恋姫†無双~大陸に降り立つ者~   作:新名択捉守

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―孫呉に降り立つ者―諸葛亮√(+鳳凰)

 

 

 

 

 

 

 

 

オレ達は今、豫州に来ていた。豫州各地にいる義勇軍からの援軍要請が来ていたのだった。それには訳があった。何故なら豫州では黄巾党が活発化してるのである。それで汝南郡~沛国~魯国~沛国~陳国~梁国~頴川郡の道筋で各義勇軍を纏めながら黄巾党がいる頴川に向けて行軍しているのであった。そしていまは2度目の沛国にいるところであった。

 

 

 

龍蓮

 

「それにしても幾ら名が売れたとはいえ、実質援軍としてではなく指揮権の譲渡までされるとは・・・ね。」

 

 

 

ちなみに嵐、流琉、雛里の3人はお留守番組だ。史実では荊州の方が早く黄巾党が活発になるが、あの大戦果が影響しているのか、まだ大人しいがいつ動き出すやもしれんので置いてきたのであった。まぁ、最悪の場合は嵐が3万を1人で相手すれば良いだろう・・・くらいなノリで。

 

 

すると、紅龍が突然入ってきた。

 

 

 

紅龍

 

「義兄上!今日までに合流した義勇軍の数は5000にまでになりました!このまま行くと10000にまで及ぶかもしれません!」

 

 

龍蓮

 

「分かった。それじゃこれからその部隊も調練に編入して。」

 

 

紅龍

 

「了解です!」

 

 

 

そういうと、風のように天幕から出ていった。それとほぼ同時に、背後から気配を感じる。

 

 

 

龍蓮

 

「どうだった?」

 

 

忍者

 

「はっ。豫州・潁川黄巾軍の波才ですが、内応でも暗殺でも御命令とあらば。」

 

 

龍蓮

 

「じゃ、まだ水面下の荊州・南陽黄巾軍は?」

 

 

忍者

 

「はっ。張曼成には調略は上手くいかないかと。」

 

 

龍蓮

 

「そうか。それじゃ、今のところは情報収集のみに専念して。」

 

 

忍者

 

「御意。」

 

 

 

そういった瞬間には、スッと消えていた。全く、どうやっているのだか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍蓮

 

「皆の者!勝ち鬨をあげよ!!」

 

 

義勇兵

 

「「「「「「「「「「オォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」

 

 

 

けたたましい雄叫びが豫州頴川郡のとある城に響いていた。

 

 

 

龍蓮

 

「1番隊から7番隊それから11番隊と12番隊はオレに続いて入城!!8番隊、9番隊、10番隊は賊残党の追撃に向かってくれ!鳳凰隊もそれに同行しろ!!」

 

 

 

一通りの指示を出すと一息ついた。

 

 

 

朱里

 

「無事に終わりましたね。幸いどの隊も被害は軽微だそうですし・・・」

 

 

龍蓮

 

「13番隊は壊滅だけどな。」

 

 

朱里

 

「・・・・・・」

 

 

龍蓮

 

「アイツらが望んだことだ。朱里がそこまで気落ちすることはないよ。ただ、逃げずにそのことを受け止めればいい。」

 

 

朱里

 

「・・・・・・・・・はい。」

 

 

 

さて、この13番隊とやらが何なのかというところから説明しよう。まず“新生☆豫州☆孫龗義勇軍(仮)”には、豫州各地から集まった義勇軍によって編成されている。

 

その部隊は紅龍率いる鳳凰隊2000と1番隊から12番隊に分けられた各義勇軍の隊、それから行軍中に交戦するなどして加わり龍蓮の弁により更生した元賊兵部隊である13番隊から成っていた。

 

 

 

龍蓮

 

「やっぱり賊だってさ、人間なんだよ。もちろん外道なことをすることもあるし、実際にオレも斬ったことも何度もある。そして皆からは獣に例えられる。でも人間なんだ。それの証拠に・・・ほら。」

 

 

 

と言って、戦場に転がっている中で黄巾を身に付けていなく且つ剣しか装備していない兵の死体を指す。

 

 

 

龍蓮

 

「最期に人の為に役に立てた、罪滅ぼしのほんの一握りでもできた。そんな顔じゃないか?・・・犯した罪は決して消えはしないけどね。少しは人間らしく生きれた瞬間だったんじゃないかなと思う。」

 

 

 

それが戦場だったのはおかしな話だけどね。と呟くように付け足す。

 

 

 

龍蓮

 

「ま、とにかく。アイツらの人間らしさっていうのを取り戻させてあげたきっかけをくれてありがとな、朱里。きっとアイツらもそういうに決まってるよ。」

 

 

 

ポンポンと頭に手を置いて、先に入城する龍蓮。その背に

 

 

 

朱里

 

「・・・・・・・・・・・・あ、ありがとうございましゅ。」

 

 

 

感謝の言葉と共に、瞳からも何かがこぼれた。

 

 

13番隊の運命は簡単に説明するとこうだった。豫州孫龗義勇軍が豫州黄巾党を目指し行軍していた途中に発見した、若しくは攻撃してきた賊軍の投降兵を更生させ纏め上げた隊で、その更生過程で龍蓮や朱里の話やシゴキなどを受け、龍蓮の思想に感銘を受けた者の集まりだった。そして、最も危険な囮部隊を13番隊全員が志願し戦場にて、人間としてその命を散らした。

 

その更生過程を見てきた朱里は、感情移入をしてしまったのだろう。彼女は軍師で時には冷徹な策を出すこともあるが、軍師である以前に1人の心優しき少女であることも皆には忘れないで欲しい。

 

 

 

その日の夜は、煙を高々と上げた火葬が盛大に行われた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―孫呉に降り立つ者―典韋√

 

 

 

 

 

 

 

 

それから1週間は、各方角に散った豫州黄巾党の残党の掃討に追われることとなった。それも難なく終え、豫州孫龗義勇軍は最後の会議にて一応、解散の形を取ることとなった。

 

そして豫州孫龗義勇軍12000の内、4000が孫龗義勇軍に加入することになり、他の8000は豫州にて各々義勇軍を続けるそうだ。

 

 

それで新たに加わった兵4000を率いて、荊州にある孫龗義勇軍の本拠地に戻っているはずだったのだが、今は流琉と2人で逆方向の兗州に向かって北上している最中だ。

 

 

 

流琉

 

「すみません龍蓮様。私の我儘を許して下さるだけでなく、付き合わせてしまって・・・」

 

 

 

それはもう、本当に済まなそうに謝る流琉。

 

 

 

龍蓮

 

「兵が4000も増えたことだし、上手く行ったらその・・・何とかちゃんって子も将として入ってくれるかもしれないんでしょ?なら、こっちにも全くの無利益っていう話でもないんだし、朱里もそう言っておいてくれるって言ってたから、流琉が謝る必要は全く無いよ。」

 

 

流琉

 

「///あ、あの、その・・・ありがとうございます。」

 

 

龍蓮

 

「ん~どういたしまして?」

 

 

 

とりあえず“ありがとう”と言われたら、“どういたしまして”と返すことにしている龍蓮。それは作者も同じだ。(お前の情報はいらん)←すみません><

 

 

 

それから暫くは道なりに北上を進み、特に何事もなく兗州に入った・・・

 

 

 

本当に何事もなかったのだ。特筆できるような何かは何も。それとも何か?龍蓮が天然(という設定で)で流琉をドギマギさせるという無限ループでも見たいか?少なくともオレは勘弁だね。←天の声

 

 

 

という訳で、兗州に入ってから何事かが起きたからここから物語の再スタートボタンを押すことにしよう。

 

 

 

流琉

 

「龍蓮様!あそこに砂塵が!」

 

 

 

確かに、オレの自分で作った自前の望遠鏡で見ると、女性の旅人らしき3人組が賊の小集団に襲われてる。その距離は約500m。

 

 

 

龍蓮

 

「行くぞ!」

 

 

流琉

 

「はい!!」

 

 

 

オレ達はそれぞれ自分の獲物を手にして、全力疾走で荒野を駆け抜けた。それはそれは駿馬ともサシで張り合えるんじゃないかというくらいの速さでだった。その速さを生かして、その勢いのまま賊の小集団の横腹に突撃。しかもそのまま反対側にまで出てしまった。

 

 

 

龍蓮

 

「あ、行き過ぎた。」

 

 

流琉

 

「龍蓮様行き過ぎです!」

 

 

 

などとコントをやっている間にも、賊は突然の襲撃に逃走を図っていた。

 

 

 

??

 

「逃がすか!!」

 

 

龍蓮

 

「流琉追うぞ!」

 

 

流琉

 

「はい!!」

 

 

 

その場には、女3人組の内、残り2人が残された。

 

 

 

??

 

「行っちゃいましたねー」

 

 

??

 

「・・・はぁ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―孫呉に降り立つ者―典韋&趙雲&程昱&戯志才(?)√

 

 

 

 

 

 

 

 

それから間も無く、賊を蹴散らし終えて合流した。

 

 

 

趙雲

 

「御二方、助太刀感謝致す。私は趙子龍。以後お見知りおきを・・・」

 

 

龍蓮

 

「あの有名な常山の昇り龍か・・・オレは孫仲然。今は荊州で義勇軍の大将をやっている。で、隣が典韋。典韋はウチで将とか副官とかやってもらってる。」

 

 

 

その紹介に流琉はペコリと頭を下げた。

 

 

 

戯志才(?)

 

「あなたが今、巷で噂になっている・・・私は戯志才です。」

 

 

??

 

「・・・・・・ぐぅ。」

 

 

戯志才(?)

 

「寝るな!」

 

 

??

 

「おぉっ!?」

 

 

 

何なんだ・・・この漫才師は。とか何とか、思っていると・・・

 

 

 

??

 

「風は今、夢を見ましたのですー。それは日輪を支える夢だったのですよ。」

 

 

 

何が言いたいんだ、この子は。

 

 

 

 

「ですから、風の事は風とお呼びくださいー」

 

 

戯志才(?)

 

「ちょ、ふ、風!?」

 

 

龍蓮

 

「ですからは接続詞だろ・・・(全く繋がってない)」

 

 

 

すると、風・・・って呼んでも良いんだよな?の頭に乗っかっている人形が喋った(ということにしておいてくれ)。

 

 

 

??

 

「おぅおぅ兄ちゃん!ちょっと鈍チンだぜ?」

 

 

 

「こらこら宝譿。風の主にそんな言葉遣いは駄目ですよー」

 

 

戯志才(?)

 

「・・・・・・すみません。」

 

 

龍蓮

 

「いや、大丈夫だ。うん。」

 

 

 

何だか、どんどんと深みに嵌っていく感覚が・・・

 

 

 

龍蓮

 

「えーっと、つまり風はオレ達と一緒に来てくれるっていう訳なのか?」

 

 

 

「はいー」

 

 

 

・・・らしい。

 

 

 

龍蓮

 

「それじゃあ、とりあえず今は兗州にいる流琉の友達を勧誘しに行く最中なんだ。ちょっと遠回りになるけど良い?」

 

 

 

「もちろんですよー宝譿も良いですよね?」

 

 

宝譿

 

「おぅ!」

 

 

趙雲

 

「では、私も同行してもよろしいか?」

 

 

 

その問いに肯定の意を首を縦に振り表明する。

 

 

 

 

「じぃー」

 

 

 

と、眼差しを向ける視線の先には戯志才がいた。そして1つ溜め息を吐くと、

 

 

 

戯志才(?)

 

「すみません。私もよろしいでしょうか?」

 

 

龍蓮

 

「もちろん。」

 

 

 

こうして、2人から5人に増えて兗州の道を進んでいた。そこで落ちてきたのだ。・・・そう人間が・・・・・・

 

 

 

 


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