恋姫†無双~大陸に降り立つ者~ 作:新名択捉守
―孫呉に降り立つ者―劉備&関羽&張飛&趙雲&典韋&諸葛亮&鳳統&程昱&郭嘉√(+呂覇&鳳凰)
昨晩の軍議でのことだった。
雛里
「斥候からの報告が挙がってきています。」
朱里
「どうやら諸侯連合に包囲されたままでは元から足りなかった兵糧が更に足りなくなり黄巾党の皆さんは苛立っているようです。通常ではこのまま兵糧攻めをして相手の戦意を挫くのが良策なのでしょうけど今回の敵はそうではありません。ですから死兵になられる前に叩くのが妥当だと思います。」
雛里
「(あわわ、よくそんなに長い台詞言えたね)」
朱里
「(えっへん)」
これがウチ流の軍議だ。どうだ?和むだろう。
雛里
「で、ですので黄巾党に成り済ませた我が軍の精鋭を黄巾党本陣に潜り込ませ、兵糧を燃やしてしまいます。そうしたら彼らも疑心暗鬼になって上手くいけば内部分裂を引き起こしてくれると思いましゅ!・・・・・・・・・」
紅龍
「雛、大丈夫だよ。僕は聞いてなかった。雛は噛んでないよ!」
・・・その慰めは流石にダメだと思うぞ紅龍。まぁオレは何も言わないけど。だって直してしまったらドジっ娘からドジを抜いたようなものだろう?
龍蓮
「だったら草木も眠る丑三つ時に火計を仕掛けて黄巾党を混乱させ、それに乗じてオレが今から選抜する精鋭部隊をオレが率いて強襲。それにより突破口が開けたら第一軍として嵐、紅龍、雛里の3人。第二軍として星、流琉、奉考が。第三軍として愛紗、鈴々、風が。そして第四軍を朱里と桃香が率いて随時突入開始。異論は?」
風
「はいはーい。」
龍蓮
「風。」
風
「はいー。龍蓮様の軍師としての体裁を守るため大将自ら敵陣にツッコム・・・おぉっ!?稟ちゃん今は鼻血をだすところじゃないですよートントンートントンー・・・・・・で、ですねー少数の護衛だけで態々危険なところに送り込むのはどうかなーと思ってるのですよ。まぁ。どうせイクのでしょうけどねー・・・だから稟ちゃん。そこは鼻血を出すところではなく潮を噴くところですよー」
んーコホン!・・・えー現在、明らか致死量を超える鼻血を噴出された郭奉考は鉄分不足の為、貧血で倒れました。それにより軍議を中断せざるを得ない状況(主に机と床が)になってしまわれた為に最後に出された策・・・つまり臥竜鳳雛の策にオレの手を加えた策、名付けて『草木も眠る丑三つ時』作戦に決定しました~(シーン…)したの!!
そして今に至る。現在の時刻は子の刻あたり。オレは今、自軍の卒長以上の隊長の中で尚且つ戦闘能力に長けている者を10名を選別して即席特殊部隊を結成させていた。
・・・説明しよう。軍の部隊とは細かく分かれていて軍の最小単位が“伍”これは兵士5人の単位だ。次に“卒”これは伍×20組の兵士100人の小隊。次が“旅”これは卒×5組の兵士500人の中隊。そして最後に“軍”旅×25組の兵士1万2500人の大隊に分かれている。その中の卒長だから小隊長クラスという訳だな。
で、だ。選別した10人なんだが・・・ぶちゃっけアレだ。まぁ見てもらうほうが早いな。はい、ドン。
高順、龐徳、朱霊、周倉、胡軫、廖化、管亥、鄧茂、卞喜、侯成。
ご都合主義乙~。史実だと黄巾党出身者が多いことが気にはなるが、よくもまぁメジャーからマイナーの間を拾ったね。
まぁそれはそれで、今回の任務は殲滅戦ってな訳で相当数の相手を斬らなくてはいけない。そこで・・・
龍蓮
「よっと。」
こんなのを用意してみました。どれも日本神話に出てくる剣。
龍蓮
「日本神刀・草薙剣と日本神刀・韴霊剣と日本神刀・神度剣の三本。」
これらと今まで使っていた三本を合わせて・・・
そして、上記の三本を左腰に帯刀し抜刀した。それに続き今までの三本も抜刀したところで声がかかる。
流琉
「龍蓮様?一体、六本も刀を持ってなにをしているんですか?」
龍蓮
「お、流琉。これは六爪流っていう爪のように指の間に六本の刀を挟んで戦う流派の刀の使い方だ。今回の殲滅戦で試しに使ってみようと思ってね。」
口だけの説明じゃ想像が付きにくかろうと思って、動こうと思ったのだが報告が入った。
忍者
「失礼します龍蓮様。曹操軍にて極秘任務の情報を手にしてきました。」
龍蓮
「続けて。」
忍者
「曹操軍大友隊は黄巾党首魁の張角、張宝、張梁を捕縛し臣下にするために戦闘準備は万全である模様です。」
そうか・・・。
龍蓮
「どう思う?」
忍者
「私は客観的な事実のみを持ち帰る忍ですので。」
そりゃ完璧な忍だ。
龍蓮
「了解。引き続き頼む。」
忍者
「はっ。」
返事と共に闇へと消えていった。
一方の曹操軍大友隊はというと・・・
李典
「ウチは明日に賭ける!!」
于禁
「うぅ~じゃあじゃあ沙和もなの~」
ポンポンと銭が積まれる。
徐晃
「私の女の感がこう叫んでいる!!決戦は一昨日と・・・」
李典
「なに!?クソっ一昨日やったか・・・って、なんでやねん!」
徐晃
「あイタ、じゃ私は明後日~」
叩かれた徐晃は特に気にした様子もなく銭を地面に置く。
大友
「(一昨日と明後日を間違えたな。)」
満寵
「(誤魔化しましたね。)」
楽進
「ダメだこいつら、早く何とかしないと・・・」
これは楽進がグレたようにも見える構図だが、既に7回ほど厳重注意を行なった後である。
そんなこんなで視点は戻る。オレは孫策軍本陣へと出向いていた。そこで懐かしの顔を早々に見ることができた。
冥琳
「龍蓮様?」
龍蓮
「あ、冥琳。元気にしてた?ちょうど良かった。今、まともな人と話がしたかったんだ。」
そして、これから黄巾党本陣で火の手が上がりそれに乗じて一気に攻め滅ぼすこと、そして曹操軍が張角、張宝、張梁の3人を捕縛することとそれに関する考えを話した。
龍蓮
「じゃ、そういうことでよろしく。これから美羽のところにも一応行かないといけないからさ。」
そう言い残して、颯爽と立ち去っていく。
冥琳
「・・・一方的なのは誰に似たのやら。」
久々に登場して二言しか台詞がなかった者の言葉である。
―孫呉に降り立つ者―No√
現在、草木も眠る丑三つ時。そして黄巾党本陣から今、火の手が上がった!!
龍蓮
「作戦決行!特殊部隊突撃!!」
オレの号令とともに城壁に掛けた梯子を登り一気に本陣内へと襲いかかる。
突然兵糧に火がついたと思ったら、今度は強襲される。そんな賊に多少の同情の念を感じ・・・・・・ることもなく平均武力70台後半の特殊部隊の攻撃の手が緩められることはなかった。
それと同時に兵糧に火をつけた部隊は城門を開けるべくして動いているであろう。
そんな余りにもこちら側のいいように状況が進んでいることを少し頭の回転の早い黄巾党の将達数名が疑心暗鬼に囚われるのに大した時間を要すことはなかった。
賊将A
「この中に裏切り者がいるぞー!!この混乱に乗じて裏切り者ごと叩ききってくれるわ!!!」
賊将B
「そういうお前が裏切り者か!!?」
敵は幾ら頭が回る者がいると言っても所詮は賊の将。将達の混乱は賊兵にも移り、又、それが波及するのにも時間は掛からなかった。
そんな訳で、オレの考えていたよりも物事がこちら側に上手くそして早く進んでいた。
龍蓮
「醜い賊共よ!我に敵うものはいるかー!!」
??&??
「「ここにいるぞー!!」」
・・・何だか醜いのが来た。
龍蓮
「オレは孫龗義勇軍大将、孫仲然!」
そう言って、背中の贄殿遮那を抜く。
馬元義
「俺は馬元義!天和ちゃんの一の信者!!」
甘洪
「俺は甘洪!!実は・・・人和たん派だったんだ!!!」
馬元義
「な、なんだと!?お前、俺達に嘘をついてたってのか!!?」
甘洪
「断じて違う!そうじゃない!!そうじゃないんだ!!!実は今さっき天和ちゃんたちを必死に誘導していた人和たんを、否!!!!人和たまを見かけてしまったんだ!!!!!それでs(長くなりそうなので以下略」
まぁ、簡潔に言うとさっきまでは張角推しだったけれど必死に姉達を庇いながら逃げようとする張梁に“推し変”した。ということらしい。
馬元義&甘洪
「「そんな彼女らの為に武人の矜持を捨て2人がかりでも全力で勝たせてもらうぞ!!!」」
龍蓮
「賊に成り上がった奴らに武人を名乗る資格はない!!5万でも10万でもかかってこい!!」
馬元義&甘洪
「「てりゃ~!!!」」
勝負が決するのには2合も必要なかった。
馬元義
「・・・せめて、ものの、救い、だ、グファ!?・・・・・・俺の、頸を張、角だと・・・・・・・・・ガクッ」
甘洪
「・・・俺にゃ、惚、れた女を、幸せにしてやる、ことはで、きねぇ、けドフッ!?・・・・・・・・・チーン」
龍蓮
「了解・・・まぁ、元からそのつもりだったけど。」
それから馬元義と甘洪の頸を取り、こう宣言する。
龍蓮
「孫仲然!天公将軍、張角!人公将軍、張梁!共に討ち取ったり!!!・・・孫龗義勇軍・特殊部隊は即時退却!孫龗義勇軍第一陣から第三陣までは黄巾党本陣へと突撃!!」
そして退却を始めた龐徳と朱霊を呼び止め、2人の頸をあずけた。それと同時に贄殿遮那を鞘に仕舞い、代わりに両腰に帯刀している合計六刀もの刀を抜刀した。そしてそのまま大将として第一陣から第三陣までの動きを指示した後に自らも掃討戦に討って出た。その時には特殊部隊が築き上げたであろう700以上もの死体が辺りに転がっていた。
龍蓮
「賊共よ・・・孫呉流六爪剣技を魅せてやろう。」
未那
「キャー!いつものリュウ君も素敵ですけど!若干気障っぽさのあるリュウ君も痺れるぅ!!憧れるぅ!!もぅ私を抱いちゃってぇ♡」
龍蓮
「・・・・・・・・・。」
何時もの如く空気を壊す未那であった。
-曹魏に降り立つ者-徐晃&満寵&李典&于禁&楽進&張角&張宝&張梁√
そんな感じで、孫龗義勇軍が大いに戦果をあげている頃。曹操軍やその他の諸侯軍も各々黄巾党本陣攻略を開始していた。そりゃまぁ折角の機会を黙ってみているという軍はひとつもなかった訳だが。
その中でも奇妙な行動をとっていたのが曹操軍の大友隊であった・・・というよりは大友隊の中心人物6名という方が正しいが。
蘭花
「あ~私も向こうに行って“ドカーン!!”ってやりたかったなぁ~」
奏歌
「蘭花はいつもそればかりですよね。」
真桜
「蘭花は生粋の突撃馬鹿やからな。」
沙和
「そうなの~春蘭さまと一緒になったら何とか効果っていうのでもっと危ないの~」
隆
「相乗効果ね。相乗効果。」
凪
「隊長ももう少し静かにしていてください。一応私達は隠れていることをお忘れですか。」
おっとと、凪の視線が厳しいものとなってしまった。
今、オレ達は凪が言うように隠れている。場所は黄巾党本陣から抜け出せる唯一の抜け穴がある叢中。この抜け穴は見つけるのにかなりの時間を要したし、それに見つけられたのも奇跡に近かったから張角達三姉妹がここから出てくるという保証はない。しかし華琳が、
華琳
「いいえ、もし貴方の予測通り張角達が戦場を放棄し逃げ出してくるとしたのであれば、そこで間違いはないでしょうよ。」
と、断言されたので。はい。ここで万全の準備をして捕縛の用意をしていた。ついでに言うと今現在、華琳、春蘭、秋蘭、季衣の4人は黄巾党本陣を攻め入っている。
カサゴソ・・・ガサッゴソッ!
凪
「(そろそろ来ます!)」
その声とほぼ同時に別の声が聞こえた。
??
「プアァ!!息苦しかったぁ~」
??
「ほんっとアイツら何なのよ!?ちぃ達を―――」
??
「しー!!」
こいつら・・・だったのか。
隆
「はい、捕獲!」
蘭花&真桜&沙和
「「「あらほらさっさー!」」」
張角&張宝&張梁
「「「キャァァァァァァ!!?」」」
こうして奴らは捕まった。