恋姫†無双~大陸に降り立つ者~   作:新名択捉守

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―孫呉に降り立つ者―No√(+呂覇&鳳凰)

 

 

 

 

 

 

 

 

オレは、軍師回収の計を実行する旅を始めていた。(※詳しくは上記キャラクター紹介へ)

 

そして、まず始めに水鏡塾にいるであろう臥龍・諸葛孔明と鳳雛・鳳士元の元を訪ねる道中であった。そして・・・

 

 

 

 

「ん?・・・龍蓮様!」

 

 

龍蓮

 

「村が騒がしいな。行こう!」

 

 

 

「了解です!!」

 

 

 

今日はこの辺の村に泊めてもらおうと思っていたオレ達は、その宛にしていた村が賊に襲撃されているのを目撃し、賊を蹴散らすために馬を飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鳳凰

 

「やぁやぁ我こそは、荊州襄陽郡の鳳朱雀!!血に飢えた賊共よ!もう2度とこの地を踏めない体にしてやる!」

 

 

賊頭

 

「相手は餓鬼1人だ!恐るこたァねぇぜ全軍突撃だァァ!!!」

 

 

賊共

 

「「「「「オォォォォォ!!!!!!!!!!」」」」」

 

 

 

賊の頭の激で突撃してきた賊の数は約700。それに対して村の防衛軍は鳳朱雀のただ1人。絶体絶命とはまさにこのことである。

 

 

無鉄砲に突撃してくる賊の軍勢を一気に2,3人振り払うと更に5人が突撃してくる。しかし相手は700。その隙に横を通られ村を襲撃する者、また後ろに回り込んで包囲する者など、とてもじゃないが手に負えていない。

 

 

 

鳳凰

 

「(うぅ、僕だけじゃ流石に適わないよ・・・)まだまだぁ!!」

 

 

賊A

 

「何ッ!?・・・《ズシャ!!》ウワァァ!!!」

 

 

賊B

 

「クソォォ!!・・・《ザシュ!!》グフッ!!」

 

 

賊C

 

「ヒーハー!!!・・・《ザク!!》ウガァ!」

 

 

 

次々にやられていく仲間に焦りの表情が見えてきた残っている賊や賊頭。

 

 

 

賊頭

 

「野郎ども!よく聞けィ!!この餓鬼を見事斬った奴には、特別報酬と例の女を自由にして良いぞォ!!!」

 

 

賊共

 

「「「「「オォォォォォ!!!!!!!!!!」」」」」

 

 

 

賊頭の言葉によって賊共の士気が上がる。そして、鳳凰が賊共に感じる嫌悪感も上がる。

 

 

 

賊頭

 

「野郎ども!!包囲して一気にひねり潰せェ!!!」

 

 

賊共

 

「「「「「オォォォォォ!!!!!!!!!!」」」」」

 

 

鳳凰

 

「(ッマズイかも!?)」

 

 

 

そう鳳凰が感じた時だった。賊の最後尾から悲鳴と賊が天へと昇っていった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍蓮

 

「チェストォォォ!!!」

 

 

 

ひとつの掛け声で賊10人強が天に舞う。

 

 

 

 

「ちぇ、ちぇすとぉー(“ちぇすと”って何ですか・・・)」

 

 

 

こちらも負けずに10人弱。

 

 

 

龍蓮

 

「嵐!まずは賊の頭を討ち、10程残して壊滅させるぞ!」

 

 

 

「御意!」

 

 

 

そこからが早いこと早いこと。2人の前には誰もいないという風にどんどん前に進んでいく。賊が何人束になってもすぐにその賊は消えている。その光景に賊は散り散りになって逃げていく。

 

 

 

賊頭

 

「野郎ども!俺を守れェェ!!!」

 

 

 

しかし、すでに賊頭の周辺には誰もいない・・・否、ひとり、ふたり・・・さんにん。

 

 

 

龍蓮&嵐&鳳凰

 

「来世は誤るな。」「死んで詫びろ。」「覚悟!!」

 

 

 

そして、鳳凰の一太刀で賊頭の頸と胴体は永遠に別れた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鳳凰

 

「助太刀ありがとうございました。」

 

 

龍蓮

 

「どういたしまして。」

 

 

鳳凰

 

「僕は、姓が鳳。名が凰。字が朱雀です!」

 

 

 

そう言ってペコリと頭を下げた。その光景が何とも微笑ましく感じられる。

 

 

 

龍蓮

 

「オレは、孫仲然。隣が呂奉勝。それで、村人は?」

 

 

鳳凰

 

「大丈夫です。女性と子供を御役人様の館に避難させ、回りを大人の男に守らせてます!」

 

 

龍蓮

 

「そっか。なら良かった。」

 

 

鳳凰

 

「はい!」

 

 

 

とてもさっきまで賊と殺し合いをしていたとは思えない笑顔だ。

 

 

しかし、そこで今まで黙っていた嵐が口を開く。

 

 

 

 

「それにしても、良く役人が民草を館に入れましたね。」

 

 

鳳凰

 

「ぐっ!?そ、それは・・・」

 

 

 

その口から出てきた言葉は、最も聞きたくない言葉であった。役人が持っていけるだけの財産と兵を持って逃げ出したというのだ。何とも・・・何とも残念な世の中になったものだ。

 

 

ポン

 

 

 

鳳凰

 

「え///」

 

 

 

ナデナデ・・・

 

 

 

龍蓮

 

「よく頑張ったね。1人で怖かっただろう、逃げ出したかっただろう。でも、よく耐えたね。」

 

 

鳳凰

 

「ぼ、僕を子供扱いしないでください///」

 

 

 

そう言葉では抵抗するものの、特に嫌がった素振りは見せない。それに瞳からは涙が静かに流れている。全く、この世はこんな子供に何を背をわせているというのだ。

 

 

 

龍蓮

 

「朱雀。これからは、一緒に行かない?」

 

 

鳳凰

 

「はい?」

 

 

龍蓮

 

「朱雀は優しいからこれからも困っている人を見つけたら必死に守ろうとするだろ?だから、その時は1人でなにもかも背負わないで、オレ達も一緒に背負わせてくれないかな?」

 

 

 

その問いに顔をパァァっと明るくさせる朱雀。

 

 

 

鳳凰

 

「はい!仲然さん!」

 

 

 

その返答にオレも嵐もホッと安堵する。

 

 

 

龍蓮

 

「よし!そうと決まれば、あとは逃げた賊の残党を成敗だ!嵐!」

 

 

 

「はい。ここにきた烏7号と烏13号によると・・・残党はまた合流し、向こうへ行ったそうです。」

 

 

 

と言って、ある方向を指さす。

 

 

 

龍蓮

 

「毎度のこと何で動物の言葉が分かるか疑問に思うけど・・・まぁいい。朱雀はオレの馬に乗って。」

 

 

鳳凰

 

「はい!」

 

 

 

ピョンと馬に跨る。そして、オレの腰にギュッと掴まる。

 

 

 

龍蓮

 

「嵐!朱雀を泣かした賊共に天罰を与えるために、いざ出陣だ!!」

 

 

 

「御意!」

 

 

鳳凰

 

「あんまり言わないでください~」

 

 

 

そして、3人を乗せた2騎の馬は駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある今は使われなくなった砦。

 

 

 

賊D

 

「た、助かったぁ~」

 

 

賊E

 

「はぁはぁ・・・死ぬかと思ったぜぇ。」

 

 

 

先程、戦場から逃げ出した賊の全員がたどり着いていた。すると、留守番をしていた賊が出てくる。

 

 

 

見張り番

 

「おぅ!御頭はどうした?」

 

 

賊F

 

「やられた・・・」

 

 

見張り番

 

「え?だから、御頭は今、どこにいる?」

 

 

賊G

 

「だから!やられちまったっていってんだろ!?」

 

 

見張り番

 

「な!?な、わけねぇだろ!!」

 

 

 

明らかに狼狽える見張り番をしていた賊。そして、ほかの賊も騒ぎ出す。が、

 

 

 

??

 

「静まりやがれ!!」

 

 

賊H

 

「あ、兄貴!?」

 

 

??

 

「で、御頭がやられたってのは嘘じゃねーんだな?」

 

 

賊G

 

「へ、へい!」

 

 

??

 

「ならば、今から俺様が新御頭だ!異議は!?」

 

 

賊兵

 

「「「「「あ、ありやせん!!!」」」」」

 

 

??

 

「(御頭が死んだんなら、あの小娘を食べても良いだろう・・・へへ・・・)」

 

 

 

新しい賊頭の顔が醜く緩んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍蓮

 

「なんでそれをもっと早く言わない!!」

 

 

鳳凰

 

「ご、ごめんなさい・・・」

 

 

龍蓮

 

「あ、ごめん。」

 

 

 

何故、普段は外道な奴とギャグパートでしかキレない龍蓮が怒鳴ったかというと、

 

 

 

龍蓮

 

「マズイな。早くしないとその“例の女”って人、食われちゃうぞ。」

 

 

鳳凰

 

「え!?食べられちゃうの!?あ、ですか?」

 

 

 

と、純粋にその言葉の意味のまま受け取ってしまう朱雀。

 

 

 

 

「鳳凰殿は、まだ分からなくていい。」

 

 

龍蓮

 

「それにしても“例の女”っていう位だから、ワケありか。高貴な人物か。もしくは、」

 

 

 

「傾国の美女に匹敵する美しさか・・・ですね。食べちゃ駄目ですよ?」

 

 

龍蓮

 

「誰が食べるか!!」

 

 

 

と、ツッコミを入れるも・・・

 

 

鳳凰

 

「仲然さんも食べるんですか!?」

 

 

龍蓮

 

「いや、あぁだから・・・」

 

 

 

「冗談ですよ、龍蓮様。」

 

 

 

普段はあまり見せない茶目っ気をこんなところで発揮する嵐。

 

 

しかし、それもここで終わりを告げる。

 

 

 

 

「賊の拠点はどうやらあそこのようです!」

 

 

鳳凰

 

「砦ですよ!?しかも、あんなに頑丈そうな門まで・・・」

 

 

龍蓮

 

「嵐、あの門は任せて良いか?」

 

 

 

「もちろんです!」

 

 

 

間に髪を入れず返事をする。

 

 

 

龍蓮

 

「じゃ、嵐は馬を降りて力を溜めて助走をつけて、門に突っ込んでくれ。そして、朱雀は空いた馬に乗って、門が破られたと同時にオレと一緒に砦に侵入だ!」

 

 

嵐&鳳凰

 

「御意!」「了解です!」

 

 

龍蓮

 

「強襲だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

連絡係A

 

「敵と思われる影、歩兵1騎馬2が物凄い速さで向かってきやす!」

 

 

新賊頭

 

「たったの3人だと?そんなもん蹴散らしてしまえ!!折角、今から楽しもうと思ったのによぉ!まぁ、どっちにしろ俺様が出る必要もねぇ。こっちは先に楽しませてもらうぜ・・・えへへ・・・・・・」

 

 

 

気持ちの悪い笑みで横になっている“例の女”を見つめる新賊頭。そこにまたもや連絡が入る。

 

 

 

連絡係B

 

「只今、城門突破されやした!!」

 

 

新賊頭

 

「何ッ!?」

 

 

連絡係C

 

「敵は3人!見たこともない細い刀を3本使う奴と城門を破壊したデッカイ反魔を使う奴、あとチビで偃月刀を使う奴でありやす!!」

 

 

連絡係D

 

「味方が半分以上戦死!もしくは動けやせん!」

 

 

 

それからも次々に自分たちに都合の悪い情報が回ってくる。否、情報が回ってくるだけでも凄いのだろう。

 

 

 

新賊頭

 

「砦の中に残っている奴も全員出撃だ!!俺様の家を荒らした罪を思い知らせなきゃならん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鳳凰

 

「(敵が多い。多過ぎる。でも・・・何でだろう。負ける気はこれっぽっちもしない。)」

 

 

 

朱雀の回りにいる賊が飛ばされる。

 

 

 

 

「敵陣後方に動きあり!・・・士気も上がっているようです。頭のお出ましのようです!」

 

 

 

嵐の周りにいる賊も宙に舞う。

 

 

 

龍蓮

 

「そんなこと見れば分かる!」

 

 

 

そして、オレの回りにいる賊は天に舞う。

 

 

 

 

「(いえ、皆様にも分かるようにと説明しただけなのですが・・・)」

 

 

龍蓮

 

「何か言った!?」

 

 

 

と言っている瞬間にも、賊は空に投げ出されている。

 

 

 

 

「いえ、何も。」

 

 

龍蓮

 

「よし、朱雀!あの賊長をぶっ倒してこい!!」

 

 

鳳凰

 

「分かりました!!」

 

 

 

そう言った時には、朱雀は賊の間を抜け賊の頭を目指して駆け出していた。

 

 

 

鳳凰

 

「うぉりゃー!!」

 

 

 

必要最低限の賊のみを排除し、突き進む。そして、

 

 

 

鳳凰

 

「はぁはぁはぁ~・・・・・・ふぅ。お前が賊長だな?」

 

 

新賊頭

 

「そうだが、ヘトヘトのオメェに何ができる!!俺様の楽しみを引き延ばした大罪、その体で・・・いや、お前のカラダも良いな。・・・うん、死なない程度には加減してやる!!・・・ぇへへ・・・」

 

 

鳳凰

 

「言ってる意味が分かんないよ!!お前は村を襲った賊の長!僕の緋龍偃月刀の錆にしてやる!!てやぁ!!!」

 

 

新賊頭

 

「へへへ・・・え?あ、」

 

 

 

ザシュ!!!

 

 

 

 


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