「落ち着けアルトリア!?」
「手を離してくださいシロウ!!
もう、もう私にはこれしか無いんです!!」
鬼気迫る様子でエミヤを押し倒すアルトリア。
その手はエミヤのズボンに掛かっており、何処からどう見ても事案事態であった。
「とにかく冷静になれ!!
こんな場所で始めようだなんて君は狂化にでも掛かったのか!?」
現状を抑えられそうなカルデアのマスターは教育に宜しくないとマシュを連れて逃走中。
お陰で誰も止めることが出来ず大惨事と化していた。
なんでそうなったかと言うと、つい先程新たなサーヴァントが召喚された事が発端だった。
「久し振りだな料理長。
俺も今日から厄介になるぜ」
そう笑顔で宣うのはライダーの霊基で顕現したモードレッド。
先の言葉から分かるように『向こう側』のモードレッドである。
しかし何故に水着にパーカー?
そうしてアルトリアと会ったのが少し前。
以下がその時の会話である。
「お、ちち…じゃないアル?
抑止に狙われたからマーリンの所に行ったんじゃないのか?」
「何を馴れ馴れしく話し掛けているのですかモードレッド」
「あー……この塩対応はこっち側の父上か。
じゃあ改めて自己紹介しといた方がいいな。
俺の名はモードレッド。
料理長と同じ平行世界のアーサー王の娘です。
この度はライダーにて召喚されました」
「……」
「うわぁ、懐かしい鉄面皮。
最後に見たのはリチャード抱っこして顔が緩みそうになったのを堪えた時だったな」
「……リチャードとは?」
「俺の息子」
「…………え゛?」
「言ってないのか料理長?
俺、父上から王位継いでギャラハッドと結婚したって」
「……」⬅石化中
「あ、安心してくれ父上。
父上から任されたブリテンの段階的解体はちゃんと成功させておいたから抑止が余計な茶々を入れて大量の犠牲者を出させるなんて事はさせなかったぜ」
「……」⬅砕け散る
「父上?」
「し」
「し?」
「シロウ!!??」
と、いうやり取りを経てアルトリアはエミヤを逆レ○プしようとしたのだ。
「抵抗しないでくださいシロウ!!
王としても負け、女としても及ばない私にはもう子供を産むぐらいしか対抗する手段が無いのです!!」
「受肉もしていないサーヴァントが妊娠するわけ無いだろうが!?」
「安心してくださいシロウ。
聖杯があれば子供の百や二百気合いで産んで見せますから」
「とち狂うのも大概にしろアルトリア!?
というより桁がおかしすぎるだろ!?」
ほんとこれ、どうしたもんだか。
「ところでモードレッド陛下」
「うん?」
「アルトリアを父上と言ってたがアーサー王とアルちゃんってそんなに似てたのか?」
最初に会った時も酔ってアルちゃんをアーサー王と間違えてたんだよな。
「え? あ、ああ。
アルは生き写しってぐらい父上にそっくりだったんだよ」
何故か脂汗を浮かべながらそう言うモードレッド陛下。
「ほ、ほら。アーサー王は聖剣の加護で若い時の姿のままだったから円卓の連中でさえたまに間違えちまってたしな」
「確かにそうだったな」
間違えた後、何故か尻を擦りながら慎重に歩くランスロットとかをたまに見たっけ。
「というか陛下は止めろよ。
此処では1サーヴァントとして昔みたいに呼び捨てにしてくれ」
「分かった。
じゃあ、改めて宜しくなモードレッド」
「おう!」
快活な少女時代の笑みを浮かべるモードレッド。
リチャードが産まれた後はかなり落ち着いてたから懐かしく思う。
「しかしモードレッドが来たということは他の円卓も来るのか?」
「俺以外にも何人か来たがってはいたんだが平行世界となると難しくてな。
俺は料理長とアイツの縁を辿ってなんとか分霊を送り込めたけど、他は料理長と一番縁が深かったガレスが来れるかどうかってぐらいだな」
「……ボーマンか」
あの娘も来てくれると良いんだがな。
アルちゃんは座に居なかったから間違いなく来ないだろう。
それとやはりマシュの霊基は『向こう側』のギャラハッドだったみたいだな。
「湿っぽくしても仕方ない。
何か食べるか?
ここなら昔は作れなかったうまい飯がたくさん用意できるぜ?」
「ああ。
だけどその前に……」
「どうして抵抗するんですかシロウ!!
リンとサクラを同時に相手にしたことだってあったのに!?」
「マスター!!
令呪を、令呪を寄越せ!!??
じゃないと本当に笑い事で済まなくなる!?」
「あっちなんとかしてくるわ」
最後の砦となったパンツを剥ぎ取られないよう抵抗するエミヤの悲鳴にやれやれという風にそちらに向かうモードレッドであった。
向こう側のモードレッドは戴冠し母親にもなったのでアルトリアが自分を拒絶した心情などを理解しているので塩対応も余裕で受け流せます。
多分このモードレッドが霊器再臨したら乳上そっくりになるものと。
料理長の暫定パラメータ
筋力C 敏捷D 耐久D 魔力C 幸運A 宝具D
ブリテン暮らしかつ香草を初めとした食材探索のために意外と動き回っていたため肉体は(ブリテンの)一般人並に頑丈。
魔力はクラス補正で辛うじてC、無ければE。
包丁を狙う野党やら不審者として切り捨てられる前にケイに拾われた事などから幸運は言わずもがな。
宝具は元々が神秘と無縁の包丁なので低め。
常時展開型の対人特化の回復型。
真名解放で回復とバフ+敵にスタン付与。
後は円卓特攻?
こんな感じで考えてます。
次回はほのぼのがアゾられます。