イレギュラーは家族と共に 〜ハイスクールD×D'sバタフライエフェクト~   作:シャルルヤ·ハプティズム

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第34話 お見舞い

 

八幡「······よ、オーフェリア。元気だったか?」

 

黒歌を見えない所で人の姿に戻させてから、俺達はオーフェリアの病室を訪ねた。

 

オーフェリア【父さん久しぶり。母さんとギャスパーも。ヴァーリと黒歌は1ヶ月ぶり】

 

相変わらずの筆談だが、あの頃からは想像もつかないくらいに表情豊かになった。カルナも元気に生活している。

 

ヴァーリ「姉さん、久しぶり」

 

クルル「久しぶりね。オーフェリア」

 

ギャスパー「お久しぶりです。お姉様」

 

黒歌「久しぶりにゃ。オーフェリア」

 

それぞれが挨拶を済ませたところで、病室のドアが勢いよく開いた。

 

カルナ「お母さんただいまー!!」

 

オーフェリア【おかえりなさい。カルナ】

 

カルナはこの病院の近くにある学校に通いつつ、基本毎日ここに来ている。俺がずっと見ててやれないのが悔やまれるが、うちの眷属に代わる代わる迎えに行ってもらっている。

 

三日月「······ダメだよカルナ。病院の中を走っちゃ」

 

今日はミカが当番だ。カルナはすごい明るい性格で、時々突っ走るところが玉に瑕。

 

三日月「あ、八幡達帰ってたんだ。久しぶり」

 

八幡「ああ。久しぶりだなミカ」

 

ミカに返事を返したところで、背中に重みがかかった。

 

カルナ「おじいちゃーん!!」

 

八幡「いきなり危ないぞ?カルナ。後、病院内も走るなよ?」

 

カルナが背中に飛び付いてきた。

 

カルナ「ごめんなさい」

 

八幡「分かったならいいよ」

 

カルナ「あ、おばあちゃんだ!!」

 

俺の背中から飛び降りて、今度はクルルに飛びつく。

 

クルル「久しぶりねカルナ。元気だったかしら?」

 

カルナ「うん!!」

 

カルナはオーフェリアをお母さん、俺をおじいちゃん、クルルをおばあちゃんと呼ぶ。が、若干ややこしいのだが、ヴァーリとギャスパーをヴァーリ兄、ギャスパー兄と呼ぶ。ギャスパーは長らく会っていないので、今までのように接せれるのか少し不安な気もしないでもないが。

 

カルナ「ヴァーリ兄久しぶり!!」

 

ヴァーリ「ああ、久しぶりだなカルナ」

 

ヴァーリには抱きつかないが、ヴァーリに頭を撫でてもらいすごい気持ちよさそうにしている。ヴァーリは俺やクルルが撫でてくれたようにやっていると言うが、クルルは兎も角、俺が撫でるのにそんなに効果があるのか?

 

カルナ「··········もしかして、ギャスパー兄?」

 

凄いな。一発で分かるか。3年ってこのくらいの歳の子にとっては凄い長いと思うんだが。

 

ギャスパー「!!······うん。久しぶりだね。カルナ」

 

カルナ「うわーん!!ギャスパー兄だー!!」

 

そう言ってカルナは涙目になりながらギャスパーに抱き着いた。会えないというのは、やはり寂しいよな。俺達だって寂しいのだ。当時9歳のカルナが寂しくないわけないか。

 

ギャスパー「よしよし。泣かないでカルナ」

 

黒歌「むー·······」

 

カルナ「黒歌姉には渡さないもん!!」

 

黒歌「にゃにゃっ!!!?///」

 

因みに、黒歌のことを黒歌姉と呼ぶ。尚、メリオダスをメリ兄、ミカはミカ。勝永は勝永おじさん、桃花は桃ちゃんと呼ぶ。おじさんと呼ばれた時の勝永の表情が硬直したことには一瞬吹き出しかけた。しかしすぐに持ち直して話しかけていたのは流石だ。アーサーはアーサーさん。ルフェイはルーちゃん。美猴は······なんだっけ?

 

ギャスパー「お、落ち着いてカルナ」アセアセ

 

カルナ「いや!!ギャスパー兄は私の!!」

 

一番歳が近いギャスパーに一番(オーフェリアを除けば)懐いている。どうしたものか·······

 

ギャスパー「か、カルナは可愛い妹だから。ね?」

 

カルナ「······ならいいもん」

 

そう言ってギャスパーから離れるカルナだが、黒歌をジト目で見ていた。

 

黒歌「······大人気ないと言われようが負ける気はないにゃ」

 

カルナ「·······カルナだって負けないもん」

 

2人の間から火花が散っているように見えた。というか、カルナはどこで知ったんだ。メリオダスか?いや、違うか流石に·····

 

黒歌「······ぐぬぬ·····この前来た時ギャスパーに会ったことを喋ったのは間違いだったかにゃ······!」

 

·······お前かよ。何故率先して墓穴を掘るんだ······

 

カルナ「ふんだ」

 

ギャスパー「お、落ち着いて2人とも·····」

 

黒歌・カルナ「「ギャスパー(兄)は黙ってて!!」」

 

ギャスパー「」

 

 

そしてまた何やら言い合いを始める2人。

 

それを微笑ましく見守るオーフェリアとヴァーリ。興味なさそうに木の実を食べ始めたミカ。クスクス笑いながら見ているクルル。俺もこのわちゃわちゃをもう暫く見ていたいとは思うが、ここは病院なのでそろそろ止めに入るか。

 

八幡「······あ〜はいはいそこまで。騒ぎすぎるとオーフェリアの体に障る」

 

カルナ・黒歌「「ごめんなさい(にゃ)······」」

 

八幡「それ以前にここは病院だからな?」

 

カルナ・黒歌「「·······あ」」

 

忘れないでくれ······

 

オーフェリア【私の体なら大丈夫だから気にしないで】

 

ヴァーリ「姉さんはちょっとは気にしてくれ」

 

クルル「全くね。もっと気にしなさい。バチが当たるわけでもないのに」

 

「オーフェリアさーん。検査のお時間ですよー」

 

オーフェリアの検査の時間が来てしまったようだ。

 

 

その後、オーフェリアの検査が終わると、また他愛のない話を楽しみ、カルナが疲れて眠ってしまったのでその場はお開きになった。ミカは、普段は孤児院の警備をしているので孤児院に戻っていった。

 

 

 

 





クルルがおばあちゃんと呼ばれるのに反感をもつ人は多そうですが、原作でも1000歳以上だし、子供が産める体+パートナーがいる、なら孫ぐらい普通にいそうだと思います。


過去編の時系列まとめ

原作12年前:八幡とクルル、オーフェリアとヴァーリを引き取る。カルナ誕生。

原作9年前:ヴァーリが禁手に至る。この頃にはヴァーリは八幡と本格的な修行をしている。

原作7年前:ギャスパーを引き取る。時間はかかるもギャスパーは八幡達を家族として信頼出来るようになる。

原作6年前:ギャスパーが黒歌を拾ってくる。そのままはぐれ認定を取
り消し、黒歌は『僧侶』として八幡の眷属入り。

原作3年前:ある事情により、八幡はギャスパーをサーゼクスに預け る。過去編には書かなかったが、これと同時期(正確にギャスパーをサーゼクスに預ける二日前)にヴァーリは自身を白龍皇として『神を見張る者(グリゴリ)』に売り込んだ(この頃から戦闘狂になり始める。アザゼルの影響)。


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