GOD EATER Reincarnation 作:人ちゅら
「よう、
シンは
もっとも、その悩みは全くの無駄でしかなかったのだが。
恐竜もどきはやたらと
もしや
仕方がないので、まずは落ち着かせることにした。こうしたとき、悪魔はまず力の差を分からせることが先決である。
飛びかかってくるオウガテイルを右にステップして避けると、シンはその側頭部を軽くぶん殴ってみた。遠眼鏡越しに見たときも思ったが、なかなか硬そうだ。だからほんの少しだけ、力が入ってしまったのだろう。あるいは多少、
岩石の割れ砕ける音と生肉をこねたような音がほぼ同時に聞こえたと思った時には、オウガテイルは10メートルばかり吹っ飛んでいた。
しまった。やり過ぎた。
* * *
間薙シンの肉体は、まぎれもなく悪魔のそれである。それはただ力が強いことや魔法が使えることに限った話ではない。
たとえばボルテクス界における悪魔にとって、食事は必須のものではない。ただ生きるだけであるなら、カグツチの無尽光を浴びてさえいれば、滅びることはない。
だがそれでもボルテクス界の悪魔たちは、互いを喰らい合っていた。何故か。それは彼ら悪魔たちの力が、あるものを喰らうことによってより強くなるからである。その力の源をマガツヒという。
オウガテイルの割れ砕けた側頭部から、
マガツヒが固体化しているのか?
シンは首を傾げながら無造作に手を突っ込むと、その球体をむしり取って
球体はひび割れ、あっという間に砂となって風に飛ばされていった。
見れば球体を抜き取られたオウガテイルもその活動を停止し、その体はゆっくりと溶け崩れて地面へと染みこんでいく。まるでマネカタのようではないか。アサクサの泥をこねて生み出された、あの哀れな
……また次の機会で良いだろうと考える。こいつらがかつての支配種だったなら、そこら中にいるはずだ。ならば機会はいくらでもある。あれだけ巨大なカグツチがあるのだ。この世界のマガツヒが枯渇するようなこともそうそうないだろう。
さて、どうするか。
自分が独白していることにも気付かず、シンは歩き始めた。
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(20181028)修正
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