イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~ 作:シャルルヤ·ハプティズム
アーシア「······ウンディーネの·····ディネさんはとても清い目をしていますね」
ディネは俺の腕に抱きついている。可愛いやつめ。
イッセー「にしても·····八幡はよくあんなんを使い魔にしようと思うよな」
八幡「は?こいつを見てそれを言うとかお前の目は節穴か?」
普段からセクハラ発言連発してて、実際はこれか?
イッセー「ちっがぁぁぁう!!」
突然どうしたこいつは。うるせぇな。
八幡「何だよ」
イッセー「あの最初の姿だよ!女性型とか思えないだろ!」
それがなんだよ·····
八幡「こいつから使い魔になりたいと歩み寄って来たんだ。拒む理由がないだろ。こいつの可愛さを見抜けなかったお前のミスだな」
イッセー「うわぁぁぁぁっ!」
八幡「うるさい」
本当に······さっきからどうしたんだこいつは····
ザトゥージ「待て」
八幡「どうした?」
ザトゥージ「あれを見ろ」
アーシア「わぁ····可愛いです」
ザトゥージが指差した先にいたのは小型の青いドラゴンだった。あれは······
八幡「
ザトゥージ「流石だな旦那!そう、あれは蒼雷龍の子供だぜぃ!青い雷撃を使うドラゴンだぜぃ!」
祐斗「相当上位クラスのようですね」
実際、蒼雷龍は
ザトゥージ「ゲットするなら今しかないぜぃ。成熟したらゲット出来ないからな」
朱乃「イッセー君は赤龍帝の力もあるようですし····あのドラゴンとは相性がいいんではないでしょうか」
イッセー「よし、スプライトドラゴン。君に決め「ああっ!!」アーシアっ!!?」
突然悲鳴を上げたシスター・アーシアを見ると、スライムがくっついていた。スライムはシスター・アーシアの服を溶かし始めた。趣味悪いスライムだな·······
八幡「痛い痛い痛い痛い」
クルル「······この変態が」
クルルに脇腹、ディネに手の甲を抓られている。てか、お前に言われたくないんだけどクルルさん。
八幡「悪かったって······」
俺何もしてないけど。
クルル「八幡はあの元シスターの女の子の裸が見たかったのか、と思ったわ」
八幡「いやそういうわけじゃ·····」
クルル「ふぅん·····?」
朱乃「あらぁ!!」
上を見ると、スライムがどんどん降ってくる。
八幡「チッ······」
俺達3人の真上に魔力を凝縮させてスライムにも耐えられる傘を作る。リアス・グレモリー達には悪いが、この傘はこれ以上広げられるほど俺には魔力はない。いや、あるにはあるがその量を放出すると、周りに影響が出る。
祐斗「スライムか!·····うわっ!?」
木場の顔にスライムがへばりつく。あれ目に細菌とか入りそうだな····とか思ってたらいつの間にかザトゥージの顔にもスライムがへばりついていた。
八幡「おいザトゥージ。このスライムは何だ?」
ザトゥージ「このスライムは女性の衣服を溶かす以外には特に害はないぜぃ」
八幡「それは問題でしかないだろ」
特にじゃねぇよ。それだけでも十分すぎるくらい大問題だろ。
イッセー「女性の服を溶かすスライム······ハッ!!部長!俺、このスライムを使い魔にします!」
八幡「は?」
クルル「へぇ?」
お願いクルルさん抑えて·····殺気が漏れ出してるから。
朱乃「あらあらぁ!」
イッセー「ッヒョー!!やはり俺はこのスライムと!」
リアス「あのねイッセー······使い魔というのは悪魔にとって重要なものなのなのよ。もっと真剣に考えて······」
グレモリーがイッセーを説得しようとするが、イッセーは聞く耳持たず。
イッセー「考えました!やっぱりこのスライムは俺の使い魔になるために生まれてきたんですよ!!!」
イッセーの叫びを聞いてて流石に沸点まできたのか。
リアス「この······!!」
リアス・グレモリーが魔法で自分にくっついていたスライムを消した。
イッセー「のぉぉぉぉっ!!」
イッセーが悲しみの叫びが聞こえるが·····
朱乃「あらあら」
リアス・グレモリーに続いて自力で抜け出した姫島が雷撃でスライムを消し飛ばす。
イッセー「ぬぁぁぁぁっ!!!」
小猫「ふん」
祐斗「はあっ!」
更に、木場と塔城も自力で振り払う。
八幡「······何でこんなことに」
かく言う俺は、クルルとディネの2人に両脇腹を抓られながら光の矢を降り注いでスライムを消し飛ばす。
イッセー「ハッ!!······クッ」
イッセーはまだ抜け出せていなかったシスター・アーシアに抱きつく。
リアス「どきなさいイッセー」
イッセー「いやです!このスライムと俺が出会ったのは運命なんです!他人なんかじゃないんです!」
何言ってんだ······運命ってんなら赤龍帝に選ばれた方がよっぽど運命だろ。変な星の下に生まれてんなこいつ。
イッセー「おおスラ太郎!我が相棒よ!」
祐斗「もう名前まで·······」
クルル「ネーミングセンスの無さ」
ザトゥージ「森の厄介者をここまで欲しがるなんて····世界ってやつは広いぜ」
厄介者なのかよ······特に害がないのか厄介者なのかはっきりしろ。
リアス「普段はいい子なのよ·····でも、欲望に忠実すぎるから····」
イッセー「ちょっ部長!そんな可哀想な子を見る目で見ないで下さい!こいつを使って、俺は雄々しく羽ばたき───」
そこに、今まで空気だったスプライトドラゴンの雷撃がイッセーに直撃する。その余波でスライムは燃え尽きる。
リアス「スプライトドラゴンの雷撃?」
蒼雷龍「くぅ」
イッセー「なっ!?スラ太郎!てんめぎゃぁぁぁっ!!!」
再び雷撃を食らうイッセー。馬鹿だな。
アーシア「·····え?」
ザトゥージ「そいつは敵と認識したやつしか攻撃しないんだぜぃ。少年とスライムが金髪の女の子を襲ったと思ったんだぜぃ」
祐斗「と、いうことは·····」
ザトゥージ「決まりだな。美少女、使い魔ゲットだぜぃ!」
アーシア「········あ、アーシア・アルジェントの名において命ず。····汝、使い魔として契約に応じよ」
緑の魔法陣が消える。
朱乃「はい、これで終了。よく出来ましたアーシアちゃん」
蒼雷龍「く〜う!」
蒼雷龍がシスター・アーシアに飛びつく。
アーシア「く、擽ったいですラッセイ君」
イッセー「ラッセイ君?」
その蒼雷龍の名前か?
アーシア「はい。雷撃を放ちますし、一誠さんからもお名前を頂きました」
シスター・アーシアは本当にイッセーのことが好きだな····
イッセー「そっか·····よろしくなラッセイ」
イッセーが手を伸ばすと、またラッセイに雷撃を放たれる。
イッセー「あばばばばば」
クルル「懲りないねえ君は」
八幡「全くだな」
ザトゥージ「あ、言い忘れてたけど、ドラゴンの雄は他の生物の雄が大っ嫌いなんだぜぃ」
ザトゥージィ······それ言い忘れることじゃねぇよ·····
リアス「やんちゃね。ラッセイは」
イッセー「ウウッ·····どうして死んだ!我が友スラ太郎よ!あの力を、あの素晴らしい力を是非とも我が手に!」
まだ言ってんのか·······
小猫「······スケベ死すべし」
リアス「蒼雷龍は心の清い人物にしか心を開かないそうよ。普通は悪魔には下らない筈なんだけど······」
朱乃「アーシアちゃんがシスターをしていたことが影響しているのかもしれませんね」
ラッセイはシスター・アーシアに抱かれている。
イッセー「ラッセイてめぇ!アーシアに何しやがる!」
八幡「何やってんだよイッセー」
俺の足元には雷撃を食らったイッセーが転がっている。あ、ディネはもう魔法陣の中に戻しました。電撃の余波食らうかもしれんし。
クルル「中々に面白い子ねぇ。ラッセイは」
アーシア「オイタはいけませんよラッセイ君。それでは、おやすみなさい」
シスター・アーシアが魔法陣を展開すると、ラッセイは魔法陣の中に消えた。
イッセー「そういや、八幡の使い魔って他にいんの?」
八幡「いるけど、今は寝てる」
あいつ寝すぎだと思う。まぁ、使い魔として使ってるかって言うと、それよりは普通に家族として接してるが······今思えば、使い魔の契約結ぶ必要そもそもなかった気がするなアイツの場合。
イッセー「······くっそ〜俺もいつか皆の度肝を抜くような使い魔をゲットしてやる!」
祐斗「うん。楽しみにしているよ」
八幡「まあ頑張ってくれ」
クルル「八幡、私達ももう帰ろうか」
八幡「そうだな」
祐斗「じゃあ今日はここまでだね。お疲れ様でした」
イッセー「お疲れ様でしたー」
八幡「······お疲れ様」
クルル「じゃあまたね」
クルル「·····八幡はディネのことをどう思う?」
帰り道、ふとクルルがそんなことを聞いてきた。
八幡「そうだな·····まあ3人で手を繋いだ時はちょっと懐かしかった」
クルル「懐かしい?」
クルルがわかってるクセに聞き返してくる。
八幡「······分かってるクセによく言う。7、8年くらい前は毎日のようにやってたなぁってな。あれが昨日みたいに思えるよ」
クルル「······そうね」