イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~   作:シャルルヤ·ハプティズム

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第4話 新たな眷属(前編)

 

 

 

 

リアス「·····チラシ配りは今週まででいいわ」

 

イッセー「え?」

 

オカルト研究部に入部して数日経ったある日。いつも通りチラシ配りに行こうとしていたイッセーとシスター・アーシアにリアス・グレモリーが言った。

 

八幡「·····良かったじゃねぇか。やっと第1歩踏み切ったな」

 

俺? あいつ終わらせるのホント早いよなぁ。一応使い魔はいるけど、有事の際以外は好きにしてもらってる。

·····俺に懐いてないってわけではないが、明らかにクルルの方が懐かれている。俺のが若干付き合い長いはずなんだけどな······

 

 

リアス「前に言ったでしょ?チラシ配りは修行の一環よ。チラシ配りは本来使い魔の仕事なの」

 

八幡「·······良かったなイッセー。第2歩目だ」

 

リアス「チラシ配りは卒業。貴女達には使い魔を取りに行ってもらうわ」

 

 

 

 

 

 

リアス「これが私の使い魔。イッセーは会ったことあるわね?」

 

リアス・グレモリーは自身の使い魔を出現させる。

 

イッセー「え?」

 

使い魔が人型───羽根あるけど───に化ける。

 

イッセー「あーっ!」

 

大方、チラシ配りの時にでも会ったんだろう。

 

朱乃「私のはこれです」

 

姫島が出したのは、小鬼か?

 

小猫「シロです」

 

塔城はいつの間にか真っ白な猫を抱いていた。

 

祐斗「僕のは「ああー。お前のはいいや」·····つれないなぁ」

 

笑って許す木場。こいつ心広すぎだろ。俺だったら一発殴ってるかも。こういう時のイッセーはとんでもなくムカつく時がある。

 

リアス「使い魔は、悪魔にとって基本的な物よ。主人の手伝いから情報伝達。追跡に使うこともあるわ」

 

アーシア「あのぉ·······その使い魔さんはどうやって手に入れれば······」

 

リアス「それはね·····」

 

リアス・グレモリーが言いかけたところで、部室のドアがノックされた。

 

朱乃「どうぞ」

 

八幡「······うぇ」

 

ああめんどくさい。

 

 

部室を訪ねてきたのは、生徒会だった。てか多くね? いつの間に人増えたん? というわけで、気配を限界まで消して、隅っこに移動する。イッセーはシスター・アーシアに生徒会の説明をしている。

 

生徒会長、支取蒼那。正体は現四大魔王の一人、セラフォルー・レヴィアタンの妹でシトリー家の時期当主のソーナ・シトリー。

 

リアス「······それで、どうしてここに?」

 

ソーナ「お互いに下僕が増えたことだし、改めて御挨拶を、とね」

 

ソーナが微笑みながらグレモリーに言う。

 

イッセー「下僕?······あ、お前、最近生徒会に書記として入った2-Cの····」

 

ソーナ「匙 元士郎。『兵士』よ」

 

イッセー気付かなかったのか·····まぁ、仕方ないか····

 

リアス「『兵士』の兵藤一誠。『僧侶』のアーシア・アルジェントよ」

 

イッセー「へ~、お前も『兵士』か!それも同学年なんてな!」

 

匙「······俺としては、変態3人組と同じなんてな!」

 

イッセー「なっ!!」

 

匙「やるのか? 俺は駒4つ使用の『兵士』だぞ?」

 

それ言ったらイッセーは倍だろ·····いくら『王』に差があるとはいえ。

 

ソーナ「お辞めなさい匙。それに、兵藤君は駒を8つ使用しているわ」

 

匙「8つ!? って、全部じゃないですか。それもこんな冴えない奴が·····?」

 

イッセー「うっせぇ!」

 

イッセーは匙からは冴えない奴と思われている、と。

 

匙「それと······何で人間がいるんだ!」

 

うわぁ·····矛先がこっちに向いたよ。目敏く見つけやがった。

 

ソーナ「匙、やめなさい。ごめんね八幡君」

 

八幡「気にしてないぞソーナ」

 

匙「お前!会長に何て口を!」

 

こいつソーナにぞっこんかよ·····

 

八幡「何だお前めんどくさいな······ハァ」

 

ソーナ「やめなさい匙。彼は気配を消してはいるけれど、最上級悪魔よ」

 

匙「最上級悪魔!!?」

 

ソーナ眷属は全員目を見開いている。なんでバラしちゃうんだよ······気配消した意味が·····

 

八幡「そういうこった。辞めとけ下級悪魔君」

 

匙「何だと!?」

 

八幡「やるか?」

 

殺気を少しだけちらつかせる。

 

匙「っ!!?······チッ」

 

ふぅん······ま、所詮こんなもんか。まだ悪魔とか天使とかの気配は消したまま。ちょこっと殺気出しただけだ。匙一人に当てた筈なのに、グレモリー眷属もソーナ眷属も震えてる。

 

八幡「別に気にすんな。グレモリー眷属は誰一人として俺が人間じゃないことに気付かなかったからな」

 

まぁここにいて分かるのはソーナだけがギリ分かるとかのレベルだと思うが。

 

八幡「で、ここに来たのは使い魔云々だろ?お互いとも」

 

我ながら雑な話題転換だと思う。

 

ソーナ「え?あなたも?」

 

リアス「ええ。先程ね」

 

ソーナ「でも困ったわね······彼は月に一度しか引き受けてくれないし·····」

 

ザトゥージィ······お前真面目にやれよ······誰が商売の場所提供してると思ってんだ。

 

リアス「だったら、ここはお互いに実力勝負でどう?勝った方が彼に依頼することが出来る」

 

何で勝負しようとしてんのこいつ······

 

ソーナ「まさか·····レーティングゲーム?」

 

リアス「そんなまさか。まず許可して貰えないわ」

 

俺許可出せるけど黙っておこう。ソーナも言わないだろうし。

 

ソーナ「そうね。今の貴女は大事な体だから」

 

今の言葉凄い誤解を招きそうだな。

 

リアス「っ!!·······そうね、高校生らしくスポーツで勝負しましょう!」

 

 

 

そんなこんなで始まったスポーツ対決。リアス・グレモリーと姫島が生徒会と協議した結果、テニスのダブルスで対決することになったのだが······

 

小猫「·····結局のところ、いつまで経っても勝負が付きませんでした」

 

今、塔城が持っているテニスのラケットはガットがボロボロになっている。アホなのかあいつらは·····魔力使い始めたせいでテニスコートに結界張る羽目になっただろうが。監督不行届とか言われて議題に上がりませんように。

 

イッセー「·····それで、団体戦に?」

 

リアス「種目はドッチボールに決まったわ。勝負は明日の夜、体育館で」

 

生徒会と再び協議に行っていた2人が帰って来た。明日は予め結果を張っておこう。

 

今日はそれで解散となった。

 

 

 

 

夜。

 

八幡「······疲れた」

 

クルル「お疲れ様八幡」

 

家に帰ってきた俺はソファーに倒れ込んだ。そして、今はクルルの膝枕に与っているところである。

 

クルル「······明日、私も行っていい?」

 

八幡「まぁいいけど。ソーナはお前を知ってるし」

 

クルル「なら決まりね」

 

八幡「でも俺達は見るだけだからな」

 

クルル「えー、それじゃつまんないじゃない」

 

そう言われてもな·····

 

八幡「俺達が出て行ったら瞬殺しちゃうだろ」

 

特に匙とか、匙とか、匙とか。全部匙でした。生徒会側に回ればイッセーが標的になるだけだし。こいつそういうの嬉々としてやるからな······

 

クルル「ま、それならしょうがないか」

 

八幡「悪いな。あんま構ってやれなくて」

 

クルル「子供扱いすんのやめなさい」

 

八幡「······態とやってんのかと思ってたわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の夜。

 

八幡「······おいイッセー。アホなこと考えてないで試合に集中しろ···って遅かったな」

 

小猫「ふんっ」

 

イッセー「ぎゃぁぁぁっ!!!」

 

目の前でイッセーが塔城に背中を押されてストレッチしていたが、思いっ切り押されて背中からここまで聞こえるくらいでかい音がした。こいつ体固っ。

 

朱乃「そう言えば·····何故ツェペシさんがいるのですか?」

 

クルル「それは私が八幡の『女王』だからよ。朱乃」

 

クルルがそう言うと。

 

「「「「はぁぁぁあっ!!?」」」」

 

騒ぐな騒ぐな。言ってなかっただけでそんな驚くか?

 

朱乃「全く気付きませんでしたわ」

 

クルル「私も気配を消してるからね。出す必要がないもの」

 

一つ言っておくと、クルルは駒王学園の3年生である。姫島はクラスメイトなんだとか。

 

八幡「あ、俺もクルルも試合には出ねぇからな」

 

イッセー「何でだよ!!というか、マジの朱乃さんみたいな『女王』なのか!! クソッ·····こんな可愛いロリッ娘が·····!!」

 

八幡「先に言っとくが······クルルに手を出したら分かってるよな」

 

殺気をチラつかせてイッセーを威圧。こんなことしなくても、兵藤一誠程度ならクルルは寝てても返り討ちに出来るだろうが、一応。

 

イッセー「わ、分かりました!!!」

 

八幡「ふーん······ならいい。それと、試合に出ない理由だが、単純に力の差がありすぎるってだけだ」

 

イッセー「······そうですか」

 

 

 

 

 

 

オカルト研究部チームはイッセーとシスター・アーシアが徹夜して作ったらしいハチマキを巻いて、試合が始まった。始まったんだが·····

 

アーシア「·····ドッチボールって、こんなに怖いスポーツだったんですね!」

 

イッセー「最早なんの勝負だか分かんねぇよぉ!!」

 

俺とクルルで結界張り直しといてよかった。でないと体育館ボロボロになってるからな。

 

匙「会長!まずは兵藤を狙いましょう!」

 

匙の言葉を受けたソーナがシトリー流なんとかって魔球を放った。あの玉なんで追尾機能あるんだよ。避けきれないイッセーの股間にボールが直撃。おい、クルル。そんなに笑ってやるな。しかも他が弔い合戦とか言い出した。

 

 

 

 

その後、塔城が匙の股間にボールを直撃させ、ソーナが一人になったところで時間切れ。オカルト研究部の勝ちになった。

リアス「······では約束通り、使い魔はこちらが優先させてもらうわ」

 

ソーナ「ええ。悔しいけど結構楽しめましたし。でも、こんなお遊びではなくレーティングゲームだったら私は負けません」

 

リアス「私だって、幼馴染みの貴女に負けるつもりはないわ。まぁ、随分先のことになりそうだけど」

ソーナ「そうですね。ではお疲れ様でした。八幡君とクルルちゃんもまた。それでは失礼します」

 

八幡「ああ」

 

クルル「またねソーナ」

 

そう言って生徒会は去っていった。

 

 

イッセー「うん·····レーティング、ゲーム······?」

 

 

 

 

 

 

 

数時間後。

 

 

イッセー「······ここは?」

 

八幡「使い魔を手に入れられる森だ」

 

オカルト研究部はさっきまで祝勝会を開いていたらしい。俺とクルルは一旦家に帰った。そして、今合流した。

 

祐斗「僕達もここで使い魔を手に入れたんだよ」

 

小猫「······はい」

 

アーシア「······なんだか、薄気味悪い森です·····」

 

イッセー「ああ。何か出て来そうだ」

 

「ゲットだぜぃ!!」

 

イッセー「うわぁ、出たぁ!!」

 

アーシア「ひっ!!!」

 

八幡「······何やってんだザトゥージ······」

 

ザトゥージ「よう!俺は使い魔マスターのザトゥージ!俺にかかればどんな使い魔も即日ゲットだぜぃ!」

 

そう言って両手でアルファベットのGの字を作るザトゥージ。

 

クルル「あらザトゥージ。久しぶりね」

 

ザトゥージ「おおっ!! 八幡の旦那! 久しぶりだぜぃっ!!」

 

八幡「相変わらずだなお前は······」

 

あの格好は恥ずかしくないのか。てか、ポケモンの主人公と丸かぶりしてるような······いや、これ以上は言ってはいけない。

 

朱乃「彼は使い魔マスターといって、使い魔に関してはプロフェッショナルですのよ」

 

イッセー「へ~」

 

ザトゥージ「そんで、どんな使い魔がお望みだ!? 強いのか!? 速いのか!? それとも毒持ちか!?」

 

イッセー「そうっすねぇ、可愛いのとかいないっすかねぇ。女の子系で!」

 

お前、こんな所でも相変わらずか。

 

ザトゥージ「チッチッチッ。これだから使い魔素人は困るんだぜぃ。使い魔ってのは強くて有能な奴を捕まえてナンボだぜぃ!すなわち、個体の能力が高くて、かつ自身と相性のいいやつでないと······」

 

早くもイッセーに呆れかけているザドゥージが話し出す。

 

アーシア「あの、私も可愛い使い魔が欲しいです······」

 

ザトゥージ「分かったよん」

 

おいお前、さっきまでの態度はどこへやら········

 

アーシア「ありがとうございます!」

 

イッセー「お前なぁ······」

 

 

 

 

 

 

俺達がまず向かったのは湖。ザトゥージ曰く、ここに水の精霊ウンディーネがいるらしい。イッセーは美人を想像していたが、ウンディーネって多分あれだよな。

 

イッセー「おぉ!来たァァ!」

 

八幡「·······やっぱりな」

 

クルル「予想通りだねー」

 

ウンディーネ「······だァァァッ!!!」

 

雄叫びを上げながらガチムチボディでレスリングをするウンディーネが2人。

 

 

······何故精霊がパワー型なのか。気にしても詮無いことだが。

 

イッセー「なぁっ!?」

 

ザトゥージ「あれが水の精霊ウンディーネだぜぃ!」

 

イッセー「う、嘘だ·····」

 

イッセーが何か水浴びに来た格闘家とか言ってる。なんて傍目で見てたら、何か俺のところまできて突然跪いた。

 

 

八幡「·······俺の使い魔になりたいのか?」

 

疑問に思いながら尋ねてみると、ウンディーネは首を縦に振る。

 

イッセー「お、おい八幡マジかよお前······」

 

その一方で、イッセーはこの世の終わりが来たみたいな表情で俺を見ていた。流石に失礼だぞオイ。

 

八幡「一応確認するが、使い魔ってのは何体いてもいいんだよな?」

 

ザトゥージ「もちろん構わないぜぃ!」

 

八幡「よし。ウンディーネ、俺の使い魔になれ」

 

俺がそう言うと、ウンディーネが光だし、ウンディーネの容姿が変わる。

 

ウンディーネ「·······」

 

光が収まると、ウンディーネはもう一度跪いて、頭を下げた。

 

クルル「可愛いじゃない」

 

クルルには僅かに劣るがそれでも充分可愛い女の子の姿になった。背は俺の腰くらいまで縮んで、服は白を基調としたワンピースに変わった。なるほど。人の心で判断するようなやつか。俺の心が綺麗かって言われたら確実に違うが。

 

イッセー「なぁぁぁぁっ!!?」

 

八幡「契約成立だな」

 

頭を撫でつつ、ウンディーネの足元に緑の魔法陣を出す。

 

八幡「我が名において命ずる。汝、使い魔としての契約に応じよ」

 

ウンディーネに魔法陣が吸い込まれる。これで契約成立だな。

 

八幡「よろしく。ウンディーネ」

 

クルル「この子に名前を付けない?」

 

名前、名前か······まぁこういう場合は分かりやすい方がいいのか?

 

八幡「そうだな······じゃあウンディーネだから·····ディネってところか?」

 

クルル「安直ね」

 

そう言うとウンディーネ······いや、ディネは嬉しそうに飛び跳ねる。可愛い。

 

イッセー「·····ウウッ。何でだよ·····八幡ばっかり」

 

自業自得だろ·····

 

小猫「自業自得」

 

ザトゥージ「よし。なら次に向かうぜぃ!」

 

 

 

ザドゥージの一声で、俺達は次のポイントに向かった。

 

 


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