(T ^ T)
鈴「もう少しで着くよ。頑張って。」
東「銀、頑張れ。着いたら食物奢るから。」
銀「ブー。わかったよ。」
子供か 全く…。
〜2時間後
鈴「着いたよ!お疲れ!」
優「やっとついたー。(ハァ)」
銀「んじゃ早速、美味いもん食いに行こうぜーっ!」
コロッと変わったな。…なんか腹立つ。
東「…お疲れ、優。」ポンと肩を叩かれた。地味に嬉しかった。
その後、近くでみたらし団子を食べた。
疲れた体に甘い物は格別だ。
東は約束通りみたらし団子を銀に三本奢った。
「甘い物 サイコ〜♪」(≧∇≦)
鈴が美味しそうに食べる。
東は、お茶を飲みながら新聞を読んでいる。
心なしか表情が険しい。
〜照陽 side
今僕は地域新聞を読んでいる。
「○○山また行方不明者発生!」
新聞にはそう書かれていた。
何故だろうか嫌な予感がする。
そんな事を思っている間に、3人は団子を平らげてしまった。お茶をすすり、会計を済ます。
大丈夫だろう。 そう思いながらみんなを追って行く。
少し歩くと、○○山の登山口についた。
緑が茂り、日陰も多い。
一歩進むと、足にねとりとした感覚がつたわる。
思いの外、ぬかるんでいる様だ。
30分位歩くと、靴の色も茶色と黒を混ぜた色になってくる。
記事の事を思い出した。確かに鬱蒼と茂ってはいるが、迷う程ではないだろう。嫌気がさしてどこかへ行った、が妥当だと考える。
またしばらく歩くとぬかるんだ土から石段に変わった。ここが神社の参道なのだろう。
色あせた鳥居をくぐり、周りを見渡す。神社自体はボロボロで、木の葉や草で荒れてはいるものの、それが奥ゆかしく、不思議な空間に見えた。
賽銭箱近くには、誰が供えたのかわからないが、野菜と御神酒が備えられていた。信仰している人が居るのか疑問に思ったが一旦置いておく。
暫く神社周りを探索したが、特に何もなかった。
まぁ、そりゃそうだろうな。(苦笑)
「もうそろそろ帰ろう。」優が言った。
鈴も、銀も同意した。
「なら、最後にお賽銭をして安全祈願をして帰ろう。このまま帰るのは流石に失礼だと思うし…。」
1人五円玉を、賽銭箱の中へ入れ、ニ礼二拍手一礼をする。願わくばこのまま何も起きませんように。
そう思い、神社を後にした。
石段を降りていると何故か意識が朦朧とする。
眠気ではなく、意識が引っ張り出されるような感覚、このまま別の世界へと旅立つような感覚だった。
声が出ない。
あっ………。
そのまま 石段から 落ちて
ドサッ
重い瞼を閉じた……。
ドサドサッドサッ
後に続くように何かが落ちる音がした。
……。
〜幻想卿 妖怪の山の近く
コトコトコトコトと音がする。
お湯が沸けたようだ。
引いたコーヒー豆の上にお湯を注ぐ。
コーヒーが滴るのを店主は楽しむ。
最後の一滴が落ちるのを見て、店主はカップに移す。
一口飲む前に香りを楽しむ。
次に味を楽しむ。
その店主 江之太夫 泰忠 はまだ知らない。
まもなく、
幻想郷を知らない少年が近くに来ることを。
ついに幻想入りしました。
江之太夫 もでてきました。
それではまた、ありがとうございました。