恋姫†無双~大陸に降り立つ者~ 作:新名択捉守
―孫呉に降り立つ者―劉備&関羽&張飛&趙雲&典韋&諸葛亮&鳳統&程昱&郭嘉√(+呂覇&鳳凰)
オレ達は現地で集合した嵐、紅龍、朱里、雛里と冀州にて黄巾党の本軍と睨み合いを続けていた。
そんなことを続けていること1週間。次々と他の陣営も到着し、この地域一帯はピリピリしてきていた。
愛紗
「ではこれより軍議を始める。今後の方針において軍師殿からは何かありませんか?」
郭嘉
「相手は烏合の衆とはいえ20万とも30万とも挙句の果てには50万とも言われています。そして私達は1万5千、その他の諸侯を合わせても15万はいかないでしょう。数はこちらが不利だとはいえ、質ではこちらが圧倒的に有利です。ですがそれだけ兵力に差が出ると流石に手が出しづらいです。そこで、各軍が協力関係を結べると状況が変わってくるのですが・・・」
風
「無理ですのでー」
朱里
「諸侯は皆、功に飢えた野獣。競って一番の手柄、張角の首を狙うことでしょう。」
雛里
「ですから龍蓮様と関係の深い袁術さんと孫策さんとの同盟が良いと思うのでし・・・あ、あわわ最後の最後で噛んじゃった。」
朱里
「(大丈夫だよ雛里ちゃん!)」
久しぶりにこんな“ほんわか”している軍議を感じられた。なんと温かみのある軍議なのだろうか・・・などと感傷に浸っているところでオレに話が回ってきた。
星
「ということなのですが龍蓮様。ちゃんと話は聞いておられましたかな?」
龍蓮
「そんな意地の悪い笑みを浮かべるなよ、星。美人だから余計に怖い。」
星
「おやおや口説かれてしまった。」
嵐
「星殿。話をくじかせないでくれ。」
そう言えば、星と嵐の口調って似てるよね。な~んてことを思ってみたりみなかったり。
愛紗
「それで龍蓮様・・・いかかでしょうか?」
龍蓮
「大丈夫だと思うよ。次に美羽が姉貴を呼んだときにでも袁術軍本陣に乗り込んで話を付けてくる。」
流琉
「お供します!」
紅龍
「僕も!!」
とチビッコ達が積極的にお供をしてくれるというなか、鈴々も負けじと、
鈴々
「鈴々も行くのだー!!」
主張するが、
愛紗
「お前は行くな。話がややこしくなる。」
義姉にバッサリ断られた。しかし、そんなことじゃ納得しない。
鈴々
「むぅ~鈴々も行きたいのだー!」
龍蓮
「いや、鈴々には孫龗義勇軍の本陣を守ってもらうという特別な任務を言い渡さないといけないからな。ここに残ってもらいたいんだよ。」
鈴々
「特別なのか?」
龍蓮
「特別だよ。」
そう言うと、急に鈴々は元気を取り戻した。
鈴々
「分かったのだ!鈴々に任せるのだ!!」
愛紗は「単純な奴だなぁ」と呆れて笑っていたが、オレはこのぐらい素直な方が子供らしくて良いと思うけどね。まぁ、子供って言ったら怒られるから言わんけど。
そして、鈴々が残る気満々になっているグッドタイミングのナイスタイミングに動き出した。
忍者
「龍蓮様。袁術が孫策様を呼び出し孫策様は袁術軍本陣に向かって移動を開始致しました。」
報告と同時に消えてゆく忍。・・・心得ている。
龍蓮
「よし!流琉、紅龍行こう。」
流琉&紅龍
「「はいっ!!」」
―孫呉に降り立つ者―典韋&袁術&張勲&紀霊&孫策√(+鳳凰)
美羽
「お義兄様ぁ!!」
龍蓮
「ゴフッ!?」
鈴々の突撃並みの衝撃が走ったような気がした。
流琉
「む。」
龍蓮
「み、美羽か。久しぶり元気にしてたか?」
そう言って、抱きついてきていた美羽の頭をトントンと撫でる。その様子をジトーとした目で見つめる流琉の視線には気がつかない。
流琉
「むむむ。」
美羽
「もちろんなのじゃ!妾は勉強に政務、剣技に軍議に夜のベンキョーも頑張ったのじゃ。」
七乃
「うわぁ~龍蓮様にどうにか褒めてもらって頭をもっと思う存分に撫でてもらおうととりあえず頑張ったことを認められそうな単語を片っ端から並べる美羽様素敵ですぅ。」
うわ不味った。純粋無垢な美羽を橋蕤、李豊、梁綱、楽就に任せたのが間違いだったか・・・そうだよな奴らだけでこの暴走機関車を止められる訳がないもんな。
美羽
「わっはっは~どうじゃ?すごいじゃろ?お義兄様も褒めてたも~」
龍蓮
「で、本当にやってたのは?」
美羽
「政務の勉強だけじゃ!」
龍蓮
「ま、それだけでも十分な進歩か。」
そうして、左腕で美羽を抱えて右手で頭を撫でていると両サイドから急に腕を引っ張られて美羽は尻餅をついた。
美羽
「うぅ~何をする孫策ぅ!・・・と、未那ぁ!!」
美羽は至福の時間を急に奪われ激怒していた。
雪蓮
「ちょっとぐらい良いじゃない。リュウは私の弟なのよ?」
美羽
「妾だって、お義兄様の妹じゃぞ?」
なんという低レベルな争い。まぁ、当事者としては嬉しくない訳では決してないのだが。
未那
「でしたら、ずっと私のターンです!なんてたってリュウ君は私の旦那さm」
龍蓮
「いやいやいや、ちょっと待て・・・姉貴はまだ良い。美羽も良しとしよう。だが、未那はどう考えたっておかしいだろ!?」
未那
「あれれ~?昔、裸のお付き合いで一緒に“よ・く”寝たじゃありませんか♪」
その一声でビキッ!!・・・と明らかに空気が割れる音がした。いや、空気が割るって・・・
流琉
「龍蓮様?」
龍蓮
「な、何かな?流琉。」
ぅわ~いつもニコニコしている流琉が修羅の顔をしてるよ~。だ、だれだ!?流琉をこんなんにしたのは!!
流琉
「これは愛紗さんとか桃香さんとか愛紗さんとか星さんとか愛紗さんとか稟さんとか愛紗さんとか風ちゃんとか愛紗さんとか朱里ちゃんとか愛紗さんとか雛里ちゃんとか愛紗さんとかに報告ですね?」
紅龍
「って流琉!愛紗さん何人いるの!?(それに名前が出てこない鈴々ちゃんって子供だってことだよね?)」
龍蓮
「まず愛紗と奉考はナシだ。オレはそういう認識はしてなかったけど、そこまで名前を出されるとヤンデレを疑う他ないし、奉考が聞いたらそれだけで殺人現場の出来上がりだ。」
未那
「あはは~何だか愉快で厄介なお仲間を手に入れられたんですね、リュウ君。」
アンタが一番、厄介だよ!!
龍蓮
「っていうか、流琉。弁明くらいさせろ!!」
流琉
「問答無用です!龍蓮様御覚悟を!!」
ダメだこりゃ話がちっとも進まない。そう思ったのと同時に意識がブラックアウトした。
オレが目を覚ましたときには、その部屋にはよりにもよって未那しかいなかった。
未那
「あ、起きられましたか?あなた。」
めんどくさいから流すことにした。
龍蓮
「それであの後、どうなった?」
未那
「あの後はですね~諸葛亮ちゃんがやってきて同盟の話をし、美羽様も孫策さんもそれに同意して誓約書を作ったんですけど、肝心のリュウ君がいなかったので妻である私が代わりに判子を押しました♪」
龍蓮
「その人選どうなってるの!?おかしいよね?普通、代表がいなかったら副代表である嵐か桃香がくるべきはずだよねっ!?」
未那
「ですが、典韋ちゃんがさっきのお話をしたら『はわわ~』とか言って、リュウ君の判子を何も言わずに持たせてくれましたよ?」
ダメだあいつら・・・特に流琉。
未那
「ですから孫仲然の妻!この紀霊が責任を持って押させていただきました♪」
龍蓮
「妻じゃない!!」
未那
「では正室で。」
龍蓮
「意味変わらん!!!」
もう無理・・・・・・このギャグパート。
龍蓮
「で、ウチの連中は?」
未那
「帰りましたよ?」
龍蓮
「美羽と七乃さんは?」
未那
「七乃ちゃんがこの建家には一切立ち入らないようにとの命令を出したあとに美羽様を連れてリュウ君の義勇軍の本陣へと出かけられましたよ?」
あぁダメだ。これ何て状況?孤立無援?四面楚歌?
理性と魅惑の狭間で精神修行を行うこと丸々一晩。見事、耐えきったオレはヘロヘロになりながら本陣に帰ったところ、愛紗と愛紗と愛紗、それと主に愛紗によって説教と精神修行という名の武将全員VSオレのリンチ戦を経験した後に結局、幾多重なる誤解を解くことも叶わずにこの日は力尽きた。
翌日。完全復活を果たしたオレは昨日の恨みを今日晴らさんでいつ晴らすのか!?という意気で昨日の武将全員VSオレを今回はオレの一方通行で終了を告げた。その後の説教では誤解をしっかりと骨の随まで解き万事解決となった。