イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~   作:シャルルヤ·ハプティズム

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今の今までずっと書き忘れてましたが、八幡の目は腐ってません。(気付いてた人多いと思うけど)



第53話 それは因果応報だったのか

 

 

 

 

八幡side

 

俺達は二条城の敷地を進み、『櫓門(やぐらもん)』を潜る。

 

古い日本家屋が立ち並ぶ場所は、ライトアップされていないため、人外の視力がないとほぼ何も見れないだろう。

 

八幡「······着いたか」

 

そう言った途端、先頭を歩いていた俺の全周囲から、ミサイルと思しき物が飛んでくる。それを、魔力弾で全て撃ち落とす。爆発が周囲に広がる前に、それも全て魔力で覆って圧縮して消滅させる。

 

八幡「よぉ······随分手荒な歓迎だな。曹操」

 

「なっ······!? 『超人による悪意の波動(デトネイション・マイティ・コメット)』が全て撃ち落とされた!?」

 

曹操「流石は『堕天魔』······やはりこの程度の攻撃など不意打ちにすらならないか」

 

今のこの巨体の男はヘラクレス。ギリシャ神話に伝わる、人から神になった英雄の子孫である(らしい)。

 

神器(セイクリッド・ギア)は触れた物を任意で爆発させる『巨人の(バリアント・)悪戯(デトネイション)』。禁手(バランス・ブレイカー)は、今やられたようなミサイルを体から生やして撃ち出す、『超人による悪意(デトネイション・マイティ)の波動(・コメット)』だったか。

 

この情報は、2人から(・・・・)暗号化して齎された物だ。

 

さて、その2人はと言うと、随分とまぁ好戦的な笑みを浮かべていた。うちの若い世代の奴らには戦闘狂が多い気がする。ヴァーリ然り、こいつら然り。ギャスパーは違うと信じたい。

 

······最近のギャスパーの特訓を見てると、ヴァーリと組み手したり魔力の砲撃合戦したりと、ちょっと······いや、結構ヴァーリ辺りに毒されてるような気がしないでもないが。

 

八幡「囲まれたか······まあ分かっていたが」

 

建ち並ぶ家屋の屋根の上には英雄派の制服を着た者達が、俺達を包囲していた。 ゲオルクが、『絶霧(ディメンション・ロスト)』で転移させていた。

 

 

このくらいなら何とでもなるか。問題は八坂だな。

 

 

曹操「······ゲオルク」

 

ゲオルク「······ああ」

 

曹操がゲオルクに呼び掛けると、ゲオルクは魔法陣を開き、虚ろな目をした八坂を呼び出した。洗脳······いや、催眠か。なら、解除するのはそこまで難しくはないだろう。

 

これが、洗脳だったら、この場で救出出来るかすら怪しい。俺達は攻撃出来ないが、向こうはバンバン攻撃してくるからな。催眠なら、本人の自我は眠っているという感じだから、術式を解除すればいい。洗脳は本来の自我がないに等しいからな。

 

紫陽花「八坂様!!?」

 

紫陽花が八坂を見て叫ぶ。

 

曹操「······やれ、ゲオルク」

 

曹操が再びゲオルクに促した時だった。

 

八坂「······う······うぅぅ······うあぁぁぁああっ!!」

 

突如八坂が悲鳴をあげ、体が光り出す。

 

光が収まると、九尾としての本来の姿の八坂がそこにいた。体躯はだいたい10mで、エクスカリバーで『支配』して、今ヴァーリのとこにいるフェンリルと同じくらいの大きさだ。

 

クルル「暴走させたのね·······!!」

 

曹操「ご名答。貴方方に対抗するにはこうでもしないと」

 

あまり状況は芳しくないな·······兎にも角にも、八坂をゲオルクから引き剥がさないといかん。

 

八幡「······クルル」

 

クルル「ええ······『魔の鎖(グレイプニル)』」

 

クルルが掌を八坂に向ける。掌には小型の魔法陣が開き、複数の鎖が飛び出し、八坂の胴体に巻き付く。

 

八坂「ぐがぁぁっ!!」

 

『魔の鎖』の効果で、八坂が弱体化し始める。

 

『魔の鎖』には、触れた者の異能を弱体化させる効果を付加させている。ここから、離れた所まで八坂を連れて行けば、クルルと紫陽花······あと1人2人いれば十分の筈だ。

 

クルル「ごめんなさい八坂······はぁっ!!」

 

クルルが鎖を両手で握り、遠心力も利用して、思いっきり後方に八坂を吹っ飛ばす。

 

クルル「行くわよ紫陽花!!」

 

紫陽花「分かりました!!」

 

クルルが紫陽花を連れて離脱する。

 

八幡「メリオダス、(たばね)、お前らもクルルの方に行け」

 

メリオダス「おう!!」

 

束「分かったよはーくん」

 

クルルと紫陽花の後を追うようにメリオダスと束も離脱する。

 

ゲオルク「······曹操、どうする?」

 

曹操「九尾の姫君はあくまであちら側を分断するための餌だ。別にそのままでも構わないが······ジーク、ジャンヌ、ヘラクレス、向こうが戻って来ようとしたら足止めしてくれ」

 

ジーク「了解だ」

 

ジャンヌ「仕方ないわね····分かったわ」

 

ヘラクレス「チッ······比企谷八幡に一発入れたいとこだが仕方ねぇ」

先ずヘラクレスが。次にジャンヌが。最後にジークが俺の真横を通り過ぎて行った。

 

·······おい、アイコンタクト取ろうとするなよ。バレるだろ。

 

アザゼル「おい八幡。よかったのか?」ボソッ

 

3人がクルル達を追いかけていった直後、アザゼルが小声で問いかけてきた。

 

八幡「ああ······向こうは大丈夫だ(・・・・)。それに、もし最悪の事態になったら紫陽花と八坂だけでもこの空間から逃がす」ボソッ

 

本当はクルルとメリオダスと束も逃がしたいが。

 

アザゼル「······そうか」

 

取り敢えずは納得したらしい。

 

 

八幡「······で、お前ら2人とアンチモンスターだけで俺達を相手にするつもりか? 『魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)』のレオナルドはここにはいないぞ?」

 

エクスカリバーを亜空間から取り出しつつ言う。

 

余談だが、『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリー)』は、アーサーが持っていた『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』と共に教会に送った。錬金術の研究に使うらしい。俺もアーサーも、他にもっと強力な聖剣を持っているので、何も問題はなかった。

 

曹操「まさかそこまで掴んでいるとはね······まあいいさ。八幡殿の相手は彼等(・・)に任せるからね」

 

曹操がそう言った瞬間、俺の横に黒い霧が発生した。そして、中から振られた光剣を体を捻って躱す。

 

八幡「チッ······!!」

 

·······こいつらの封印まで解いたのかハーデスは!!

 

「久しぶりだなぁ小僧!! いや、比企谷八幡!!」

 

アザゼル「なっ···!!? てめぇ何でここに!?」

 

八幡「·······ハーデスがやったのか。お前が来るとは思わなかったな、コカビエル」

 

コカビエル「ハハハハッ!! 俺は言った筈だぞ!! 賽は投げられたと!! さあ、戦争の続きをしようではないか!!」

 

·······俺に斬りかかってきたのは、4ヶ月前に駒王学園を襲撃したコカビエルだった。

 

その時、真後ろに『絶霧』の霧が発生したのを感じ、反射的に『塵外刀(じんがいとう)真打(しんうち)』を左手に持って後ろに振る。

 

『塵外刀・真打』の刀身に魔力弾が直撃し、明後日の方向に反射して飛んでいった。

 

「我等を忘れるな。烏の幹部が」

 

霧が晴れ、2人の男が現れる。

 

セラフォルー「······っ!? 彼等はハチ君が封印した筈じゃ······」

 

八幡「てめぇらまで来たのかよ。シャルバ・ベルゼブブ。クルゼレイ・アスモデウス」

 

シャルバ「そうだ!! 貴様を殺すため、堕天使に、更には下等な人間如きにまで我等の偉大な力を貸すという屈辱に次ぐ屈辱に耐えてここに来た!! さあ死ね!! 『堕天魔』!!」

 

クルゼレイ「そうだ。我等こそ至高の種族。その誇りを穢し、あまつさえカテレアを殺した貴様は万死に値する!!」

 

霧が晴れ、そこに居たのは、俺達が壊滅させた旧魔王派の首魁の内の2人、シャルバ・ベルゼブブとクルゼレイ・アスモデウスだった。

 

 

 

八幡sideout

 

 

 





シャルバとクルゼレイ、コカビエルがここで再登場。ハーデスはアンチマジックで凍結の封印を解除しました。そして、八幡達と英雄派の戦いに投入されました。

ハーデスにとっては八幡は一番厄介な存在なのです。


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