恋姫†無双~大陸に降り立つ者~ 作:新名択捉守
―孫呉に降り立つ者―顔良√
獄中にて・・・
斗詩
「龍蓮さ~ん。ご飯持ってきましたよ。」
龍蓮
「毎回毎回ありがとう、斗詩。」
いつの間にやら真名で呼び合う仲になっていた!斗詩としては、謝罪みたいな意味で、龍蓮としては感謝の意味で。・・・実はあれから1週間、斗詩は毎食自分で作った料理を持ってきてくれている。それ以外にも、龍蓮を獄から解放するために袁紹に何度も掛け合おうとしているのだが、荀彧の策・・・もとい邪魔や嫌がらせの性もあり、まだそれには至っていない。
斗詩
「あぁ、そうでした。龍蓮さんが持ってきた袁術様からのお断りの手紙は何とか麗羽様に渡せましたよ。」
龍蓮
「何から何までありがとう、斗詩。あと、オレの武器とかも持ってきてくれると勝手に牢を壊して脱獄して帰れるんだけどなぁ・・・いただきま~す。」
ガツガツガツ・・・
斗詩
「はい、召しあがれ。・・・ごめんなさい。荀彧さんが何処かに隠してしまって今すぐには返せません。今、部下に探させているのでもう少し待ってください。」
龍蓮
「あぁ、ごめんね?急かしてる訳じゃないんだけど、早く帰らないと美羽が泣くと思うんだよね。」
ガツガツガツガツ・・・・・・
斗詩
「はい、お茶です。」
龍蓮
「ありがと。」
フゥーフゥー・・・ズズゥー
タッ・・・・・・タッ・・・ダダダダダダッ
兵士
「顔良様!」
何やら、ただ事ではない並々ならぬ様子で1人兵士が入ってきた。
斗詩
「何かあったんですか!?」
兵士
「はっ!現在、投獄されている。孫仲然なる者を直ちに釈放せよ・・・との命令です。」
斗詩
「良かったですね、龍蓮さん。」
龍蓮
「良かったけど・・・もしかして、美羽・・・袁術のところから何か届いたの?」
兵士
「はっ!袁術様ご本人と、側近の張勲様。騎馬隊5000とそれを率いる紀霊様、呂覇様が来ました。」
龍蓮&斗詩
「「・・・・・・」」
あまりのスケールの大きさに、ただただ唖然とする2人。袁紹を苦手とする美羽が龍蓮のために此処まで来るということの意味を考えて欲しい。それだけお義兄様のことを大切だと思っているいうことだ。
そして、投獄から1週間。やっと解放された・・・
―孫呉に降り立つ者―袁紹&顔良&荀彧&袁術&張勲√
袁紹
「おーほっほっほっほ・・・美羽さん?口ではイヤイヤと言っておりましたけど、結局来たんじゃありませんか!」
美羽
「本当は妾だって来とうなかったのじゃ!!でも、お義兄様が中々帰ってこんかったから迎えに来たら、麗羽姉様のおバカな部下が妾のお義兄様を牢に閉じ込めたと聞いて妾は・・・妾は・・・・・・うぅ」
袁紹
「う?」
美羽
「う、う・・・・・・ふ、ふぇぇぇぇぇん!!!!!」
袁紹
「美羽さん!?どうしましたの!?ど、どなたですか!?美羽さんを泣かした方は!!今すぐ、頸を叩ききってあげますから、もう泣かないでくださいな。」
その言葉に、物凄く青ざめた顔をしている荀彧。それもそうだろう。何故なら、彼女が龍蓮を勢いに任せて投獄したおかげで、美羽・・・袁術が部下と騎馬隊5000などという馬鹿げた規模の兵を動かし、云わば脅しをかけに来ているからだ。まぁ、実際にはそんな考えなど無しに飛んできたのだが・・・
龍蓮
「えーっと、斗詩?袁紹さんが・・・うん。まぁ、こういう人だということは分かった。で、どうすれば良い?」
斗詩
「とりあえず袁術様をどうにかするしか・・・」
龍蓮
「まぁ・・・それはオレがやるしかなさそうだな。」
斗詩
「はい。」
だって、七乃は目を輝かせて「いつもの根拠もないのに自信満々なお嬢様もいいですけど、泣いてるお嬢様もとっても素敵ですぅ」などと言っているところからみても、美羽を慰めれる人材はオレしかいない。
龍蓮
「美羽。おいで~」
美羽
「お゛に゛い゛さ゛ま゛ぁぁぁ~」
龍蓮
「よしよ~し。ありがとな~美羽。美羽が助けに来てくれて嬉しかったよ~」
美羽
「ほ、本当かの?」
龍蓮
「そうそう。美羽は良い子だから、泣かなくていいんだよ~」
美羽
「妾は良い子かの?・・・うむ!妾は良い子!良い子じゃからもう泣かないのじゃ!」
さっきまで号泣だったのに、すぐに満面の笑みに早変わりだ。
斗詩
「(流石ですね。龍蓮さん。)」
龍蓮
「(まぁね。)」
斗詩
「(良い父親になりそうです。)」
龍蓮
「(うっ・・・褒め言葉としてもらっておくよ。)」
美羽
「うむ!うむ!それで、お義兄様?妾のお義兄様を牢屋に入れたという不埒な輩はどこなのじゃ?」
龍蓮
「あ、え?あぁ、この子。」
と、龍蓮に指を指されると“ビクン”と体を反応させた荀彧。
袁紹
「あら、荀彧さん。孫・・・なんとかさんを牢屋にぶち込んだのは貴方でしたの?・・・では、美羽さん。今すぐ、荀彧さんの頸をお渡ししますので今回は許してくださいな。」
美羽
「うむ!妾は良い子じゃからな!それで、許すのじゃ!」
荀彧
「(ガタガタブルブルガタガタブルブル・・・)」
龍蓮
「まぁまぁ、美羽。・・・実を言うとな、今オレの仕事の量がハンパないんだ。」
いきなり始めた脈絡のない話に首をコテンと傾げる美羽。そして、悶える七乃・・・は、やっぱり触れないでおく。
龍蓮
「それに今回の件で、また仕事も溜まっちゃったと思うし・・・袁紹さん。」
袁紹
「な、何ですの?」
龍蓮
「荀彧の頸を胴体から切り離す前に譲ってはもらえないだろうか?」
袁紹
「お、怒ってはないんですの?」
龍蓮
「美羽を泣かせたことは怒ってるさ。」
袁紹
「でしたら、」
龍蓮
「(王佐の才を野放しにしておくのは危険だし、曹操に渡してやるわけにもいかない。となったら、舞台から退場してもらうか、味方に引き入れるまで・・・やっぱり、荀彧の才は上手く活用したい。という訳で、ここは引き込むに限る。)でも、今は殺さないで、彼女の嫌いな“男”であるオレの下で働かせたほうが、よっぽど罰としては相応しいと思うんだけど・・・」
その説明に満足したのかはわからないが、袁紹の首は縦に振られた。
袁紹
「それで、良いですわ。荀彧さんも良いですわね?」
荀彧
「(ガタガタブルブルガタガタブルブル・・・)!?(コクン!コクン!)」
う~ん。荀彧はちゃんと話は聞いていたんだろうか・・・それは甚だしく疑問だが、袁術陣営に帰属することになった。
斗詩
「(龍蓮さんも人が良いですね。)」
龍蓮
「(ん?そうでもないよ。それに結構人気のあるキャラを殺したら、数少ない読者様から見放されるかもだし。)」
斗詩
「(そういうメタ発言はやめてくださいよぉ。)」
そういう貴方もやめてください><
―孫呉に降り立つ者―袁術&張勲&紀霊&諸葛瑾&荀彧√(+呂覇)
オレ、孫仲然、只今16歳は、ある道を進むことを決心していた。
龍蓮
「じゃ、朱衣と文若は一足先に姉貴のところに戻っといてくれ。」
朱衣
「は、はい。わかりましゅた。」
荀彧
「ふん!そう何度も何度も言われなくても分かってるわよ!!」
流石、ツンデレ比率10:0の文若だ。
美羽
「お義兄様ぁぁぁ~」
七乃
「あぁ、美羽様の泣いた顔も素敵ですぅ。」
龍蓮
「美羽。暫く会えなくなるんだから、笑った顔を見せてよ。そして七乃は、雰囲気をぶっ壊すな。」
未那
「・・・えぐ、ぐすん。あなた、いってらっしゃ・・・うわーん!!」
突然、号泣の未那。そして今「あなた」って、龍蓮のことを今「あなた」って呼びましたよね!?まさか、この数年の内に・・・
龍蓮
「・・・ド突いて良い?」
未那
「・・・・・・テヘッ☆」
違いました。いつもの未那の暴走でした。皆様、勘違いさせてごめんなさい。
未那
「あ、でも・・・リュウ君でしたら突いてくれても構いませんよ♪口でも、下の口でも♡あ、モチロンおsh」
シャキン!!
龍蓮
「さてと、どの口を塞げば良いんだ?」
未那
「あら♪やっとその気になってくれました?でしたら私は初めてですので、まずは胸でも愛撫してもらって十分過ぎるくらいに濡れてきたr」
龍蓮
「言い方が悪かったみたいだ・・・誰かある!猿轡を持って来てくれ!」
未那
「はっ!?私は、私はとうとうリュウ君を本気にしてしまいましたか。猿轡で口を聞けなくした後で縄で私を縛り上げ、抵抗ができなくなったところであんなことやこんなことを・・・」
もはや収集不可です。きっと龍蓮がどんな言葉で返しても未那はそっちの方向へ捻じ曲げてしまうことでしょう。
朱衣
「ぶはっ!!」
朱衣!?その鼻血を出す役は君じゃないよ!?
美羽
「うみゅ?一体どうしたというのじゃ?」
あぁ、美羽。君だけは純朴なままでいてくれ・・・
嵐
「龍蓮様。三十六計逃げるに如かず・・・行きましょう!」
龍蓮
「残った面子じゃ絶対収集つかないけど・・・ドロン!」
そう言って煙玉を投げ、その煙が晴れたときには既に龍蓮と嵐はいなかった・・・