イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~ 作:シャルルヤ·ハプティズム
アザゼルside
リゼヴィム、だと······!? こいつ、本気で······!?
······リゼヴィム・リヴァン・ルシファー。ヴァーリの祖父であり、前ルシファーとリリスの間に生まれた男だ。今は姿を晦ましてるが列記とした「超越者」の一角だ。聖書には「リリン」という名で記載されている。
しかし『クリフォト』ね······リリンだのと散々持て囃されたあの男がその名でテロリストか······引っ掛かるな。
アザゼル「おい八幡。『クリフォト』の狙い、拠点、その他戦力についての情報は?」
八幡「······残念ながらほぼない」
アザゼル「はぁ!?」
よくそんなんで狙おうなんてしてるな······らしくない、こいつにしては早計すぎる。
八幡「そもそも、『クリフォト』自体、他の派閥と関係が薄くてな。俺達が知り得たのだって、偶々ディオドラが耳にしたからで、ヴァーリチームには存在すら知らされていなかったからな」
アザゼル「······そんなんで大丈夫かよ」
奴は何考えてるかさっぱり分からねえからな······
それはともかく、『禍の団』は派閥ごとに別々の理念で動いていると見てもいいな。少なくとも、クリフォトは旧魔王派とは表立った協力はしていないと見ていい。決め付けすぎんのもよくないが、これぐらいははっきりしたと見て問題ないだろう。
八幡「まあこれに限って言えば
確かにあいつの性格なら、従兄弟(勝手にやられた)の八幡と、孫のヴァーリがいるなら何かしら行動を起こす可能性もある。それが分かってるから、ヴァーリ達まで連れてきたのだろう。
私怨、か······まあ隠居しようとして早々、ルシフェルはいつの間にかルシファー家の者という扱いでやりたい放題やられたし、ヴァーリも孫ってだけあって、かなりあったろうからな······あいつは怒りに震えているが、両手を強く握りすぎて指が掌に食い込んでるほどだ。
言ってる八幡も何食わぬ顔をしてるが、殺気を隠しきれていない。相当だな······こりゃ。そこに北欧のジジイが口を開いた。
オーディン「······ルシフェルの息子よ。今その話はしても意味無いと思うがのぉ。今は、英雄派が先決じゃろうが」
八幡「······それも、そうだな」
「「「「「「「!!!!!?」」」」」」」
なっ······!? このジジイどうしてそれを!? それはトップシークレットの筈だぞ!? 天界ではミカエルしか知らないし、『
八幡「······いや、そりゃまあ向こうが行動起こさないと、情報が入ってこないのは確かだが、表立って活動する以上、好評しないと拙いだろ。色々と」
何で、八幡達は平然としていられる······!?
オーディン「それもそうじゃの。お主の言うことも一理あるのぉ」
アザゼル「おいジジイ!! 何で八幡がルシフェルの子どもだって知ってんだよ!?」
オーディン「騒ぐでないクソガキ。昔、ルシフェルが赤ん坊の此奴と共にわしの下を訪れてのぉ······その時、『ミーミルの泉』の水を飲ませろと言ってきての。気配は覚えておったんでのぉ」
その言葉に俺達全員が絶句した。と言うか、八幡もクルルも驚いていた。え、お前らも知らなかったの!?
八幡「それは俺初耳なんだけど······クルルは知ってたか?」
クルル「私も知らなかったわ······」
オーディン「そりゃそうじゃろう。彼奴は自身の光力と引き換えに泉の水を手に入れよったからのぉ」
光力と引き換えに、だと!? それは二度と戦えなくなるのに等しいことだぞ······!?
ルシフェル、血迷ったのか······? それとも······
八幡「お袋は知識だけ得て何しようとしてたんだ·······?」
オーディン「泉の水を飲んだのはお主じゃがの」
八幡「······俺に飲ませてなんの意味がある」
オーディン「お主は今まで何らかの術で気付かなかったようじゃがのぉ。その様子だと、今もまだ得た知識は駆使出来んのじゃろう。何が目的であのようなことをしたのか······はてさて、儂にも分からんよ」
そうかあいつ······いや、結婚すらしてない俺の推測なんて無粋もいいところか。
リアス「ちょっと待ってちょうだい!! ルシフェル!? ミーミル!? どういうことなのかしら!?」
見ると、リアスの眷属一同(ギャスパー除く)とシトリー眷属一同は皆それに頷いていた。
まあ······ルシフェルの存在を利用してルシファー家が好き放題やったが、『
俺達も驚いているが、顔に出していないだけだし······
サーゼクス「落ち着きなさいリアス。『ミーミルの泉』の件に関しては、私も驚いたけどね」
リアス「ですが、お兄様、突然言われても何がなんだか······」
その時、サーゼクスが横目で八幡を見、八幡はそれに頷いた。八幡は自分の身分を正式に明かすらしい。冥界の上層部は八幡が睨めばどうにでもなると思うが、大きな騒ぎになることは間違いないだろう。それも踏まえて、リゼヴィムを刺激するのかもしれん。
サーゼクス「比企谷八幡は────亡き堕天使ルシフェル様の実の息子だよ」
その言葉に知らなかった者は仰天していた。
ヴァーリ「言っておくが、悪魔のルシファーとは別物だからな」
と、ヴァーリがリアス達に向いて言う。
······ヴァーリが言うとは思わなかったよ。ルシファーの血より、血が繋がってなくともルシフェルの
リアス「ギャスパー······あなた知っていたの?」
ギャスパー「はい。お父様には絶対に言うなと」
リアス「そ、そう······」
まあギャスパーの言うことは尤もだしな······こんなこと、絶対に三竦み内で混乱を招く。
アザゼルsideout
八幡side
まさかお袋が『ミーミルの泉』の水を求めて、北欧まで行っていたとは。しかも光力を代償にしてまで手に入れた水を、何故俺なぞに飲ませたのか。
あの後、会議は若干
黒歌と白音については当人達に任せることにした。黒歌がそうしたいと言ったからだ。
更にその3日後。オーディンを連れて、京都にて日本神話から使いとして派遣された九尾の八坂と対談。
北欧神話は日本神話と協定を結べたし、『D×D』も活動にある程度の協力をしてもらえることになった。まあ······ある程度が何処までなのかは俺達が考えるしかない。日本人ってのは、こういう時面倒だな。
そしてもう一つ言えば、会議では、オーフィスのことについては完全に伏せた。会議の翌日、アザゼルだけを呼び出して、オーフィスに会わせた。アザゼルの驚き様は半端じゃなかったが、こちらの協力もしてくれるらしい。というか、せざるを得なくさせたわけだが。
オーディンにも聞いてみた結果、最低でも『
まあ向こうはオーフィスが居なくなったとバラせるわけがないので、すぐにバレる可能性はそこまで高くはないだろう。
オーフィス自身についても、ヴァーリにくっ付いているが雰囲気からある程度察せるようなので、そこまで問題ではない。こっちの言い分にも耳を傾けてくれるし。
そうして、
冥府のハーデスと完全に連絡を取れなくなったのだ。