フォールアウト×ハンター   作:るいるい

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書き直しました。

細かい事は気にしないでください。

きっと設定に無理や矛盾が出ます。

頑張りません。

告知なく書き直されることもあります。多分。

10/22 文章を修正


グリードアイランド編
異邦人


 やや進んだ世界。VR技術が確立されて、過去のゲームの人気作をVR化が盛んになった。ある男は、友人に勧められるまま、フォールアウト4と呼ばれるゲームに手を出した。内容は、核戦争後の荒廃した世界を渡り歩き息子を探すとゆうものだ。複数の勢力が存在し、協力したり殲滅したり自由出来る。敵は人間から人型の化け物、巨大化した虫や生物。

 

 凡そ現実には会いたくない敵達を強力な武器達で粉砕する主人公。クラフトも豊富で自分だけの街を作る事も、要塞を作る事も出来る。NPCの仲間も居て旅をサポートしてくれる。

 

 そして、有志のファンによって作成された追加データが更にゲームに旨味を与えてくれる。遊びつくせない程の楽しさがあるゲームだ。

 

 この男もやり始めて直ぐにのめり込むこと、三か月がたった。そしてMOD(有志の作ったデータの総称)を調べ始める。

 

 様々なMODを厳選し、ゲームに反映させて行く。武器から始まり、敵の追加、バグ修正、グラフィックの改善、ゲーム内アイテムの種類の増加等、詰め込むこと2日。

 

 MODの中には、新しいエリアを追加するものもあった。ドンパチが繰り広げられる地域もあれば、新しい勢力が支配する島など様々だが、その中にグリードアイランドと呼ばれる島を追加するMODがあった。

 

 かのグリードアイランドだ。強欲の島。

 

 漫画HUNTER×HUNTERの中に出てくる島だ。主人公の父親が仲間達と作った死が伴うゲームの島。

 

 男はHUNTER×HUNTERのファンだった。隅々まで覚えているほどではないが大体の話は頭に入っている。

 

 MODの説明には

 「完全再現しました。ファンの方にも楽しんでもらえると思います。グリードアイランド内では主人公の能力は念能力として再現されます」

 

 男は直ぐにこのグリードアイランドMODを追加してゲーム内に潜る事にした。

 

 

 ◆

 

 

 気付いたら、俺は倒れていた。

 

 傍らには心配そうなドッグミートの顔。優しくドッグミートを撫でると違和感を感じた。毛の感触、体温の温かさ。毛をかき分けると毛の一本一本が存在している。

 

 ドッグミートの再現率が高すぎる。ありえない。VR技術が飛躍的に向上したとはいえ、毛の一本一本を処理させるのは出来ないはず。

 

 しかも、ドッグミートの犬の匂いを感じる。香りや匂いとゆうのはデータ化出来ないと言われているのにだ。

 

 匂いがない世界がVR世界であるのは半ば常識だ。なんだこれは。今の時代、完全な仮想世界への旅は出来ていない。しかし、これは現実の様に見える。

 

 普段、VRを体感しているからこその違和感。

 

 現実感が男の五感に押し寄せてくる。あり得ないと思い、しかし感覚は正直に訴えてくる。

 

 MODの完成度が高いとかのレベルではない。技術的に無理だ。と心で一人思う。

 

 思考操作でメニュー画面を呼び出したはず。しかし、現れない。もう一度呼び出す。しかし、出てこない。

 

 メニューが出ないとゆうことは、メニューからの終了は出来ない。音声入力で強制終了を掛けても反応がない。

 

 ゲームに閉じ込められた? 戻れないだと!? 

 

 俺はなんとか覚醒出来ないかとジタバタしてみるが、今の身体が動くのみで一向に戻れる感触はしない。呼吸の感覚、心臓の鼓動、目に映る世界は現実だと俺の心に訴え掛ける物があった。

 

 パニックになってはいけない。理由は分からないが今は確かめるすべもない、現実に戻る事も出来ないのだと心を整理する。今現在、意味不明な状況ではあるが悲観的な状況ではない。現状打破するのに悩むのは適当ではない。

 

 「取り敢えず、扉の先に進むしかないようだな、ドッグミート」

 

 「わん!」

 

 ドッグミートにお前は元気でいいなと声を掛ける。

 

 予想通りではあったが、幾何学模様が走る扉と廊下を通った先の部屋には女性が浮遊する椅子なのか乗り物なのか分からないものに乗って待っていた。

 

 名前を聞かれて今の外見と本名の和風な名前が不一致だ思い、咄嗟に男は彼の役名を答えてしまった。

 

 「ジョン・メイトリックスだ」

 

 俺のの中で白人でマッチョというイメージは彼であった。流石に彼そのものの名前は憚られるので瞬時に思いついた役名を口にしてしまったのだ。

 

 グリードアイランドの説明を受ける。ゲーム内で使える魔法があり、これをスペルと呼ぶ。プレイヤーは指輪をはめていれば誰でも最初から「ブック」と「ゲイン」の2つの魔法を使うことができる。

 

 「ブック」を唱えるとプレイヤーの前に専用バインダーが現れる。バインダーには、カードを収めるためのポケット(指定ポケット100箇所、フリーポケット45箇所)、操作ボタン・表示画面・スピーカーなどが装備されている。再度「ブック」を唱えるとバインダーは消える。

 

 ゲームで入手できるカードにはナンバーが付けられており、ナンバー000 - 099は指定ポケットカード、それ以外のナンバーはフリーポケットカードと呼ばれる。カードを収めるポケットはプレイヤーの任意だが、ゲームクリア条件を満たすためには、指定ポケットカードをそれぞれ番号が付けられた指定ポケットに収める必要がある。

 

 アイテムの多くは、入手すると自動的にカード化される。一部の登場人物(NPC)も倒したり救出したりすることで入手とみなされ、同様にカード化される。

 

 注意する点としては、カード化限度枚数に達しているとアイテムはカード化されない。カード化されたアイテムは「ゲイン」を唱えるとアイテムに戻る。カードを1分間連続してバインダー外に出しておくとアイテムに戻るという事。

 

 原作のHUNTER×HUNTER説明とほぼ同じ大まかな説明。

 

 簡単に言えば、100枚のカードをコンプリートしたら勝ち。ただし、カードには限度枚数があって取り合いが発生するってことだろう。

 

 ナビゲーターの女性から指輪を受け取り、その太い指に嵌める。説明を聞き終わり、階段を下りる。下り切るとそこには漫画と同じ草原が広がっている。考え深いものが自分のの中で広がって行く。単純に向かう方向について悩む。原作の主人公たるゴン達は新人を監視するプレイヤー達の視線便りに行く方向を決めていた。

 

 原作だと見られてる気配を感じて行く方向を決めていたが、自分には気配を感じる事など出来ない。今は適当な方向に一直線に向かって何もなければ戻って来るとしよう。

 

 草原を歩きながら身体の感覚を確かめる。VRになかった身体の疲労を感じると共に、鍛えられているであろう身体の体力と力強さに舌を巻く。二の腕の力こぶを見ても腕力も強力そうだ。

 

 軽く走って見るが、現実の脆弱だった肉体など比ではなく、軽快に動く足。息の上がらない心肺機能。確か、身体の元になったフォールアウトの主人公は軍人の設定であったなと思い出した。

 

 慎重は180cm以上、体重は分からないが引き締まった筋肉。顔は厳つく角刈りの軍人上がり。絶対に出会いたくない部類の外見。ドッグミートは嬉しそうにジョンと並走。軽くを彼を走り抜き、一旦止まって俺が追いつくのを待つを繰り返している。何が面白いのか尻尾はふりふり、ご機嫌だ。

 

 俺には確かめないといけないことがあった。生命線と言えるピップボーイ(Pip-Boy)の事。

 

 ピップボーイ(Pip-Boy)腕に装着する携帯型コンピューター。画面が付いていてそこから色々操作することが出来る。簡単に言えば、メニュー画面である。ここからゲーム終了やセーブ&ロードは出来ない。これこそがフォールアウトの歴代主人公がお世話になっている便利アイテムだ。

 

STAT キャラクターの状態確認および強化

INV インベントリ (所持品一覧) の確認、アイテムの使用

DATA クエストの確認、居住地の状態の確認、プレイヤーの履歴

MAP マップの確認、ファスト・トラベルの実行

RADIO ラジオチャンネルの設定

 

 ピップボーイ(Pip-Boy)のメニューは5つのカテゴリで構成されている。

 

 武器はピップボーイ(Pip-Boy)でお気に入りに設定して瞬時に装備することが出来る。試しに、フォールアウトでお馴染みの10mmピストルを出す。

 

 十分な装弾数と速射性能を持つオートマチックピストル。カスタムすれば終盤までそれなりに使える。

 

 頭で念じるだけでお気に入り登録している武器は出し入れ出来る様だ。しかも、出し入れする度にリロードされて出てくる。相変わらず便利だと一人関心する。

 

 「試し打ちはモンスターが出て来た時にでもするとしよう」

 

 

 

 ◆懸賞都市 アントキバ◆

 

 幸運にもたどり着いた街は懸賞都市アントキバだった。ゴン達が最初に訪れた街。そこら中に懸賞依頼の紙が貼ってあった。

 

 捜索依頼やや討伐依頼、アイテム調達、護衛、変わったものだと子守などもある。原作だとどんな依頼が他にあったか描写されていないので参考にならない。

 

 「報酬も金だけだったり、アイテムや情報など様々用意されている様だな」

 

 まずは日銭でも稼ぐ事にしよう。カードコンプを目指したい所だが、優先順位は低い。追々集めるが何にしても金と情報が欲しい。無暗にレアカードを入手して他のプレイヤーに目を付けられるのは勘弁してもらいたい所。あとここから脱出についてだが出来る可能性として考えられるのはスペルカードの力か。

 

 「離脱(リーブ)

 

 このスペルカードは対象のプレイヤーを島の外へ飛ばす事が出来る。それ以外には港から船に乗って島を出る事可能であったはず。

 

 この2つ以外にこの島から出る事は出来ないと思われる。抜け道でもありそうだが、ゲームマスター専用だったり、監視されてる可能性が高いと思う。

 

 試したい事が沢山ある。HUNTER×HUNTERの世界にしかもフォールアウトの主人公で来たなんてワクワクしないはずがない。ここが現実なのかは分からないが、もう流れに流されて楽しもう。その後、元の世界に戻れるのならば戻ろう。しかし、あの鬱屈とした社会に戻るのかと考えると帰る気は失せそうだ。あくまでもここがHUNTER×HUNTERの現実の世界だとしたらだが・・・。

 

 俺はいくつかの懸賞を受けて見た。期限は直ぐでもないので、アンキトバの街を散策する。都市と呼ばれるのも納得するぐらいにはアントキバの街は栄えている。

 

 この中にプレイヤーが紛れ込んでいるのだろう。目立つ行動や怪しい行動をしている者はいなさそうだ。街を行きかう人を見ながら一つ疑問が湧く。

 

 今現在は何年なのだろうと。ゴン達が来る前なのか、クリア後なのか。これは非常に問題である。クリア前なら「ボマー」に気を付けなければならない。クリア後なら原作を生で見られなかった事になる。原作ではクリア後のグリードアイランドがどうなったのか描写はないと記憶している。無くなった訳ではないとは思うがクリア報酬は無くなったのかもしれない。もしくはアップデートでもしたかもしれない。

 

 ゴン達が来る前なら本格的にグリードアイランドを攻略したくない。ゴン達が活躍するのを生で見たい。一緒に念の修行したい。ビスケの何だったか、エステの念能力やってもらいたい。

 

 しかし、ゴン達がいつここに来たのかあやふやだ。俺自身細かい年表なんて覚えてないのが現状であった。

 

 確か、ゴン達が受けたハンター試験がこちらの1999年だったのは覚えている。とすると、グリードアイランドにゴン達が入れたのはいつだろうか。それほど立ってないはずだ。多分1年以内か。今がもし1999年ならこのままゴン達を待ちながら過ごすか。それより前なら一度出てハンター試験受けたい所だ。出来ればゴン達と一緒のにな。1999年以降なら、ハンター試験を受けてから考えるとしよう。

 

 どちらにしてもハンター試験を受ける事が選択肢から除外されることはない。その為には、念の習得が必須だ。ただ、俺は既に念能力自体は備えている可能性があるだろう。

 

 「グリードアイランド内では主人公の能力は念能力として再現されます」

 

 MODの説明に書いてあった事だ。本来なら基礎から習得するのが安全でベターなのだろうと思うが、先に念能力を習得しているのではと思う。

 

 止む無く基礎を飛び越えて念能力を使った人物が原作では存在するのだから。

 

 

 

~~~アンキトバにある一軒家~~~

 

 俺にとっては初クエストの時。ワクワクする。胸が高鳴る。胸からモヤモヤした何かが上がってきて身体がムズムズする感覚を味わっていた。

 

 ここは依頼者の一軒家。目の前には憔悴しきった青年が一人。如何にもモデルなどにいそうなイケメンがそこに居た。

 

 青年の話を端的に言えば、ストーカー被害を受けている。待ち伏せは毎度の事、不法侵入は当たり前の様に行われ、会話した女性が暴行を受けた事もあったらしい。後は今日はここに泊まってストーカーを捕まえてほしいとの事。

 

 家は2階建て、寝室は2階の奥の部屋。毎夜不法侵入されていると青年は怯えた様子で話す。他の部屋で待機しても手遅れになる可能性を踏まえた結果、夜は寝室に俺も待機して襲撃を待つ形を取ろうと考えていた。

 

 時間は正午くらいだろうか、時間まで空き部屋を借りれる様に交渉すると快諾された。借りれた部屋は、ゲスト用の部屋の様でベットにテーブルと椅子が置かれている。やや、埃っぽいので窓を全開にして換気する。

 

 開けた窓から外を見るとちらほら人が道を歩いている。じっと怪しい人物はいないか見てみるが居ない様だ。相手が分かりやすいストーカーだといいのだが、何か特殊な能力でも備えていた場合厄介だ。

 

 昼間に襲撃はあるかもしれないが、毎度夜に侵入されているのだ。今回だけ昼間とは考えにくい。

 

 借りた部屋の椅子にどっかりと座る。ドッグミートはベットの上に座って神妙な顔をしている。

 

 念の件だ。善は急げで、自己流ではあるが修業をしたい。

 

 1、まずは自分のオーラを感じる事が出来る様になる事が第一関門。ゴン達は早々と出来てしまったがあれは天才故の所業だ。

 

 2、(テン)の習得。オーラは常に垂れ流されているもの。それを纏め上げて保持するのがテンだ。と思う。

 

 3、(レン)の習得。通常以上のオーラを生み出す技術。修練を積むことで生み出せるオーラの量は増える。

 

 (レン)まで出来る様になるのが当面の目標だ。どれくらいの期間が掛かるかは分からない。出来れば早めに覚えたい。目を瞑って心を落ち付ける。呼吸を整えて瞑想を開始。身体からオーラが出ているイメージをすればいいのか、無に徹するようにすればいいのか分からないが試行錯誤していく。

 

 普段やった事も考えた事もないことだ。時間が掛かるのは目に見えている。

 

 これは難しいぞ。イメージは出来る。しかし、想像出来ても感じているとは言い難い。

 

 雲を掴むようなものだ。

 

 オーラとは生命エネルギーとゆうものだろう。東洋で言えば、気。

 

 原作では、常人はオーラを垂れ流していると説明されていた。あくまで自身のイメージの中でだが、無駄に流されているオーラを自分の身体の周りに滞留させる。

 

 オーラを広げたり、圧縮してみたりとイメージの中で動かしいく。実際に動いているかは分からないが、それとともに神経を研ぎ澄ませてどんな些細なものも逃さないように心掛ける。

 

 




自分にとって映画と言えば80年代なのです。

原点はシャワちゃんです。

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