GOD EATER Reincarnation 作:人ちゅら
(というか真・女神転生シリーズでも定義は少しずつ違ってたりしますし)
ちょっと短いですが、世界設定(悪魔編)ということで。
「さっきから言ってる
悪魔とは何かと問われ、シンは困ってしまった。
概念存在。
形を得たマガツヒ。
人の心の海から
誰かが
とはいえリッカが納得できるような、詳細な説明をすることは不可能だ。なにしろシンにとって悪魔とは、当たり前に存在するものなのだから。
「? 悪魔は……悪魔だ」
「具体的に」
「具体的……」
そう尋ねられても、何が知りたいのか、何を語れば良いのか、シンには分からない。
だから思いついたことを、ただ口の端に乗せてみるしかなかった。
「悪魔は、魔法を使う。使わないやつもいるが、そういうやつは力が強い」
「魔法……」
悪魔は魔法を使う。
魔法とは神話・伝説などで語られてきた不可思議な力の具現、
こうした強力な魔法は
人修羅であるシン自身、前世界の人類の足跡――様々な神話の
……とはいえその全てを自由に使えるわけでもないのだが。
「それから……悪魔には役割がある」
「役割?」
「そうだ。悪魔はみんな、決められたことをするために生まれる。普段は勝手にしていても、決められた役割を果たす機会が来たら、必ずそれをしようとする。そう生まれる」
シンの言う悪魔の役割とは基本的に、悪魔の名が残る神話・伝説の再現だ。これは悪魔が自身の存在の維持・強化に必要となるマガツヒを集めるための行動でもある。
どうして神話を再現するとマガツヒが集まるのか。その原理はシンにもよく分かっていない。
人修羅はマガツヒを生み出す人間の性質を持つがため、そうした必要がないらしい。故にシンはこれまで関心を持っては来なかった。
だからこれらの知識も、あの
かつて人に生まれ、人修羅に変じ、やがて混沌王に成り果てたシンであったが、かの大魔王に唆され、創世を司るというハゲ頭に喧嘩を売ってこのかた、
以来シンは「
要するにシンは、悪魔の何たるかなど、よく分かっていない。
「人間は、違う。そうだろう?」
「う、うん」
分からないまま断定する言葉には、無駄に力が入ってしまうものだ。
それは自分自身に言い聞かせるためなのだが、その圧にリッカは言いしれぬものを感じ、怯えるように生返事を返していた。
あの世界での記憶を思い出そうと、ぼんやりと視線を宙に泳がせるシンに、そのことに気付く余裕は無かったようだが。
ふと次のセリフを思い出したように、シンは「そういえば」と言葉を続ける。
「役割を与えられた人間が悪魔なのか、役割を与えられなかった悪魔が人間なのか。そんな事を言っていたやつも居た。俺にはよく分からなかったが」
もう名も忘れてしまったあの呪われた男は、いつもそんな、よく分からないことを喋っていた。
最後には世界の真実とやらを知ったらしいが、あの男はそれを抱えたまま無謀にもコトワリの戦いに加わろうとし……そして見向きもされずアマラに散った。
それがあの男の宿命だったらしいが、今となってはどうでもよいことだ。
「……なら、悪魔になった人間って」
「居た。だが人間になった悪魔は居ない」
そう。人間になった悪魔はいない。
いたとしてもそれは
「もしかして、君……?」
「ああ。俺は元は人間だった。だが今は違う」
ようやっとシン自身の分かる話題に戻ってきたことで、彼はリッカに視線を戻し、頷いた。
「なら君にも役割が?」
「ああ。俺にも役割はある」
彼の役割は、神を滅ぼすこと。
かの大悪魔と共闘すると約したその日から、彼はそういう存在となった。
「だから、お前たちの言葉を使えば、俺もまたゴッドイーターということになる」
「でもそれって……なら、ゴッドイーターって……」
リッカは思考する。シンの話とその背景にある理論を。
悪魔とは。
アラガミとは。
人間とは。
ゴッドイーターとは。
「ああ。たぶん、その考えは間違いじゃない。お前たちの言う“
悪魔の設定については「間薙シンがそう考えている」というだけで、実際は不明です。
こちらの人修羅さんは創世を成さず、ルシファー軍としてトウキョウを沈めた混沌王(アマラ深界ルート)なので、世界への影響力は限定的だったりします。
次回は世界設定(アラガミ編)に、その次に原作キャラが登場して物語がまた少し動く予定です。
シックザール大丈夫かホント。
【註】転輪鼓の恩寵
転輪鼓の恩寵とは、セーブ&ロードやターミナル間の瞬間移動などのゲーム上の機能、また死亡時のリトライ、某呪われた男によるアカシックレコードへの接続(プレイヤーが攻略本やネット上の攻略wikiや論考などを見ることも含む)、この機能に属します。
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(20181225)修正 : 万知の恩寵 → 恩寵