イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~ 作:シャルルヤ·ハプティズム
テストが~!! テストがあるんですよ〜!!
(······他の作者の方みたいにやってみたけど、自分がやると凄いキモイな······)
······俺とクルル、紫陽花は、自分達に認識阻害の術を掛け、京都を歩いていた。
当然、観光などではない。観光するなら紫陽花連れて来ないし。そもそも、そんなことしてる暇ないからな。
メリオダスは、俺達とは別の場所から見張っている。
九重「······ここ、天龍寺は景色が絶景なのじゃ。何せ、世界遺産に登録されるほどじゃからな」
イッセー「······へぇ、凄いな。ここが
九重「そうじゃろう」
俺達がこうしている理由は、先ほどの九重の謝罪の時にある。
九重『せめてもの詫びとして、お主達の京都観光を案内をさせて欲しいのじゃ。悔しいが、私には母上を助ける力もなければ、八幡やクルルに泣きつくようなことしか出来ない······釣り合わぬかとは思うが······』
と、いうわけだ。
別に、それを俺が否定するわけではないが、八坂が襲われた以上、九重の身も安全とは到底言えない。もし『
だから、気配を消して、一定の距離を保ちながら前を行くイッセーや九重達の後を追っているわけだ。当然、イッセー達からは許可を取っている。あそこで事情を説明しなかった俺にも非がないわけでもないし、後を付けられるのは気分がいいわけないしな。
一行は、庭園の景色を堪能しつつ、最後に法堂に向かう。
堂内に入り、一番目に付くのは天井······『雲龍図』だろうな。長い体をもつ、所謂東洋タイプのドラゴンが描かれている。尚、この絵は『八方睨み』と言う仕組みで、何処から見ても睨まれているように見える。
何度見てもこの絵を見ると、『
その後、九重はイッセー達を二尊院や竹林の道に案内した。途中、湯豆腐屋に寄って、イッセー達と湯豆腐を食べたりと、自分も楽しんだようだ。今は渡月橋に向かっている。
ここ数日、ずっと暗い顔していただけに、年頃の女の子の顔を見せていたことに、俺達も一息つけた。九重に案内させるのは、せめてものメンタルケア的な意味もあったからな。むしろそういう意味合いのが強い。でなければ、九重に案内させないし。
これには、側近である紫陽花も緊張していた表情を少し和らげていた。
······引率の癖に昼間っから浴びるように酒飲んでたアザゼルとロスヴァイセにはほとほと呆れたが。というか、ロスヴァイセ酒癖悪過ぎだろ。
まぁオーディンのじいさんの付き人やってたストレスなんだろうな···········ッ!!!!
あいつら、こんな所で使うのか······!!!
クルル「······八幡」
八幡「······ああ。クルル、後は頼んだ」
紫陽花「いったい······?」
クルル「······分かったわ。でも、絶対に無理はしないこと」
八幡「······分かった。お前もな」
クルル「もちろんよ」
クルルがそう言ったのが聞こえた瞬間、俺の体を生暖かく、気持ちの悪い感覚が包んだ。
·············俺が、周りを見渡すと、周囲には俺以外の誰もいなかった。念のため、周囲を探るが、メリオダス以外誰もいない。
そして、俺の足下には霧が立ち込めていた。
どうやら、
八幡「······さてと」
俺は亜空間から破壊されなかったエクスカリバーを取り出した。エクスカリバーらバチバチとオーラを迸らせている。尚、壊された方の『
メリオダス「······お、いた」
八幡「よぉメリオダス。無事か?」
メリオダス「まあな。にしても、流石八幡だな。『
八幡「まぁ······向こうの『絶霧』所有者が魔法使いだったから何とか干渉出来たんだけどな」
さっき俺がやったのは、メリオダスの言った通り、『絶霧』による転移の対象を俺1人に書き換えたのだ。と言っても、対象か。メリオダスだけは外さなかったんだが。
干渉出来たのは、向こうの所有者がゲオルグ······魔法使いだったからだ。おそらく、自分に掛かる使用に対する負担を軽減する魔法か何かを掛けているんだろう。そこから干渉出来た。
······何で発動したのを察知出来たかは分からん。何故か分かった、としか言いようがない。今までも何度かあったが、俺はいったいどうなってんだ?
その時、突如、目の前に霧が立ち込め、霧の中から複数の人影が姿を表した。
「······ゲオルクによる転移に邪魔が入ったかと思ったら、貴方でしたか。『堕天魔』比企谷八幡殿」
そして、先頭に立っていた、学生服の上に漢服を羽織り、聖槍を手にしていた黒髪の青年······曹操が俺達に挨拶してきた。
八幡「······よぉ曹操。随分久しぶりに会ったと思ったら、テロリストとはな。帝釈天から何か言われたか?」
曹操「いえいえ。俺達『英雄派』は『人間』の限界を知りたいだけですよ。いつだって、超常の存在を倒すのは『人間』でなければならない」
八幡「······神を滅ぼす力を使って妖怪を攫ってまでか?」
こいつらが犯人であることは、とっくに知れている。 反応からして、特に動じてないな。まぁ俺に会った程度で動じるような奴がこんなでかいことを仕出かすことなんて無理だが。
曹操「彼女には我々の実験にお付き合いしていただくのですよ。
スポンサーの1人······? 誰だ?
八幡「そうかい。それで? 何で態々俺に挨拶なんぞしに来たんだ?」
曹操「隠れる必要がなくなったもので、実験の前に挨拶でもしようかと思いまして。本当なら、アザゼル総督と赤龍帝殿にもお会いしたかったのですが······貴方の邪魔が入ったようだ」
曹操が手に持っていた聖槍を構える。
八幡「······そりゃあ何よりだ」
俺はエクスカリバーを構え、メリオダスも、黒い鞘に金の装飾が施された短剣を取り出す。
曹操「······と、思ったが、今ここで、超常の代名詞とも言われるほどの貴方とやるのは、随分と分が悪い」
突然、曹操は構えを解いた。
曹操「······比企谷八幡殿。我々は今夜、この京都という特異な力場と九尾の御大将を使い、二条城で実験をします。観覧したかったら是非とも。ゲオルク」
ゲオルク「······ああ」
ゲオルクは『絶霧』を使ったようだ。この場にいる全員が霧に包まれる。
······転移先は······俺とメリオダスは元居た渡月橋か。向こうの転移先は······探れそうにないな。早速こちらの干渉を妨害する魔法を使いやがったか。
僅か数瞬、霧が晴れると俺は元居た渡月橋の近くにいた。
周りを探ってみると、メリオダスも、転移される前の場所に戻されたようだ。
九重達、そして、後ろから着いていってるクルルと紫陽花は既に渡月橋に着いたようだ。ゲオルクに結界内に
八幡「······さて餓鬼ども。少しばかりお灸を据えんといけんようだな」
異常な視力によって二条城を見ながら、俺はそう口にして、ゆっくりクルル達の後を追うことにした。